東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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フォーメーション

 クリアナイト(黒幕子のチーム)
        藍
   玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
    玉兎 幽々子 ラルバ
    ルナサ メルラン リリカ

        フナ   魔理沙
  シラウオ キクラゲ 早苗 ラック
 サバミ リード  エリィ   文
        橙
 コチヤーズ(早苗のチーム)


  五十 話 式神・橙

 コチヤーズ対クリアナイト第四試合の前半6分頃、妖夢はコチヤーズベンチの端に座った。隣には目を滲ませている妖精イヨカがいた。前に立つアキスが妖夢に触れようと手を近付けるも、触れる瞬間で止めた。

(あの無鉄砲なアキスさんが妖夢に話しかけるのを躊躇った……)

「戦いたかった……最後まで勝利に貢献したかった……!!」

「妖夢! 絶対勝つから待ってて!」

 妖夢がうなだれながら地面に雫を落としたことを見たアキスは少し大きな声で呼びかけ、妖夢の頭を優しく撫でて着席した。

 前半8分頃、ドリブルでサイドを駆け上がるエタニティラルバの前に射命丸文と早苗が並んで風をまとう片足を振り上げる。

「ダブルサイクロン!!」

 エタニティラルバは横に回りながら上へと吹き飛ばされ、射命丸文はボールを胸でトラップした。

「妖夢さんの無念……晴らすためにも……」

 射命丸文は二人の玉兎にマークされている魔理沙を確認する。

「必ず勝つ!」

 射命丸文は前方の魔理沙に向かってボールを蹴り出した。魔理沙は二人の玉兎による厳しいマークに対してジャンプで対応し、右足に水色のエネルギーをまとわせた。

「すいせいシュート!」

 魔理沙はボールを思い切り蹴り、黄色に輝く小さな星屑と共にゴールを襲い始める。

「妖狐ダッキ」

 八雲藍の背中から青と黒のオーラが噴き出し、後頭部に五本の大きな尻尾がぶら下がる。髪型は十本の小さな尻尾でできたボサボサ頭、手は黒い獣の形状、紫色の着物を着て赤い帯で巻物を固定した女形の化身――妖狐ダッキが姿を現した。

「シキガミラインズ」

 八雲藍は二拍手をし、妖狐ダッキの手から可愛らしい赤と黄色の式神を一直線にボールへ放った。威力を無くしたボールは八雲藍の二つの掌の上に落ちた。

「だめか……!」

 前半10分頃、幽々子とキクラゲのピンクのボブヘアの幽々子とキクラゲが対峙していた。

「そっちがピンクの亡霊ならこっちはピンクのキノコだ! 抜き去れ!」

 サバミは声をかけると、キクラゲはドリブルで幽々子の横を抜き去ろうとした。その瞬間、幽々子は紫のオーラをまとった左手を地面にたたきつける。

「おんりょう」

 キクラゲの地面からいくつもの黒い手が出現して両足を抑えた。

「えぇ〜!? なにこれ〜!?」

 幽々子は悠々と抜き去り、ドリブルで進む。

「行かせませんよ!」

 早苗がボールを奪いに幽々子に迫ると、幽々子の背中から青と黒のオーラが噴き出した。

「けっ……化身!?」

 オーラはショートの金髪に赤い帽子を被り、体が赤とピンクの女形で黄色い杖を持ち、ピンク色の羽でできたマントを着けている化身――魅惑のダラマンローズへと姿を変えた。

「ダンシングゴースト」

 幽々子の地面に紫色の魔法陣が出現、そして魅惑のダラマンローズが持つ杖からいくつもの紫色の人魂のようなもので早苗を捕まえて空中に浮かした。幽々子は早苗を抜き去って紫色の人魂は弾けて消えた。早苗は地面に倒れ込んだ。幽々子は化身を消した。

「キャプテン! 大丈夫か!?」

 ラックが早苗にそう声をかけると、早苗はすぐさま立ち上がった。

「大丈夫です……」

 早苗が返事した直後、エタニティラルバがボールを受け、激しい横回転をかけながら上に蹴り上げた。とぐろを巻くように上昇するボールに幽々子は蹴りを入れた。オレンジ色の火花が飛び散り、幽々子がボールを真下の地面へと叩き落とした。

「春雷!」

 黒い雷雲がボールが落下した地点から発生し、紫色の雷をまとったボールが速い速度で一直線にゴールを襲い始める。

「橙!!」

 チームメイトからの叫びに頷いた橙は右手に力を入れ、二回横回転をして右手を振り上げて地面を這う黄色い縦の斬撃を出した。紫色の雷をまとったボールが斬撃に激突した。

「頑張れーー!!」

 エリィは応援するも、斬撃にヒビが入って砕かれた。勢いを殺せなかった橙は両手でボールをつかむも、押し切られてゴールネットを揺らした。

「ゴール!! またしてもクリアナイト先制です!!」

「大丈夫!?」

 心配そうな表情のエリィはそう呼びかけ、コチヤーズのディフェンス陣が一斉にゴール前に集まる。

「ううっ……ごめんにゃあ……」

「気にしないで! 魔理沙さんとかが返してくれるから!」

 エリィは励ましの言葉を送り、優しく橙の背中をさすった。

 前半15分頃、魔理沙はゴール前まで上がっていた。

「これで同点だ!」

 魔理沙は右足を後ろに振り上げ、水色のエネルギーをボールにまとわせて上空へ蹴り上げた。水色の小さな銀河が現れ、魔理沙がジャンプして右足で力強く蹴った。

「流星ブレード!」

 黄色・青の配色で流れ星のようにゴールを襲う。その時、八雲藍は一拍手をして両手を横に広げた。

「サクリファイス」

 八雲藍の目の前に大きな円形の青い魔法陣が出現、その魔法陣から橙が出現した。

「うぐっ……!!」

 橙の腹部にボールが激突し、勢いで橙はボールと共にゴールネットに押し込まれ、審判の得点の笛が響いた。

「橙!?」

 クリアナイトのゴール内にいる橙の元に魔理沙・フナ・エリィが駆け寄った。

「な……何が起こったにゃあ……?」

「ま……まさかこういう技なのか!?」

「敵の一人を呼び出して……なんて非道な技なんでしょう……」

「許せない……!!」

 エリィは怒りを露わにし、ベンチの前に立つ黒幕子を睨んだ。

「藍様……」

 橙が静かに呟くと、八雲藍は無表情で前を見つめるだけだった。

「大丈夫か? 橙」

 魔理沙の問いかけに頷いた橙は立ち上がろうと足を動かした。

「肩を貸して、ゆっくり戻ろう」

 エリィの提案でフナと共に橙を支えるように肩を組んだ。

「まだやれるか、橙」

「う……痛いにゃあ……でも頑張る!」

「……すまんな! パワーが強くて!」

 魔理沙は苦笑いでそう言うと、エリィは膨れっ面をした。

「ふざけてる場合じゃないですよ! 負傷交代してほしいのに……!」

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