東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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  九十四話 明日死ぬ命

 逆三日月に照らされている紅魔館には結界が張られていた。紅魔館内にいる咲夜とレミリアが黒幕子による様々な攻撃を息切れしながらもよけていった。

「咲夜……さっきから攻撃が効かないわね……」

「はい……全身がカチコチでナイフが全く刺さらない……どうしようもありませんわ」

「でも……私は捕まらない運命が見えた……つまりなんとかなるってことよ」

「考えれるとすれば……外からの助け……」

 咲夜の呟きにレミリアは微笑みで返す。

「咲夜と二人なら、きっと大丈夫ね」

「は……い?」

 咲夜はレミリアの様子を見ながら違和感を感じながら返事をする。

「お嬢様震えていますが……」

「バレた? さっきから震え始めて……怖いと思っているのかしら……?」

(お嬢様の様子がおかしい……毒ではない別の魔法を使ったの……?)

 数分後、紅魔館の庭で咲夜とレミリアが仰向けに倒れた。

「いくら時を止められても結界で外に出られなければ、見えない毒でやられるだけ……」

 右手に刀を握る黒幕子はゆっくりと倒れた二人に歩を進め始める。

(まずは銀髪の人を捕まえる)

 黒幕子は倒れている咲夜を左手で触れようとした瞬間、咲夜が勢いよく飛び上がって右手に握るナイフを黒幕子の三日月形の傷に切りつけるも、傷を与えられず、再び地面に倒れた。

(狙っていた……それとも意識を失いながら主を守ろうと……)

 黒幕子は手で触れた咲夜の姿を消し、刀を振り上げる。

「そして悪魔……存在を消すべきもの……」

 突然、レミリアの目の前に空間切り裂くスキマが出現し、中から出てきた手でレミリアをスキマの中に引っ張った。

「なぜ悪魔を……消さねばならない悪魔を庇う……!」

 そして数分後、幻想郷の空中に浮かぶサッカースタジアムにあるコチヤーズのミーティングルームにスキマから気を失って眠りについているレミリアが藍と橙によって運び込まれた。

「さすがに命の危険を感じたので助けたけど……大丈夫そうかしら?」

 心配そうにスキマの中から覗かせている八雲紫がそう言うと、床で横になっているレミリアにリードシクティスが近付く。

「いや……毒じゃありません……なぜなら毒の魔力を感じないからです」

「え!? じゃあなんでこんなに顔色悪いんだ……!?」

 魔理沙はリードシクティスに疑問をぶつけると、曇り顔のサバミがレミリアの前でしゃがんで体に手を当てた。

「う〜ん……正直、なまらやべぇ」

「何がやばいんだサバミ……」

「体のダメージじゃない。これは……心のダメージだ!」

「心ダメージ!? 大丈夫なのか?」

「まぁなんだ……明日の試合に勝ち、この女の子の仲間を取り返したら元の元気な姿に戻るぜ!」

 ミーティングルームにいるコチヤーズメンバーが笑顔のサバミの言葉に一斉にため息をつく。

「じゃあ……明日紅魔館に行きましょう! 紅魔館の次は守矢神社ですからね!」

「早苗……まぁレミリアがこの状態なら仕方がないよな」

「紅魔館にいくの? 黒幕子が見えない毒の魔法を使っていたけど……」

 八雲紫は不安げにそう呟くとリードシクティスがスキマを覗いた。

「それは私に任せてください! 体内に入った毒でなければ簡単に消せます!」

「なるほどねぇ。じゃあなんとかなりそうね」

 その後、サバミとリードシクティスは眠り続けている顔色が悪いレミリアは誰もいない部屋にいるベッドで寝かせ、その後部屋を出た。

「サバミさん。これでいいんですね」

「あぁ、今は紅魔館メンバー以外を会わせない……と言うより起こさない方がいいだろう。心が完全に壊れるのが早めるからな」

「なぜレミリアさんだけが……?」

「あいつは悪魔の力を受け止めきれずに暴走し、仲間と会えないまま百年封印されたんだ……それで彼女自身、悪魔を見ると心がおかしくなるんだ……」

 リードシクティスは首をかしげ、数秒間に口を開く。

「サバミさん……心を覗いて黒幕子の過去を知ったんですか? 凄いですね……私ですら分からないのに……」

「ん? シクティスさん分かってなかったのか? 百年前、私たちが住む世界でめっちゃ有名人だったんだぜ」

 サバミの言葉にリードシクティスが驚愕の表情に変わる。

「えっ!? そうなんですか?」

「あいつはな……百年前、勇者クロマグロって人が所属するギルドのパーティーメンバーだったんだ……」

「勇者クロマグロって……何百人もの仲間がいた人じゃないですか?」

「じゃあな〜」

 手を振るサバミはリードシクティスから逃げるように走り始めた。

 ベッドがある簡素な部屋に扉を開けたサバミが入ると、深刻な雰囲気漂うカサゴが立っていた。

「なんか話か?」

「お姉ちゃん……あの……レミリアって女の子……このままだと明日死ぬんだよね」

「あぁ……カサゴは理解できてたのか」

「私も一応、黒幕子がレミリアにかけた心を壊す魔法を使えるから……」

 カサゴはサバミの胸ぐらを掴んだ。

「なんでそんなに平然といられるの!?」

「勝てば問題解決だろ? あとな、このことを他の人にバラすな。試合に影響が出るぜ」

「でも……」

「早く部屋に戻って寝ろ」

 サバミの言葉にカサゴは無言で部屋を出る。

 数時間後、パジャマに着替え終わったサバミがベッドで横になって震える左手を見つめていた。

「く……そっっ!!」

 サバミは悔しそうに叫び、左手拳を強く握った。

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