東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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フォーメーション

 クリアナイト(黒幕子のチーム)
         正邪
   玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
   玉兎 玉兎 玉兎 玉兎
      玉兎 玉兎

     リード  魔理沙
   シラウオ フナ  キクラゲ 咲夜
   文  妖夢  早苗 アキス
          ラック
 コチヤーズ(早苗のチーム)


    七話 膠着状態

 正邪のゴールキックで試合が再び動き出し、ボールはキクラゲが受けると、玉兎が残像を残しながら突進し、飛び上がった。

「ワンダートラップ!」

 飛び上がった玉兎は消えるように素早くスライディングしてキクラゲからボールを奪った。

「あら~」

「キクラゲが魔力の圧をかける前にボールを奪ったか」

 ラックがそう呟いた時、ボールを奪った玉兎は中盤の玉兎へパスを送る。ドリブルで突進する玉兎に向け、妖夢が全力で立ちはだかる。

「止めます!」

 玉兎は左手で左胸を抑え、輝く光を放つ。

「アグレッシブビート!」

 光は心臓の鼓動を模した心電図のような波形を描き、妖夢を一瞬で抜き去った。

「これは……波長!?」

 玉兎は近くのFWの玉兎へパスを送る。ボールを受けた玉兎は、軽快に前転、後転を繰り返し、ボールを高く蹴り上げる。玉兎の背後には月の景色が浮かび上がった。

「バウンサーラビット!」

 玉兎は宙で頭を下にし、右足でボールを振り下ろす。ボールは地面を何度もバウンドしながら、ゴールに襲いかかった。

「この程度なら止めてやる!」

 ラックは両手を広げ、ボールを受け止める。強烈な衝撃に押され、人工芝を滑りながら後退する。

「ぐっ……! 決めさせるか!」

 全身に力を込めたラックはボールの軌道を上へ逸らす。ボールはゴールバーを越えてゴールの後ろに落ちた。すると、コチヤーズベンチに座るカサゴは頭を抱えた。

「うわああ……実況は何のこと言ってるか分からない……お姉ちゃんはなんでいないのー!?」

「今いないやつを気にしても意味ないんじゃないのか?」

 萃香にそう言われたカサゴはうつむいた。

「あぁ……誰か豪炎寺みたいにカッコよく決められるストライカーがいれば……」

「ごうえんじ?」

「はい……ファイアトルネードがかっこいいんです……」

 萃香はカサゴの背中を右手でポンと叩いた。

「もっと仲間を信じてやれ〜」

「確かに……すみませんでした……」

 開幕戦が始まる数分前、真剣な表情のリードシクティスと真顔の咲夜は二人きりで向かい合っていた。

「どうしたの? 私と二人きりで話すなんて」

「あなたの能力について、話しておきたいことがあります……」

「……大体察しがついたわ。時間を操る能力が強すぎるから、規制が入ったのね?」

「はい。禁止事項がいくつかできました。まず、時間を操作しているときにボールに触れてしまったら退場です」

「厳しいわね」

「そして相手の必殺技、必殺タクティクス、化身発動、化身アームド中、フリーキックの最中に時間を操っても退場になります」

「……なるほど」

「ちなみに、能力を使った必殺技なら、今言った二つのルールを違反していても問題ありません」

 リードシクティスが補足すると、咲夜の目が一瞬だけ揺れた。

「え? 時間を操る必殺技なんてあるの?」

「あるかもしれません」

 咲夜は軽く微笑んだ。

「お互い大変ね」

 コチヤーズとクリアナイトとの試合は後半20分が経過。いまだ0−0の膠着状態が続き、クリアナイトの選手である玉兎がドリブルで迫っていた。

「止める!」

 妖夢が意気込み、ジャンプして全身を横に回転させた。妖夢の足から放たれた三連の斬撃がボールを持った玉兎に直撃する。

「スピニングカット!」

「妖夢選手がアレス版のスピニングカットで相手選手を吹き飛ばしたー!」

 妖夢はボールを奪い、キクラゲにパスを試みるも、コントロールを誤って玉兎に拾われた。

「どうした!? 先程からコチヤーズのミスが目立つぞー!」

「……まだ慣れませんね」

 玉兎は無回転のロングシュートを放ち、ボールは不規則な軌道でゴールに迫る。

(くそ……! 一か八か飛んでみるか……!?)

 ラックがジャンプしようとした時、瞬間的に移動した咲夜がゴール前に立ち、右足でシュートを弾き返した。

 玉兎の無回転シュートをクールに蹴り返した咲夜は背後に立つラックに視線を移した。

「あなたはパワーのある必殺技に集中しておいて」

「すまん! そうさせてもらう!」

 ラックがそう応じた時、咲夜が弾いたボールが別の玉兎に渡った。

「クイックドロウ!」

 真剣な表情のフナは驚異的な瞬発力で玉兎からボールを奪い、素早く前進すると、姉のシラウオに視線を移した。

「お姉ちゃん!」

 フナはシラウオへパスを送るも、ジャンプした別の玉兎にカットされてしまう。

「うっ……!」

 ベンチに座るカサゴはフィールドを見つめながら祈るように両手を握っていた。

(みんな……疲れてパワーもスピードも正確さも落ちているんだ……! FWにボールが全然集まらない……!)

「何やってるんですか、フナ!」

 射命丸文が怒りの表情で風をまとった右足をボールをカットした玉兎に向かって振り上げる。

「サイクロン!」

 射命丸文の右足から上昇する風が吹き、玉兎を吹き飛ばす。浮いたボールを文が胸でトラップしてシラウオへパスを送る。しかし、またしても玉兎にカットされてしまう。

「文さんもミスってるじゃないですか!」

 射命丸文は唇を噛んでうつむいた。

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