東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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フォーメーション

 クリアナイト(黒幕子のチーム)
         正邪
   玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
   玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
      玉兎 玉兎

     リード  魔理沙
   シラウオ フナ  キクラゲ 咲夜
   文  妖夢  早苗 アキス
          ラック
 コチヤーズ(早苗のチーム)


    六話 不調のリードシクティス

 魔理沙が『禁止技だろ』とツッコんでから数秒後、正邪のゴールキックで試合が再開された。一方でベンチに座るカサゴは膝の上で拳を握りしめ、不安気な表情でフィールドを見つめていた。

「ゴールずらし……まさかあの必殺技が出てくるなんて……」

 カサゴはすぐ左に誰かが座って体がビクンと跳ね、素早く左を振り向く。そこには、薄茶色のロングヘアを先端で一つにまとめ、頭に少しねじれた二本の角を生やしている伊吹萃香が不思議そうにフィールドを見ていた。

「だ、誰ですか!? あなたは!?」

「んん……? お前こそ見かけない顔だなぁ」

「わ、私の名前はカサゴです……このイベントは超次元サッカーっていう……」

 緊張気味のカサゴが自己紹介を終えると、萃香はさらに不思議な表情に変わって首をかしげた。

「なんだそりゃ?」

「ほぼなんでもありのサッカーです! アニメを観ていたら急にスイカが出てきたりとかしてたんです……! スイカが足元に転がっていて……」

 萃香はしかめっ面をカサゴに向けた。

「……え?」

「え……?」

 カサゴは怯えながら萃香を見つめた。二人は数秒間、無言のまま互いを見つめあっていると、マイクを握るカナが大きく息を吸った。

「おっとー! またゴールずらしでノーゴールだー!」

「と、とにかく見ててください!」

 カサゴは慌ててフィールドを指差した。フィールドではクリアナイトのゴールキックで試合が再開していて、落下したボールをキクラゲが少し慌てるように受け止めた。

「お〜っとっと〜……」

 キクラゲの隙を突くように玉兎が素早く迫り、ボールを奪い取る。キクラゲは笑顔を後ろに向けた。

「ごめんね〜」

「『ごめんね〜』じゃない! ちゃんとやれ! キクラゲ!」

 ラックが前方に向けて怒鳴った瞬間、黒髪ショートに赤い頭襟をかぶる射命丸文が風のように駆け抜け、玉兎からボールを奪い返した。

「シラウオさん!」

 射命丸文は鋭いパスを繰り出し、シラウオへとボールを送る。シラウオは無表情のままボールを受けて軽やかな動きで玉兎一人を抜き去る。さらに前へと駆け上がってクロスを上げるも、考えることに夢中のリードシクティスの頭上スレスレをボールが通過した。

(シュートを撃っても、またゴールずらしで無効化される……どうすれば……あっ!)

「おい、リード!」

 リードシクティスの少し後ろにいる魔理沙の一言が発せられる時、ボールは右サイドにいるアキスへと渡った。アキスは右足を大きく振り上げると、右足が黄色に輝く刀へと変化した。

「伝来宝刀!」

 アキスは刀と化した足でボールを蹴ると、ボールは黄色の斬撃をまとい、ゴールへとゆっくり突き進む。さらにアキスは右手でスパッツのポケットから紅葉の葉っぱを取り出し、辺りにばらまいた。

「これでよし!」

 アキスは自信満々に微笑むも、正邪が横からゴールポストに体当たりし、ゴールが横にずれる。黄色の斬撃は空しくラインの外を通り、ネットを揺らすことはなかった。

「えー……」

「二十一歳同士の奇跡的な横の長いパスは不発に終わったー!」

「無闇に必殺技使うな、アキス」

 魔理沙が冷静にアキスに注意する。その時、リードシクティスが新たな作戦を思いつき、魔理沙にそっと近付いた。

「魔理沙さん、パワーよりスピードで攻めましょう。私が必殺シュートを撃つふりをして、魔理沙の頭にパスを送ります。それでヘディングで……」

「う〜ん……パワーよりスピードって響きが嫌だな。却下するぜ」

「えぇ……!?」

 リードシクティスは絶望といった表情に変わった。

「とにかく、リードさんが決めてくれるまで作戦を続けましょう!」

 キャプテン早苗が力強く呼びかけると、コチヤーズの選手達は一斉に頷いた。しかし、頷いたメンバー全員が暗い表情をしていた。

(それでも……今はリードさんに賭けるしかない……)

 内心そう言ったシラウオは無表情ながらも唇を噛み締めた。そして正邪のゴールキックで試合が再開。妖夢がボールを受け取り、咲夜を確認。

「咲夜さん!」

 妖夢は咲夜へパスを送る。ボールを受けた咲夜はドリブルで前進していき、選手の玉兎が猛スピードで迫ってきた。咲夜は右手をスパッツのポケットに突っ込んで人一人隠せる布を取り出した。

「マジック」

 咲夜は布を広げて自身の姿を覆い、数秒後に布はストンと人工芝に落ちる。その時すでに咲夜は玉兎を抜き去っていた。

「いい加減決めてよね」

 そう呟いた咲夜はリードシクティスへ高くクロスを上げる。リードシクティスはボールを見上げながら前線を走っていた。

(私は……異世界を管理する創造神として必ず決めてみせます……!)

 地面から恐竜の化石を出現し、覚悟が表情に出たリードシクティスは化石を踏んで二段ジャンプを決め、水色のエネルギーをまとったシュートを放つ。しかし、またしてもボールはゴールを外れ、化石は音を立てて崩れて消えた。

「す……すみません……!」

 リードシクティスの謝罪でコチヤーズサイドのフィールドに重い沈黙が広がった。

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