東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話 作:みかづき椛
射命丸文、八雲藍、橙、リードシクティス、シラウオ、アキス、サバミ、アシカはリードシクティスの異世界転移の魔法でとても大きくきらびやかな道場の前に瞬間移動した。
「あれ……? 一人分余計に魔力を消費したような……」
リードシクティスはそう呟くと、道場の入口から薄緑色のボブヘアに黒い烏帽子のようなものをかぶり、濃緑色のロングスカートのワンピースを着て、足が幽霊のようである蘇我屠自古が出てくる。
「おい! お前らはなんだ!」
「あっ! すみません! 事情を話しまーす!」
慌てるようにリードシクティスはそう言って屠自古に近付いた。
◆
数十分後、道場内の部屋に移動しているコチヤーズメンバー8人は屠自古とツノのような二つの尖ったものがある金髪ボブの頭に耳を当てる部分の両方に和の一文字があるヘッドホンをつけ、白い服と紫色のスカート、表が赤で裏が青のマントをまとって、太陽の模様がついている剣を腰に下げている豊聡耳神子と話をしていた。
「君たちが黒幕子と名乗る者と超次元サッカーで対決していたことは聞いていた。屠自古は攫われなかったが、昨日布都が行方不明になり、恐らく奴の仕業だと考えていたところ君たちが来たのだ」
神子はそう言うと、屠自古は自信満々な表情でコチヤーズメンバーの前まで進み出る。
「この通り霊体で足がないからな!」
「確かに屠自古さんは絶対に攫われませんね……」
射命丸文はボソッとそう言うと、サバミが神子にのマントに顔を近付けた。
「いつもマントつけてるんですか?」
「不審者になってますよ」
リードシクティスはボソッと注意すると、アシカが神子の頭を注目する。
「あなた……なによそのツノ……かっこいいと思ってるの……?」
「太子様に失礼だぞ愚か者!」
屠自古とアシカは睨み合い、殺伐とした空気が流れ始めた。
「太子様……?」
「まぁまぁ姉さん。アシカはツンしかないワサビみたいな性格だから我慢してくれ」
サバミは屠自古をなだめようとするも、アシカの表情がさらに険しくなっていった。
「幽霊ならさっさと成仏しなさいよ!」
「アシカちゃん! 屠自古さんは電撃を使いますよ!」
早苗はそう注意すると、神子はため息をつく。
「落ち着くんだ屠自古」
神子はアシカを睨みつけた。
「君たち、騒がしくするだけなら帰ってもらおうか」
「うっ……すみません……」
アシカ以外のコチヤーズメンバーが謝罪すると、サバミが怪しげな笑みを浮かべながら神子に近付いていった。
「いや〜うちのアシカがすみません。ここに来たのは神子さんとアシカでなまら指揮れるゲームメイカーを育てたくてですね……」
「何を言っているか分からんぞ!」
「ふっふっふ……説明してやるぜ!」
◆
一時間後、道場内の廊下を移動している屠自古は小言をブツブツと呟いていた。
「全く……あの小娘は……生意気さなら布都と引けを取らんぞ」
扉の前で屠自古は止まる。
「太子様とアシカはふたりきりで部屋に入っていった……太子様は『心配はいらない』と言っていたがどうしても気になる!」
屠自古は勢いよく扉を開けると、部屋で二枚貝のような形の機械の3DSとタッチペンを持つアシカと神子が熱心にゲームをしている光景が広がっていた。屠自古はしばらく声も出せず固まり、数秒間にそっと扉を閉めた。
「……ってちょっと待ったーー!!」
勢いよく扉を開け直した屠自古は部屋に入り、神子が持つ3DSの画面を覗いた。
「太子様……それはまさか……」
「あぁ、イナズマイレブンだ。司令塔をやるからには実際に遊んだ方がいいからな。屠自古もやるか? 3やるならスパークだぞ」
「やりませんよ……それより、なんで太子様も……?」
「私はアシカと仲良くした方が良いと言われてな」
屠自古の表情はふくれっ面に変わる。
「太子様が付き合う必要はないと思うが……」
「もう……耳障りだから部屋から出ていって。試合中よ」
「変なことを絶対にするな!」
屠自古はアシカに向かって怒鳴り、荒々しく部屋を出た。
「太子様……気になっていたんだけど、あなたは何者なの? あだ名が太子様って……」
「気になるか?」
「べ……別に」
「ならば当ててみよ。人を見抜くのが大事なのだろ?」
アシカは息を飲む。
「質問はいいかしら」
「構わん。ただし一つだけだ」
「そのヘッドホンは曲が流れているの?」
質問を受けた神子は首を横に振った。
「私はね、地球の歴史を勉強したことがあるのよ。違うと思うけど転生した聖徳太子とかかしら。そのヘッドホンは聞こえすぎるのが嫌で付けているとか……」
「ほぅ……正解だ」
神子の言葉にアシカは一瞬驚いた。
「はぁ〜!? 正解ですって!?」
「そうだ」
「信じられない! 冗談!?」
「冗談ではないぞ」
この時、神子の脳内にサバミが映り込む。
「神子さん! アシカに自身のオーラを分ける許可をください!」
「話は分かった。しかし、私のオーラを受けるに相応しいか見極めさせてもらおうか」
「ありがとうございます! お願いします!」
神子は脳内でサバミとの会話を振り返るのをやめて微笑んだ。