東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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  八十五話 竹と茗荷

 コチヤーズ対クリアナイトの第六試合を終えた日から翌日の朝、ベッドで布団をかぶって横になっているアシカがいる簡素な部屋に早苗が明るい表情で入って来た。

「アシカちゃん! 姉のヤマメさんみたいにぐうたら女になりますよ!」

「うぅ……もうやりたくない〜!」

 数分後、早苗がぐったりと肩と頭を下ろしながらアシカの部屋の扉から出てきた。扉の前に魔理沙とサバミが待ち構えていた。

「キャプテンでも駄目だったか……なら私が行くか」

 サバミは扉に左手を伸ばすも、魔理沙に腕をつかまれる。

「サバミは余計なこと言うって言われてただろ」

「最終手段として姉のヤマメを呼ぶか……なんか嫉妬してるっぽかったが……」

「なるほどなぁ……じゃあ逆に呼んだ方がいいな」

「なんでだよ」

 数十分後、魔理沙とサバミはキーパーが特訓するフィールドにいる異世界出身のヤマメの元に姿を現した。

「ヤマメ、特訓中でちょっと悪いんだけど妹を励ましに行ってくれないか?」

「分かった〜!」

 ユニフォーム姿のヤマメは出口に向かって走り始めた。

「シャワー浴びてから行けよ!」

 魔理沙はヤマメに向かって大きな声でそう声を投げかけると、サバミが魔理沙の肩に手を当てる。

「おい魔理沙、まただぜ系女子でコラボするぞ」

「コラボ……自分で言うかそれ?」

「……ともかく、私たちで二人でスクリーム・オブ・エデン以外のシュート技を撃てるようになりたい。やるのか?」

 悩んでいる様子に変わった魔理沙は数十秒間の無言時間が流れた。

「難易度はどれくらいだ?」

「なまら難しいぜ!」

 サバミは満面の笑みで答えると、魔理沙はつられるようにくすっと笑い返す。

「まぁいいか、出来なかったら私単独で決めればいいしな」

「そうこなくっちゃな!」

 数十分後、ユニフォーム姿からパジャマ姿に着替えたヤマメがアシカの部屋に入り、ベッドに飛び込んだ。

「ちょっとお姉ちゃん!?」

「悩みがあるならお姉ちゃんに相談して〜!」

「お姉ちゃんほど悩みを打ち明けても無意味な人間はいないわよ……」

 アシカは姉のヤマメをベッドから突き落とした。

「アシカ……元気出して〜……」

 ヤマメは立ち上がって心配そうにアシカを見つめていると、背中に扉が出現、中から海松色の髪色、サイドヘアは腰までで後ろ髪はショートヘアで烏帽子をかぶって竹を持つ丁礼田舞、薄茶色の髪色、サイドヘアは腰までで後ろ髪はセミショートで風折烏帽子をかぶって茗荷の葉を持つ爾子田里乃が出現した。

「うわ〜! 誰〜!?」

「お姉ちゃん。この二人は二童子よ。私が真実を見抜く練習に付き合った隠岐奈の手下みたいな子たちね」

「アシカ! 元気がないならダンスで元気付けてあげるよ〜!」

「僕も踊るね〜」

 里乃は茗荷、舞は竹を振り回し始める。

「あんたたちの踊りは遠慮するわ。目ざわりだし耳ざわりだから帰ってちょうだい」

 アシカの言葉に二童子はふくれっ面に変わる。

「な〜んだ。せっかく君にクリアナイト戦の第七試合のメンバーのヒントを教えて上げようと思ったのに」

「え? 分かるの?」

「教えて上げるからさっきの言葉を撤回してね」

 里乃の言葉でアシカは二人に頭を下げた。

「撤回するから教えなさい」

「相変わらず偉そうだけどまぁいいか。クリアナイト第七試合のメンバーは……アシカが出会った者なんだ〜!」

 舞の言葉にアシカは首をかたむけると、ヤマメの背中に扉が出現した。

「ヒントを伝えたからもう帰るね〜!」

 里乃はそう言ってヤマメとアシカに手を振り、扉の中に入ってその場から消えた。

「なんだったんだろ〜……ダンス見たかったなぁ」

「ほんと凄いから見てもらった方がいいわね」

 アシカは布団をかぶり直して目を閉じ始める。

(私が出会った者って……もしかして真実を見極める練習として隠岐奈に出会わされた者なの?)

 ヤマメはアシカが横になっているベッドに入ろうとした瞬間、アシカはベッドから飛び出した。

「伝えなきゃいけないわね……」

 アシカは扉の引き戸の前に立ち、数秒間深呼吸した。

「そうよ……私たちが住む世界のために。頑張らなきゃいけないのよ!」

 意を決するようにアシカは扉を開けて部屋を出た。

「おやすみ〜!」

 ヤマメは枕に頭を乗せて目を閉じ、アシカが勢いよく扉を開けて部屋を入り直す。

「お姉ちゃんも寝てる場合じゃないでしょ!」

 アシカはベッドで横になるヤマメを起こそうと揺らしている様子を後戸の国から椅子に座る隠岐奈が真剣な眼差しで監視していた。

「里乃、舞、あとの三人は……予想できてるか?」

「はい! なんとなく!」

 二童子はそう返事をし、隠岐奈は微笑んだ。

 数十分後、コチヤーズのミーティングルームでアシカがホワイトボードの前に立ち、他のメンバーは着席している状況にあった。

「アシカはもう落ち込んでないのか?」

 魔理沙の質問にアシカは首を横に振った。

「私は落ち込んでいないわ。寝坊したのに起こさないみんなが悪い」

 アシカの言葉で早苗は肩を落とし、うつむいて机におでこを当てる。

「えぇ〜私、起こしに行ったのに〜」

「私が落ち込んだ話はもういいからさっさと本題いくわよ!」

(落ち込んだって言っちゃった〜……)

 着席するコチヤーズメンバーのほとんどが内心そうよぎった。

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