前回、日クワ貿易はクワ・トイネ側に通貨の問題があったため日本円を導入、通貨代替を行った事で解決し、その後貿易は本格的に始まっていった。今回は遂に本格始動した日クワ貿易とその影響を見ていこう。
まず、日本とクワ・トイネの貿易を見てみると食料自給率の低い日本は農産物を10兆円規模で輸入しており、この額は日クワ貿易の90%以上を占めている。
やっとこの食糧輸入が始まったことで日本の食料の消費者物価指数は落ち着きを見せ、経済や産業も安定し始めた。
また、今回の転移恐慌に際して、備蓄米の放出を迅速に行ったが、小麦や大豆の代替による米粉の需要増加などで米価は上昇し続けたため、それを予測できなかった政府与党や農林水産省に批判が集まってしまった。
次に輸入品目を見てみると小麦、大豆、トウモロコシ、果実、野菜の順で並んでおり、穀物三種が上位なのは食用と飼料用の2つの用途があることが理由と考えられる。また、異世界特有の果実もその独特の味と食感から日本で注目され流行となっている。
この日本の食糧大量輸入はクワ・トイネから見れば腐るほど余っている農産物を国内より高く売れるため、公国の総人口の過半数を占めている農民や仲介する商人の所得を倍増させた。
そして、その後の日本は高い関税を課して農家の生活を守り、食料自給率を上げるのか、それとも関税を低く設定し、国民生活を楽にするのかという議論が国論を二分することになる。*1
しかし、逆に日本側が輸出している食品もあった。その代表例が日本のアルコール飲料である。
ヨアケ、ゲンブ、ソルトリー、ホッカイの大手四社のビールなどはその美味さからクワ・トイネ側から注文が殺到、肴も合わせて輸出したことで結果的に関税を高くかけていたにも関わらず、クワ・トイネだけでなく日本と貿易している異世界国家の酒造産業が傾いてしまった。
次に日本からクワ・トイネに輸出しているものを見てみると、インフラ、精密機械類、電気機械類、繊維類の順となっており、機械類は地球基準でも十分高い関税がかけられているが繊維類や鉄鋼などは産業を守るため更に高い関税が課せられた。
しかし、関税だけでは日本製品に質と量の差を埋めることはできずに競争力で負けてしまって廃業する所も多かった。これがクワ・トイネがモノカルチャー経済になるきっかけとなり、これがその後に幾つかの問題を起こすこととなる。
そして、当初のインフラ輸出業も
また、日本政府は地球にいた頃も海外へのインフラ輸出を考えていたが、異世界に来たことで日本のインフラ輸出事業は拡大したため、異世界での日本の影響力を伸ばす大きな原因となった。
都市部では水回りが悪いため水道が優先されたものの、地方部では生活インフラより貿易と物流で必要不可欠な交通インフラが優先して整備された。なぜなら水は豊富にあり、ガスや電気も魔道具などを使えば代用可能だからだ。
結果として貿易港のあるマイハークに港と、そこに物資を運ぶための道路と線路が建設された。また、それに伴い資本取引はほとんどマイハークで行われるようになったため、金融業が集積された。これが今日、マイハークがクワ・トイネで1番発展している都市である理由である。
このように、日本とクワ・トイネの貿易は、双方の経済の発展とともにさまざまな問題も引き起こしてしまった。輸入品の増加や関税の調整、インフラ整備の進展、各産業の興廃など、今後も、これらの動きがどのように展開していくのか、注目が必要だ。
今回、現実世界の2025年の『令和の米騒動』は参考になりました。あとコロナ禍による物流の停滞とかも、ちょっと。
次回は夏休みに投稿予定。
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