夏休み第二弾
これ、公共の授業でちょうどやってた内容なんで勉強ついでに書き上げました。
平成27年法律第14号
平成二十七年四月十二日のクワ・トイネ公国において発生した武装勢力によるギム市民大量虐殺事件等に対応して行われる人権の確保と市民平和の達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国家安全保障会議決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法
実に174文字のこの法案、略称は武装勢力対策特別措置法。恐らく、異世界に転移した日本にとって歴史上最も重要な法律のひとつである。
今回は、そんな日本の異世界転移後の第一のターニングポイントである『ロウリア事変』に対する日本の対応を見ていこう。
ロウリア王国がクワ・トイネ公国に戦争を仕掛けた。4月12日にクワ・トイネ公国の町、ギムで発生した大量虐殺により、一瞬にして推計10万人もの市民が犠牲となった。
これは明らかな人道に反する行為であり、人権侵害であった。
また、この事件を受け、内閣総理大臣は声明を発表した。以下の文はそれを一部抜粋したものである。
「2001年のアメリカ同時多発テロを超える、このような残虐かつ非人道的な虐殺行為は憎むべき犯罪であり、人民に対する最大の人権侵害です。このような理不尽を平和を愛する日本国の内閣総理大臣として断じて許すことができません……ここに犠牲になられた方々やそのご家族に対し心より哀悼の意を表します。また、各国臨時政府やクワ・トイネ公国、クイラ王国と共に対処し、実行犯の確保及びこれ以上の戦争犯罪を防止していくことを内閣府会議にて決定致しました。」
……と、このような戦争犯罪に対しては当然、日本政府の立場としては国際社会が共同で対処し、人類普遍の原理と国際法に基づき、ギムの虐殺事件等の実行犯や組織者などを特定し、国際法廷における法の裁きを行うこと*1がクワ・トイネへの派遣の建前として必要であった。
そして、内閣は4月20日、武装勢力対策特別措置法案を国会に提出した。
同法案はロウリア王国を"主権国家"として承認していないことが前提である。
主権国家とは、一定の領域を支配し、他の国家からその支配権を認められている国家のことであり、内閣は国交がない=主権国家として承認していないとの解釈であるらしい。なので、日本国憲法第9条には違反しないとの主張である。
そして本題のその内容だが、クワ・トイネ公国軍等の活動に対して実施する措置として『武装勢力との戦闘活動』を主として他にも『戦闘行為により遭難した民間人の保護活動』などとしている。
また、従来の周辺事態法とは異なり、自衛隊が他国領域をも活動地域とし、武器の使用基準を大幅に緩和し、政府の定める基本計画や同計画に基づく戦闘活動などの対応措置の実施について国会の承認を要求していない。
しかし、武装勢力対策のための自衛隊が戦闘活動を行うことは前世界及び近現代の軍事常識上、相手側からは武力行使とみなされるおそれが強い。
日本国憲法は第9条においても『国際紛争の解決手段としての戦争と武力による威嚇または武力行使を永久に放棄し、戦力不保持と交戦権の否認』を定めている。
つまり、この法案は第9条に定める武力行使の禁止に抵触していると言わざるをえない……との指摘を民衆党や労働共産党など、リベラル政党が行った。*2
しかし、現実的に考えてみれば、クワ・トイネ公国へ自衛隊を派遣しなければ食糧の輸入が無くなり、国民の大半が飢餓状態になる。
これは日本国憲法第25条の『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』という条文に反するものである。また、食品の消費者たる国民は、憲法第13条の幸福追求権の一内容として、また憲法第25条の生存権として、『安全な食品の供給を受ける権利』と『食品行政に参加する権利』を有すると考えられる。
仮にも武装勢力対策特別措置法案を立法しない場合、憲法第13条及び第25条に抵触し、内閣に責任が発生するおそれがあり、国民生活が脅かされる可能性が高いと日本維新党は主張、内閣案に賛成した。
結果、同法案は衆議院と参議院で賛成過半数のため可決された。
このような経緯から日本国政府は憲法の三大柱の一つ、平和主義を象徴する日本国憲法第9条*3を破るような超法規的判断で、クワ・トイネ公国への派遣を決めたのだった。
また、このギムでの虐殺を契機として史実とはだいぶ違う『重要影響事態法』も後に制定されることとなる。
もしも、ギムで虐殺が起きていなければ、また違う歴史もあったかもしれないと、今日では歴史家たちの間で語り継がれている。
今回の元ネタ(?)は特措法です。ハイ。
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