【カオ転三次】幼女ネキの謎を解明するため、黒札調査隊は宮城県の奥地〇〇町出張所へと向かった――。   作:貧弱一般メガテンプレイヤー

19 / 25
 リアルのどたばたと何時もの書いてる内に長くなる症候群の発症で遅くなりました、まさか一ヶ月以上かかるとは自分でも思いませんでした。

 マカーブル氏の笑ってはいけないハロウィン見てサンシャイン◯崎ネタするドクターネキとか考えてたらすっごくまとも且つしんみりな内容で登場してて、脳内でドクターネキから苦情が届きましたw
 で、最近バカ共がなんかまともで他所で登場してるバカ共の方がらしくない?と思ったのでまたバカやらかします。

 何時も通り時系列等は外伝・アンソロジー時空という事でお願いします。

 ふたばや様、誤字報告ありがとうございます。
 加えて最近漸く誤字報告一覧の見方が分かりました、過去に誤字報告して頂いた日向@様、snow9様、今更ですがありがとうございました。


19

 仄暗い部屋の中、車座になって座る三人、サスケニキ、ヨロイニキ、クロマニキ。

 まるで何時ぞやの再現の如く、腕組みで座禅をしていたサスケニキが静かに、されど重々しく告げた。

 

「約束の時間まで随分とあるが……全員揃ったので始める。異論はないな?」

「……おう」

「ええ、無駄な前置きは無用です」

 

 答える二人も常の雰囲気と異なり、普段色々喧しいヨロイニキは言葉少なく、説明したがりで前置きの長いクロマニキも話を進める事を優先する。

 外は大荒れの天気であり、雷鳴が轟いて、激しく雨風が吹きすさぶ。

 

 三馬鹿ラスらしからぬアトモスフィアが、三人の間と部屋の中に満ち満ちていた。

 

「それでだ、今回の話一体全体どーゆー訳だ? 説明しろ」

「私達の未来に関わる重大事項とは、只事ではないですが」

 

 何時ものサスケニキの持ってきた議題、されどその内容の重さにヨロイニキもクロマニキも、普段のノリは鳴りを潜めている。

 そんな幼馴染二人の言葉に深く頷いたサスケニキは語り始めた。

 

「うむ……余計なモンはなしで結論から言うぞ」

 

 

「俺達の理想のシキガミ嫁の為の様々な活動――情報収集やその取り組み、それらの全てを一から見直し、改めねばならん事態に気が付いた」 

 

 

 その発言に対してのヨロイニキ、クロマニキの返事はない。

 しかし、部屋の中はより一層の重い雰囲気と沈黙に満たされた。

 ややあって、漸くクロマニキが微かに震えた声で問い掛ける。

 

「……その結論に至った、理由を教えてもらえますか」

「勿論だ」

 

 頷いたサスケニキは、部屋の空気にも負けぬ程の重みを感じさせる表情で説明を行う。

 

「――ハジメテの相手は己の理想の、最高で最強のシキガミ嫁で。それは何でこんな奴らがと何時も思うが、それでも生まれた頃からの幼馴染同士の俺達がただ一つ共有した願いで思い——これは間違いないな?」

「……ああ、そーだ。最高の尻と最強のボーイッシュ娘の事と、何でテメーらみてーなのがガキの頃からの付き合いなんだってのはいっつも考えてるぜ」

「ええ、シキガミ嫁の案と、貴方達が幼馴染だというこの理不尽な運命を覆す案については常に試行錯誤していますが、それが何か?」

「無駄に気が合うな、まあ俺も常にそう思ってるから仕方ないが――その上で、お前らに聞きたい」

 

 互いに互いをディスり倒しているが、こんなのはこいつらの日常――最早食事や睡眠といった生活の一部なので問題はない。

 それよりもいよいよ核心に至る内容が来ると理解し、固唾を飲んでサスケニキを見つめるヨロイニキとクロマニキ。

 

「俺達が、この先全力でレベルをあげて、金と材料を集めて、理想のシキガミを作ったとする。それで――」

 

 

 

「————そのシキガミが、性的な能力やエロスな技術でミナミィネキを越えられるって、お前ら思うか?」

 

 

 

 ゴロゴロと雷が鳴った次の瞬間、室内に閃光が走り、その数秒後に落雷の音が響き渡る。

 三馬鹿ラスは声も発せず、微動だにせず。

 部屋の中にはただ風と雨の音が響くのみ。

 数秒か、将又十数分か、続いた沈黙を打ち破る様にヨロイニキが悲鳴じみて叫ぶ。

 

 

「……勝てるワケがねえ……オレらが考えた理想、いや妄想でミナミィネキにエロスで敵うワケがねえ!」

 

 

 もしショタおじを除く最強の黒札はと尋ねれば、修羅勢の中から実に多種多様な名前が挙がり、状況や環境も含めて様々な意見の元に激論が交わされることだろう。

 しかし、ガイア連合で一番エロいのはと問うたならば、皆満場一致で彼女の名前を挙げるだろう。

 それ程に彼女とそれ以外には隔絶の差があると――格が違うと皆が理解している。

 

 自他共に認めるガイア連合最強のエロスでスケベで色事師、それがミナミィネキなのだ。

 

「そう、その通りだ。つまり――――性的な意味で最高、最強の相手とハジメテを求めるのなら、ミナミィネキにお願いするのが正解だった、と言わざるを得ない。英雄、色を好むとミヤモト・マサシも言っている」

 

「……ちく、しょう…………チクショーーーーッ!!」

 

 膝を折り、手を地についたヨロイニキの悲痛な叫びは慟哭となり、先程の落雷の様に部屋を揺らす。

 今迄の苦労が、昨日までの戦いが、これまでに流した血が、全ては無駄。

 

 キノネキの尻を観察しようとしてボコボコにされたり銃弾ぶち込まれたのも、何時か見せてくれるかもと神奈川支部の塩漬け依頼を頑張ったのも、全ては無意味な遠回り――否、足踏みであったのかとヨロイニキは拳を床へと叩きつけた。

 

「……それで? 前置きはここまで。ここからが本題の筈です、そうでしょう?」

 

 静かに、されど空気を切り裂くような鋭さで放たれたクロマニキの言葉に、ヨロイニキが顔を上げる。 

 その表情は驚愕と呼べる程の驚きに満ちていた。

 そんなヨロイニキに構う事無くクロマニキが続ける。

 

「何故ならば。もし、ミナミィネキとのハジメテを目指すとサスケニキが結論を出していたのなら、こうやって話し合いなんかしません。私達に内緒で一人で抜け駆けを狙う筈です。違いますか?」

「いや、その通りだ。流石だな、クロマニキ」

「当然の事を褒められても嬉しくもありません。それより続きを聞かせなさい」

 

 うむ、と居住まいを正したサスケニキに、ヨロイニキとクロマニキも姿勢を直して仕切り直し。

 そしてサスケニキが今回集まった理由と、その目的の説明を始め、二人もそれを拝聴する。

 

 

 

 ――三馬鹿ラス説明中&拝聴中――

 

 

 

「――という訳だ。お前らも協力しろ」

「ふーむ、なるほどなー」

「ううん、これは……いや、しかし」

 

 サスケニキの提案に納得顔のヨロイニキと、難しい顔で考え込むクロマニキ。

 やるべきかどうか、割に合うかどうかを考えるクロマニキに対し、ヨロイニキが何時も通り、何でもない様に言う。

 

「やってみりゃいーじゃねーか。これなら何時もみてーにシバかれる事もねーし、何か面白そーだしよ」

「またそうやって考えなしに……やるにしても色々準備とか用意する物結構ありますよ? その辺どうするんですか?」

「レンタルなら安くすむだろ、別に壊す心配もないし。ダイジョブダッテ! チャメシ・インシデントダッテ!」

「レンタルありますかね、これ。無かったら今回の為だけに買うのは流石にどうなんです?」

「あ、ドクターネキが持ってるかも。お願いしたら貸してくれんじゃねーか?」

 

 あーだこーだと議論の末に、イケそうとの結論がでた三馬鹿ラスは行動を決める。

 

「よーし! ではこれより行動を開始する! ゆくぞ者共! シマッテコーゼ!」

「なーに大将ぶってんだテメー。けどよ、これドクターネキ頼りな部分多すぎねーか?」

「「うっ……」」

 

 そんなヨロイニキの指摘に、うめき声と共に固まるサスケニキ、クロマニキ。

 以前ハロウィンのイベントでのビデオレターの一件*1もあって躊躇いを感じざるを得ない三馬鹿ラス。

 不満はないと断言されたとはいえ、ガチ小学生相手になんか気遣われてるのは流石のこいつらもなけなしの良心とか自尊心とか年上の責任感とかにダイレクトアタックなのだ。

 当人は言葉通り気にしておらず、インタビューの後黒犬獣(バスカヴィル)を触れたとご満悦だったが。

 

 なお触った理由はモフり目的ではなく、コマンドウルフ等の狼型ゾイド作成の為に高レベルの犬or狼な悪魔の体格や四足、関節等を間近で見たり触れて調べたかったからである。

 

「まあそれは誠心誠意、全身全霊の猛虎落地勢をもって頼むしかないでしょう」

「やむを得んさ。俺達の未来に関わる事だ、多少の恥も必要な犠牲と受け入れよう。何より――」

 

 

「――将来のシキガミ嫁の為の恥を、俺は恥とは思わん! 寧ろドンと胸を張れ!」

 

 

「おお! 何かムダにカッコよさげでスゲー自信だ!」

「うっかり真似しそうな程誇りに満ちてる台詞ですね!」

 

 いやそこは恥じろよと、何処からか幼女ネキやカス子ネキのツッコみが聞こえた気がしたがきっと空耳である。

 

 まずサスケニキが提案し、ヨロイニキが取り合えず行動して、クロマニキが色々と細部を詰める。

 

 そんな子供の頃からの役割分担と共に、三馬鹿ラスはまた何やら始めたのであった。

 

「そういえば、ミナミィネキにハジメテをお願いにいくとかは考えなかったんですか?」

「だな。何時ものテメーならこっそり抜け駆けに走るパターンだろ*2

「あー……その何というか」

 

 

「色々ハードル高いというか――例えるなら将棋のコマの動かし方知ってる程度で藤〇聡太に挑戦するみたいな身の程知らず感というか、居たたまれなさがね?」

 

 

「「ああ、うん」」

 

 メタ発言ですが、こいつらはスケベだがヘタレなので実際そんなお願い出来ないと断言致します。

 

 

 

 

 

 

 山梨支部を歩く二人連れ、彼らは最近加入した新入りの黒札とそのシキガミである。

 転生を自覚した時からの『自分は特別』『己は何かを成す存在』という転生者特有の万能感のままに、キツイ方の覚醒修行に挑戦し――結果覚醒には成功するもバッチリトラウマとショタおじへの感謝と恨みを抱える羽目になった、まあ割と良く居るタイプの黒札であった。

 ショタおじ筆頭に上澄み連中の人外っぷりを見て、無事夢から覚めた彼だが、現在進行形で新たな夢の中に居た。

 

「マスター、今日はこれからどうするの?」

「デュフフフフww 拙者シャルたんと一緒なら何処でも何でも構わないのでシャルたんが決めて良いでゴザルよw」

 

 前世で好きだったキャラをそのままリアルに、且つ自分を大好きな状態で――そんな前世・今世で幾度も夢みた叶わぬ夢——その夢の具現化であるシキガミ嫁という存在をゲットした彼は今、まさに人生の絶頂にあった。

 中性的な顔だちと後ろで束ねたロングの金髪、スリムな体形とそれと真逆な巨乳――インフィニット・ストラトスのシャルロットの容姿で名前もそのままなシキガミと仲良く腕を組んで歩く彼は、自らの人生の永遠の絶頂を信じて疑っていなかった。

 

 しかし、そんな幸せな主従を物陰から密かに見ていた三つの人影が姿を現し、素早く彼らを取り囲む。

 

「! マスター、僕の後ろに!」

「!? な、なんでゴザルかおぬしら!? 拙者新聞と壺と絵画は間に合っておりますぞ!」

「フフフフフ……随分と幸せそうですなあ、お二人さん」

「ちーとばかしオレらにもおすそ分けしてくれねーか?」

「少し協力してもらいたいだけです、ええ少しだけ、ね」

 

 怪しげな笑い声で、それぞれ覆面、面皰、帽子で顔を隠したニンジャ、鎧武者、黒魔導士の三人組に驚き怯む黒札を背後に庇い、警戒&戦闘態勢を取るシャルだが、同時に勝ち目がないとも認識していた――目の前の三人は自分達とは倍以上のレベル差がある、と。

 

「……マスター、人が居る方に全力で逃げて。僕が時間をかせぐから」

「!? そ、それはダメだ! そんな漫画やアニメでも嫌いなシチュをリアルで再現なんて冗談じゃない!!」

「互いが互いを思う、美しい関係だ。チンチン・カモカモ関係か」

「ええ、そしてだからこそ、何としても協力して貰わなくては」

「だな、あんたらには今からこいつをやってもらう――」

 

 そう言って、ちぐはぐな鎧姿な男が取り出したのは一枚の紙。

 

 

「――この質問に答えてもらうぜ!」

 

 

 こちらに見せつける様に突き出した紙には色々なシキガミやシキガミとの関係についての問い——アンケートがびっしりと書き込まれている。

 

「……実は隅っことかに小さい文字で魂譲渡とかの契約文があるパターンですな?」

「いやないから。そういうのしませんってセルフギアススクロールも用意してるんで」

「……じゃあ、サークルとか集まりに後で呼ばれて会費払えってやつ?」

「別に私らサークルとか主催してませんよ。協力してくれたらお礼もしますから」

「……それって、ただの街角アンケートと同じなのではござらんか?」

「言われてみりゃーそーかもな。そーともゆー(クレしん感」

 

 三人と二人の間に、暫しの沈黙が流れ

 

「なんでNTRモノの導入みたいなノリで登場するんでゴザルか!? めっちゃ怖かったですぞ!」

「いやーやっぱ最初はインパクトが大事かなって。そうイ()ンパクトが!」

「そのインパクト、どう考えてもマイナスにしかならないやつですよね!?」

「これも何が起きるか分からないメガテン世界にて警戒を忘れないように、という先輩としての愛情なのですよ」

「それ絶対たった今考えた理由でござるですよな!?」

「おう、イチャイチャと幸せそうだったからちっとイタズラしたくなってやった、後悔はしてない!」

 

「「勝手にばらすなボケが!」」

「グワーッ!?」

 

「……マスター、今からでも遅くないから逃げよう。この人達最初の想像とは違ったけど、別の意味で関わらない方がいいタイプの人達だよ」

「正直賛同したいところですが、このお三方、先達で拙者達より高レベルなのは間違いないので。ここは穏便に済ませるのが上策でゴザルよシャルたん」

 

 いきなり仲間割れ始める三人を、死にかけなゴキブリを見る目でみつめる己のシキガミを説得する新入り黒札だった。

 

 

 

 ――三人と二人、仕切り直し中――

 

 

 

「で、このアンケートに答えればよいと、しかし中々結構な量ですな」

「ああ、手で書かなくて大丈夫だ、このマイクに話してくれたら、ほら」

「おお、パソコンにそのまま文字が! しかも変換も行変更も正確で見やすい! こんな機械もあるのですな」

「科学とオカルトの融合によるガイア連合驚異の技術力ってやつです」

「いやー、新入りの拙者からすると見る物全部が未知な物に思えますな。ガイア連合とは凄いモノだと改めて思いますぞ」

「だよなー、今でも新しいモンや面白いモンがどんどん作られてるからなー。見てて飽きねーぜ?」

 

「むう……」

 

 三人が用意したプレハブみたいな小さな小屋の中、何でか意気投合してしまった変な三人組

と己のマスターに少し頬を膨らませるシャル。

 そんな彼女を余所に、アンケートの為に用意した彼是の説明をする不確定名の三人組こと、正体・三馬鹿ラス。

 そしてマイクに向けてアンケート——シキガミと自分の関係についての内容に新入り黒札が答えていき、暫し後に完了する。

 

「ふう、思ったより大変でしたな。でもこれで完了でゴザル」

「協力に感謝します、ありがとうございました」

「しかしシキガミへの思いの丈を語れなど、些か恥ずい内容も多くて大変でしたぞ。未成年の主張ではあるまいし」

 

「あー……『拙者の様な者と一緒に居てくれる金髪おっぱい美少女とか神ですぞ! 神は、女神は確かに此処に居たのですぞ!』か、屋上で叫んでみる?」

 

「その無駄に高度な声マネでの再現は止めて下され! 羞恥心大爆発のピンチですぞ!」

「そー言う割にゃーけっこーノリノリだったよな、防音してなかったら外まで聞こえてたぞ」

「だってシャルたんと拙者はラブラブでござるし、こんな拙者でもシャルたんへの愛には偽りも隠し事もナッシングですからな!」

「もうマスター、そんな自分を悪く言わないで、人が何て言っても僕にとってはマスターが一番の人なんだから」

「拙者もでゴザルぞ! デュフフフ——、あだッ!」

「マスター! もう慣れない笑い方するから……舌思い切り噛んじゃって、大丈夫?」

「あ、やっぱその笑いや喋り、演技だったんだな。実際オカシイ」

「明らかに慣れてない感がバリバリでしたもんねえ、大丈夫ですか?」

「転生してカッコつけた演技する奴は珍しくねーけどよ、なんでそんな演技してんだ?」

 

「しょれは、ん"ん"っ、それはですな……前世でも、今世でもオタクオタクと馬鹿にされ続けたので……だったらいっそ紛うことなき絵に描いた様なオタクになってやろうと思いまして」

 

「「「ええー……」」」

「やっぱりこんなヤケの起こし方は間違ってるって、皆さんも思いますよね? マスターを説得してくれませんか?」

 

 

「あと、こうゆう振る舞いしてるとゴミを見る目で見てくる連中が山ほど沸くのですが——その後おまたせー、って待ち合わせに来た風なシャルたんと腕組んで立ち去った時の、そいつらの顔がね? もうホンマ勃〇もんでござってな」

 

 

 ……。

 

 ピシガシグッグッ

 

「僕としては止めて欲しいんだけどなあ……周りからマスターへの悪口ばっか聞こえるし、勘違いした変なのが僕を助けたいとか言ってくるから」

 

 無言で意気投合した友情の証を行う三馬鹿ラスと己のマスターを見て溜息交じりにぼやくシキガミ・シャルロット。

 

 彼女としてはその後に『脅迫』『人質』『借金』『洗脳』といったワードが混じった大量のひそひそ声が聞こえる上に、正義マンとか自称フェミニストなんかが押しかけてくるのであまりやって欲しくないのだ――主に忠誠と愛情を持つ身としては、有象無象相手とはいえ己の主が根も葉もない非難を受けるのを良しと出来ない故に。

 

 そんなシャルロットの肩をぽん、と何者かが優しく叩く。

 振り向いた彼女の目に、ふよふよと浮かぶアガシオンが優しくも切ない悲しい瞳で見つめていた。

 そんなアガシオンに、シャルロットも無言でその小さな手と握手を交わした――ついでにそのぷにぷにの身体を反対の手でつついて感触を楽しんでいたが。

 

「そうそう、忘れる前に。これがアンケート協力のお礼です。どうぞ受け取って下さい」

「おお、かたじけのうござる、これは割引クーポン、ですな。一体何の……ゾイド?」

「見た感じ、シキガミの子が前衛後衛どっちも出来るみたいだが、前衛させるのに抵抗あるんだろ? でも自分も前衛出来なくて困ってるだろ?」

「ムムム、何故それを。先輩方は読心スキルの持ち主でござったか?」

「ちげーよ。女の子のシキガミ——に限った話じゃねーが、シキガミ盾にすんのに抵抗あるっつー黒札の話は実際良くあるんだわ」

 

「だからゾイドに前衛を任せりゃいい。アタッカー役が欲しいならゴドス、ディフェンス役ならイグアン辺りがオススメだな。奇襲・強襲系は前衛揃ってからのがいい」

「金があんならハンマーロックがいーぞ、バランスタイプで他より少し値が張る分能力が高い。逆に金ないならモルガにしとけ、安い割にけっこー打たれ強いからな」

「ただ体高が低いせいで誰かを庇うなら、庇われる側がしゃがむなり伏せるなりする必要がある点には注意して下さい……どうしました? そのきょとんとした顔は」

 

「いやその、凄くまとも、且つためになるアドバイスが出て来たのでちょっと驚いたというか、ノリの違いに戸惑いを隠せぬ拙者なのです」

 

「「「酷くない!?」」」

 

 そんなやり取りの後に三馬鹿ラスは風呂入れよ!歯磨けよ!顔洗えよ!風邪ひくなよ!と新入り黒札を手を振って見送り、新入りもシキガミに手を引かれながら手を振って別れたのであった。

 

 

 

 さて、そろそろ何でこいつらがこんな事をしているのか説明しよう。

 

 彼らの夢の、最高なハジメテはシキガミではどうやってもミナミィネキに性的な意味では敵わないと気付いたサスケニキ。

 そして彼はこう考えた。

 ならば別方向から、性的な事以外の面からも考えてみてはどうかと。

 

 即ち気持ち、ハート、真心、愛情。

 

 そう!長さも硬さも持続力もテクニックもない、そんな無い無い尽くしでも想いが、心が通じ合っていれば問題ない、最強です、みたいな話だってあるじゃんか!と。

 それじゃあどうしよう、そうだドクターネキに習って色々データを集める——他の黒札から色々話を聞いてみるのはどうよ?

 そんなサスケニキの提案を受け、それちょっと、いやかなり間違ってないかとツッコむ者もいない彼らは、相変わらずのノリで行動開始。

 何時もの無駄な行動力のままにあれやこれやと準備して、ドクターネキから色々借りたりクーポン用意してもらったりと色々協力してもらい、今回のアンケートを始めたのである。

 

 

 なお協力を求められ、理由と説明を聞いたドクターネキは頭痛を堪える様な表情をしつつもOKした——その表情を見て、なんか最近ちひろネキに似てきたなあと三馬鹿ラスは思ったとか。*3

 

 

「わざわざ外でアンケート取らなくても掲示板で聞けばいいんじゃないの?」

 

 そんな当然のドクターネキからの問いかけに対し、

 

「それはウカツ、油断だぞドクターネキ。ネット、掲示板を侮ってはならん。警戒重点」

「ネットにそうそうホントの事なんてねーんだぜ? ハナから疑うぐらいでちょーどいい」

「『嘘を嘘と見抜ける人でないとインターネットを使うのは難しい』この金言を忘れてはなりません」

 

 前世でそういう世代——ネットはデマ沢山・僅かでも個人情報をネットに晒すなど自殺行為、そんな風潮の頃の人間だった三人は無駄に含蓄あり気な決め顔&腕組みで語った——世代の異なるドクターネキにはあまりぴんと伝わっていなかったが。

 まあそのせいで、またはおかげで覚醒者として行動する時は常に顔を隠し、実は装備に変声機能も付けるという用心深さにも繋がっているので決して無意味ではないのだろう。

 

 

 

 なお、『10人中9人が「正直ここまでとは思わなかった」と言うレベルのバカ』な言動というマイナンバーカード並の本人証明がそのまんまという特大のセキュリティホールの問題に、当人達が気付くことはない。

 

 

 

 『恋愛シミュや少女漫画とかで色々学んだ気になるよりはマシだし、これなら誰かの迷惑になる心配もないと思ってた——思ってたんだけどなあ』協力した理由を聞かれたドクターネキは後にそう語ったとか。

 

 

 

 何はともあれ、こうして三馬鹿ラスの『あなたとあなたのシキガミどげな感じ?』と尋ねる街角アンケートが始まったのである。

 イチャイチャしてる人型シキガミ持ちは無論、動物型を連れた黒札や武器等の道具タイプを持つ黒札相手にも、何かしら得るものはある筈と果敢にアンケートを求めて突撃していく。

 

 

「もうね、一日の始まりで最初に見る顔と、一日の終わりの最後に見る顔が理想の美女とか、も〜〜たまんねっすわ」

「ふふふふ……ハリウッドも裸足で逃げ出すイケメンと前世で考えたデートコースを実行出来る。今の私はどんなセレブも敵わぬ勝ち組よ」

 

 全力で惚気たおす男女に時にグギギったり、カーッ、ペッしたくなるのを頑張って堪え、

 

 

「手塩にかけて、共に戦って、助け合って、固く結び付いたんだ。人の姿かどうかなんて関係ないさ」

「家族になるのにヤれるかヤれないかなんて、何の関係も無い。だから人型に乗り換える気はないわ」

 

 動物型へ相棒や家族へ向けるような眼差しの黒札を微笑ましく見守り、 

 

 

「無機質でクールなシキガミ銃……! 豪快でリードしてくれるシキガミカタナ……! ああっ! 俺はどっちで悪魔を殺せばいいんだッ!」

「え? そりゃあ大事な自分のシキガミだもん。仲良しでラブラブでイチャイチャでエロエロに決まってるじゃない。それが何の問題?」*4

「道具型だと人型のシキガミより繋がりが薄くなるなんて奴も居るが、そんなのは思い込みだ。現にオレはコイツと『繋がって』いるからな」*5

 

 ちょっと分からない、またはあんま分かりたくない一部の特殊な黒札達からは目を逸らしながらも、彼らの活動は続けられていき——

 

 

「うし! お疲れさんでしたー!」

 

「「「乙でしたー!」」」

 

 ——取りあえずの終了を遂げ、三人はメロウコーラで乾杯した。

 

「いやー、しかしホントよくもまあこんだけ思い付いたなってぐらい色んなシキガミが居たな」

「だよあー。まあ有名な黒札もマニアックなシキガミ持ち多いし、仕方ねーんじゃねーか?」

「でも答えてくれた人に新人が多いのは、手に入れたばかりのシキガミを自慢したかったのでしょうか?」

 

 古参やガイア連合入りしてそれなりに経つ黒札程、こいつらのやらかしの数々を知るが故に警戒されたから、という理由を知る由もなく、三馬鹿ラスはアンケート中の出来事を語り合っていた。

 

「前世も今世も子供を持つ機会がなくて、一度子育てしたいと子供のシキガミにしたと。それだけなら平和な話だが」

「ああ、あのシキガミの主を見る目。あれ手柄首みつけた侍っつーか、完全に獲物を見る狩人だったぞ」

「こちらにも余計な事言うなと目で牽制してましたし、恐らくは将来強制的に光源氏コースでしょうねえ」

 

「それと、キレーっちゃあキレーだけど、他のシキガミと比べると普通つーか、あんまパッとしねー感じのシキガミの娘連れてたの」

「前世で子供の頃時々すれ違うだけで名前も何も知らず、何年かして見なくなった初恋だった女性の姿の再現、でしたか」

「『もっと美人な人は居るのかもしれない。でも自分にとってはこの娘が最高の女性なんだ

』か、ああ言い切られちゃあ拍手をするしかないな」

 

 形はどうあれ、己のシキガミと良き関係を築いている者たちの語りは、未だシキガミを持たぬ三馬鹿ラスからすると、眩いばかりの輝きを放っていた——吸血鬼の如く灰になりそうな程に。

 

 それでも何れは自分も——達に非ず——あちら側になるのだと、あれが未来の自分の姿なのだと己に言い聞かせて必死に灰にならないように耐える三馬鹿ラスであった。

 

「じゃあ撤収するぞー。このプレハブっぽいのは向こうが回収するからそのままで良いそうだ」

「おーう。んじゃ掃除と片付けに、残りはゴミ捨てぐらいでいいか。箒とちりとりどこだ?」

「あとドクターネキから借りた諸々も忘れずに。この機械とか買ったら大分するんですから」

 

 サスケニキの号令で後始末を始める三馬鹿ラス。

 

「クロマニキ、ノーパソからデータ移したらちゃんと消しとけよ。そういう約束なんだから」

「あ、ついでにオレらのスマホにもデータ送っといてくれ。後でもっとじっくり読みてーし」

「はいはい、分かってますよ」

 

 掃除するサスケニキ、ヨロイニキに言われた様に、アンケートに使ったパソコンからデータを自分のスマホに移し、パソコンのデータをデリートしたのを確認して、改めて二人のスマホにアンケートデータを送ろうとスマホを操作するクロマニキだが——

 

「あいたっ!」

「あ、わりぃ」

 

 ——ヨロイニキが周りをよく見ず豪快に掃き掃除していた箒の柄がクロマニキの後頭部に当たり、ショックで手から離れたスマホが地面へと真っ逆さまに——

 

「っと、セーフです!」

 

 ——落ちる直前に、クロマニキが空中でスマホを見事キャッチする。

 

 ピッ

 

 

 その時、聞こえた電子音に訝しげな顔になったクロマニキがスマホの画面を覗き————固まった。

 

 

「なー、掃除こんぐらいでもういーよな?」

「だな。クロマニキそっちも終わったか?……クロマニキ?」

「おい何やってんだよ。おい、どうした?」

 

 後片付けを終えたサスケニキとヨロイニキが声を掛けるもクロマニキからの返事はなく。

 反応も返事もなく固まったクロマニキの肩をヨロイニキが揺すると、漸くクロマニキが再起動した。

 

「……あ、すいません。今、ヘルシェイク矢野の事考えてました」

 

「「何で!!?」」

 

「そんな時もありますよ、転生者なんですから。後片付けも終わった事だし帰りましょう」

「お、おう。そーかもな……いや、そーなのか?」

「あ、私ドクターネキに用があるので、借りた物私が返しに行きますから、二人は帰っていいですよ」

「……じゃあ、頼んでいいか? 俺とヨロイニキは帰るから」

「ええ、任せて下さい。では私はこれで——」

 

 そう、クロマニキが二人に背を向けた、その時である!

 

「イヤーッ!!」

「うるァー!!」

 

「おあーっ!?」

 

 背後からの爆魔龍神脚*6がクロマニキの後頭部へと突き刺さった!ゴウランガ!

 

「い、いきなり何を!」

「状況判断だ!」

「そんなっ説明は!?」

「せぬ!」

「なーに企んでやがる、もしくは隠してやがる。オラ、はけっ!」

 

 二人がかりで押さえ付けて尋問するサスケニキとヨロイニキ。

 普段のクロマニキなら例えドクターネキに用があっても荷物をこちらに持たせる筈と付き合いの長さで見抜いた故の即断であった。

 そんな状況に諦めたような顔になったクロマニキが語り始める。

 

「……さっきのスマホキャッチの際、ちょうどデータを送る所だったせいで、誤送信してしまいました」

「え。誤送信って事は……アドレス入れてる相手に送っちまったてことか?」

「なら早いとこ連絡して事情説明して消して貰わねえと。まあ別にあのデータで何か悪さする様な知り合いは多分居ない。ダイジョブダッテ!」

「……カス子ネキや黒死ネキだとちょっと、いや大分ヤバいんじゃねーか?」

「……カス子ネキは邪視ネキと魔人ネキに先に話通せば多分イケる。黒死ネキは……霊視ニキか救護ネキ*7にドゲザで頼めば何とか?」

 

 そう善後策を話す二人に、クロマニキは静かに、しかし残酷に告げた。

 

 

 

「……ガイ連製の黒札用のスマホには、緊急時用に、全黒札へ一斉に連絡・送信が可能なのを、忘れてませんか?」

 

 

 

「「えっ」」

 

 絶句し、先程のクロマニキの様にサスケニキ、ヨロイニキが固まり、やがてカタカタと音を立てて三人が小刻みに震え始める。

 

 そんな重い沈黙の中、三馬鹿ラスのスマホからデータの受信音が鳴り始める——黒札への全送信なのだから当然こいつらにも届くのだ。

 

 最早この事態を止める術もなく、身体中冷や汗塗れになった三馬鹿ラスは、震える身体を必死に制御し、可能な限り気配と足音を消して、彼方此方からメールの受信音が響く山梨支部の中を、ネズミの様にコソコソと逃げていった——アガシオンにちゃんと届けるようにとドクターネキから借りた機械を託して。

 

 

 

 

 

 

「追え追えー! 絶対に見失うな!!」

「そっちに逃げたぞ! 囲んで追い詰めろ!」

「例え便所に隠れても逃さん!!」

 

「何があればその怒りを鎮められる!? 何だ!? 取りあえず精神的ドゲザします!」

「本当にスンマセンでした! マジでスンマセンでしたー!!」

「話し合いましょう! メールでもチャットでも掲示板でもいいから話しましょう!」

 

 その日山梨支部を喧騒が満たした。

 シキガミとのあれこれを大公開時代された多数の黒札達が、原因の三馬鹿ラスを追って山狩りの真っ最中である。

 別に公開されたデータに個人名等が載っていた訳ではないが、内容が内容な上に、知り合いなら気付いたり、誰か予想するのは難しくないわけで。

 

 

 例えば、如何にも硬派っぽい見た目のある男性は、シキガミと二人っきりだと互いにちゃん付けで呼び合ってるだとか。

 

 例えば、凄い出来る雰囲気のキャリアウーマンなある女性は、家でシキガミにチョコで出来た猫みたいに甘えてるとか。

 

 例えば、女子校で王子様呼びされてそうなカッコいい娘が、犬型シキガミに赤ちゃん言葉で話しかけてるとか。

 

 例えば、刀シキガミ持ちのクールで無口な少年が『……オレは女に斬りつける剣は持ってはおらぬ』という台詞を密かに練習していたとか。

 

 

 そんな傍から見れば微笑ましくすらある内容も、当人達からすれば例えるなら隠してたエロ本を机の上に綺麗に整頓されてるのを見つけた時みたいなもんな訳で。

 故にその原因となったバカ共を許す訳もなく、被害者一同協力し、三馬鹿ラス追討軍が組織されたのである。

 

 しかし被害を受けた黒札は新人が中心、経験少なく、連携の訓練をした事もない者が多数の集団では、少数のベテランが指揮を取っても全力で逃げ回るバカ共を捕らえられず、事態は膠着状態に。

 

 加えてここで更に被害者チームにマイナスイベントが発生。

 

 三馬鹿ラスがロードスキッパーにに乗ってその機動力と走破性を活かして追討軍を撹乱し始めたのである。

 

「駄目だ! 追いつけない!」

「無理に追うな! 囲みを突破されないのを優先するんだ!」

「ゾイドが協力してるって事は、ドクターネキも協力者なのか!?」

 

 

 そう思われてもしょうがないがそんな事はなく、お散歩中のロードスキッパーを見つけた三馬鹿ラスが咄嗟に飛び乗り『鬼ごっこ!』と叫び、バチクソにアホなロードスキッパーが全力で鬼ごっこを楽しんでいるのが真相である。

 

 

 しかし、この機転が結果的に三馬鹿ラスの敗因となった。

 

「おい、見ろ。ゾイドだ! しかも沢山!」

「でもなんであいつらを追ってるんだ? 向こうの味方じゃないのか?」

「良く分からんがチャンスだ! 一緒に囲むぞ!」

 

 事態を把握し、ドクターネキが冤罪受けたり累が及ぶ事を恐れたドスゴドスが潔白の証明の為、他のゾイド達の尻を蹴って参戦したのだ。

 ロードスキッパーもバトルローバーのバインドボイス*8——ではなく、ただの咆哮——人に例えるなら『こらーーー!!!』という大声に固まった所をバトルローバーの突進で転ばされてしまった。

 

「『情にサスマタを突き刺せば、メイルストロームへ流される』……行くぞ!」

「くうっ、すまねえ……すまねえ! ロードスキッパー、許してくれ!」

「貴女の犠牲、決して、そう決して無駄にはしません! さらばです!」

 

 転倒したロードスキッパーから咄嗟に飛び降りた三馬鹿ラスは更に逃走を続行。

 バトルローバーに取り押さえられお仕置きの電磁ハンドをくらい『ごめんなさーい』と叫ぶロードスキッパーを泣く泣く置いて、山中へと逃げていった。

 

「はあ……もう、仕方ないなあ。今回はわたし首突っ込むつもりはなかったのに」

 

 そしてかかる事態に、疑われたら釈明すればいいだけと関わる気のなかったドクターネキも、ゾイド達が突っ込んでしまった為介入を決める。

 サイカーチス達航空ゾイドで得た山の地形と追討軍とゾイドの配置と追跡の動き、三馬鹿ラスの逃走ルートの載った地図を見つめ、暫し考えるドクターネキ。

 やがてモルガに跨って山中のある場所へとやって来たドクターネキは、軽く周囲を見回し大きく息を吸って、大声で叫んだ。

 

 

 

「えーー!!? 今から人魚お姉ちゃんがもっかいアマテラス解放した時の踊りを踊るの!!?」

 

 

 

「「「マジで!!?」」」

 

 その声に反応して地面に埋まって隠れていた三馬鹿ラスが飛び出し——

 

「はーい、確保ー」

 

 

「「「うわーっ! しまったーー!!」」」

 

 

 ——即、ドクターネキが伏兵させていてたステルスバイパー*9率いるRZ-020ステルスバイパー達が大バカ&大マヌケ共に一斉に襲いかかって巻き付いた。

 

 それでも力付くで逃れようと足掻くもドクターネキの指パッチンで現れたグランチュラ*10とRMZ-04グランチュラの群れがワイヤー射出機から一斉に糸を発射。

 巻き付いているステルスバイパー達ごと糸でぐるぐる巻きにされた三馬鹿ラスは遂に捕らえられたのであった。

 

 

 

「ねえ、騙した側のわたしが言うのも何だけど……人魚お姉ちゃんがアメノウズメの踊りもっかいやるってホントに信じたの?」

「いや……人魚ネキの性格含めた諸々考えてもまずないとは思った」

「ああ、そんな自分の身体安売りするよーなマネする人じゃねーもんな」

「九割九分九厘まで嘘で罠だとは、分かってはいました。しかし——」

 

 

 

「「「——それでも、可能性が一厘でもあるのならその可能性に賭けてしまう! イカロスだ!! 男はみんな地に墜ちるとわかっていながら太陽を目指してしまう悲しきイカロスなのだ!!」」」

 

 

 

「……そう」

 

 なんか追討軍の一部の連中まで涙を流す程に三馬鹿ラスの言葉に共感しているのを見たドクターネキは、もし自分が理解や共感出来ちゃったら、きっとドスゴドスやちひろお姉ちゃんや幼女ネキ——は、ちょっと判別が出来ないが——別の意味で泣くんだろうなと漠然と思ったのでした。

 

 

 

 

 

 

「やっほー、お兄ちゃん達元気ー?」

「……おお、ドクターネキ、来てくれたのか……ほとんどブッダ」

「うん! 差し入れ持ってきたよ」

「いつもすまねーなあ……お前にゃいつも苦労ばかりかけて……」

「もう、それは言わない約束でしょ? ヨロイお兄ちゃん」

「……本当にありがとうございます、それで話は変わるのですが」

「なーに? クロマお兄ちゃん」

 

 その場に()()()()()三馬鹿ラスと視線を合わせたドクターネキが尋ねる。

 

 

「「「——出してくんない?」」」

 

 

「ごめんね、それは出来ないの。皆からもすっごく釘刺されちゃってるし」

「「「そんなー」」」

 

 首から下を地面に埋められた三馬鹿ラスの訴えを苦笑しつつ却下するドクターネキ。

 

 言うまでもなく今回のやらかしの罰、ケジメの結果の現状であった。

 

「わざとじゃなかったのは分かってるけど、今回はちょっとねー。巻き込まれた人と、怒ってる人、どっちも多いから」

「……事故だったのだ。決して斬新な命乞いなんかじゃないんだー……」

「……仕方なかったんやあー……仕方なかったんやああああ……」

「これは陰謀なんです、きっと過激派メシアンの陰謀なんですー……」

「あー……流石のお兄ちゃん達もあんま余裕ないみたい」

 

 そう言いながら取り出した差し入れ、喉の乾きを抑え、トイレにも行きたくならなくなるというカ◯リーメイトっぽいガイア連合製携行食。

 

「じゃ、まずサスケお兄ちゃんから順番に。はい、あ〜ん」

 

 包装を破いたドクターネキが三馬鹿ラスへの口元へと差し出した。

 

「んぐ……うー、ドクターネキの差し入れが生命線な現状がまだ続くのかあ……」

「ばくっ……ハラヘリもキチーけど、こいつらとしか話せねーってのもツレーよー」

「はむっ……私達を揶揄いに来る人も、一度来た後はもう来ませんからねえ、薄情な事です」

「ああ、子供達に関しては近づかない様に正式に通達してるからね。教育に色々と悪いからって。わたしも差し入れ兼見張りで来てるからだしねー」

「差し入れは大歓迎だけど見張りは要らんでしょ、何なんよこのびくともしない地面。おかしいと思いませんか? 貴女」

 

「ちひろお姉ちゃん曰く、探求お姉ちゃんに頼んで五行山を術式で再現してるんだって。簡易式で相当劣化してるらしいけど」

 

「ごぎょーざん? なにそれ、歌? 新しい剣スキル?」

「お釈迦様が斉天大聖を封じ込めた山ですよおバカ! いくら貴方でも西遊記ぐらい読んだ事あるでしょ!」

「え、斉天大聖って破壊神セイテンタイセイで……孫悟空かよ! ガチすぎるだろ! そこまでするか!?」

「「判断——じゃなくて、反応が遅い!!」」

 

 ツッコミ入れたくとも文字通り手も足も出ず口しか出せないでギャーギャー騒いでいる三人を笑顔で見つめるドクターネキ。

 

 なお、彼女が見張りで来ているのは嘘ではない——が、三馬鹿ラスの逃走を防ぐ見張りでもない。

 

 以前のあれやこれやの結果『三馬鹿ラスに一杯食わされた連中』という人生における消えない黒いシミが出来てしまった黒札達。

 その後も色々あって*11こいつらへのリベンジを狙う連中は大分数を減らしたが、居なくなった訳ではなく、たとえ心折れたとしても人は何らかの切欠で復活する事はあると、自らの経験からドクターネキは良く知っていた。

 

 つまりドクターネキはそんな連中の動けない三馬鹿ラスへの襲撃を防ぐ為に、そいつらへの牽制の為に、見張りに来ているのである。

 

 三人は全然気付いていないが、この周囲には多数のゾイド達が密かに配備されており、リベンジ狙いの連中程度のレベルなら少人数なら確殺。

 例え大勢で来ても援軍の到着まで時間稼ぎが出来るぐらいの陣容が整えられていた。

 

 そんな内情を(おくび)にも出さず、普段よりは元気がなくとも、相変わらずな三馬鹿ラスに、ドクターネキが励ますように告げた。

 

「ちひろお姉ちゃんが被害者の人達と色々話し合いしてるから、きっともうすぐ出してもらえると思うよ?」

 

 その言葉に三馬鹿ラスは生気を取り戻し——

 

 

「だってお兄ちゃん達用の依頼と指名依頼、溜まってるってボヤいてたから」

 

 

 ——即、さっきより生気が抜けていき、死体のような空気を纏った。

 

「埋められた上にキッつい依頼のコンボとは……まさに『ウルフをやり過ごしたらその先にライオン 』……」

「いや待って! ちょっと待って! 今オレらめっちゃ身体弱ってるし鈍ってるから! 絶対依頼失敗するって!」

「その通りです! 依頼が失敗しては元も子もありません! ですからどうかお慈悲を! お情けをー!」

「あ、それについてはちゃんと考慮するってちひろお姉ちゃん言ってたよ」

「「「さっすが~、ちひろネキは話がわかるッ!」」」

 

「——受けるだけでいい、失敗しても良い依頼を、受けたって事実が重要な依頼をピックアップしてるんだって」

 

「「「…………」」」

 

「あと指名依頼の方の子達だけど——お兄ちゃん達っていう共通の知り合いと共通の話題が出来たせいか、割と仲良くなってたよ? 今度会ったら『皆でお兄ちゃん達で一緒に遊ぶ』んだって。一部の人達が総攻撃チャンス*12教えてたし、幼女ネキがサングラス配って『ガッデム!』の練習させてたから、気を付けた方がいいかもね?」

 

 

 

「「「——引っこ抜かれて〜♪ あなただけに〜ついて行く〜♫ 今日も運ぶ、戦う、増える〜♪ そして〜食べ〜られる〜♬」」」

 

 

 

 埋められた三馬鹿ラスが、埋められたまま歌い始めた。

 

 

「「「ほったかさ〜れて、また会って〜、投げられて〜♪ でも私た〜ちあなたに従い尽く〜します〜♫」」」

 

 

 三人の歌う『愛のうた』*13は山梨支部に鳴り響いた。

 

 

「「「そろそろ遊んじゃおうかな〜♬ そっと出かけてみようかな〜んて〜♪ 嗚呼〜嗚呼〜♫ あの空に〜恋とか〜、し〜ながら〜♪」」」

 

 

 悲しく、切なく、そして虚しく鳴り響いた。

 

 

 

「「「いろんな生命が〜生きて〜いる〜この☆で〜♬ 今日も運ぶ、戦う、増える〜♪ そして〜食べ〜られる〜♬」」」

 

「今日も運ぶ、戦う、増える〜♫ そして〜食べ〜られる〜♪」

 

 

 

 そんな彼らの傍らのドクターネキに出来る事は、サビの部分をハモる事ぐらいであった。

 

 

 

 

 

 

 長めのおまけ ドクターネキのある未来予想

 

 山梨支部・事務所。

 ちひろネキとドクターネキの会話より。

 

「全く本当にあの人達は……シキガミでも人間でも、お付き合いする相手が出来れば、三人も少しは落ち着いてくれますかね」

「んー……ハニトラ対策の為に、わたしはシキガミが良いと思う。シキガミ嫁作った後の重婚なら、人間でも大丈夫と思うけど」

「あら、そうですか? でも名家や穏健派や他所の神々等のそういった人達からは、上手く逃げているという話ですが」

「うん、そういうちゃんとした——って言い方も変かもだけど——しっかりしたハニトラにはお兄ちゃん達は強いの。だってそれで選ばれるのは実家や組織や信徒っていった沢山の人の期待を背負えるだけの、見た目も内面も選りすぐりの人達でしょ?」

「まあそうでしょうね。それが何か?」

「そんな人達だから——『こんな内側も外側も綺麗な娘が自分達に惚れる筈がない』ってお兄ちゃん達は考えて、警戒心マックスになるの。だから普通のハニトラには強いの」

「……まあ、似たような考えの黒札は割と居ますからね」

「逆にちゃんとしてないハニトラ、ハニトラというより玉の輿希望の人達と言った方が近いかな? そういう相手だと、お兄ちゃん達は危ないと思う」

「……それはどうして?」

 

「玉の輿を狙うぐらいだから、容姿には自信のある人達だろうけど、それは一般人レベルなら、だよね? でもその場合だと——お兄ちゃん達は逆に『万が一で、ホントに好きになってくれた可能性も?』ってつい思っちゃうの。失礼な事言うと『このぐらいなら自分達でもワンチャンあるかも』って感じで」

 

「……」

「で、もしそんなのにお兄ちゃん達が引っ掛かっちゃうと——悲惨な事になるとわたしは断言する、ゾイド達に賭けても良いよ」

「ええと、それは家庭内不和からの泥沼離婚調停コース、とかですか?」

 

「それならまだマシ。具体的に言うと——途中で相手の内心に何となく気が付いて、でももしかしたら勘違いかもと中々別れられず、そのままずるずる続いて子供が出来て、子供のためにもって別れられなくなって。結婚後は完全にATM扱いでほんのちょっぴりのお小遣いだけ渡されて、家事も押し付けられて、父親を馬鹿にする母親を見て育った子供からも下に見られて、家に居場所がない——色々シミュレートしたらそんな結果になったの」

 

「……それはいくら何でも考えすぎというか、終末や半終末に黒札の伴侶にそこまで頭の悪い事する人が——居ない、とは言えませんが」*14

「そうだよ、頭の良し悪しとは別に想像力とか客観性が全くない人っているんだから。ちひろお姉ちゃんは多分ガイア連合で一番そういう人達を知ってるでしょ?」

「でもいくらあの三人でもその前に逃げ出すのでは?」

 

「あれでお兄ちゃん達変なとこで常識的なのと、身内認定した相手には遠慮がなくなるけど同時にかなり甘くなるところがあるから……だからお金や特権目当ての相手との組み合わせで、とても酷い事になっちゃうの。勿論ホントのホントに限界になったら逃げちゃうだろうけど……三人で集まったお兄ちゃん達がお互いに昔は良かった、楽しかったって愚痴りあって、でも結局自分の奥さんと子供だから見捨てる訳にはって家に帰るお兄ちゃん達の姿、想像出来ない?」

 

「……それでも、あの三人なら子供とは上手くやれるのでは?」

 

「それは甘いんだよちひろお姉ちゃん。仕事のある父親と家にいる母親だと一緒に過ごす時間は母親の方がずっと長いんだよ? そして母親が父親を馬鹿にするのなら、母親に逆らって父親を庇うよりも、一緒に馬鹿にして下に見るする方がずっと気持ち良く日々を過ごせる——そんな状態で父親の側に立てる程心が強い子や頭の良い子なんて然う然ういない。大人の人が思ってる程、子供は純粋じゃないんだよ?」

 

「いや、そういう貴方だって子供でしょう!?」

 

 

「だからこそ、なんだよ。そもそもの話、お兄ちゃん達って女の人と子供に幻想(ユメ)を見過ぎだって思うの。女性も子供も結局は人間——本能に惑う肉の身体と欲望で一杯の精神(ココロ)を持ったヒトなんだから。決してお兄ちゃん達が思ってるようなきらきらしてる存在なんかじゃないんだよ?——と、女性で子供な身のわたしとしては声を大にして言いたいんだよね。子供は兎も角、何があったらあそこまで女性をきらきら綺麗な素敵なモノだって思える様になるのかな……それはそれで興味あるけど」

 

 

「……ドクターネキ、もう少しこう何というか、手心というか……」

 

 

 

 おまけ2 理解から最も遠い

 

 三馬鹿ラスが解放された後。

 

「——という訳で、どれ程の事があったの? お兄ちゃん達」

「「「ええー……」」」

 

「ドクターネキ、詮索好きの犬は警棒で殴られるとミヤモト・マサシも言ってるんだぞ……?」

「ああ、人には触れちゃならん傷みがあって、其処に触れたら命のやり取りしか残らねーんだぜ」

「普段ならリアルファイトも辞さない所ですよ? 他ならぬドクターネキなのでお答えしますが」

 

「「「で、何があったかっていうと——」」」

 

 

「「「な に も」」」

 

 

「え?」

 

 

 

「「「……なにも!!! な゛かった……!!!!」」」

 

 

 

「なにもなかった……なかった結果の果てがこうだ、こうなんだ……!」

「だからこんな生き物になっちまった……! なっちまったんだ……!」

「届かぬ故眩しく、縁がないから憧れを抑えられなかったんです……!」

 

「……マスター! この三人に——ううん、他の皆さんにも、とびっきりの一杯を! わたしの奢りで!」

 

「誰がマスターですか、誰が。あと貴女もあの三人も未成年でしょう」

 

 三馬鹿ラスだけでなく『いかん、雨が降って来たな』『辛ェよ、チクショー辛すぎて涙出てきやがった』と周囲の黒札の一部まで涙を流して空を仰ぐ中、皆に一杯奢ろうとしたドクターネキへ、周囲の状態に頭痛を堪えつつツッコんだちひろネキだった。

 

 でも落ち込みまくった空気は実際何とかしなきゃだったので、ドクターネキはジャンニキ食堂に頼んで持ってきてもらった良いお酒を、仕事中だから一杯だけ皆に振る舞ったとか。

 そして未成年の三馬鹿ラスには、後日極上のお肉を使ったすき焼きを用意し、自宅へと招いたのでした。

 

 

 

 なお締めをご飯、うどん、お餅のどれにするかでバカ共が殴り合いになったので、鍋を3つに分けたのは別の話——そしてドクターネキは三馬鹿ラスに分けてもらって三つ全部を食べたのは更に別の話である。

 

*1
マカーブル様作。【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 番外編 ハロウィン回 キレのあるリアクションを見せてこそ、芸人と言うものだろう? より

*2
別にサスケニキに限った話ではなく、この二人も同じ事する奴らである

*3
ちひろネキと違って何だかんだで楽しんだり面白がっているが

*4
でっかいリアルタイプな見た目の虫型シキガミを連れた女性

*5
車型のシキガミを熱い目で見るドラゴンタイプのデビルシフターの男性

*6
ダブルドラゴンシリーズやくにおくんシリーズに登場する必殺技。凄い字面だが見た目は跳び膝蹴り

*7
名無しのレイ様作。【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち に登場する黒札。容姿はブルアカの蒼森ミネで、医療部の秘密(にしておきたかった)最終兵器。救護バフ込みで上位修羅勢とも殴り合う身体能力と、何よりその性格・精神性で幼女ネキ、黒死ネキ、人魚ネキといった名だたる黒札の天敵になっているある意味無敵な人

*8
敵全体にBINDの効果

*9
ヘビ型ゾイド。旧名はスネークス。水中を含めた汎ゆる地形への走破性と隠密性、そして高い生産性を持ち、飛行ゾイドを地形を利用して待ち伏せからの奇襲で撃墜する戦法を得意とした。漫画ではアーバインの愛機を務めている。

*10
クモ型ゾイド。初期の骨ゾイドの一体で性能は高くなく、元は高速探査機の為強力な武装もないが、岩場や砂漠の戦いを得意とし、集団戦法で戦う。またキットの箱絵からスパイダー◯ンの様にワイヤーを用いた機動も可能な模様

*11
マカーブル様作。【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 番外編 ハロウィン回 バラエティには『裏側』も『景品』も付き物なのだろう?・タマヤ与太郎様作。【カオ転三次】TS^2ようじょの終末対策 転生ようじょ、注文す。・血涙鬼・彼岸様作。凡庸でありふれた転生者達の小話 番外編その5 沖縄支部の技術開発その2 若しくは与太話? など

*12
ペルソナシリーズに登場する一斉攻撃。一言でいうとスーパーフルボッコタイム

*13
初代ピクミンのCMソングで、累計90万枚を売り上げたヒット曲。その哀愁あふれる歌詞がサラリーマン層に支持されたという切ない逸話がある

*14
頓西南北様作。ファッション無惨様のごちゃサマライフ 小ネタ 終末期におけるホビーの価値について そこまで頭の悪い奴が実際居た




―以下どうでもいいバカ共の設定―

・三馬鹿ラス
 こんな事ばっかやってるからゾイド達から禊を求められるバカ共。
 作中通りそれぞれ提案・実行・修正で役割が分かれている。
 なので実は単独だと大掛かりな行動は出来なくなるので、分散させれば被害は減る。
 しかしその場合格下しか相手に出来ないあんま役に立たないバカが三箇所に居るだけになる。
 分散させた上で誰かと組ませて塩漬け依頼をやらせれば効率三倍という提案が事務方から挙がったが、こいつらとコンビ組めと言われたらお前は受けるのかという指摘により頓挫した。

 何もなかったからこそ憧れて、何もなかったからこそ、きっときらきら綺麗だと思ってしまった悲しき童◯達。

・アガシオン
 ドクターネキに借りた道具を返しにいってそのまま居候、三馬鹿ラスの護衛も己の出る幕はないだろうと仕事に精を出してしてた。
 なお主な仕事はドスゴドスの相談相手とフロストイグアンの愚痴聞き役。

・新入り黒札
 アンケート内容がシキガミ嫁への普通の惚気だった為、追討軍には未参加、その後も三馬鹿ラスとは交友が続いている。
 程々に努力を続け、後に二体目のシキガミを手に入れたが、今度は艦これの鹿島だったことで『分かりやすい! 分かりやす過ぎるぞ後輩!』と三馬鹿ラスからツッコまれた。
 見た目は『株という字が妹に見えてしまうほどのオタク』とか『さばげぶっ!』のからあげ☆レモンとかのイメージ。

・ドクターネキ
 理屈の通らぬトラウマと違って理屈が通ればデカい狼も平気な娘、ゾイドの参考になるなら他のシフターや変身能力者、シキガミ、友好的な悪魔にも多分同じ事する。
 何でもないように三馬鹿ラスの未来予想を語ったが、実際そうなった場合は合法・非合法の両面から解決の為の行動をするつもりであり、其の為のシュミレートである。
 自身の大切なものへのジョジョ五部的な意味での『侮辱』*1は自身への『侮辱』に等しいと考え、神が許してくれずとも殺害も選択肢の一つになる、そんな点も友人・幼女ネキと似ている。

 実家のガンギマリ系名家の血は、彼女にもしっかりと流れているのだ。

・ロードスキッパー
 捕まった後めっちゃお仕置き&お説教されたが、それでも自身の面倒みたり、他ゾイドからは可能な限り庇ってくれるバトルローバーが大好き。
 しかし三馬鹿ラスと同じぐらい一緒に居て楽しいと伝えた際にすっごく微妙な顔されたのには不思議に思っている。

・バトルローバー
 ロードスキッパーのツッコミ役兼お説教役だが、他からの説教&お仕置きは庇おうとするのでゴドス辺りから甘やかしすぎと説教される事も多い。
 ダメ人間の三馬鹿ラスも守備範囲だが、あの三人はドクターネキのターゲットだと考えている——結果、ゴドスとイグアンにその誤ったドクターネキ観を矯正するとめっちゃ怒られた。
 
・ステルスバイパー
 元ネタが各地の盗賊に好んで使われた影響か、規律を嫌い自由を好む自称・アウトロー。
 だがその実態はゴミをポイ捨てせず、ちゃんと分別したり、迷子の親を探してあげるぐらいの良い子、仲間を大事にするのがアウトローだと他のゾイドとの折り合いも良い。
 アニメ版と同様に顎と牙を付けてもらったが、敵以外には使わない、そんなところも良い子。

・グランチュラ
 最初の頃に作られたゾイドの為、能力面でやや劣り、元ネタ同様奇襲や偵察が中心な上、見た目がモルガ以上に苦手な人には抵抗が強い点もあってあまり人前に出ない様にしている。
 当人の性格は自身の見た目も能力も受け入れた上で、やるべきをやるという実直な昔気質。
 最近イグアンから以前下に見ていた事を能力だけでなく性格も大切だと心から理解出来たと真摯に謝罪された時に、悩みがあるのなら聞かせてほしいと返した先輩の鏡。



 前書き通り最近バカ共がバカしてない、バカが足りない気がしたのでやらかさせました。
 ツッコまれる前に白状しますと元ネタはこち亀と幕張です、武田鉄矢の少年期とどちらを歌わせるか悩みましたが埋まってるから愛のうたに。
 首以外埋めるのはふなぐち又兵衛さんとこの二番煎じになると迷いましたが、某もちほっぺなゲームのイベでも埋めてたので埋めることにしましたw

 もうちょっと短くまとめて早く投稿出来るように成りたいです。
 次回はネタまで決まってるのでもう少し早く出せるといいなあと思います。

 それでは最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

*1
名誉を傷付けるだけでなく、人生や生活を抜き差しならない状況に追い込む事

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。