猫を拾えばなんとやら   作:金色のくじら

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現パロって楽し〜!!のテンションで作りました。
猫の預け先を探して金カムメンズ達とわちゃわちゃする話。

保護猫が登場して人によっては夢主は無責任だ!と思う方がいるかもしれませんので、気になる方は回れ右でお願いします 

どのお家にお願いするかは、‪√‬月島、尾形、宇佐美、杉元、白石、鯉登、房太郎の複数で考えております 

猫アレルギーですが、我が家にはおキャット様が二匹おりまして。
たまにヘックショイしながら幸せな毎日を送っております  


匿名感想箱作りましたので、コメントいただけると嬉しいです(*´`)

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猫を拾えばなんとやら

 

 

「結局どうしたの、あの男」

「男連れ込んでよろしくやってたんだろ?淫乱め」

『・・・語弊しかないな』

 

給湯室で同僚二人から繰り出される、誤解しか生み出さない言葉の数々に頭を抱えていると、後から入って来た月島さんにあからさまに聞いてはいけない会話だったという顔をされた。

 

おいやめろ、月島さんは私の最推しなんだぞ。

 

『確かにたくさん可愛がったけど・・・って!男というかオスだからっ!!私が一人暮らしの家に男連れ込んだみたいに言うのやめてくんない?』

 

にやにやと悪どい笑みを浮かべる悪魔が二人。

弁解を聞かずに颯爽と給湯室を後にした月島さん。

 

くっ!コイツらはどうでもいいから誤解を解いておきたい!!

 

走り出そうとした私の襟元を宇佐美が引っ掴んで止めた。・・・何よ。

そのまま引き寄せると『ぐえっ』と潰れたカエルのような声を漏らした私の肩に腕を回してきたので、ジトっと睨んだが宇佐美は楽しそうだ。

 

「これからどうすんの?僕に泣きついてきた可愛い結月ちゃん♡」

『それは・・・預け先見つけるしかないから・・・』

「僕んちはダメだよ、アレルギーだし」

『・・・・・・おがたぁ〜』

「オスの世話すんのなんざごめんだぜ。他当たれ」

 

だよねぇ、コイツらに聞いた私が馬鹿だった。

 

一ヶ月、さて・・・どうしたもんか。

 

 

◇◇◇

 

 

久しぶりに定時で上がって明るい時間に帰宅した私は、録り溜めておいたドラマ見ようと軽い足取りでアパートの階段下にある郵便受けに向かっていた。

郵便受けの鍵に手をかけようとすると、背後から聞こえた鈴を転がしたような声に思わず振り向いた。

 

「みぃーっ」

 

?、あれ・・・この子・・・

 

『君、いつもママと一緒にいる子だよね?』

「んにゃっ」

 

この子が現れる時は、決まってママが近くで見てるはず。

キョロキョロと辺りを見渡したが、姿が見えない。

 

『んーと、他の兄弟は貰われていったって聞いたけど・・・君は残ったのかな?』

 

私の足にスリスリと頬を擦りつけてくるこの子は、半年程前にアパート近くで産まれた子猫達の一匹だ。

この子のママは最近、大家さんが避妊手術に連れて行ったそうで、さくら猫としてアパートの住人に可愛がられていた。

 

「ママねぇ・・・車に轢かれてしまって手術したの。親切な保護猫カフェさんが引き取ってくれたんだけど、もう子育ては難しいみたいで・・・」

 

階段から大家さんが降りて来て放った言葉に、喉の奥がきゅっと締まり私は声がかけられなかった。

 

「その子もね、引き取るつもりなんだけど警戒心がとても強い子だから・・・保護猫カフェのスタッフさん達も手を焼いていてね、なかなか保護出来なくて。結月ちゃんだけなのよ、懐いているの」

 

振り向いて子猫の姿を探すが、いつの間にか何処かに隠れてしまったみたい。

 

『そうだったんですか・・・一命を取り留めたのは良かったですけど、ママもあの子も辛いでしょうね』

 

大家さんはこのアパートの一室に住んでいて、困った事があればすぐ対応してくれるとても親切なおばあちゃん。

三十路近い私の事を孫みたいに思ってくれていて、よく蜜柑やお菓子をくれる。

 

「私がお世話出来たらいいのだけど、もう歳だからね・・・」

 

七十近いものね。

確か娘さんが大家を引き継ぐって聞いたけど、結婚して一軒家に住んでいるそうで、単身用のこのアパートに住んでおばあちゃん程に管理をするのは難しいと言っていた。

 

『ママみたいに事故にあったらと思うと、家猫にしてあげたいですよね。私が預かれるといいんですが・・・お隣が、ね・・・』

「あの人、猫嫌いだからねぇ・・・」

 

私は二階の角部屋に住んでいるのだが、お隣のおじさんは猫が苦手で猫達に関わろうとしない方だ。苦手なのは仕方ないし、隣にこの子を招いたとしたらトラブルになるかもしれない。

おしゃべり猫ちゃんだから、鳴き声がうるさいとか・・・。

私にはとても癒される声なのだけれど。

 

「スタッフさん達が頑張ってくださっているから、早く保護されてママの元に行けるといいわね」

 

 

 

 

 

『・・・・・・あのっ!!』

 

「じゃあね」と悲しげな顔で部屋に戻ろうとした大家さんを、私は思わず呼び止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『保護、私に任せてくれませんか?』

 

 

◇◇◇

 

 

──────保護、出来ちゃった。

 

試しに、誰も居ない時を見計らってあの子を呼ぶと「にゃっ」と近くから声がして、自転車置き場の奥から顔を出してくれた。

 

猫を狂わせるおやつを手に持ち『おいで〜』と呼ぶと、タッタと軽い足取りで真っ直ぐこちらに擦り寄ってくれる。

 

〜〜〜っ、可愛いいぃ!!

液状のおやつを指に付けるとちろちろと舐めるので、ざらりとした舌の感覚に新たな扉を開いてしまいそうだった。

くぅっ!猫派の私には刺激が強すぎる。

食事後のお顔クシクシをしている隙に近付いて、そおっと抱き上げるとびっくりするほど大人しい。

 

君、チョロくないか??

 

顎を撫でながら自宅に向かうと、廊下で隣のおじさんにバッタリ出くわしてしまった。

目が合って一瞬時が止まり『こんにちは』と挨拶をすると、訝しげな表情をして口を開いた。

 

「飼うの?」

『いえ、保護猫カフェに引き渡すのですが改装中で・・・一ヶ月後にとお願いされていて、それまで預かる予定です』

「・・・困るなぁ。テレワークで家に居るから鳴き声うるさいと気が散るし」

『い、一ヶ月どうにかっ!!』

 

保護猫カフェではママの為にリハビリ部屋を作るそうで、子猫の受け入れは少し先にとお願いされたのだ。

 

「無理なんだけど。他に預け先、探しといてよ」

 

そう言ってお隣さんは部屋に戻り扉を閉めると、まだ肌寒い廊下に鍵をかける音がやけに大きく響いた。

 

「なぁ〜う」

 

・・・あぁ、どうしよう。

 

 

◇◇◇

 

 

──────ということがあり、同僚の宇佐美と尾形に泣きついた訳だ。

 

 

『一ヶ月だけだからさぁ〜』

 

「・・・」

「・・・」

 

こういう時だけシンクロすんな。

いつも喧嘩ばっかしてる癖に。

 

『毎日行って世話するからぁ!』

 

ガシッと腕を掴むと、二人はぴくっと反応した。

あれ?もしかしてもう一押し??

 

『アポロの世話は私がするから!仕事終わりに家寄るし、休日は昼夜の二食ご飯を提供しますっ!どうだ!!』

「あはっ、早速名前付けてるし。・・・・・・まぁ、考えとく」

「飯付きか・・・悪くねぇな」

 

よし、落ちたも同然!!

 

「ねぇねぇ、何の話〜?」

 

給湯室の入り口にひょこっと顔を出したのは、白石くんだった。

 

『あ、白石くんお疲れ〜』

 

彼は別部署だか私とはやり取りする事が多く、よくランチに行く仲だ。

ていうか、経理部の私に「ごめぇ〜ん☆」と領収書を締め日直前に持って来る常習犯。

 

「あのねぇ・・・領収書、七海ちゃんにお願いしたくてぇ〜」

 

壁に指でクルクル円を描きながら、上目遣いをしてくるタコぼ・・・シライシくん。

 

そういや、明日締め日だわ。

・・・現在定時一時間前。

 

『チッ』

「あ、舌打ちしたっ!明日ランチ奢るからぁ!!」

『キラウㇱさんとこの、特上ランチね』

「ゔっ・・・」

『無理ならフミエさんにお願いするけど?』

 

フミエさんは所謂お局さんで、だらしない奴にはめっちゃ厳しい。

白石くんが締め日過ぎに前月の領収書を持って来た時には、それはそれは恐ろしい鉄槌が下ったらしい。

次の日の白石くんは、げっそりと痩けてただの屍のようだった。

いつもの彼女は威張ることなく飴と鞭を上手に使い分けるタイプで、後輩の谷垣くんが入社当初に仕事がなかなか覚えられずに「俺は、経理部のお荷物ですッ!ブヒィッ!!」と嘆いているのを根気よく指導した、強く情のあるレディだ。

 

「死んだな白石」

「ふはっ!ご愁傷さま〜」

「オレまだ死にたくない〜!特上ランチ、奢るから!!」

『うっしゃああ!!』

 

明日のお昼いただきましたっ!!

 

「おいシライシッ!油売ってんじゃねぇよ!!」

 

今度は杉元くんだ。

 

「尾形もさっさと戻って来い、月島さんがすげぇ顔してんだよ」

「ははぁ、俺がいないと月島さんのフォローも出来んのか」

「オガタてめぇッ!!」

「はいはい、月島さんのエナドリの空缶が机から溢れる前に戻るよ〜」

 

社畜の鏡、月島さん。

今日は一緒に残業だし、何かお菓子の差し入れでも持って行こう。

それに・・・さっきの疑念を晴らしておかなくては。

 

最推しである米好きな彼に、手作りおにぎりを渡すのが私の今期の目標である。

なかなか出来ないのが乙女心なのだが、悪魔二人が「「きっしょ」」と蔑んでくるので、解せぬ。いつか泣かす。

 

宇佐美が尾形を引きずってオフィスに戻って行くのを横目に、私もそろそろ戻るか・・・とコーヒーの入ったマグを手に取ろうとすると「あっ」と杉元くんに呼び止められた。

 

「七海さん、さっき月島さんがブツブツ言ってたんだけど・・・なんかあった?よく聞こえなかったんだけど、七海さんの名前だけは聞き取れたから・・・」

 

やはり、誤解は早めに解いておこう。

 

『あー、実はね・・・』

 

私は昨日の出来事を杉元くんと白石くんに話してみた。

 

「え、まさか尾形か宇佐美がOKしたら毎日通うの?!」

『だってぇ・・・それくらいしか出来ないじゃん?私が引き受けた事だし、毎日お世話くらいはしたいから』

「それって・・・七海ちゃん危なくない?」

『大丈夫だよ。しょっちゅう三人で宅飲みしてるし、いざとなれば私の必殺技お見舞いするし』

 

ちなみに、必殺技は金的だ。

 

「えぇ〜、心配なんだけどぉ・・・」

『ありがとね。でも一ヶ月だし、あっという間だよ!』

「・・・・・・七海さん、それって俺んちじゃダメかな?」

『えっ!いいの?!』

 

思わぬ救世主に声がワントーン上がって、杉元くんに迫ってしまった。

 

「えっ、あ・・・大家さんに聞いてみるから、返事週明けになっちゃうけど・・・多分大丈夫だと思う」

「オレんちも大丈夫だぜぇ〜!ピュウッ☆」

「シライシんちは汚ぇから無理だろ」

「クーン・・・」

 

なんだって?!神が二人も降臨したではないか。

杉元くんと白石くんに後光が差したのが見えて、目をクシクシする。

あぁ、あの悪魔共とは大違いだ。

 

『私も大家さんに相談する事あるから、また連絡するね!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、これからアポロがお世話になる家の争奪戦が始まる事を、七海はまだ知らない。

 

 

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