東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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  九十八話 紅魔館系仮装

 紅魔館内の棺桶でレミリアが寝ている部屋に咲夜の姿をした者が入室した。優雅に歩くその姿に周りがくぎ付けになっていった。

「なんで咲夜が……? 黒幕子に捕まってるはずだろ……」

 魔理沙は恐る恐る咲夜に近付く。

「誰だ……おま――」

 サバミは魔理沙の口を手で塞いだ。

「そうか! その手があったか!」

「え? なにが?」

 周りがサバミの言葉に首をかしげる中、咲夜の姿をした者が棺桶の前まで歩き、過呼吸で苦しむレミリアと視線を合わせる。

「目覚めの時間です。お嬢様」

「咲夜……? ぶ……無事でよかった……」

 レミリアの呼吸が落ち着き、安堵するように眠りについた。

「呼吸が……」

 咲夜の姿をした者は部屋の出入り口に向かって歩き始めた。

「みなさん……お話があります。別の部屋で」

 コチヤーズメンバーと霊夢と小悪魔はレミリアがいない部屋に集まり、射命丸文が手を挙げる。

「早速質問よろしいですか? あなたは……十六夜咲夜ではありませんね」

「あーー!! もしかしてお姉ちゃん!?」

 フナが立ち上がって叫びながら咲夜の姿をした者を指差した。

「うるさいな」

「ごめんなさい……」

 ラックの注意を受けたフナは頭を下げた。

「じゃあ……お前はシラウオか!」

 魔理沙は咲夜の姿をした者を指差してそう言うと咲夜の姿をした者は頷く。

「お姉ちゃんはくノ一で、めちゃくちゃ変装得意で、すごく器用なんです!!」

 フナは鼻息を荒立てながら姉のシラウオのことについて説明した。

「なるほど……誰かが咲夜、フラン、パチュリーに仮装してレミリアのメンタルを安定させつつ、十日後の試合に勝って本物の三人を取り戻す……つまりこういうことか?」

 魔理沙の質問に咲夜の姿をしているシラウオは頷いた。

「全然幻想郷に住んでないシラウオが咲夜の代わりだなんて大丈夫……?」

 霊夢は心配そうに部屋の出口の扉を見つめながらそう言った。

「バレたら即死だと思うが……それでもこの作戦に賭けるしかないな……」

 サバミはそう言うと肩に魔理沙の手が置かれる。

「パチュリーに仮装してくれそうな人なら私が連れてきてやる」

「おっ、まじかじゃあ……」

 カサゴは勢いよく左手を挙げる。

「は……はい!! フランドールなら私にやらせてください!! 私……監督だけどアシカの指示に従うだけで実質何の役にも立ててないし……同じ髪色が黄色だし……」

「でもカサゴ……知らないだろ?」

「それじゃあ……私が妹様の喋り方についてご指導します」

 そう言ったのは手を挙げていた小悪魔だった。

「よし! レミリアが目覚めるまで紅魔館に住むメンバーを揃えておきましょう!」

 数時間後、棺桶で眠るレミリアが目を覚まして起き上がると、部屋には微笑む仮装咲夜、仮装フランドール、仮装パチュリー、小悪魔の四人の姿がいた。

「う……うわぁぁぁぁ!!」

 レミリアは泣き叫びながら仮装咲夜を抱きしめ、お腹に顔をうずめた。

「キャハハ! なんで泣いてんのよお姉様!」

 仮装フランドールがレミリアを指差しながら嘲笑い始める。

「そうよレミィ。貴方紅魔館の主でしょう? そんなみっともない姿見られたらカリチュマって笑われるわよ」

 仮装パチュリーはレミリアに嫌味を言うと、レミリアは気を失って倒れた。

「あ……」

「ちょっと辛辣過ぎたわね……」

「ちょっとみなさん! メンタル破壊しにかかってどうするんですかー!」

 涙目の小悪魔が周りにそう訴える。

「確かに……次、目覚めた時はもうちょっと優しくするわ」

 その後、レミリアは仮装した三人と小悪魔本人と共に過ごす生活が始まるのであった。

 数日後、仮装咲夜が運んだトレイの上に置かれてある紅茶が入ったティーカップをレミリアに渡した。レミリアは紅茶を飲み始める。

「うま……ずいわね……これは……咲夜のじゃない……」

「また……」

 数時間後、仮装を解いた真顔のシラウオがMFが特訓するサッカーコートがある部屋に入り、ベンチと早苗・フナ・キクラゲ・ラック・アシカと顔を合わせた。

「また紅茶が合わなくて気絶させたの?」

 アシカの質問にシラウオは無言で頷く。

「それじゃあ紅茶にキノコでも入れたら〜?」

「余計におかしくなるだろ」

 ラックに突っ込まれたキクラゲは微笑み始めると、フナは心配そうにシラウオの無表情の顔を見つめ始めた。

「お姉ちゃん……大丈夫?」

「大丈夫」

「その大丈夫は大丈夫じゃなさそう……」

「さすがシスコンフナね。私は普通の返事に見えたわ」

 アシカはそう言うと、シラウオはボールを持ってフィールドに向かい始めた。

「あの咲夜さんの代わりだなんて辛いに決まってますよ……!」

「うぅ……お姉ちゃん……頑張って……」

 数日後の三日月が照らす夜、博麗神社の境内に霊夢が降り立つ。

「あの三人のおかげでレミリアはなんとか生きてるけど……もつかしらねぇ……」

「まだ……生きてる……?」

「え?」

 背後からの声に反応した霊夢が振り向くと、黒幕子が空を飛んでいた。

「あんた……いたの……?」

「悪魔は……殺す……悪魔は……殺す……」

 霊夢は一度まばたきをした瞬間、黒幕子の姿が消えた。

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