【カオ転三次】幼女ネキの謎を解明するため、黒札調査隊は宮城県の奥地〇〇町出張所へと向かった――。   作:貧弱一般メガテンプレイヤー

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 また細かいネタが溜まったので再利用小ネタやります。

 何時も通り時系列等は無視した外伝・アンソロジー時空とお考え下さい。

 12/31 またまたマカーブル様よりFAを頂きました、あとがきに掲載させて頂きます。


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1『誰しもついその場のノリやテンションに身を任せてしまう事はある』

 

 ドクターネキ宅のある一室。

 三馬鹿ラスと幼女ネキ、黒死ネキがソファーに座って大型ディスプレイを見ている。

 そのディスプレイに映るのは――

 

 

 

『空前絶後のぉォォ~!! 超絶怒涛のちびっ子博士!! ゾイドを愛し、ゾイドに愛された女!! 動物型・昆虫型・恐竜型、全ての連れ歩きゾイドの生みの親!! そう、わたしこそはぁぁぁ!!! 身長140cm! 体重32.3kg! 貯金残高1983万円!! キャッシュカードの暗証番号3110!!! 財布は今部屋に置いてあります! サスケお兄ちゃん今がチャンスです!! もう一度言います、3110『3110(ゾイド)』って覚えてくださぁぁーーい!!! そう、全てをさらけ出したわたしは~~サンシャイーーン ド~~ク~~タ~~(ボコッ)ネキーーー!! イエェェェ~イ!!! ゾイド!!!』

 

 

 

 ――頭に手拭い巻いて、タンクトップと短パンを纏った、サンシャインドクターになったドクターネキだった。

 

「わあああああーーーっ!!! 見ないで、見ないでええええ!!!」

 

 そしてドスゴドスに背後から腕ごと抱えられて宙吊り状態のドクターネキが、お顔真っ赤っ赤にして足をジタバタしながら全力で叫ぶ。

 

「ぐふっ、い、いや動きのキレといい、絶叫といい上手いと思うぞ? 実際ウマ、ぐくくっ」

「そ、そーそー、こーゆーのは照れたら負けだかんな、だから恥ずかしがるこたぁ、ぶっふぉ!」

「ええ、ギャップ萌えとは古来よりあらゆるジャンルで強いモノですか、ぐっ、ぐぷぷ、ぷひっ」

 

「止めてええ!! 品評しないでええ!! 何で!!? 全部間違いなく処分した筈なのにい!!」

 

 黒死ネキから『笑ってはいけないハロウィンパーティー』のオファーを受けたドクターネキ。

 

 元より大好きな作品に出れると聞いた彼女は、テンションと張り切りがちょっとばかりイキ過ぎてしまい——結果、サンシャイン〇崎ネタの自主練を開始。

 

 客観的視点も必要だと撮影した映像を自分で見て改善を行う等全力で取り組んだ。

 黒死ネキからビデオレターでの登場と聞かされたのと、時間経過により落ち着きを取り戻した事で、撮影した映像はドクターネキの手で徹底的なロックの上で処分された筈だったのだが……

 

「……まあ、何だ。誰しもついやり過ぎてしまう事は、ぶっ、ぷぷっ、す、すまん、ぶぷぅー!」

「あははははは。いやあこれは悪い事をしたな、知ってたらこっちも絶対使ったのに。あはははははははは」

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」

 

 

 双子のご飯用機械魚、機械牛作成のお礼として貰った人魚ネキお手製圧縮睡眠子守唄CD。

 緊急時以外は使わないというドスゴドスとの約束を破り、こっそり使って研究その他に励んでいた事の代償は、あまりにも大きかったのであった。

 

 

 

 

 

 

2『個人的にこの理屈には納得した思い出』

 

 山梨支部・事務所にて、今日も並んで正座させられちひろネキに説教中の三馬鹿ラス。

 

「お邪魔しまーす。あらら、今日は何やったの? お兄ちゃん達」

「あ、ドクターネキ。身体中すり傷だらけのチビ見つけてな、『困っている人を助けないのは腰抜け』とミヤモト・マサシのコトワザに従い話聞いたんよ」

「んで、おんなじぐらいのガキ共にフクロにされたってんでな。チャリ使ってはねたりすんのは流石にガキのケンカじゃあやり過ぎだ」

「それでその子を連れて件のおガキ様共に注意しに行ったんですよ。そしたら――」

 

 

 

 ――ここから再現VTR――

 

 

 

「うわ、何? 子供同士のことに首つっこむとかダサーい。そもそも証拠あんの? しょーこ」

「言う事聞かなきゃどうすんの? 高校生が小学生おどすとかなさけなー、こんな大人なりたくなーい」

「黒札の人ってもっと立派だって思ってたのになー、あーカッコわる、幻滅した」

「子供おどして言うこときかせるつもり? やってみたら? 恥ずかしくないなら」

 

 実に舐めた生意気な事を抜かすワルガキ達、しかし。

 

「……まあ一理あります。『弟子の喧嘩に師匠は出ない』と某作品でも言ってますし。ですが――」

 

「――オロカモノ! それは正々堂々、一対一の神聖なるイクサ、果し合いだった場合だ!」

 

「ガキの頃、ウ◯トラマンや仮面◯イダー、戦隊ヒーローからそう習わなかったのか? テメーら」

 

 北斗〇拳や聖闘士〇矢の様に、ゆらあ~と両腕を威嚇するかの様に動かす三馬鹿ラス。

 

 普通の相手なら通じたかもしれない言い分も、残念ながらバカ相手には通じなかった。

 

 

 

 ――再現VTRここまで――

 

 

 

「素直にワビいれたらゲンコツ一発で済ますつもりだったが、これじゃあな。懲罰重点」

「ちょーどゾイド達みっけたんで、オレらでガキ共抱えてゾイドに乗ってお散歩したんだよ」

「……ゾイドの全力で山中走り回ったり、ジャンプしたり、崖から飛び降りるのは少しやり過ぎです。子供なんですよ?」

「ちゃんと命綱と舌噛まない為の猿轡も用意したのに……おまけに全員漏らしてこっちも被害受けちゃいましたし」

 

「あれ、随分普通のお仕置きだったんだね。わたしてっきり『お前達を天狗の国へ連れてゆく』って姫路支部の前支部長さん*1とこに連れてったりしたのかなって思ってた」

 

「「「「いやちょっと……」」」」

 

 三馬鹿ラスと付き合えて、幼女ネキと友人になれるこの子も、やっぱり問題児枠と改めて認識したちひろネキでしたとさ。

 

 新沢基栄様著・ボクはしたたか君 より。

 

 

 

 

 

 

3『同作者の作品より。リメイク楽しみにしてます』

 

 駄弁り中の三馬鹿ラス+実年齢小学生トリオ。

 

「ねえお兄ちゃん達にあと二人加わったらガイア連合奇面組って名乗れないかな?」

「イケメンと称する気はないが、あそこまで酷い顔扱いされる謂れもないんだが!? 実際フツメン」

「うーん、どうだろうな。彼らの自称する変態とこいつらの変態は似て非なるモノじゃないか?」

「あれおかしーな、何か遠回しにオレらより奇面組のがまだマシみたいな事言われてね?」

「奇面組の変態とは『常識とは外れた奇人・変人』を指すからな。だがそれはそれでこいつらにも当て嵌まる、問題あるまい」

「変態なのは否定してくれないんですね……ちょっとだけ女の子への情熱が強いだけなのに!」

 

 

「でもさ、『ガイア連合を動かす歯車ではなく、ガイア連合を味付けする調味料になる』ってとってもお兄ちゃん達らしいと思わない?——味付けが濃すぎて少し咽ちゃう事もあるけど」

 

 

「「確かに」」

「「「何か勝手に凄く納得されてる!」」」

 

「じゃあサスケお兄ちゃんはやっぱりまゆなしの零で。リーダーだし」

「覆面で見えないだけでちゃんと眉あるからね?」

「ならヨロイニキはまなこの豪か。一番荒っぽいからまあ妥当だな」 

「別に酒好きじゃねーのに、プロレス技はやるけどさー」

「で、クロマニキがむき歯の潔と。あはは、実にぴったりではないか」

「私スカートめくりとかしてませんよ!?」*2

 

「思ったんだが、その配役だとドクターネキが河川唯になるよな? 実際ヒロイン」

「え~? わたしそんな美人でも可愛くもないと思うけど」

「あれで割と変態*3という点は共通してるな」

「成績優秀だが授業をサボる点もだな。という事は――サスケニキはシキガミ嫁からドクターネキ狙いに変えたのか?」

「テメー! 遂にロリコンに墜ちやがったか!」

「ロリ三原則を破った者には死あるのみです!」

「違うわあ!! ヤメロー! ヤメロー!」

「あはははは、いやあ実に仲の良い事だ」

「ゲーテ面が出てるぞ黒死ネキ」

「そこまで全力否定されるのはちょっと複雑だよー」

 

「じゃー、ドクターネキのダチの幼女ネキのポジは、宇留千絵か」

「「「……」」」

「おい、何だその反応は」

「いやその、何といいますか」

「ぴったりだなあって。あからさまにピッタリなのだ!」

「そうかそうか、じゃあそれらしくしないとな。必殺・早変わり3人蹴り!*4

「「「グワーッ!」」」

「それだと幼女ネキはヨロイニキと――」

「黒死ネキ、二番煎じはダメだよ?」

 

「じゃあ黒死ネキは……誰ですかね?」

「女性で千絵以外で暴力型ツッコみ役なら、伊狩増代あたりじゃないか?」

「それはどちらかというとちひろお姉ちゃんじゃないかなあ」

「んじゃー長い黒髪と葉巻だけど喫煙するから天野邪子はどーよ?」

「うーん、それもなんか違う気がする。実際違和感」

 

「「「「「結論! 黒死ネキのキャラが唯一無二過ぎて別のキャラに例えられない、例えにくい!」」」」」

 

「まあ自覚はあるが、それは褒められているのか?」

 

「それより肝心の奇面組の残りの二人だよ。皆は誰なら良いと思う?」

「こいつらと並んで負けない面子か。ぱっと思いつくのはナマモノネキだが」

「あれは時々出て来る作者本人なポジだろう――割と酷い目に合う点も含めて」

「他は……ノンデリおじちゃんとか?」

「え? おっさんは事代作吾だろ。ズレてるところなんか特に」

「良かれと思って変な事言ったりやったりする人ですからねえ」

「ワリぃおっさんじゃないのに不幸な目にあうのも一緒だよなー」

 

「「「お前ら(お兄ちゃん達)がそう思うんならそうなんだろう、お前ら(お兄ちゃん達)ん中ではな」」」

 

「そういえば⋯⋯お前ら最近仲良くなった新入りが居たよな?」

「ああ、居たな。豚みたいに肥えた腹をした奴だった。ならえびすの仁でも問題あるまい」

 

「え、拙者でござるか? 拙者確かに太ってはおりますが、食い気より色気(萌え)な男だと自覚しておりますが⋯⋯あと黒死ネキ殿に豚と呼ばれると思わず豚の様に鳴いてしまいそうなので勘弁して欲しいですぞ」

 

「大食いというよりも、間食とか不摂生の結果という感じですからねえ」

「でも他に候補いないもんねー。るるお姉ちゃんだと大分イメージが遠いし」

「あんなおっかねー仁はねーよ。食い物絡むとヤベーにしても限度あんだろ」

「じゃあ最後はおちょぼ口の大か」

 

 まあ、でも……。

 

 

「「「「「「おちょぼ口の大は、クロアネキに確定で」」」」」」

 

 

「何でさ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

4『こち亀133巻を読んで』

 

 ゾイド達と何やら会話?してるっぽいアガシオン。

 

「気付いたらすっかりゾイド達と仲良しになったよなあ、アー坊。ユウジョウ!」

「まーいい事じゃねーか。ゾイドとつるむよーになって、ア太郎も腕をあげたしよ」

「それについては同感です。ただ、ふと思ったんですけど――」

 

 

「――ゾイドは皆女性格って考えると、実はアっくんってハーレム状態?」

 

 

 その発言に三馬鹿ラスは暫し沈黙して熟考し

 

「「「いや、違うな」」」

 

 あっさり否定した。

 

「何つーか、モテてるっつーより仲良しって感じか? ウマが合うみてーな」

「だよな。友達同士ともなんか違うけど、話と気が合う者同士っていうか」

「例えるなら……モテじゃないけどクラスで好かれてる女子高の教師?」

「あー、それだ。または女子の部活の顧問や外部コーチみたいな」

「でもよ、それだとドクターネキは一体どーゆーポジになるんだ?」

 

「……クラスの中心人物、または部の主将の溺愛してる妹で、且つそのクラスや部員からも可愛がられている娘、というのは?」

 

「「それだ!」」

 

「うん、すっきりした。流石ニンジャの有能な相方。人望がある、カリスマ!」

「おう、やっぱオレの後輩みてーなもんだけはあるな、テメーらとは違うぜ」

「まあ私の弟子みたいなものですから。このぐらいは当然と言うべきでしょう」

 

「「「……」」」

 

 そして何時もの三つ巴の取っ組み合いが始まり、やや離れた所でそんなバカ共を眺める実年齢小学生トリオ。

 

「などと言っているぞ、同志ドクターリン」

「なるほどシベリア送りだ――って何言わすの幼女ネキ」

「あはははは、だが強ち間違いではあるまい。相変わらず変な所で見る目のある奴らだ」

「まーね。ウチの子達って、個人差あるけど皆わたしの事そんな風にみてるとこあるし」

「しかしだ、女子部活のメンバーがゾイド、主将の妹がドクターネキ、アガシオンが顧問なら――あの三人の立場はどうなるんだ?」

「ん? そんなもの決まってるだろう」

 

 

 

「顧問が多頭飼いしてるペットだ。しっかり躾されてる筈なのに顧問が連れて来る度、部室荒らしたり物ひっくり返したりと悪さをする類の、な。部員達から好かれたり嫌がられたり面白がられたり引っ叩かれたりされてるが、主将の妹が何故か非常に気に入って可愛がってるせいで出禁にも出来ない。で、駄ペット共が悪さする度に顧問が皆に謝ってまわってる訳だな」

 

 

 

「……ペット。あの三人が、お兄ちゃん達が」

「よし! この話はここまでだ、違う話をしよう! ゾイドやサメの話とかどうだ!?」

 

 なんか変な雰囲気を纏い始めたドクターネキ、それを見て即座に話を打ち切る幼女ネキ、にやにや笑顔全開の黒死ネキ。

 

 激しい殴り合いを続ける三馬鹿ラス。

 サメとゾイドの話――ハンマーヘッド*5の話を強引に始める実年齢小学生トリオ。

 そしてそんな彼らを見て、深々と溜息吐くような仕草をするアガシオンを、励ます様に肩っぽい部分をぽんぽんするゾイド達。

 

 今日も平和な山梨支部のある日の午後の出来事でした。

 

 

 

 

 

 

5『筆者は鬼灯の冷徹も吸血鬼すぐ死ぬも大好きです』

 

 ある日の姫路支部。

 破魔ネキのシキガミ・セキトは主への報告の為に支部長室へと入室し――

 

 

 

 ――三人の人間を片手で振り回して、床や壁に叩き付ける鬼の姿に固まった。

 

 

 

「――ま、マスター、これは一体何事です!? あれは、鬼灯様? 鬼灯様は一体何を……あ、あの人達は何時ぞやの」

「鬼灯様は元々視察ついでに今日此処に来る予定だったので。あの三人は依頼で来たそうで」

「はあ、そうでしたか――それで一体何がどうなって、あのような事に?」

 

 自分のシキガミからの当然の質問に、破魔ネキは無言で眉間を揉み揉みしてから答えた。

 

 

 

 ――ここから再現VTR――

 

 

 

「おおー! リアル鬼灯様に会えるとは、まさに二階からオハギ!」

「だな! やっぱ日頃の行いって大事だな、オメ―らオレに感謝しろよ」

「ここの依頼見つけたの私ですからね? その事を深く胸に刻むように」

「……えーと、すみません。こんなでも、一応ガイア連合ではマシな側の人達ですから。ええ、こんなでも」

「ああ、以前貴女が話していたあの三人組ですか」

 

 なんで出くわすかなあと内心で嘆く破魔ネキを余所に、やけに興奮&盛り上がって鬼灯に話しかける三馬鹿ラス。

 

「ここで会うのも何かの縁。実は鬼灯様にお願いがありまして」

「言っておきますが、地獄の裁判に忖度はありません。勝手にそんな取引をあなた方に持ち掛けている日本神もいるようですが、あり得ません。地獄のモットーは『罪にあわせておもてなし』ですので」

「へー、そーゆーやつらも居るんだな。オレらそんなん持ちかけられた事ねーけど」*6

「で、そんな小汚い話じゃないっす。俺達の頼みは、俺達と友達に、いや――」

 

 

 

「「「――ご友人になって下さい!!」」」

 

 

 

 ――再現VTRここまで――

 

 

 

「——という訳で。他にも『一緒に踊って下さい』とか『素敵なステップお願いします』とお願いして、その結果がアレです」

 

 溜息と共に説明を終えた破魔ネキの視線の先では、片手でバカ共の腕掴んで、床だの壁だのにびったんびったんする地獄の第一補佐官。

 

 

「はい、スロー スロー クイッククイックスロー。スロー スロー クイッククイックスロー」

 

 

「ぶげっ、ぐぺっ、ちょ、うげっ、待っ、ぶへっ!」

「ぐえっ、これ、ダンス、がはっ、違、ぎえっ!」

「はぶっ、でも、ひぶっ、声は、あぐっ、再げ、あぎっ!」

 

 バリトンボイスと共にバカ共を制裁する闇鬼神。

 ボコボコにされながらほんのちょっぴりだけ満足そうな三馬鹿ラス。

 そんなカオスな光景を前に、セキトは暫しの沈黙の後に言った。

 

 

 

「……あの時は何故かつい言っちゃいましたが、今回は敢えて言わせて頂きます――――どあほうが」

 

 

 

 後日、姫路支部にて。

 

「え、あの三人の事について、ですか? 構いませんけど、どうしてまた」

『あの三人、一部の黒札の天敵で大きなストレス源になってるとか。亡者への責苦に使えるのではと思いまして』

 

 

「つまり、死後に地獄の極卒にスカウトしようと。その、良いんですか? こう言っては何ですが――あの三人、アホですよ? しかもウチ(ガイア連合)でも屈指とか有数って名詞が付くぐらいの」

 

『アホと天才は紙一重です。それにブッ飛んだアホはあなどれません』

 

 

 地獄の人材ブラックホールによって将来(死後)の就職先が増えていた頃、件のバカ共は月架手町*7である吸血鬼によってマイクロビキニ姿になっていたとかいないとか。

 

 

 

 

 

 

 

6『性癖と同じく人の地雷は千差万別』

 

 ドクターネキ宅にて、並んで正座する三馬鹿ラス。

 

「――成程、ナマモノお姉ちゃん作のわたしの本見つけちゃって、それでここの所挙動がおかしかったと」

「「「……」」」

 

 無言でドクターネキと視線を合わせないよう明後日を向く三馬鹿ラス。

 しかし、バカ共の秘密を吐かせた後も、ドクターネキの容赦のない追撃は続く。

 

「それで、どんな内容だったの?」

「待て! 俺達は黒札にしてはかなり控えめで〇リコンではない方だ! 買わないし買ってない!」

「うん、知ってる。でもどんな内容なのかは知ってるんでしょ?」

「う……でもよ、流石にオレ達でもこれを本人に伝えるっつーのはいくら何でも」

「販売されてて、実際買った人も居るんでしょ? 今更だってわたし思うな」

「むむむ……分かりました。ええとですね?」

 

 

「ドクターネキが、ラブラブ且つハードに致す内容でした――――ゾイド達と」

 

 

「……ゾイド達と、つまりは動物とって事?」

「……はい。その通りです」

「その、どうやって? そういう機能はゾイドにないよ?」

「あー……道具っつーか、機械っつーか、そんな感じで」

「大きくなったわたし? それとも何時ものわたし?」

「……何時もの。あからさまにロ〇コン向けなのだ!」

 

 つまり、ガチ〇リ純愛ハード獣姦機械姦複数プレイ本である。

 

 

 ブッダ!何たるマッポー!ナマモノネキとはモラルと性癖の極北の具現化か!?

 

 

「……あー、うん。分かった、いや分かんないというか分かりたくないけど分かったよ」

「「「え」」」

 

 頭痛を堪える様な、しかし落ち着いた様子に逆に驚く三馬鹿ラス。

 

「あの、それでいいのか? 買って所持してる奴がいるんだぞ? 実際ヒワイ」

「別に実害がないならまあ⋯⋯少なくとも、わたしに直接何かされる訳じゃないし」

「えーと、じゃあカス子ネキみたいに放置すんのか? そいつぁ大丈夫なのか? 色々と」

「勿論抗議はするよ? 流石にフリー素材みたいな扱いにはされたくないもん」

「こう言っては何ですが……抗議なんて屁とも思わないタイプですよ、ナマモノネキは」

 

「うん、知ってる。でも幼女ネキ筆頭にあれだけの人からあれだけの目に合わされても諦めない人だもん。あの人をどうにか出来る気がしないよ、わたし」

「「「ですよねー」」」

 

「だからその本読んだ人がわたしのとこ押しかけて来るとかしなきゃ気にしないよ。そんな人居ないでしょ?……居ないよね?」

「流石にそこまでのド級バカはいねえ――と、言い切れねーのがイヤだな。大丈夫だよな?」

「恐らくは。それにそこまでのバカが居たら多分本が無くとも押しかけて来るのでは?」

「だよねー。まあそうゆう事だから。お兄ちゃん達もあんまり気にしないで――どうしたの? サスケお兄ちゃん」

「いや、掲示板みてたらな? ドクターネキのナマモノ本、もう一冊あったみたいなんよ。で、調べてた。調査重点」

「まだあったんだ。今度はどんなの? まあどんな内容でも最初のよりは――」

 

「ええと⋯⋯ドクターネキが擬人化&女体化させたゾイド達との百合ハーレムもの――」

 

 

「――は?」

 

 

「「「ヒイッ!!」」」

 

 一瞬で部屋に満ちる濃密極まりない殺気!

 絶対零度の表情と、相反する業火の怒り!

 

 その有様はまるで灼熱のマグマを内部に蓄えた巨大な氷山の如く!

 

 悲鳴をあげて震えあがる三馬鹿ラスを余所に、ドクターネキが壁をスライドさせて現れたスイッチを押すと、屋敷中に警報が鳴り響く。

 そしてドクターネキはスイッチ傍のマイクへと叫んだ。

 

「総員戦闘準備! 最低限度の警備を残して全ゾイド出撃! 販売用ゾイドも予約済以外は全部起動! ドスゴドスとカノントータスは試作中の荷電粒子砲を装備して!」

 

 全軍出撃の命令を下して隣の部屋へと消えるドクターネキ。

 震えたままの三馬鹿ラスが何度目かの唾を飲み込んだ時、隣室のドアがバーン!と荒々しく開かれた。

 

「「「アイエエエ!? Dr.ドクターマン、Dr.ドクターマンナンデ!? コワイ!!」」」

 

 何時もの格好に形容し難い見た目のお面――Dr.ドクターマンになったドクターネキ、そしてその手にはSSゾイド*8を将来作る為の参考資料として武田観柳から購入した大型ガトリング砲。

 

「安易な擬人化、軽率な女体化……しかも! それをわたしがやると? S〇Xなんかの為に、性欲の解消の為に?――――ここまでの侮辱は、人生で二度目だよ……!」

 

 

 

「万死に値する……! 万死に値するゥ!!!」

 

 

 

 この時三馬鹿ラスは、ドクターネキの背後にデススティンガー*9に騎乗して吠える超絶的に大人げない37歳児のペルソナを確かに見た。

 

「サスケお兄ちゃんは飛行・高速ゾイドと先行! ヨロイお兄ちゃんは主力の歩兵ゾイド達の先駆け役! クロマお兄ちゃんは砲撃・支援用ゾイドの指揮を! 40秒で支度して!!」

 

「「「Yes! Ma'am!」」」

 

 

 

 その後捕らえられたナマモノネキは『正しくない知識が正しくない作品を生む』とドクターネキによるマンツーマンでゾイドについて徹底的に教育される事になる。

 

「普通に袋叩きにされた方がずっとマシだった」

 

 そうナマモノネキが語る程厳しい授業だったとか。

 また、これが切っ掛けでドクターネキが後回し気味だった電子戦用ゾイドの研究・開発に取り組む様になったのは余談である。

 

 

 

 

 

 

「わたしが尋ねるのも何だけど……わたしとお兄ちゃん達の本、作ろうとはしなかったの? 今迄のナマモノお姉ちゃんの傾向から考えてやりそうなのに」

 

「ドクターネキ、漫画にはリアリティが大切なんだよ? そんなリアリティの欠片もない作品、漫画家の端くれとして作る訳にはいかないよ!」

 

「「「「断じて作って欲しい訳じゃないけど納得いかない! 凄く納得いかない!!」」」」

 

 

 

 

 

 

7『この苦しみと悲しみを知らず大人になった男は居ない。黒札もそれは同じ』

 

 山梨支部の河川敷にて体育座りで並ぶ三馬鹿ラス。

 夕焼けに辺りが染まる中、ただ無言のままに夕日を眺める三人。

 

「「「悲しい時に〜は 町の〜はずれで、電信柱の明り見てた〜♪」」」

 

 そして、三人が歌い始める。

 三人の歌声が、静かに、しかしはっきりと周囲に響いていく。

 

「「「七つの、僕には不思議、だった♪ 涙うかべて、見上げたら〜♬」」」

 

 彼らの歌う『少年期』*10は鳴り響いた。

 悲しく切なく、されど力強く鳴り響いた。

 

「「「虹の〜かけらが〜キラキラ光る〜♫」」」

 

 河川敷へと人影が現れる。

 更に一人、二人と次々と人影が、山梨支部の黒札達が集まっていく。

 

「「「瞬き、するたび〜に形を変えて、夕闇にひとり、夢見るようで〜♬」」」

 

 男が居た。

 前世男の女も居た。

 新入りも居た。

 古株も居た。

 クロアネキが居た。

 オタクニキ(仮称)が居た。

 田舎ニキが居た。

 

 覚醒済・非覚醒どちらも含めて、多数の黒札達が居た。

 

「「「叱られるまで、たたずんでいた♪ あ〜あああ〜♬」」」

 

 皆が知っていた。

 

 三人の痛みを、苦しみを、そして――――それが自分達にどうする事も出来ない事を。

 

 同じ痛みと苦しみを知るが故に。

 

 

『僕は〜どうして〜♬ 大人になるんだろう♪』

 

 

 だから、皆は歌った。

 心から、魂を込めて、歌った。

 

 

『あ〜♪ 僕は〜いつごろ〜♬ 大人になるんだろう♪』

 

 

 人々の歌う『少年期』は山梨支部へと鳴り響いた。

 哀しく、切なく、なれど力強く。

 

 

 

「……なんでそんな事したんですか」

「悪戯とかじゃなくて、出かけたお兄ちゃん達待ってる間ヒマだったから……お兄ちゃん達なら別にそんなの今更気にしないって思ったし……」

「ええ、普段ならきっと今更気にしなかったと私も思います……相手が貴女以外だったのなら」

「……謝ったほうがいいかな?」

「今は逆効果です。今は……そっとしておきましょう」

 

『紙飛行機が飛んでゆ〜くよ♪ 明日にどうか間に合う様に♬ ずっとずっと、ずっとずっと夕日を追いかけて〜いるよ♪』

『紙飛行機が落ちないようにボクは空に願いをかける♫ ずっとずっと、ずっとずっと夢が見たいから〜♬』

 

 距離を取って様子を伺うドクターネキとちひろネキ。

 その先では三馬鹿ラス達が『夕空の紙飛行機』*11に突入していた。

 

 

 

 その頃、山梨支部の宿舎で現在三馬鹿ラスの使っている綺麗に掃除された部屋では――

 

 

 

 ――――エロ本が机の上に整理して並べられていた。

 

 

 

 

 

 

 なお、エロ本を発見した彼女に性的に徹底的に搾られる苦しみはジャンルが違う――というかふざけんなという意見多数によって、豆柴ニキと手羽先ニキの参加は認められませんでしたとさ。

 

*1
ディストピア様作。【カオ転三次】終末が約束された世界で生き抜きたい 第64話(スレ回)より。三馬鹿ラスも祝福する程のハーレムを手にしていた

*2
だが3話にて女性の股下をスライディングで潜って逃げている

*3
勿論作中に於ける変態=変人

*4
元ネタでは早変わり5人○○で様々な競技の扮装に着替えつつ流れるように投げやキック、パンチをかますツッコミ技

*5
シュモクザメ型ゾイド。対シンカー用に開発され、シンカーと同じく水空両用で、行動範囲・攻撃力・速度と全ての面でシンカーを上回る。しかし高性能故に生産性でシンカーに負けてしまい、大量生産されるシンカーを駆逐出来なかった

*6
持ち掛ける側だって相手は選ぶ

*7
KSJ研究所の拠点の一つで月読尊とヘカテーの加護により多数の夜の眷属達が住む。が、幼女ネキが頭オポンチな連中を大量に押し付けた結果新横になってしまった

*8
ゾイドに登場するカール・リヒテン・シュバルツ仕様のゾイドでシュバルツスペシャルの略。彼は愛機にガトリング砲を必ずといっていい程つけるのでSS=ガトリング砲装備である

*9
海サソリ型ゾイド。凄まじい戦闘能力を持つが、危険性もまた高く作中で『ピースの欠けた完全体』と呼ばれる。基本大型ゾイドのモチーフは大型生物なのだが大きくても2.5mぐらいの海サソリがモチーフなのもこのゾイドの異常性を表している。15話で話題にあがったバイオハザード起こしかけたのがこのデススティンガーである

*10
映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』主題歌。ドラえもん大長編シリーズの主題歌の中でも人気が高く、藤子・F・不二雄氏もお気に入りだったとか

*11
『はじめの一歩』エンディングテーマ。優しい音色とキャラの日常シーンが実に良い雰囲気。良曲なので一度聞いてみて下さい




 ―以下どうでもいいバカ共の設定―

・三馬鹿ラス
 流石にほぼ身内扱いの相手のナマモノ本はキツかった、加えて二次なら兎も角リアルのガチロリは流石に守備範囲外。
 何度か買った事もあるのでナマモノネキを糾弾も出来ず、せめてドクターネキが知らずに済むようにしようとするも、幼女ネキが『転生ようじょ、注文す』で言及したように挙動がバグったせいですぐにバレた。

・ドクターネキ
 育ちが育ちな上に引きこもり生活が長かった為か、時折人生のアクセルのかけ方が変になる。
 多分愛嬌や可愛げの範疇、おそらくきっと。
 割とエロに寛容なのは短い期間だが自分を将来孕ませようとする過激派に囲まれていたから。
 あいつらに比べれば妄想やエロ本なんて実害ないから可愛いものだと思っている——だが自分とゾイドの絡みで興奮する連中には流石に引いた、まあ当然である。



 再びの小ネタ回でした。
 年内にもう一本書くつもりでしたが、また書いてる内に長くなりギリギリになりました。
 
 去年の今頃はまさか自分がカオ転三次を書くとも、書いた連中が他の皆様のところで登場するとも、全く思っていませんでした。
 来年も多分バカがバカやってる話ばかりと思いますが、お付き合い頂ければ幸いです。

 マカーブル氏より、空前絶後で超絶怒涛のちびっ子博士です、ゾイド!!

【挿絵表示】


 それでは最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
 皆様どうか良いお年を。
 そして来年もどうか宜しくお願い致します。
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