ドラゴンボール coveR   作:やま おさ

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其之二百五十五之二

「あら、孫君じゃない」

 今、悟空達は街中を離れて、ある会社に来ている。

 その会社は明らかに巨大という様相が見て分かる企業で、一見して広大過ぎる敷地の中にビルらしき物が幾つも建ち、その一つ一つが企業本社かと思えるようなサイズ。

 それだけで企業規模が分かるが、悟空達がいるのは広い敷地の一角にある小さな事務所というよりは、研究室に似た雰囲気の部屋。

「よう!、ブルマ」

 と、声を掛けてきた女性に返事をする。

 そのブルマと呼ばれる女性は、白衣を羽織っていることから、会社関係者であることが分かる。

 「あら?、珍しい。ピッコロも一緒なんだ」

 ブルマもピッコロに対して物怖じしない姿から、悟空達と親しい間柄らしい。

「クリリンもいるぞ」

「そう。まあ、クリリンくんは何時も一緒じゃない?」

 と、返事をしながら、手元の作業を止めて、片手を白衣のポケットに、もう一方でコーヒーをすすりながら、席を立つ。

「で、何の用事?」

 ブルマと悟空は馴染みの間柄であるようで、割りと顔を合わせる事はあるが、自分が勤める会社まで来るということは何かしらの用事があると知れる。

「実はな・・・」

 と、悟空が事情を説明する。

 

「ふ~ん。じゃあ、車があればいいのね」

「あるのか?」

「あるわよ。車くらい会社でいくらでも造ってるし」

 と、言って、そで机の引き出しを開けて、ホイポイカプセルを見せる。

「はい、あげるわ」

 今、悟空達がいる会社は、ブルマの父が経営していて、ホイポイカプセルを製造販売している大企業の社長である。

 会社名はカプセルコーポレーション。

 ブルマ自身も父の会社で研究者として働いており、車の一台二台位はどうにでもなる。

 そういう訳で、ブルマは車が入っているであろうカプセルを無造作にピッコロへと放り投げた。

「いいな~、ピッコロ」

 と、クリリンが言うが、受け取ったピッコロは、いまいち貰った物を理解出来ずに、疑問を感じながら眺めている。

「でも、免許証が要るんじゃない?」

「だってよ、ピッコロ。お前ぇ、免許証持ってんのか?」

 と、聴くが、これまでの様子から、ピッコロが免許証を持っている訳がない。

「持っている訳ないだろう」

 当たり前のように、思った通りに否定の返事が戻ってくる。

「いいんじゃないすか?。俺らに会うときしか使わないんなら」

 どうせ、免許証を持っても、ペーパードライバーになるのは見えている。

 ならばと、クリリンは法から外れた提案を口にするが、

「ダメよ。只でさえ、目立つんなら免許証がないと、警察に見つかった時に、もっと面倒よ」

 と、否定される。

「免許証って、言ったってなぁ」

 と、悟空は言い、それもそのはずで、大魔王という存在が運転免許証という物を所得するのは困難であるのは目に見えている。

 それでも、ブルマからは解決方法があるのだろうか、机の上にある電話に手を掛ける。

「おっ、何か方法があるのか?」

 と、悟空が期待の言葉を吐けば、

「当たり前でしょ、私は天才なのよ」

 と、何処に電話を架けながら、自分を誉める。

 何しろ、ホイポイカプセルを生んだ会社の娘である。

「流石、ブルマさんすね」

 などと、クリリンからの褒め言葉も聴けて、ブルマからは提案の言葉が出る。

「良ければ、家の会社と付き合いのあるドライビングスクールがあるから、行くだけ行ってみれば?」

 天才の口から、酷くオーソドックスな提案を聞く。

 それでも、ピッコロにとっては違う意味で効果的なのか、

(ドライビングスクール・・・、)

 と、心の中で呟く言葉と共に、苦虫を噛むどころか、牙か剥き出しになる位に奥歯を噛み締める。

 ドライビングスクール・・・。 

 それは、何ともピッコロ大魔王という名に相反する響き。

 想像するだけで、眉間にシワが寄る。

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