"神秘"を盗む者   作:ブルアカ大好き

2 / 3

2話目です。はい…‥こちらの執筆に夢中になってしまい、いまだ一ミリも向こうの連載の続きに手をつけていないという危機的状況ですが、必ず投稿しますので、向こうの連載を読んでくれている方は首を長くして待っていただけると嬉しいです。では…‥

新作日刊40位&二次創作日刊39位ありがとうございます!これもひとえに、読んでいただけた皆様のおかげです!

それでは、どうぞ!


2話

「久々にここに来たけど…‥変わってないねぇ~、ほんと。」

 

矯正局の混乱に乗じ、誰にも見つかることなく目的の場所である『ブラックマーケット』に来れた。

 

ここは、僕みたいに学校に通ってない人だったり、学校を退学した人、あるいはさせられた人が集まる場所だ。

 

基本的には僕と同じ子供の割合が多いけど、その数に迫るほど『大人』が多いのも事実と言える。

 

‥…‥まぁ、悪い人達が多い場所って認識でいいかな。

 

「さてと、まずは家を見に行くかな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…‥案の定というか、もともとそんな気はしてたんだけど…‥」

 

(どこかのグループの拠点になってるのかな?ま、ここでの場所取りは早い者勝ちだし、僕捕まってたからしょうがないんだけど…‥)

 

「…‥悪いね。ここは、渡せないよ。」

 

 

 

 

 

 

「それでよぉ!そこでそいつに言ってやったんだ!『てめぇが決めた給料くらいしっかり払いやがれ!』ってな!」

 

「リーダー流石っす!よっ!私達傭兵の希望の星!」

 

「あぁ、てめぇらの面倒もみなくちゃならねぇし、私がしっかりしないとな。…‥私についてこい!私について来れば、もう大人に怯える必要はねぇ、全部力ずくで解決してやる!」

 

「「「おぉー!」」」

 

(…‥愉快な人達だなぁ…‥それにあの『リーダー』って呼ばれてる人…‥中々『強い』神秘だね…‥)

 

 

欲しい

 

 

神秘には、様々な種類がある。単純に基礎能力が高かったり、特異な能力を持ってることも、純粋に美しいと感じる物もある。

 

この中だと、あの人の神秘は基礎能力が高い神秘と言えるだろう。

 

(人数は…‥ざっと20人くらいかな?今回もスピード重視でいこう)

 

「『神秘の収集家(ソウルコレクター)』」

 

(前使ったやつはもうそろそろ使用制限が来るから、今回はまだ余裕があるやつにしよう。…これと、これと、これかな。)

 

ページを捲りながら、現状に最適な神秘を3つ選び、その箇所に栞を1枚ずつ挟む。

 

-攻撃、防御、回避、治癒共に3段階上昇。特殊能力として、速力4段階上昇、攻撃速度3段階上昇を付与。指定装甲は軽装甲となります。-

 

(よし…‥速攻でいこう)

 

「そういえばリーダー、次の仕事ってどこでしたっけ?」

 

「あぁ、次は…ぐっ!?」

 

「リーダー!?がっ!?」

 

誰もこちらに気づいてない内に、リーダーと呼ばれていた人と近くにいた人に背後から乱打を撃ち込み、ダウンさせる。

 

(まずは二人…‥リーダーさんは少し浅かったかな?)

 

「敵襲!敵襲!」

 

「野郎!よくもリーダーを!」

 

「許さねぇ!ぶっ潰してやる!」

 

「怖いなぁ…‥こっちは素手なんだから、少しは手加減してよ?」

 

(目の前に5人、後ろに4人、右に5人、左に5人、締めて19人か。…よし、前からやろう。)

 

自分達のリーダーがやられたことに続々と気付き、前後左右から銃口を向けられる。が

 

「っ!速ぇ!」

 

「くっ!弾が当たらない!」

 

「後ろからも援護する!頑張ってくれ!」

 

彼は室内を縦横無尽に駆け回り、その全てを避けていく。彼女達が味方を撃たないように慎重だったのも回避出来た要因の一つではあるだろう。が、そもそものスペックが離れ過ぎているのだ、余りにも。

 

(狙うはリロードのタイミング…‥…‥今!)

 

「っ!?銃が落とされ…‥がぁ!?」

 

「!このっ…‥ぐっ!?」

 

(二人…‥このペースだと骨が折れるな…‥少し、攻め方を変えるか。)

 

そのタイミングで、彼は動きを別人のように変えた。今まではまるで一発でも当たったらアウトのゲームでもしているように全ての弾丸を避けていたというのに、今度は避けるどころか銃口の真正面から猪突猛進してくる、被弾を恐れない立ち回りへと変貌したのだ。

 

「っ!?弾が当たってるのに怯みすらしない!?…‥がはっ!?」

 

「うん、やっぱり大したダメージにはならないね。これでいこう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥…‥はっ!」

 

(私はいったいなにを…‥!そうだ!奇襲にあったんだ!)

 

「てめぇら!無事…‥…‥は?」

 

「あっ、やっと起きた?遅かったね。お仲間さん、全員伸びちゃたよ?」

 

「うぅ…‥…」

 

「リーダー…‥逃げ…‥て…‥」

 

「てめぇら!…‥お前、よくも!」

 

「へぇ~、向かって来るの?いいよ、来な。」

 

(向かって来てくれるのは嬉しいなぁ…‥だって、その神秘を貰えるんだから。)

 

「食らいやがれ!」

 

(条件1、相手の神秘を用いた攻撃を見ること。条件2、相手の神秘を用いた攻撃を喰らうこと。)

 

「!…‥避けねぇとは…‥舐めてんのか!アァッ!」

 

(これで二つクリア。次は…‥条件3、相手の神秘の全体を掴むこと…‥だいたい、30秒くらいかな?)

 

「ちょこまかと…‥!」

 

「ははっ、短気は嫌われるよ?」

 

(さっきの数発以外、一発も当たってねぇ…!)

 

自身に向かって来る攻撃を躱しながら、その時を待つ。

 

(そろそろかな?…‥…‥見えた!)

 

相手の『ヘイロー』が認識出来たことから、全ての条件を満たしたことを確信し、それに触るため加速する。

 

『ヘイロー』とは、この世界に住まう『生徒』と呼ばれる少女達の頭の上に存在している輪っか、つまりは神秘を持つ者の証であり、彼にはこのヘイローは存在していない。

 

しかし、『神秘の収集家』を発動している時のみ、彼の頭の上にはヘイローが浮かんでいる。これはなぜか、それは

 

『神秘の収集家』は相手の持っている神秘を盗み、それを専用の本に保存する能力であり、『相手のヘイローに触れること』で相手の神秘を盗る、つまりは自分の物にするというものであるからだ。

 

そして、その保存された神秘が表示されているページを専用の栞で挟むことで、盗んだ神秘をその身に宿すことができる。

 

「ふっ!」

 

(!急に加速してきた!?やられ…‥なんだ?攻撃してこない?…‥?なんか…‥妙な感じが…‥)

 

「あぁ…‥?なんで…‥倒れて…‥」

 

「あちゃ~…‥ちょっと盗りすぎちゃったかな?まさかここまでになるなんて…‥」

 

「お前…‥なにを…‥した?」

 

「ん~…‥ちょっと君の神秘を盗っただけ。本来ならちょっと具合が悪くならぐらいで、2日3日ぐらいしたら良くなるんだけど…‥これだと一週間くらいはこのままかな…‥ごめんね、ちょっと盗りすぎちゃったみたい。」

 

「…‥神秘?なんだよ、それ…‥ふざけんなよ…‥」

 

「…‥はぁ、まぁ、僕のせいでもあるし、君達にも少し申し訳ないし…‥ねぇ、君達。」

 

「な…‥に?」

 

「もう…‥好きにして…‥」

 

「どうせ酷いことするんでしょ…‥やっと、安心できる場所を見つけたのに…‥」

 

「ッスー…‥リーダーさんの具合が良くなるまでは面倒見るからさ、その後は僕にこの場所譲ってくれない?…‥ここは、僕にとって大切な場所なんだ。」

 

「この…‥廃墟が…‥か?」

 

「うん。誰にも、この場所は譲れないんだ。」

 

「じゃあ、なんで私達が来た時は居なかったんだよ…‥大切な場所なんだろ?」

 

「いや~…‥僕、ついさっきまで矯正局にいたんだよね。」

 

「!…‥…‥ははっ、こりゃ、やべぇ奴に目を付けられちまったみてぇだな…‥何したんだ?あんた程の人が下らねぇへまして捕まるなんて有り得ねぇ…‥ヴァルキューレが本気になるようななにかをしたんだろ?」

 

「…‥秘密」

 

「そうかよ…‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、特に問題なく治って良かったよ。まだあんまり無理しないでね?」

 

一週間後。リーダーさんも問題なく回復し、みんなが出ていく日となった。

 

「おう!なんかすまねぇなぁ、面倒かけちまって。」

 

「…‥元々僕が原因ってこと、忘れてない?」

 

「あっそうだった!お前この!」

 

「待って今は駄目!ねぇみんな、この人止めて!」

 

「えぇ~…‥私達、これから家なしになるんすよ?その原因の人に少しくらい恨み晴らしても良くないですか?」

 

「そうだそうだ!」

 

「少しくらい痛い目みろ!」

 

「たまになら遊びに来てもいいからぁ~!」

 

「ほんと!?なら、またあのカレー作ってよ!すっごいおいしかったやつ!」

 

「分かったから!この人止め…‥ぐっ!?」

 

「捕まえたぜぇ~…‥よし!一発殴らせろ!」

 

「ほんとに死ぬから止めて~!」

 

 

 

 

「はぁ…‥やっと解放された…‥」

 

「…‥なぁ」

 

「ん?」

 

「一週間一緒に暮らしてて分かった。あんた、あの時かなり限界だったんじゃねぇか?」

 

「!…‥なんでそう思ったの?」

 

「この一週間、あんたは相当に私達のことを気にかけてくれた。…‥今まで、私達にここまで優しい奴なんていなかったっていうのに、急に襲ってきやがったあんたが、一番私達に優しかったんだ。」

 

リーダーさんは、どこかやるせない、それでいて、なにかを噛み締めるようにそう言った。

 

それから、さっきまでの少し悲しそうな顔から少しの笑顔に表情を変えながら

 

「…‥たぶん、ここはあんたにとって本当に大切な場所なんだろうな。それこそあれだけ優しかったあんたが、誰かを傷つけるのを躊躇わない程に。」

 

と、今まで悩んでいたことの結論が出たと言わんばかりの顔をしながら言った。

 

「…‥ここはさ、僕の『恩人』と一緒に暮らしてた所なんだ。…‥だからかな、この場所に自分以外の誰かが居ると、途端に許せないって思っちゃうんだ。僕とあの人との思い出を汚されたような気がして…‥でも」

 

「君達と過ごしてた時は、不思議とそんな気はしなかった。…‥君達が、いい人達だからかな。」

 

「…‥…‥また、遊びに来てもいいか?」

 

「うん。君達なら、歓迎するよ。…‥最後にさ、もう一度言わせてくれない?」

 

「ん?なにをだ?」

 

「…‥ごめんね、急に襲いかかったりして。もっと冷静になるべきだった。」

 

「…‥別にいいよ、もうそんなこと気にしてねぇから。…‥あっ!なら、私も最後に1個いいか?」

 

「答えられることなら、なんでも。」

 

「一週間過ごしてて今まで疑問に思ってなかったのも不思議なもんだけど…‥あんた、なんていうんだ?」

 

「あぁ…‥確かに、名乗ってなかったね。」

 

自分の名前をこうして言う機会は余りなかったため、少しだけ緊張しながら

 

「僕は『黒耀(こくよう) 盗一(とういち)』よろしくね。」

 

と、自身の名前を口にした。

 

「おう!よろしく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれから二日…‥お金なくなっちゃったなぁ…‥」

 

(元々僕一人なら結構長い間働かなくてもいいくらいのお金をあそこに隠して置いてたんだけど…‥約二十人分は流石にカバー出来なかったなぁ…‥)

 

「なんとかしてお金を稼がないと…‥いっそのこと、銀行強盗でもするか?あの人達ならともかく、あそこの銀行にいる人達は別にどうでもいいし…‥ん?」

 

『便利屋68傭兵アルバイト大募集!』

 

(便利屋68?…‥あぁ、名前くらいなら聞いたことあるな…‥業務内容は戦闘参加のみか…‥賃金も、ここにある依頼にしてはいい。)

 

「ちょうどいいや、これにしよ。」




最後まで読んでいただきありがとうございます。お気に入り登録や、感想を書いていただけると作者が狂ったように喜びます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。