東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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  五十九話 第五試合、キックオフ

 サッカースタジアムのコチヤーズのミーティングルームでは、ホワイトボードに立っていた異世界出身のヤマメとアシカが席に着いた。

「さすがにここに来たばかりの触手姉妹は観戦だな」

 ホワイトボードの前に立つサバミはそう言うと、橙の隣の席に座る八雲藍は驚きの表情に変わった。

「え!? ちょっと待ってください! サバミさんがキーパーを連れてくるって言ってたので、橙はFWの選手にしてしまいましたよ!」

「な……なんだってー!?」

 サバミは叫び声を上げ、しゃがみ込んでうなだれた。

「まさか……私が説得している間に橙がFWの選手になっていただなんて……しかもシクティスさんが世界の管理のためにいないし……」

「お姉ちゃん? リード様も出ないの?」

 カサゴの質問を受けたサバミは暗い表情のまま立ち上がる。

「あぁ……世界の安定のために今日ははずせねぇんだ……」

 サバミは気合に満ちた表情に変わってヤマメを指差した。

「こうなったらヤマメ! お前がキーパーをやるんだ!」

(ヤマメさんがキーパー……やってくれるのかな……)

 フナは内心そう呟くと、ヤマメは両手を合わせて笑顔に変わった。

「やるー!」

「おっ! やってくれるか!」

「宝石のために気合あるから!」

「よし! 任せた!」

 笑顔に変わったサバミはヤマメの肩に手を乗せた。

「ほんとにお姉ちゃんでいいの? まっったく使い物にならないと思うけど」

 アシカの言葉でヤマメはムッとした顔付きを妹のアシカに向ける。

「私はやれる系よ!」

「お姉ちゃんわね、のんびりだらけ系よ!」

「ひどいわ!」

 ヤマメは暗い表情に変わった。

「こらアシカ! 姉の機嫌を損ねる発言を止めなさい!」

 サバミはアシカに注意すると、アシカはそっぽを向いた。

「ふ〜ん! ほんとのことだもん!」

「他にキーパーがいないって言っただろ……やれるな! ヤマメ!」

「うん!」

 数十分後、サッカースタジアムのメインコートにはコチヤーズが集まっていた。既にクリアナイトベンチ前には黒幕子と十一人が立っていた。クリアナイトのメンバーは全員低身長で背中に羽根を生やしている妖精だった。

「今回の対戦相手は……全員妖精のようですね」

 射命丸文はそう言って魔理沙は微笑む。

「今日の試合は楽に勝てそうだな」

 そう言った魔理沙の目線の先には、髪がショート水色で大きめな青いリボンが後頭部にあって背中の羽根が氷で出来ているチルノ、緑色ショートにサイドテールがある大妖精、オレンジショートでツーサイドアップのサニーミルク、白い帽子をかぶって亜麻色で縦ロールが左右に3つずつあるルナチャイルド、黒髪ロングで頭に青いリボンをつけているスターサファイア、金髪ロングで紫色で白い水玉模様で緑の小さい球が三つついている帽子をかぶるクラウンピースと、他の妖精五名がいた。

「油断するなよ魔理沙、操ってる本人はめちゃ強いからな」

「それは分かってるが、月の民よりはマシだぜ」

 魔理沙はサバミの言葉にそう返すと、フナはクリアナイトベンチを指差す。そこには火のついたたいまつを持っていた、

「あれは恐らく、クラウンピースのたいまつですね」

 射命丸文はそう説明した。

 黒いユニフォームを身にまとい、左腕には白いキャプテンマークが付けられているチルノがキーパー、大妖精と妖精二人がDFのポジション、妖精三人がMF、クラウンピースとサニーミルクとスターサファイアとルナチャイルドがFWのポジションについていた。一方、コチヤーズはアキスと橙のツートップ、MFはシラウオと魔理沙と早苗とフナ、DFはサバミとラックとエリィと射命丸文、そしてキーパーは異世界出身のヤマメのポジションについていた。

「さぁやってまいりました! コチヤーズ対クリアナイト第五試合の時間です!」

 ベンチ間で棒マイクを持って立っている兎耳で異世界出身のカナは元気よくそう言うと、審判によるコイントス終了後、橙とアキスがボールが置いてあるセンターサークルに並ぶ。

「橙、大丈夫そう?」

「もちろん!」

 橙はアキスに元気よく返事をすると、審判の試合開始を告げる笛の音を響かせた。

「今! キックオフ!」

「橙!」

 アキスは橙に渡すと、橙は前にドリブルで走り始める。

「おっとー! いきなり橙が飛び出しましたが、大丈夫なのでしょうかー!?」

 橙は次々と妖精たちをドリブルテクニックで抜いていった。コチヤーズベンチの端に座るカサゴは呆然と橙のプレーを見ていると、隣に座るアシカの更に隣に座る八雲藍が不敵に微笑んだ。

「凄いでしょう監督……しかし! ただ走るだけではありません。橙はパスも出来ますよ!」

「え……えぇ……」

 大妖精と妖精二人に囲む橙は斜め後ろの方向を向き、アキスにパスした。

「ほら見てください! ボールを取られそうになってもパスできますよ!」

「うるさいわね……当たり前のことでしょう?」

 ムスッとした表情のアシカはそう言われた八雲藍は睨みつける。

(当たり前だけどサバミさんの魔法なしであのプレーは凄いな……)

 カサゴが内心そう思うと、八雲藍とアシカが互いに頬をつねり始めた。

「いきなりケンカは止めてください……! あっ! アキスさんがシュートしそうですよ!」

 カサゴはフィールド前線を指差すと、紅葉の葉が舞う中で振り上げたアキスの右足先から黄色の刀が出現した。

「伝来宝刀!」

 アキスは黄色の刀でボールを蹴り上げ、斬撃と化したボールがチルノに襲いかかった。

「コチヤーズ! いきなり先制かー!?」

 無表情のチルノは右拳を前に突き出し、開いた掌から大きな氷の結晶を出現させた。

「クリスタルバリア!」

 黄色い斬撃は氷の結晶と激突、やがてボールの勢いがなくなって氷漬けにされて地面に落ちた。

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