夏休み第一弾。
今回はタイトルを見れば察しはつきますが…クワ・トイネに引き続き、日本との関わりが深い国との話です。
前回、日本国はクワ・トイネ公国との貿易を開始し、双方に大きな影響を与えたが、今回も日本にとって重要な貿易、クイラ王国との貿易……所謂、『日クイ貿易』を見ていこう。
まず、日本のクイラからの輸入品目を見てみると、やはり上位には原油、石炭、鉱物資源が並んでいた。額としてはそれぞれ、15兆、2兆、3億程度である。これは、日クワ貿易の貿易額のほとんどにあたる。
クイラ王国はこれで約18兆円の貿易黒字……クワ・トイネよりも額は上である。実に羨ましい。
さて、そんなにも支払っている日本の自給可能な資源を見てみると地球世界では南米のチリに次いでシェア第2位を誇るヨウ素と建設業界に欠かせない石灰石のみである。*1
つまり、この二つ以外の資源は他国からの輸入に頼らざるを得ないのである。
そんな、日本が依存せねばならない資源を詳しく見てみると、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料や鉄、銅、鉛、錫、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、そしてレアメタルなどの金属資源などであり、日本の周辺海域などには大量に埋蔵されていると試算されたが、技術的に厳しいため、どれも日本国内では自給が不可能であった。
例を挙げるなら石油備蓄は半年、長く見積もっても一年で枯渇すると試算された。これは自動車の燃料やプラスチックの原料として利用していることも原因だが、それよりも2011年の東日本大震災の影響で原子力発電所が停止し、火力発電に依存していたことも枯渇の要因とされた。
その対策として、政府はエネルギー会社や電力会社と連携することで価格と供給の調整を行ったが、それでもやはり備蓄は一年程度が限界だった。そのため資源の輸入が必須であり、急務であった。
そんな中、クワ・トイネ公国の仲介で国交を開設したクイラ王国に少なくとも燃える水や燃える石があることが確認され、その後の調査において各種金属資源が大量に埋蔵されていることが発覚した。
クイラ王国はクワ・トイネ公国の時と同じく、円の導入……『クワ・トイネモデル』を採用した上で日本政府と地下資源の共同開発の協議を開始した。
その結果、日本の経済産業省の主導で六菱、六井、純友などの財閥系や日本精錬、NFEのような鉄鋼業界の民間企業、そしてクイラ王国によって、合弁会社『クイラ王国地下資源総合開発商社』が設立された。
この企業はその名の通り、クイラ王国の地下資源を採掘、精錬や各種加工などを行うことを主な事業としており、日系企業との資源取引も全てクイラの商人を介さずに直接行っていた。
日本製錬のような鉄鋼業界、トヨダなどの製造業界の企業などは転移恐慌の影響もあり、経営破綻しかけた……というかしたところも多かったが、クイラ王国との貿易…資源の輸入が始まり、生産が再開したことでなんとか息を繋ぐことができた。*2
しかし、それと同時にクイラ王国で今まで金属の精錬や加工を行っていた自営業のドワーフの職人たちや、採掘業をしていた獣人たちは経営難になり、失業者が増え始めてしまった。
それに対応する形で『クイラ王国地下資源総合開発商社』によって、現地の感覚からすれば高給、それも福祉も充実した高待遇の条件で一斉雇用が行われたため、失業率が上がることはなかった。
むしろ若干低くなっているくらいであり、王国民の平均所得が倍増した大きな理由と見られている。
次に、日本はクイラへの資源輸入の対価としてクワ・トイネと同じくインフラ輸出を行った。
そんなインフラ輸出についてだが、クイラ王国の国土は不毛の大地ということもあり、もちろん、資源輸出に必須である交通インフラは最優先だが、クワ・トイネでやったような生活インフラの整備に加えて灌漑事業や緑化事業なども行われたため、クイラ王国内陸の農民を増やし、食料自給率を上げる要因になった。
特に、水道や水路の整備は王国民にとって水の確保は死活問題であったため、大変な感謝をされた。
それとは別にクイラには酒好きなドワーフや豪快な性格の獣人が多いということもあり、またもや日本のビールが飛ぶように売れた。
ちなみに、クイラ王国の沿岸部は地中海性気候に近いため、ぶどうの出荷量が多い…つまり、ワインが多かったこともあって王国民にとって珍しいキンキンに冷えたビールは干しブドウや乾燥イチジクと共に、仕事後の一杯として定着している。
結果としてクワ・トイネよりも酒類の輸出額は多くなり、酒類の取引は日本からクイラへの輸出額の1割程度を占めるに至っていた。
このように、日本とクイラ王国の貿易は、双方に莫大な利益をもたらし、両国民の生活を豊かにさせた。
しかし、クイラ王国内ではそれと同時に『金融と資本が集積した港湾都市が多い南の沿岸部』と『山脈や不毛な大地が多く、低所得者の多い北の内陸部』という経済格差や意識の違いも出始めていた。この問題は後世ではこう呼ばれている。『南北問題』と——。
この南北問題への、今後のクイラ王国の対応を注視していく必要がある。
クイラは地中海沿岸部、中東、アフリカと参考になりそうな国が多めでクワ・トイネより書きやすそうな感触……
そういえば現実世界では今年からやっとこさ、南鳥島の揚泥管接続試験が始まるらしいですね。わーくには資源大国になれるのだろうか。
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