龍ファク滅茶苦茶面白かったのと、話の展開に悩んで書けなかった。
結局脳みそすっからかんにしてテンションで書いた。
ごめんな。私の小説、八割はノリとアドリブなんだ。
旧都に複数点在する防護シェルターは、『天啓の逆塔』なんていう馬鹿げた規模の
それらには一カ所でも多くの人間が生活出来るスペースが確保されており、保存食の貯蓄量に関しても充分、本来であれば問題はない。
「先遣した者の話では、中は酷い有様らしい」
それも…こんな大災害でなければの話ではあるのだが。
「いつ尽きるかも知れぬ食料の独占、横行する犯罪行為、一部暴力的な者達によって、他の避難者は憔悴する一方だ」
「不安が爆発すれば、人間、何をやり出すか分からねえからな。
「……そうだな」
誰が悪いという話ではない。
ただ、立て続けに最悪の状況が重なれば、善良な人間であろうと簡単に道を踏み外すだけの事。
「危険が多い女子供から救助を回すのは?」
「滞っている、といえよう。旧都のあちこちには、未だ魔物の残党が跋扈している。アレらの妨害を防ぎながら大人数の移動を行うには……人員も物資も足りない。探査隊の者であれば中型までならば対処は可能だが」
「大型はまだあいつ等の手に余るか。魔物の癖に、デカい上に頭も回る。クソ百足なんかは地面に潜って奇襲を仕掛けて来るし」
あれの攻略法は至近距離で魔術を叩き込んで溶かすに限る。
「複眼狼とか…巨大芋虫もいたっけか」
どれも四〇層を越えた先で姿を現わす魔物。
鳴き声一つで数十規模の徒党を組み襲い掛かる狼に、全身を分厚い肉の装甲で固めた雑食性芋虫。
今の
「あとは自衛隊の練度もだ、
「ああ」
「さては、もう増えてるな?」
「……………」
正解と見た。
「少なく見積もっても、まだ一か月は延びるぞ」
「ああ、……同意見だ」
天井を見上げながら俺は、一人ぼやく。
「中が地獄なら、外も地獄。そりゃあ頭もおかしくなるわな」
原作ではどうだったか。
『侵攻』後の描写なんて、とあるヒロインの前日譚とファンブックの一頁でしか明かされなかったが。
よくこれで生き残れたな、原作主人公とヒロイン。
いや、主人公の方は、倒壊した家の中でぶっ倒れてる所を付近の
「全く、世間話にしては随分と重苦しい内容だ。なんで俺にこの話をしたんだ?こういうのって、予備探索者相手よりも探査隊の上連中で話し合う内容じゃねぇの」
「勿論、本件については我々も会議を重ねている。だが───」
一度、言葉を止めて、おやっさんは目を閉じた。
「堂々巡りってか?」
目の前の御仁は仏頂面で沈黙。
しかし、その顔にはどこか別の色が映る。
「はあ……こればかりはどうしようもない。時間が掛かっても、一つ一つ解決していくのが一番だぜ?」
「……………その通りだ」
「そもそも、シェルター内部の問題って探査隊とはあんまり関係ないだろ。旧都の魔物狩りと
「…………………」
答えない。
肯定も否定もしない。
「だけどまあ、おやっさんはそれが許せねえんだろ」
「ッ!」
常に冷静な鉄面皮。しかし岩雄砦という人間は、その顔に似合わず、心根は熱い男だと俺は知っている。
折角、人がお膳立てをしてやってるというのにノーリアクションを貫きやがって。
「顔に書いてあるぞ。一人でも多く、早く、苦しんでる連中を助けたい。だけど話し合いをしたって状況が善進する事もない。被害を増やす訳にもいかないし、かと言って現状を捨て置く事も出来ない。
「───……その、通りだ」
「まあ、なんで俺なんかにそんな畑違いの話をするのかはサッパリ分からねえけど」
「ふっ…見舞いという名目で、ただの、お前の言う所の愚痴を零しにきただけだ。組織を束ねる者が、他の者に弱音を零す訳にも行くまい」
「愚痴か、これ。かたっ苦しくてコンクリ飲んでる気分になるわ」
「経験でもあるのか?」
「あってたまるか。てか、俺なら良いのかよ」
「ああ、今更だろう」
僅かに口角を上げて、おやっさんは答える。
「ったく、にしても、シェルターの問題ねぇ」
俺が考え付く事なんてたかが知れている。
そも、既に上層部が案の一つでも出してもおかしくない事。
「小難しい事は俺は面倒だから考えたくないけどさ。要はあれだ、平和的にシェルター内のいざこざを解決するか、若しくは救助環境を整えてやれば良い訳だ」
「全て、先程言った事だがな」
「うっせえやい。取り敢えず、旧都の地図持ってる?出来ればシェルターの場所が確認できる防災マップが良い」
「………分かった」
おやっさんは自分の通信機を取り出し、数分程操作を繰り返してから、俺の方へ向ける。
「これでどうだ」
「おお、サンキュ……これ、軍の秘匿用じゃねえか」
「ただの地図だ」
緻密な数値の羅列が記述された“ただの地図”に目を通しながら、俺は思考を回らせる。
今回の『侵攻』は、亜人種、魔獣種、甲蟲種の三種類で構成されていた。故にそれらの特性を念頭に置いて、原作の情報を加味しながら九つのシェルターに数字を付けていく。
「ここと、ここ…それから、ここ」
「これは、何の順番を付けているんだ?」
「比較的に魔物の襲撃が多そうな場所」
他より幾らか知性の高い亜人種と嗅覚の鋭い魔獣種は、人の密集する場所を狙う。大規模だったり、入り口が地上に顔を出したシェルターは格好の獲物だ。
「おやっさんが聞いた話で、暴動が頻発してるシェルターがどこかって分かるか?」
「ふむ、貸してみなさい」
書類を確認しながら、手渡した通信機を弄る。
暫し険しい顔をし、打ち込みを終えた後、通信機は再び俺の手元に返ってきた。
「ファッキン、疎らじゃねえか」
「すまない」
とはいえ、凡その経路は完成した。
あとは、
「充分に戦えて、割とおっかない顔の人員が欲しいな。
「鋼、少し待ってくれ、急に何を言い出す」
「何って、旧都のシェルター問題解決の為の計画だよ。自衛隊は呼ぶなよ、守るのが多くなって時間効率悪くなるから」
既に『侵攻』から数週間も経っているのだ。
最大の懸念事項である主人公とヒロインのあれこれはもう終わってるだろ、多分。
「決行は一週間後、各自やる事を知らせるから一日前にここに集合。その間に俺も気合と根性でコンディション整えとくから、それで宜しく」
「待て、何を言っている?お前も出るのか?」
「当たり前、こっちは死ぬ程暇してんだよ。それに大型が出た時に対処出来るのって俺かあの突撃馬鹿しかいねえじゃん」
大丈夫だ、アイツならいの一番に病室に特攻してきて、犬みたいにはしゃいで承諾してくれる。
本来なら他国の一等星…もといあのイカレ天才集団が大和に来てくれる手筈だったが、その前に大和魂を宿した俺達によって鎮圧してしまったので、その責任は取ろうじゃないか。
決して、都合の良い経験値稼ぎだなんて思ってない、全然。
「俺の素材倉庫を漁って、装備を可能な限り強化しておけって言っといてくれ。自力に合ってない強装備担がせるのはあんまり好きじゃないけど、アイツ等に死なれても困るし」
「鋼……鋼、話を聞いてくれ」
題して、旧都掃討作…違う、シェルター問題解決作戦。
全身の激痛なぞ、溢れ出すアドレナリンで打ち消される。
「楽しくなってきたなぁ!!」
「鋼、話を聞きなさい」
おやっさんが何か言っているが、気にしない。
「あ、それと外出届けは探査隊名義で提出頼んだ。俺、看護長に怒鳴られたくないから」
「鋼………」
銀月雛、出て来ねえな。
次で過去話は終わる……筈。
コイツ、今全身内側からこんがりしてるし、少し前まで腹に穴開けてました。
いつか鋼ママと鋼パパの幕間書きたいですね(目逸らし)