東方キャラとオリキャラでイナズマイレブンする話   作:みかづき椛

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  九十九話 くノ一の決意、必ず守る

 三日月が幻想郷を照らす日、紅魔館のとある部屋にあるベッドにレミリアが仰向けで静かな吐息で眠りについていた。部屋の天井付近に怒りに満ちた顔付きの黒幕子が瞬間移動で出現する。

「悪魔は……死すべし!!」

 黒幕子はレミリアに向けて降下し始め、思い切り刀でベッドを突き刺した。

「……手応えがない」

 ベッドで眠っていたレミリアの姿消え、黒幕子は視線を横に向けた。仮装咲夜が左腕でレミリアを抱きかかえていた。

「私の部屋で暗殺だなんて……いい度胸ですわ」

 仮装咲夜は壁に立てかけてある剣を右手で抜いた。

(一応、借りていた神剣を持っておいてよかった……)

 黒幕子と仮装咲夜は睨み合い、数秒間の沈黙の後に二つの刃がぶつかり合う。

「その邪魔な荷物を離したらどうです?」

 そう言われた仮装咲夜は左腕の力を緩めてレミリアを床に落とす。黒幕子の視線がレミリアに向けられた瞬間、左手にくないを持つ仮装咲夜に心臓を突かれた。

「うっ……」

 黒幕子はふらつき、仰向けに倒れる。仮装咲夜はレミリアを抱っこして部屋を出た。

「悪魔は……死すべし」

 心臓に刺さったくないを抜いた黒幕子は立ち上がり、傷が治り始める。

「逃さない」

 黒幕子は低空飛行で部屋の外に出て通路を移動し始める。少し飛んだ先におんぶされてるレミリアを包帯で固定している仮装咲夜が剣を両手で構えながら待ち構えていた。鬼の形相になった黒幕子と無表情のシラウオの剣と刀が激しくぶつかり合った。

(現役の剣王、アキスほどじゃない)

 涼し顔で仮装咲夜は黒幕子の刀による攻撃を受けていくと、その場にサバミが現れる。

「お前らなにやってんだ!」

 サバミの怒鳴り声が響く、パジャマ姿のコチヤーズメンバーがその場に集まる。

「レミリア……!」

 魔理沙はミニ八卦炉を黒幕子に向けた。

「邪魔を……しないでくれませんか」

「そりゃするわ! 再び超次元サッカー脳にさせてやる!」

 そう言い放ったサバミは左掌を黒幕子に向けた瞬間、黒幕子・レミリア・仮装咲夜の三人の姿が消えた。ラックは三人がいた場所を指差す。

「お……おい! 消えたぞ!」

「あいつら……どこに行ったんだ!?」

 魔理沙に詰め寄られたリードシクティスはガクッと膝をついて座り込む。

「居場所というか……今、黒幕子が使った魔法なら分かります」

「瞬間移動の魔法ではないのか?」

「はい……次元の狭間への封印魔法です……」

「??? 封印魔法とはどういうことだ?」

 ラックはそう質問するとアシカはハッとした表情に変わる。

「もしかして……黒幕子が百年封印された魔法じゃないでしょうね……」

「はい……このままだと三人は百年もの間、空間に閉じ込めれられます……!!」

「は……はぁ!!?」

 壁・床・天井が一面赤黒く、空気がどんよりしている空間に黒幕子・仮装咲夜・レミリアの三人が瞬間移動した。

「この場所は……?」

 周りをキョロキョロと見回し始める仮装咲夜に向けて黒幕子が歩き始める。

(血の臭い……恐らくここは神様の実験場……)

「ここで私は神様になりそこなった」

「……そうですか」

「悪魔のせいで私はここに封印されたのです」

 仮装咲夜はため息をつく。

「八つ当たりにも程がある」

「いいえ、悪魔は消さなければならない」

(話が通じない……ならば外からの助けを持つしかない……それまで――)

 刀を握る黒幕子は高速で仮装咲夜に向かって飛び始める。

(レミリア・スカーレットは必ず守る)

 仮装咲夜の剣と黒幕子の刀が一度ぶつかり合ったその時、レミリア両目がゆっくり開く。

「咲夜……?」

「お……お嬢様様……!!」

 一瞬動揺した仮装咲夜は隙を突かれるように刀で切り付けられる。自身とレミリアを巻き付けている包帯を切り裂かれ、レミリアは地面に倒れる。

「いた……」

「悪魔……その者は十六夜咲夜などではない」

 黒幕子は右手を仮装咲夜に向けると、一瞬で黒い忍び装束を身にまとう白髪ショートのシラウオに変化させた。

「あなたは……咲夜じゃないの……?」

「とにかくじっとしててください……!」

 シラウオは剣で黒幕子が握る刀を折る。すると黒幕子はすぐさま剣を作って両手で握る。

(ただならぬ威圧感……まさか神剣を作った……?)

 剣と剣がぶつかり合い、シラウオは吹っ飛ばされた。

「しまった……」

 黒幕子はうつむいて地べたに座るレミリアに近付き、剣を振り上げる。

「神槍『スピア・ザ・グングニル』」

 レミリアは静かにそう呟くと、鋭い目線を黒幕子に向けて、右手に槍のような武器を持って投げ、黒幕子を吹き飛ばした。

「レミリアお嬢様……」

「……あなたもういいわ」

「え?」

「元に戻ったから、咲夜のふりをしなくていいのよ」

 シラウオはホッとため息をつくと、レミリアはシラウオの直ぐ側まで飛んできた。

(元に戻ってよかった……心を壊す魔法が切れたのか……)

「全て覚えているわ。あなたの料理、洗濯、掃除……家事の全てを……紅茶以外ほぼ完璧だったわ。やるじゃない」

「あ……ありがとうございます……」

「フラン役、パチェ役、小悪魔役にも後でお礼を言わなきゃね」

(……小悪魔さんは本物ですけど)

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