転生したら腕が六本あった   作:らびどっぐ

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 早速高評価をいただき、感謝しております。
 しかしアンケートは予想外の結果でした。正義超人が伸びるのはともかく、完璧超人が2番手で悪魔超人が最も不人気とは……


父の提案

 赤子の時代については、特に話す事は無いだろう……数年後、俺の超人としてのトレーニングが始まった。その内容は過酷で、この辺りは悪魔超人流といったところか。そして、この期間で本編のシバの心情が少しだけ理解出来た。

 

 俺達が住む場所は『魔界』と呼ばれる異空間だ。超人墓場を模して作られたと言われ、鋭く冷たい岩肌が広がる、洞窟のような殺風景な場所だ。

 本編のシバは、昆虫の標本を集めるのが趣味だった……なるほど、こんな場所では当然豊かな自然など無い。シバは標本を眺め、外の世界に思いを馳せていたのだろう。そんな憧憬と癒しを母に『気味が悪い』と貶されては心中穏やかでないのは当たり前だ……そうして激情に駆られた結果が粛清とは何ともやるせない。

 

(趣味は何か別のに切り替えなければ……とは言ってもなあ)

 

 外は物悲しい洞窟空間なので、走り回ったところで何の面白味も無い。空間の性質上、TVやネットも論外だ。趣味と言えば、キン肉万太郎は天体観測が趣味だったらしいが、これも無い……上には暗い岩の天井があるだけだ。

 

(どうせなら、趣味は実益を兼ねると良いな……そうだ!)

 

 手を出したのは、読書。キン肉マンには、様々な知識から戦いに活路を見出す展開が数多くあった。読書で知識を入れるのは悪くない。ついでに、超人レスリング委員会に過去の試合の映像を送って貰う……いち少年の要望など、普通は通らないがそこは伝説超人(レジェンド)・アシュラマンのネームバリューを活用だ。これにより、本編よりも遥かに早く父が悪魔超人として暴れ回っていた姿を目にする事になった……不覚にも、その姿にゾクゾクしたがかえって『これはまずい』と認識し早めに相談に持って行く事が出来た。

 

「父さん……俺、正義超人になれるのかな?」

「どうした、シバ? 今はその為に鍛錬を続けているのではないか」

「俺、さ……時々、スパーなんかで体がざわつくんだよ。力を振るうのが、暴力が快感に思える事がある」

「…………」

「父さんは昔、悪魔超人だったんだろ?」

「知っていたのか……!」

「超人レスリングの試合映像を、勉強になると思って委員会に頼んで送って貰って観ていたんだ。そうしたら昔の父さんの試合も沢山出てきたよ。それで、このざわつきの意味がわかった」

「悪魔の、暴力の血か……やはりお前は私の、悪魔超人の子なのだな。わかった、ならば私から提案がある」

「提案?」

「私のかつての友のところに、行ってみるつもりは無いか?」

「かつての友?」

「私と同じ悪魔六騎士の一人である悪魔超人・サンシャインだ。奴は今もなお、正義超人打倒に燃えている……サンシャインのところならば、正義超人と戦う舞台はすぐに整えられるだろう」

「正義超人と、戦う……?」

「そうだ。お前は魔界での訓練だけでは、正義超人がどういうものか、悪魔超人がどういうものか理解出来ていないという事だろう。ならば、実際にリングで戦い、身を以て学ぶのが最も良い方法だ」

「身を以て学ぶ……」

「だが、相応の覚悟は必要だぞ。サンシャインとて現役を退いたとはいえ悪魔六騎士の一人、その訓練は私と同等かそれ以上に厳しいものになる。訓練に耐え抜き、実際に正義超人と戦い、その上でどのような道に進むか決めるが良かろう」

 

 正義超人を目指す、という意味ではストレートに正義超人の学校『ヘラクレス・ファクトリー』に行く、という選択もあったかも知れない……だが、実際に戦ってみろというのはありがたい提案であり、良い方法に思える。目の前の父もまた、キン肉マンら正義超人との戦いを経て正義超人の道に進んだのだ。

 

「……わかった。俺、正義超人と戦ってみるよ」

「カカカ、いつの間にか、良い目をするようになったな! サンシャインには私から伝えておこう、どうせ戦うのなら全力でぶつかって来い。正義超人に敗れ己を振り返る事になるならばそれも良し、正義超人を血祭りにあげて勝利するならば、それもまた悪魔としては上々のスタートだ。どちらに転ぼうと、お前には良い経験になる」

 

 こうして、俺はd・M・p(デーモンプラント)のサンシャインの元を訪れる事になった。

 

「グフォフォ、ワシが悪魔六騎士が一人、サンシャインじゃ。アシュラマンから話は聞いておる、正義超人と戦ってみたいそうだな?」

「はい!」

「なるほど、若い頃のアシュラマンを見ているようだ……才覚は感じる。だが、才覚だけで勝てる程正義超人どもは甘くはない……まずは、今のお前がどれだけやるか見せてもらおう。来い、MAXマンよ!」

「はい! マスターサンシャイン!!」

「こやつもまた、お主と同じく悪魔六騎士の血を引く超人だ。シバよ、まずはこのMAXマンと戦い、実力の程を見せてみよ」

 

 ほう、悪魔六騎士の一人スニゲーターの孫……だったかな? 悪魔超人入りのテストとしては面白いカードを組んでくれる。簡単に勝てるとは思っていないが、超人レスリングのデビュー戦……悪いがマットに沈んでもらおうか!!




 素直にヘラクレス・ファクトリーでは面白くないのでチェック・メイトらと同じく一戦交えて正義超人入りのルートにしてみる事にしました。
 メタな話、いくつかシバの超人強度案があるのですが父親より低いとしてもそこらの正義超人と比べるとぶっちぎりに高いのでヘラクレス・ファクトリーに進むと逆に浮いてしまう、という配慮もあったりします。

シバの超人強度は?

  • 930万パワー(万太郎の10倍)
  • 950万パワー(キン肉マンの10倍)
  • 1000万パワー(父と同値)
  • 1100万パワー(悪魔将軍と同値)
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