【カオ転三次】幼女ネキの謎を解明するため、黒札調査隊は宮城県の奥地〇〇町出張所へと向かった――。 作:貧弱一般メガテンプレイヤー
正直これキノネキが激おこにならないかなあと不安。
でもネタが降りてきたから仕方ないんだ。
何時も通り時系列等は外伝・アンソロジー時空という事でお願いいたします。
4/30マカーブル様より支援絵を頂きました。ネタバレ防止であとがきに掲載させて頂きます。
本日も平和なガイア連合山梨支部――ではなく、ここはとある地の荒野。
草木も少なく、乾いた風の吹く荒れ果てた大地の広がるこの地にて、それでも逞しく生き抜いている存在。
それは――
「「「「「ヒャッハー!! まちやがれぇ!!」」」」」
――外道・モヒカン、終末とかポストアポカリプスといえばなイメージから生まれた漫画やアニメに出て来るヒャッハーまんまの存在である。
ネタそのものみたいな存在のくせに、銃やボウガンといった飛び道具も使うし、バイクで機動力もあるし、数も沸くし、人間要素強くて対悪魔結界が効きにくい、とガチでやっかいな悪魔なのだ。
「おーい! きてる! 追っかけてきてる! しかも増えてんぞおい!」
「落ち着け! 『急ぐと失敗する』とミヤモト・マサシも言っている!」
「別の集団が合流しましたか! このままの距離とコースを維持です!」
そんなモヒカン達が追っかけてるのが、怒鳴る様な大声でやり取りする三馬鹿ラスと彼らを乗せたゾイド達。
バトルローバーに跨るヨロイニキが殿役で後ろを走り、その前方をサスケニキとクロマニキが二人乗りし、頭にアガシオンを乗っけたロードスキッパーが駆けていく。
「ヒャッハー! 頭捻じ切ってオモチャにしてやるぜぇ!」
「うおっと! オモチャにすんのはテメーのその愉快な髪形だけにしとけ!」
「こぉのヘアースタイルは俺たちの誇りだぁあ~~!!」
ニトロ吹かせて加速した一体のモヒカンが斧で斬りかかってきたのをヨロイニキは馬上用の太郎太刀を振るって迎え撃つ。
「おーっ! はぁ! うりゃあ!」
「オラオラオラァ!――んなぁ!?」
斧と大太刀が数合打ち合ったところでバトルローバーが尻尾をバイクへと叩きつけ、モヒカンの体勢が崩れる。
「隙ありぃいい!!」
「うぎゃあ~!」
「てめえもスキありだぁ~!――あべし!」
大喝一声!ヨロイニキがモヒカンを唐竹割りに斬り倒したところを別のモヒカンが武器を振り上げてせまった次の瞬間、新手のモヒカンの眉間と目にシュリケンが突き刺さり、先程のモヒカン同様バイクと一緒に派手に転がっていく。
「おお、ナイスアシスト! たまにゃーヤルじゃねえかサスケニキ!」
「はっはっは! クルシュナイ!――って偶にはは余計だボケ!」
「やってる場合ですか! ヨロイニキ、バトくんはもう少しスピード上げて下さい!」
ギャーギャー騒ぎながら三馬鹿ラス達がスピードを上げてモヒカンの群れとの距離を開ける中、さっき転倒したモヒカンとバイクに衝突したモヒカンが数体派手にクラッシュして宙を舞うが、モヒカン達は全く怯まない。
「なんだぁ~!? あいつシュリケンなんか投げやがったぞぉ~!」
「じゃあさっきのやつはニンジャにやられたのか! レアな死にざまだぁ~!」
「よーし! あのレアなニンジャは俺さまのエモノだぁあ~~!!」
「「「「ヒャッハー!!!」」」」
「「「バカのくせにムダにやる気満々だな! これだからバカは困る、死ねばいいのに!」」」
歓声上げて元気一杯に追っかけて来るモヒカン達にうんざり顔でぼやく三馬鹿ラス。
なお、それは普段こやつらの関係者達が常々思っている事だとツッコむ者は居なかった――内心で少し思ったのが二人(?)居たが。
直線や平面で有利なモヒカン達のバイクに対し、得意とする斜面や障害物アリの地を活用して距離を詰めさせないゾイド二体。
そんな命がけなのに何処かコミカルな追いかけっこは荒野を抜けても続き、一行はゴーストタウンへと突入。
廃墟の中で一際目立つ廃ビルへと辿り着いた三馬鹿ラスとアガシオンは、ロードスキッパー達から飛び降りるとビルの中へと逃げ込み、ゾイド達はそのまま何処かへと駆けていく。
「あ~ん? あいつらビルん中に逃げやがったぜぇ?」
「よ~し! てっぺんまでおっかけて追い詰めてやるぜぇ~!!」
「楽しい狩りの始まりだぁ~! オレ達は、カッコいい!!」
「「「「ヒャッハッハーー!!」」」」
そしてモヒカン達もバイクから降りて三馬鹿ラスを追ってビルの中へと突っ込んでいく。
「そぉの地味でダセえ服をやつらの血で真っ赤に染めて旗にしてやれぇ~!」
「誰が地味だ! これは赤黒に敢えて染めない奥ゆかしい心の現れだオロカモノ!」
「オクユカシだぁ~? やりてぇこともやれねぇチキン野郎の言い訳だろうがぁ~!」
「ちょっと、幾らモスキート=サンでもモヒカンに論破されるのは流石にアカンでしょ」
「やはりニンジャよりやはり侍だな・・今回のでそれが良くわかったよ>>モヒカン感謝」
「バカハドッチダー! クチゴタエスルナー!」
階段で上へと逃げていく三馬鹿ラス+アガシオン。
「なんだぁ本なんぞ大事に持ちやがってよ~! ケツふく紙にしてやらぁ~!!」
「これは私の思いの結晶!*1美少女ならまだしも貴方達の尻拭きになど使わせませんよ!」
「あ~~ん? 女ならケツふいてもいいのかあ~? コイツは大した変態野郎だぜぇ~!」
「おいクロマニキ、モヒカンに言われてんじゃねえか。しかも割と正論を」
「まあオレもそれはどーなんだって流石に思うぞ。どーいう癖だよそいつぁ」
「どっちの味方ですか貴方達! あと私にス〇トロ趣味は無い!」
ヒャハヒャハと追いかけるモヒカン軍団。
「色んな色と形のレアな鎧だぁ~! 作り直して俺達で使ってやるぜぇ~~!」
「ほぉお前らは分かっているな――って作り直すたぁ何だよ! このままでいいだろーが!」
「肩にスパイクつけて冑にモヒカンつけるんだよぉ~~! そうすりゃパーフェクトだぁ~!」
「……お前、こいつらと仲良くなれんじゃねえか? ヨロイモヒ、じゃなくてヨロイニキ」
「ですね、センスも近いみたいですから。どうです? ヨロイモヒ、もといヨロイニキ」
「テメーらぜってー後で殴る! いや斬る!」
階段を駆け上りながら油を撒いたり蹴り落したりと反撃しつつ逃げる三馬鹿ラス。
将棋倒しになったり階下へと叩き落されても止まる事を知らないモヒカンの群れ。
どちらも本気で戦っているのにやっぱり何でかコメディチックな雰囲気の追いかけっこが続く。
速の高さを活かして先行し、屋上へ辿り付いたサスケニキが、懐からドウグ社製フック付きロープ――という設定の作成部製アイテムを取り出し、頭上で振り回す。
「――イヤーッ!」
そして放たれた鉤縄が過たずに近くのより低いビルの屋上の柵へと引っかかり、それを確認したサスケニキは身を翻しながら叫んだ。
「ヨロイニキ! クロマニキ! 準備完了だ!」
その声に狭所と階段を利用してモヒカン達を応戦しつつ足止めしていたヨロイニキとクロマニキも即座に反応する。
「うおらぁ! 百人斬り!」
「「「たわば!!」」」
「うっし、今だ! 下がるぞ!」
「はい! サスケニキ、援護を!」
「任せろ! そうら、ファイアインザホール!」
百人斬りで近くのモヒカンを吹き飛ばした間隙に、ヨロイニキが反転して屋上へ向かい、クロマニキとアガシオンも後に続く。
『待ちやがれぇ~!』と追って来るモヒカン達へと駆け付けたサスケニキが閃光弾、煙幕弾、催涙弾、大オイル等をありったけ投げつけ、その間に二人+一体は屋上へと到着した。
「マグナス!――今の内です!」
「わーってる! よし、何時でもいーぞサスケニキ!」
クロマニキが地変系魔法で屋上入口を岩で埋め、ヨロイニキがフック付きロープを引っ張ってぴんと張る、そして――
「しっかり引っ張れ! 絶対離すなよ――イヤーッ!」
――サスケニキがロープの上へと飛び乗ると、そのままロープの上を走る。
腐ってもダメダメでもレベル20越えの覚醒者。
細いロープの上を常人では不可能な速度で駆け抜けたサスケニキは、別のビルの屋上に辿り着くと大きく両手を振って合図を送り、ロープをしっかりと掴む。
「じゃあ次行きます! アッくんも! ロープを頼みますよ」
合図を見たクロマニキがカラビナを取り出して、小さな手でしがみ付いたアガシオンと一緒に滑車代わりにしてロープを滑っていく。
途中
先程同様両手を振って合図を送るサスケニキと、その隣でクロマニキが空へと
「「「「ヒャッハー! 俺達は誰にも止められねぇ~!!」」」」
それと同時に、屋上入口を埋めた岩が吹き飛び、モヒカン達が一斉に雪崩れ込んできた。
そしてそれを見たヨロイニキは――
「張遼に追われた孫権の様に――うおおおぉぉぉおお!」
――ダッシュからの全力ジャンプで宙に身を躍らせた。
「なんだぁ? 飛び降り自殺しやがったぜぇ~? 急におセンチになったのかぁ~?」
「いーやよく考えろてめぇらぁ~あいつさっきロープ持ってたぜぇ~」
「てこたぁバンジージャンプチャレンジってわけかぁ~、俺もやりてぇ~」
「ん~? でもあいつ今はロープもってねえぞぉ~?」
「じゃあヒモなしバンジージャンプかぁ~根性あるじゃねぇか~」
そんなやり取りをするモヒカン達の前で真っ逆さまに地上に落ちていくヨロイニキ。
如何に覚醒者でも未だレベル30に届かぬ身では、この高さと勢いでは重症、または致命傷は免れぬと思えるこの状況。
運命のGATE 問いかけている
Left or Right? 君はどこを目指す
この空の下で最強なのは
That’s my pride 自分のみ
いつだって真っ直ぐに 走れLord of the speed
突如空気を切り裂く大音量で鳴り響く『LORD OF THE SPEED』
そして音楽と共に風を切り裂く青い影。
『空の掃除屋』の通称を持つゾイド・ダブルソーダは、その異名に恥じぬ速度と機動性で、ヨロイニキを大顎を使い空中で見事に受け取めた。
「ああん!? なんだあのでけぇクワガタはよぉ~」
「俺はカブトムシの方が好きだぁ~~!」
「あのアゴちぎって俺のバイクに飾ってやんぜぇ~!」
「あっちのビルだぁ~追うぞてめぇらぁ~~!!」
そのままサスケニキとクロマニキの居る屋上へとヨロイニキを運んでいくダブルソーダに大騒ぎしながら階段を下りて再び追っかけようとするめげない・躊躇わない・諦めないの三拍子なモヒカン達。
その瞬間、轟音と共に激しくビルが揺れ、次いで激しい爆発が起こる。
「な、なんだぁ~!!?」
「あいつら爆弾でも仕掛けてやがったのかぁ~!」
「いや! 外からなんか飛んできてるぞぉ! 砲撃だぁ~!!」
あるモヒカンの予想通りビル壁を貫いた砲弾がモヒカン達の近くで爆発し、何人かが巻き込まれて吹っ飛ぶ。
そして廃ビルから離れた広場にて下手人、もとい下手ゾイド・カノントータスが次弾を装填し、隣のゲーター*2から送られるデータに従って、ビルへと砲弾を次々と撃ち込んだ。
結果何度も砲撃を受けた廃ビルはゆっくりと傾いていき、一瞬傾きが止まったと見えた次の瞬間、一気に倒れて崩壊した。
辺りに凄まじい轟音と地震の如き振動、そして覚醒者でも押し潰されて死ねる質量が降り注ぐ。
そして振動が収まるも未だ大量の白煙が漂う廃ビル跡地に呑気でおバカな複数の声が響いた。
「うえっ、ひでえ煙……これじゃ何も見えねえぞ」
「だなー。おい、クロマニキ。水まいてくれ水」
「はいはい、分かってますよ。マハアクア! あとガル!」
水撃系魔法と疾風系魔法で視界を確保した三馬鹿ラス。
そして広がるのは辺り一面瓦礫の山と化した光景。
「うわー……やっといて何だがエラい事になってんなあ、実際スゴい」
「確かになあ……こーいうのを国破れて山河あり、つーのかな?」
「多分違いますよ、まあ国破れたらこんな光景が広がるのでしょうけど」
やったのが自分達とはいえ、流石にちょっとひいてしまう三馬鹿ラス――まだ一般人の感覚が抜けていないとも言えるが。
で、何でこいつらがこんな事したのかというと――
「と、それよりも……良し! 殆どのバイクが無事だ! まさにエビで鯛を釣る!」
「珍しくまともな諺ですね――ありました! ありましたよ目的のバイク!」
「アタリひいたか! 他のバイクも持ってかえりゃ売れる! 濡れ手に粟の大もーけだぜ!」
――モヒカン達のバイク目当ての大掛かりな狩りであった。
セツニキの発見*3によりモヒカン達のバイク狩り*4やイベント*5の結果、黒札達の間で広まったバイクブーム。
特段バイクが好きという訳でもない三馬鹿ラスだが、そこは現役男子〇校生。
漫画や仮〇ライダーの影響もあって一般的なDKぐらいにはバイクへの憧れや格好いいと思う程度の感情はある。
元より流行りモノや興味を持ったモノには取り合えずやってみるぐらいには好奇心やチャレンジ精神に溢れた連中、早速どんなバイクにするか議論した上でお目当ての物を求めてモヒカンハントを開始した。
その結果がモヒカン達を挑発して誘導して、予め下見を済ませておいた廃墟へと誘い込み、廃ビルを砲撃で倒壊させて一気に始末するという、オペレーション『汚物はまとめて消毒だ~!』である。
理想は爆破解体の様に自壊を促し内側に崩れていく事だが、そんな真似がこやつらに出来る筈もないので、砲撃による倒壊――但し倒れる方向だけはしっかり計算してという形になった。
勿論、三馬鹿ラスが集めた画像他のデータを基にこれらの計算を行ったのは、ドクターネキと電子戦ゾイド達なのは言うまでもない。
なお、バイクが欲しいだけなら普通に制作部に依頼すれば良いのだが、それはクリスマスの際に鮭を求めて東西奔走した*6こやつらには今更な話である。
「いやあ儲けた儲けた! 今夜はトロマグロ・スシを一度に二つ食いとかやるか!」
「このメニューの端から端まで全部とか……言っちゃうか、そんな事も……!」
「私の作戦は完璧です! もうこれからはモヒカン狩りで飯食っていきましょうか!」
予定通りにいった事と、想像以上のハントの結果にすっかり有頂天で浮かれるバカ三人。
もし読者の皆さんの中にニンジャ直感力の持ち主がおられれば、お気付きになった筈である。
この連中のやった事が、計画通りに大儲けだぜイヤッフー等で終わる訳がないという事を。
「――――る……」
「ん? なあ今何か言ったか? または何か聞えたか?」
「ああ? オレはなんも言ってねーぞ、クロマニキか?」
「いえ何も……でも確かに今何か……気のせいですかね」
「――ゅるるる……」
「! 今聞こえたな!? こいつは音じゃねえ、声だ!」
「お、おう! で、でも一体何の声だ? まさかお化け?」
「この気配……! マズイです! 今すぐここから――」
その時、クロマニキの言葉を遮る様に瓦礫の山の一角が爆音と共に火炎を上げて吹き飛んだ。
熱気と砂埃が濛々と上り、その中から現れる人影。
強靭な筋肉を持った不自然な程白い巨体を包む青いボディスーツ。
巨体見合うサイズの背中に背負った燃料タンクとぶ厚いたらこ唇。
そして鮮やかな深紅に染まったモヒカンヘアー。
「ふしゅるるる……。邪魔する奴は殺す! このテッドブロイラー様が丸焼きにしてくれるわ! がががーーっ!」
「「「アイエエエ!? テッド様!? テッド様ナンデ!?」」」
何と一度に多数のモヒカンを倒した事で大量発生したMAGが凝縮し、更にこの土地の地脈や霊脈とかがなんかこういい感じにアレがこうしてこうなった結果、ボスモヒカン・テッドブロイラー(劣化)*7が誕生してしまった!
嘗て北斗の拳でモヒカン=ザコを方程式より脳裏に刻まれていたプレイヤー達を恐怖のどん底に叩き落した極悪ボスは、その恐るべき業火・テッドファイヤーを容赦なく三馬鹿ラス目掛けて放つ!
「我らに逆らう愚かな人間どもめ! このテッドブロイラー様が遺伝子のカケラまで焼き尽くしてやるがががーっ!」
「「「ぬわーーーーっっ!!!」」」
◇
「全くもう! すーぐ調子に乗っちゃうんだから! 皆が駆け付けなかったらホントに危なかったんだからね!?」
「「「本゛当゛に゛申゛し゛訳゛な゛い゛……!」」」
腕組み仁王立ちするドクターネキの前で正座で並ぶ三馬鹿ラス。
その姿は煤と灰と焦げ塗れでどれが誰かの区別もつかないレベルで真っ黒黒すけであった。
「し、しかしこんなアクシデントを想定しろという方が無茶なのではないか? 俺は訝しんだ」
「そーそー! 『逃げろ!逃げろ!はやく逃げないとまっくろこげだががー!』とか言うクセに逃走防止持ってて逃げらんねーしよ!」
「あの反則技がなければ勝ってたんです! 寧ろ良く健闘したと言えるのではないでしょうか!?」
三馬鹿ラスの訴え通り、逃げられないと分かり、腹を括った一行はサスケニキとロードスキッパーが撹乱して『テッド・ファイヤー!がががっ!』の的をバラけさせ、バトルローバーに乗ったヨロイニキとアガシオンが全身全霊で前線を支え、クロマニキが『モヒカンスラッガー!ふしゅるるるっ!』をテトラカーンで防ぐと必死の防戦を敢行。
そしてダブルソーダ、ゲーター、カノントータスの三体による弾着観測射撃を幾度も撃ち込み、テッドブロイラーを追い詰めた。
が、『まんたーんドリンクっ!』で回復されてしまい窮地に陥る三馬鹿ラス一行。
そこへゲーターの連絡によって派遣された援軍のゾイド達がトラポートで到着。
最終的にレイド戦が如き大乱戦の末に、総攻撃チャンスからの一斉攻撃によりテッドブロイラー(劣化)は打ち倒されたのであった。
なお総攻撃を指揮したダブルソーダがウンメイノーを流しながら突撃して一人(?)だけ『うわあああああ!』と吹っ飛ばされたのはご愛敬。
「もっともな言い分だ。正論だな……だが無意味だ――ってネタは置いといて。想定外だからって悪魔が手加減してくれるの? そしてもし死んじゃった場合、そう言ったら閻魔様や鬼灯様が情状酌量の余地があると復活させてくれるって思う?」
「「「お゛っ゛し゛ゃ゛る゛通゛り゛で゛す゛ぅ゛……!」」」
ネタを交えて返されるぐうの音も出ないド正論に深々とドゲザするしかない三馬鹿ラス。
黒焦げのまま*8で小学生にお説教をされるバカ共が暫しの間生まれたが、割と何時もの光景であった。
ちなみにテッドブロイラー(劣化)の件はちひろネキへとちゃんと報告。
只でさえやっかいなモヒカンにボス個体が生まれて統率されるなど厄介極まりなく、各地のキャラバンにも大きな被害が出ると直ちに調査が開始。
しかし調査に当たった探求ネキ曰く、
「やろうとしても普通は起こらないし、テッド様もまず生まれません」
という、狙ってやってもまず起きない特殊事例だとの報告に、ちひろネキは安堵した。
同時に関係各所から『やっぱあいつらそういうの持ってるわ』と全然嬉しくない評価を送られた三馬鹿ラスであった。
更に今回のリザルトだが、テッドブロイラーとの戦いには勝利したがその結果は惨憺たるもの。
お目当てのバイクこそ何とか無事だったが、それ以外のバイクは戦闘に巻き込まれて多数が大破。
パーツ取りぐらいは出来たものの、戦いで黒焦げになった装備の修理や買い替え、準備や戦闘で消耗したアイテム他の購入費用、傷を負った自分達とゾイド達の治療代・修理代にはとても届かず。
テッドブロイラーがドロップした火炎放射器をドクターネキが研究用*9に買い取ってくれたお陰で赤字にはならずに済んだが、プラスの値はあんな大激戦の対価には見合わないにも程がある有様。
一獲千金もいいけどやっぱりちゃんと地道にコツコツ頑張らないとダメなんだなあと反省した三馬鹿ラスであった――――なお、その反省を何時まで覚えていられるかは不明。
兎も角それでもどうにかお目当てのバイクを手に入れた三馬鹿ラスは、ドクターネキの工房の一角を借りて制作&改造を開始、その結果は――――
◇
ある日の午後、ドクターネキ宅にて、実年齢小学生カルテットがのんびりとスマブラで遊んでいる。
正面からぶつかる幼女ネキのスネークと黒死ネキのリヒター、漁夫の利を狙うドクターネキのスティーブの三つ巴のバトルを、黒死ネキの容赦ないメテオで早々に残機0にされたセツナが眺めていた。
そんな彼女の視界に前足で器用に本のページをめくっているゲーターの姿が映り、何とはなしに呟く。
「……あの子、本が好きなの……?」
「本というか漫画だけどね。色々あってすっかりハマっちゃったの」
セツナの問いに苦笑交じりに答えるドクターネキに、興味を惹かれた幼女ネキも尋ねた。
「ほう、そうなのか。今は何を読んでるんだ?」
「横山光輝三国志」
「……中々渋い嗜好をしているな」
「間違いなくあの連中が絡んでそうだな」
興奮の表れなのか、背びれや尻尾を軽く動かすゲーターに何ともいえない表情を向ける幼女ネキと、楽し気に続ける黒死ネキ。
「あー! やられたー! あ、メール着てる。お兄ちゃん達からだ……ああ、完成したんだ」
「うん? あのバカの煮凝り共また何か作ったのか。前みたいな*10ヤバイ物じゃないだろうな?」
「バイクだよ。わたしの工房で作ってたけど、出来上がるまでのお楽しみって事でどんなのかは教えてもらってないの」
「奴らの作ったバイクか……さて、どんな方向にカッ飛んでるか、見物だな」
「……大丈夫?」
それぞれ警戒、期待、心配な表情を浮かべる友人達に苦笑しつつ、内心同意せざるを得ないドクターネキ。
「今から見せに来るみたいだから、判断は現物を見てからかな――――あんまりヒドい様ならその場で没収も辞さないけど」
保護者の様なドクターネキの発言に苦笑しながらも、幼女ネキ達の話題はバカ共の乗って来るバイクの予想へと移る。
「あいつら男というより男子なノリと性格の連中だからな、ここはシンプル且つスタンダードに金田バイクあたりじゃないか?」
「いや、私はメタルマックスの女バイク*11を推す。確かニンジャスレイヤーにも似たようなバイク*12があったしな」
「うーん、わたしは仮面〇イダーになるのは恐れ多いけどライダーのバイク乗るのはセーフって考えそうだからバトルホッパーかオートバジンで」
「……多分、普通のバイクじゃないとは思うな……」
それぞれが連中の作りそうなバイクを上げる中、連中との関りも付き合いも薄めのセツナのみ大まかな事を言う。
それでもまともな物は作らないとセツナに確信されているのが連中のこれまでの実績を示しているが。
そして鳴り響く大音量のエグゾーストノイズ。
「わ、もう着いたんだ。かなり速いバイクみたい」
「それにこの音。相当な大型バイクっぽいな」
「族車の類は連中の好みでないと思うが、さて」
「……すごい音……」
四人が庭へとパタパタと向かうと、勝手知ったるドクターネキの家の庭とばかりに入って来る三馬鹿ラスと一台のバイク。
「あ、幼女ネキ達も居たんだ。見てくれ遂に完成だ! モーターヤッター!」
「ここんとこコレにかかりきりだったかんな、でもその甲斐はあったぜ!」
「ええ、私達の血と涙と汗、そしてあのボス戦の灰と煤の結晶です!」
後部に何時もの腕組み直立なサスケニキ、ハンドル握ってシートに座ったヨロイニキ、そしてアガシオンを膝に乗せてサイドカーに座ったクロマニキが自慢気にバイクを見せる。
心臓たるエンジンはレーサー・レプリカスズキRG500Γ。
後方に伸びる四本のマフラーを含めた異形の後輪周り。
そんな後部と比べて華奢なフロント部と小型の前輪。
本来のモノにはない、追加されたサイドカー。
そしてカウルに鮮やかにペイントされた『passol』
その名も――――パッソル=Γ “ウォルターウルフ”!!*13
「「「なんでパッソル!!!?」」」
「……なにこれ」
いい仕事しました感全開の三馬鹿ラスに、全力で叫ぶ三人とド率直な感想を述べるセツナでしたとさ。
こうして誕生した三馬鹿ラス用バイク、パッソル=Γ“ウォルターウルフ”。
彼方此方に出没するこの連中の脚として、そのスピードを遺憾なく発揮した――『高速でかっとぶ奇天烈な見た目のバイクに乗った変な侍とバイクの上に立つ変なニンジャとサイドカーに乗った変なローブ姿』という都市伝説が生まれそうになり、霊視ニキにゲンコツされる羽目になったが。
しかし、残当というか必然というか、運転するのが
またこのバイクの影響はそれだけに留まらず――――
◇
山梨支部・事務所。
「ああ、こないだの依頼の報告書を届けに来てくれたんですね。ありがとうございます」
そうちひろネキが書類を受け取った相手はアガシオン。
お使いをすませたアガシオンはぺこり、と頭を下げるとふよふよと外へと飛んで行く。
余談だが、バカ共もやれと言われたら一応報告書の類は作る。
しかし、頻繁に忍殺語が混じるサスケニキ、純粋に字が汚く文章が下手くそなヨロイニキ、まともだが稀に内容が明後日にジャンプするクロマニキと割と当たり外れが激しい――なお一番の当たりは後からアガシオンが校正した報告書である。
そして外に出たアガシオンは――――停めてあったパッソル=Γのハンドルを小さな手で握ると、ふよふよ浮いたまま安全運転&安全速度でブロロロと走り去っていった。
「……あの三人より、ちゃんと乗りこなしてますね――今更ですけど、それでいいんでしょうか、色々と」
――ホントに今更なのでは?
ちひろネキの呟きに、その場の全員の心が一つになったという。
そしてあくる日、バイクで仲良くツーリングをしているキノネキと探求ネキ。
そんな平和なキャッキャウフフ中の二人の耳に聞こえる、後方から響くエグゾーストノイズ。
振り向いたキノネキ達の視界に映る異形のスクーター・パッソル=Γ “ウォルターウルフ”とそれに乗った、完璧なバランスの身体をアガシオンマーク付きの青いライダースーツで包む金髪にも見えるライトブラウンなロングヘアの女性(?)。
後ろから猛スピードで追いつくと速度を落とし、二人と並走するとぺこり、と頭を下げてアイサツする――アイサツはとても大事。
「──────(^^♪」
そして奥ゆかしくアイサツを終えると、その整った
「……ねえ、今のって」
「キノは見るのは初めてですか? 最近ああしてるのをよく見ますよ」
「……それってもしかして?」
「ええ、恐らくですけど――――ストレス解消でしょうね」
「やっぱり……」
高速で小さくなっていく、遠目でも目立つ珍妙なバイクと、それに乗ったライダースーツ越しでも分かるマロい尻の持ち主に、同情・憐れみ・応援等の様々な感情の入り混じった視線を向ける現代の仙人と未来の銃仙であった。
以後ドクターネキの工房で三馬鹿ラス+アガシオンがパッソル=Γをメンテや修理してる姿と、そんな三人と一体を微笑ましそうに、または興味深そうに見守るドクターネキとゾイド達という光景が時折見られる様になったという。
こうしてパッソル=Γ “ウォルターウルフ”は各地で、且つ複数の別のライダーが乗っているところを目撃されるようになる。
その結果、『三馬鹿ラスの誰かが乗ってるの見たら末吉。三人全員なら凶。アガシオンなら吉。謎の美女なら大吉。壊れたパッソル=Γを三馬鹿ラスが運んでいたら大凶』という内容の占い、というより占い遊びが目撃者達の間で行われる様になり、その内容というか割り振りに『なんでさ!』とバカ共が叫ぶのは、少しだけ未来のお話。
―以下どうでもいいバカ共の設定―
・三馬鹿ラス
都市伝説になりかけたが幸い警察に通報はされなかった――目撃者が自分の目と正気を疑い、こんなの通報したら精神病院連れてかれそうと思った為。
事故ってもパッソルが修理可能レベルの破損で済んでるのは幸運とクラッシュした際バカ共が自分以外の二人を使ってパッソルを庇ってるから。
三馬鹿ラスにとってはパッソル>>越えられない壁>>他の二人である、要はアガシオンと一緒。
自分達の知らない女性(?)がパッソル=Γに乗ってるのを目撃された話は知っているが『俺達以外にパッソル=Γ作るやつぐらい居るだろ。だってガイア連合だぜ?』と気にしていない。
・パッソル=Γ “ウォルターウルフ”
三馬鹿ラスの手によってスズキRG500Γを改造して作られた。
作ったのが三馬鹿ラスなので悪魔との戦闘に使える様な性能は無い、あくまでも移動用である。
でも未来では高速ゾイド達と共に敵陣へ突撃するパッソルと三馬鹿ラスというネタ以外の何ものでもない光景があるかもしれない。
付喪神化するかは不明、でもアガシオンという前例を考えると付喪神化しない方が幸せな気がする。
・アガシオン
溜まったストレスの良い解消方法を発見、パッソルの使用は三馬鹿ラスからは笑って許可されている。
かっ飛ばす時は瑞穂、のんびり走る時はアガシオンの姿と使い分けており、時にはゾイド達と一緒に走る時もある――ますます女子運動部の顧問みたいになった。
もしパッソルが付喪神化したらアガシオンの方を主と認識するのでは?とゾイド達に言われ、ホントにそうなったらどうしようと悩み中。
・ドクターネキ
24話の件から専属契約とまではいかないが、複数のトラポート使いの状況や居場所をしっかり把握する様にしている、作中でゾイド達を援軍に送れたのもその成果によるもの。
実はドクターネキも参戦する気満々だったがゾイド達に満場一致で却下された。
乗るならバイクよりゾイドなのでバイクにはあまり興味がない、ただパッソルは面白そうと少し思ってるが、ティガゴドス等の強固な反対でまだバカ共と一緒に乗れていない。
・ダブルソーダ
ヨロイニキのキャッチをはじめ、テッドブロイラー戦では弾着観測射撃による攻撃を提案、自らは弾着観測をしつつ空中から撹乱し、援軍到着後は指揮も取る等その能力の高さを発揮。
只の愉快なゾイドではないと証明した――最後にポカというかお約束もかましたが。
勿論修理後にドクターネキとサイカーチスから滅茶苦茶お説教された。
・ゲーター
電子戦ゾイドで電子戦が役目だが、作られたのはナマモノネキの一件が理由で、普段のお仕事はナマモノネキの監視役。
監視相手がナマモノネキだった事から漫画に触れる機会が多く、その結果漫画にハマった。
当然なのだが漫画を読むより山野を駆ける方が好きなゾイドがデフォな為、語り合える相手がおらず三馬鹿ラスと漫画談義をしている。
ヨロイニキの影響で歴史系の漫画が好み、一番好きなのは蒼天航路。
・カノントータス
亀らしくのんびりしており、大体寝ているが砲撃絡みだとヤル気を見せる――というか砲撃とドクターネキ以外に基本あまり興味がない。
撃ちまくるより狙いすました一発の方が好き、でも撃たないよりは良い、最悪花火でも良し、取り合えず撃てれば幸せ。
現在の目標は不意打ちではなく、堂々と砲撃すると宣言した上で三馬鹿ラス相手に初弾命中を成功させる事。
他所のバイクブームみてウチのバカ共だったら何に乗るかなーと思った瞬間『パッソルです、パッソル改に乗せるのです』とネタと言うか電波が降りてきました。
ただ書くために色々調べてたらスズキRG500Γって凄く貴重なバイクと知り、これキノネキはじめバイク好きの黒札からキレられるのでは?と悩みましたがネタは全てに優先するので突っ走りました。
なお書いてる内に何故かテッド様にエンカしたりバカ共よりアガシオンの方がパッソル改をお気に入り登録する展開になりまた話が長くなる。
マカーブル様んとこで瑞穂化してからアガシオンがアグレッシブになった気がしますw
でマカーブル様より頂いたアグレッシブになったアガシオン瑞穂モードです
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珍妙な三人組とこれではそりゃ大凶と大吉になるw
それでは最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。