日本国召喚〜変革する人々の暮らし〜   作:空気の破壊者

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第九回 『外務省の苦難』

 

 転移後の対応が無能だ、臨機応変に対応できていない、などと世論の批判が多かった外務省だが、仕方がなかった側面もある。今回は転移後の外務省の対応……いや、苦難を見ていこう。

 

 みなさんご存知の外務省はその名の通り、日本と外国との交渉が主業務の機関だ。なので、日本にある外務本省だけでなく、地球各国の在外公館にも職員が勤務していた。

 

 ……つまり、異世界転移に伴って外務省全体の半分以上、3000名程度が地球に残ったのである。外務省はローテーション体制なので、外交経験のある職員はある程度効くが、数が圧倒的に足りなかった。

 

 また、残った人員も転移当初は転移難民の通訳に駆り出されていたし、各国臨時政府とのパイプライン構築も全て押し付けられていたのだからブラック企業も驚くほどの労働環境だったことは想像が容易い。

 

 しかも、異世界国家勤務では大半の国が中世レベルなのだ。衛生環境が酷いところも中には存在するし、日本の大使館建設すら始まってないところもある。

 

 このように転移当初は特に人材不足は深刻であり、外務省はその後も慢性的な人材不足問題に直面することとなる。

 

 そもそも、民間企業でも人材が不足しているのだ。わざわざブラックな外務省を就職先に行くより他の給料や待遇の良いところに行くのは当然だ。

 

 なので、有名なところで言えばパーパルディア皇国やグラ・バルカス帝国と交渉した朝田大使のような転勤外務省職員が大量に発生することにも繋がっていくわけである。

 

 つまり、外務省は人材不足により悲惨な労働環境となり、それを起因に募集に人が来ない……という慢性的な負の連鎖に入っていた。

 

 そのため、外務省は人事院と協議の上、採用試験の難易度や採用条件の緩和を一部行った。

 

 就職先は各国臨時政府担当と異世界国家担当の二種に大別された。この内、異世界国家担当が異世界の言語に関してはなぜか通訳なしに会話が可能なので採用条件が緩和されたのである。

 

 ただ、それでも年に200名ほどしか採用することしかできず、外務省OBにも一時復帰を促しているが、それも50名程度で、失った人員の10分の1すらも回復できていないのである。

 

 そして、無数にいる異世界国家との国交樹立やその他貿易協定等の締結などやるべきことは山積しているし、日本政府が未知領域を探索する度に彼らの仕事は増えるのである。

 

 つまり、当分は人材不足問題は解消できないと思われるので、朝田さんを始めとした外務省職員の過労も10年は解消されないだろうし、世論や野党から無能や怠慢だと批判されてしまうことだろう。





今回もリクエスト回です。スカイキッドさん、アイデアありがとうございました!

皆さんも興味があればどうぞ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=325341&uid=457533

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