東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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六章 紅魔館での死闘
  九十三話 十六夜と三日月


 百年程前、首に三日月形の傷があるおかっぱの女の子に黒いオーラがぶつけられていた。女の子は苦しみ悶え始めた。

「あぁ……暴走の原因は心が壊れ始めていたからか……心を落ち着かせるために一旦百年封印するか」

 その場にいるおじさんがそう言うと、おかっぱ女の子は気を失うように倒れた。

 コチヤーズ対クリアナイトの第八試合が行われる前日の夜、逆三日月が照らされている幻想郷を飛ぶ黒幕子が空中に止まった。

「あの時……悪魔の力さえ注がなければ……私は封印されなかった……悪魔……悪魔が憎い……」

 穏やかな表情だった黒幕子の形相が鬼に変わり、飛ぶ方向を変えて加速し始める。

 猛スピードで幻想郷を飛び続ける黒幕子は紅魔館上空で止まった。

「悪魔はこの手で切り刻む」

 黒幕子は空中に出現した刀の柄を右手で掴んで紅魔館の門に向かって歩き始める。門の前には赤髪ストレートロングの頭に黄色い星飾りの龍の文字がある緑色の帽子と緑のチャイナドレスを着用している紅美鈴が鼻提灯を作って立ち寝していた。

「目を覚ましてください」

 鼻提灯が刀の突きで割られて軽い破裂音が響く。美鈴が目を開ける。

「むにゃむにゃ……」

「悪魔はどこにいますか」

 首元に刀の切っ先を当て、目が覚めたばかりの美鈴は驚愕の表情に変わる。

「うわぁ! あんた誰ですかー!」

 門を背にしながら美鈴は黒幕子を睨みつけた。

「悪魔はこの館のどこにいますか」

(あ……悪魔……!? どうしよう……喋らない方がいいのかな……)

 内心で思考を巡らせていると、美鈴と黒幕子が少し距離を取った。

「話す気がないなら……おとなしくしてもらいます」

「えぇ!? 嫌だけど!?」

 拒否された黒幕子は美鈴に斬りかかる。初撃を華麗にかわした美鈴は蹴りで反撃する。黒幕子は少し後ずさりし、全身の力が抜けたように美鈴が倒れる。

(あれ……全身の力が……もしかして触れるだけでも駄目だった……?)

 美鈴は再び眠るようにまぶたを閉じた。

 紅魔館内――薄青紫色のショートの頭にドアノブカバーのようなものをかぶり、白いレース服を着用し、背中に黒い悪魔の羽が生えているレミリア・スカーレットがいる部屋に、メイド服を着た咲夜が入室する。レミリアは咲夜を背にして窓の外を眺めていた。

「お嬢様、例の黒幕子が遂に来ました」

「そう……」

「どうします? 美鈴が捕まりましたが逃げますか?」

 レミリアは振り返り、咲夜と目を合わせて微笑む。

「逃げる? 紅魔館の主である私が?」

「ですが……黒幕子は心を操る魔法を扱うとか……もし私が操られてお嬢様を……」

「心配ないわ。私は捕まらない運命が見えるから。大丈夫よ」

「はぁ……」

 咲夜がため息をつくと、レミリアが鋭い目つきに変わる。

「外が騒がしいわ。行きましょう咲夜」

「はい」

 数分後、レミリアと咲夜は紅魔館の外に出ると、数十メートル先の地面に黄色いショートのサイドテールにドアノブカバーのようなものを被り、巻きスカートがある赤色服を着用し、カラフルな結晶でできた羽があるフランドール・スカーレットが二人の目の前で倒れた。

「フラン!!」

 レミリアはフランドールの元に駆け寄ろうとするも咲夜の手の静止を受けて止まる。

「上にいます」

「……あいつが黒幕ね」

 レミリアは見上げると、フランドールの真上にいる黒幕子に睨まれていた。

「ここはやはり……」

 咲夜は時間停止を使い、レミリアと共にその場から姿を消した。

 数分後、紅魔館の大図書館ではムスッとした表情のレミリアと、真顔の二人――咲夜と紫髪ロングに三日月の飾りがあるドアノブカバーのようなものをかぶり、ゆったりした薄青紫色の縦じまの服を着用しているパチュリー・ノーレッジと話していた。

「ねぇ、本当にフランは連れて来れなかったの?」

 そう質問したレミリアはふくれっ面に変わっていた。

「妹様は顔色が悪かったので毒に侵されているのかなと……黒幕子は毒を侵して攫うというのが常套手段らしいので。触るのは危険で見逃す他ありませんでしたわ」

「黒幕子の狙いは私たちを攫って操ることなのね」

 パチュリーの質問に咲夜はうつむいた。

「……それだけじゃなく、強い憎しみの心で悪魔を探していたような」

「悪魔を狙っているのね……ちょうどうちの小悪魔におつかいをたのんでおいてよったわ」

 パチュリーが話している最中、突然息苦しいなって首元に両手を当てて倒れた。

「パチェ!!」

 上空にレミリアを睨みつける黒幕子が出現した。

「レミィ……」

「パチュリー様……!!」

「悪魔は殺す……」

 黒幕子はそう呟くと、咲夜が見上げて黒幕子を見つめ始める。

(殺す……!? 黒幕子は誰も殺さないんじゃ……)

 咲夜は時間停止を使い、レミリアと共にその場から消えた。

 止まった時間の中、レミリアをおんぶしている咲夜は紅魔館の門の前に出た。門の前には紅魔館全体を覆う結界の壁があった。

(遂に私とお嬢様だけになってしまったわ……この壁……さわれないわよね……)

 咲夜は壁に手を当てて力を込めた。

「お嬢様を守るには……戦うしかないわね」

 時が動き始め、咲夜はレミリアを降ろした。その数秒後、上空に黒幕子が出現し、咲夜と黒幕子が睨み合った。

「レミリアお嬢様に指一本たりとも触れさせわせんわ」

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