東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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フォーメーション

 クリアナイト(黒幕子のチーム)
        藍
   玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
    玉兎 幽々子 ラルバ
    ルナサ メルラン リリカ

        フナ   魔理沙
  シラウオ キクラゲ 早苗 ラック
 サバミ リード  エリィ   文
        橙
 コチヤーズ(早苗のチーム)


  五十三話 猫の声援

 コチヤーズ対クリアナイト第四試合の後半17分頃、プリズムリバー三姉妹は三人同時にボールを踏みつけ、跳び上がって再び叩きつけた。  

「デスゾーン2!!」

 ボールは巨大な紫色の塊と化し、ゴールに重々しく迫り始めた。

「ウォーターフォール!!」

 ボールの前に立ったリードシクティスはバンザイをすると、リードシクティスの足元から小岩が浮き上り、その付近に巨大な滝が出現した。ボールは激しい滝の水圧にのみ込まれ、完全に威力を失った。

「ナイスシクティスさん!!」

 サバミは笑顔でリードシクティスにそう呼びかけると、付近にいるエリィは大きく息を吸った。

「ちょっと待ってください!!」

 エリィの叫びにリードシクティスが足を止める。

「なんですか?」

「橙が……」

 リードシクティスは背後を確認すると、橙がゴールの端で怯えるようにしゃがんでうずくまっていた。

「え……大丈夫ですか!?」

 橙は体を震わせながら顔を上げ、前に踏み出した。明らかに何かに怯えているようだった。

「多分橙は水を怖がったのだと思います」

「あっ! すみませんでした!」

 リードシクティスは橙に向けて頭を下げて謝罪した。橙は冷や汗を流しながらも笑顔を向ける。

「大丈夫! 止めてくれてありがとう!」

 後半20分頃、前線を走る魔理沙にボールが渡った。

「またダジャレを言わなきゃ……」

 前を走りながらエリィはそう呟くと、ゴール前に立つ橙が大きく息を吸う。

「エリィ! 私の心配はいらないから!」

「えぇ……でも……!」

 エリィは背後を振り返ってそう言うと、空中に跳んだ魔理沙がボールを蹴り、小さい銀河を作った。

「流星ブレード!!」

「あぁ!!」

 表情にショックが現れたエリィ、両手で頬を抑え、相手ゴールを見つめた。

「サクリファイス!」

 八雲藍は両手を広げ、青い魔法陣が出現した。

「出たー! 非道なる技サクリファイス! 橙選手は大丈夫なのでしょうか!?」

 青い魔法陣から橙が出現し、目と鼻の先にボールが迫っている状況になった。

「これでどうにゃあ!」

 橙は後ろに跳び、腹でボールを受けた。

「決まれ!」

 魔理沙はそう叫ぶも、八雲藍は背後から橙の背中を両手で抑えた。

「なっ……!」

 コチヤーズメンバーのほとんどが一瞬驚いた。背中を抑えられた橙は魔理沙の流星ブレードの威力がなくなるまで受け続けた。

「う……!! 藍様……!! 痛い……!! 止めて……!!」

 数十秒間、猛烈な勢いで橙にぶつかり続けたボールは上に弾かれ、得点には至らなかった。そして橙は地面にうつ伏せに倒れた。

「そ……そんな……橙……」

 絶望の表情のエリィは橙の元に向かって走り始めた。その時、主審が胸ポケットからイエローカードを取り出して八雲藍に向けた。

「クリアナイトのキーパー藍選手……さすがにイエローカードもらいました……! 一方でコチヤーズのキーパー橙選手は大丈夫でしょうか……!」

 橙の元にフナと魔理沙が駆け寄り、魔理沙が倒れている橙を揺さぶる。

「駄目だ! ピクリとも動かない……! まいったな……」

(大変だ! ホワイトがピクリとも動かない!)

 呼吸が荒くなっているエリィの脳内にとある大人の男性の声が響いてきた。

「や……止めて……し……死なないでーー!! 死なないでーー!! うわぁぁぁ!!」

 エリィは泣き叫び、数秒後に魂が抜けたように目を閉じ、うつ伏せに倒れた。

 後半22分頃、仰向けに倒れている橙の脳内に、八雲藍が優しい微笑みで自身の頭を撫でる光景が浮かんだ。

「ら……藍様……」

 意識を取り戻した様子の橙は地面に右手をついて立ち上がろうと動き出した。

「橙!? 大丈夫か!?」

 橙の周りにはそう呼びかけた魔理沙・フナ・シラウオ・ラックがいた。

「大丈夫……ゴール前に戻らなきゃ……」

 ゆっくり立ち上がった橙はフナとシラウオに肩を組まれ、歩き始める。

「監督から交代の指示はなかったけど……本当に行けるの?」

 フナからの問いかけに橙は頷いた。

「エリィーー!! 橙は立ったぞーー!! 立てーー!! エリィーー!!」

 ラックは大声でメンバーに囲まれて仰向けに倒れているエリィに向かってそう叫んだ。

「ニャーー!!」

 突然、その場に猫の鳴き声が響いた。フィールドにいるコチヤーズメンバーは鳴き声がした方向を見ると、タッチラインの前にエリィが飼っているオレンジ、クリーム、ブルー、グレー、そして四頭のあいだにブラウンを右肩に乗せている八雲紫がいた。

「起きてちょうだい……エリィ!」

 八雲紫の必死の叫びを聞いたサバミは意識を失ったエリィをお姫様抱っこで持ち上げ、鳴き続ける猫たちの元へ歩き始めた。

「ニャー! ニャー!」

 エリィは飼っている猫に近付くたびに指先が動いていった。そしてサバミが猫の目の前に立った時、エリィは静かに目が開く。

「エリィ、やっと起きたわ〜」

「紫さん……ごめんなさい……」

「謝るべきかはまだ分からないわよ。試合はまだ終わってないから」

「し……試合!?」

 エリィは体を激しく動かしてもがき始める。

「うわっ!?」

 サバミはエリィを降ろし、キリッとした表情のエリィは立ち上がった。

「紫さん! ブラウン! オレンジ! クリーム! ブルー! グレー! ありがとう! 行ってきます!」

「いってらっしゃい」

 微笑みながら八雲紫は手を振り、フィールドを走るエリィを見送る。

「エリィさん! もう大丈夫なんですか!?」

 リードシクティスからの問いかけに頷いたエリィは橙の元に駆け寄った。

「大丈夫! 橙!?」

「大丈夫! まだまだやれる!」

「う……うん……」

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