お隣のお嬢様により一層駄目人間にされていく件   作:凱くん

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第四話 金色の閃光水色の爆奏

柳生睡蓮の朝は早い。

7時過ぎ。いっち~と箒に見守られる中セシリアコーディネートのビュッフェスタイル朝食を寝ぼけ眼で食べる。

どうして学生ってやつは朝がこんなにはやいんだろうなぁ。

 

「ふあぁ~にゃむにゃむ。にゃむいよ~」

「睡蓮さん、お行儀が悪いですわよ」

「随分と眠そうだな、昨夜は夜更かしでもしたのか?」

 

朝から爽やかオーラのいっち~改造人間は体力に満ちてて羨ましいねぇ。

 

「あら、そんなことはわたくしが許しませんわ?夜更かしは美貌と健康の大敵ですもの」

「にゃむ……」

 

ね……む……い……

 

「睡蓮さん……もう……仕方がありませんわね……」

 

埒が空かないと見たのか口に食べ物を突っ込んでくるセシリア。

 

「はい、あ~ん」

 

掛け声と共にウインナーや目玉焼きをフォークで突き刺して、ポークビーンズはスプーンに載せたりパンに載せたりして一口大にするとセシリアは止まることなく食事を口内にぶち込んでくる。

 

「むにゃ……あ……む……」

「ほんと二人は仲いいんだな」

「しかしこれでは男として情けないと思わんのか」

「……このままでは朝食時間をオーバーしてしまいそうですから致し方ありませんでしょう。それにやってみれば鳥に餌付けしてるみたいで思いの外楽しいですわ♪」

「……ぴよ……もぐもぐ」

「もぐもぐ……もぐ……そもそも~朝から量多くない~?」

「はい、あ~ん」

 

返答はトマトチリビーンズの乗せられたスプーン。

 

「あら、朝からしっかりと食べないと力が出ませんわよ

 

 

 

放課後レンタルしたアリーナにて知り合いの業者である斑鳩重工がブルーティアーズを改修中。

を横目にセシリアに変更点のブリーフィングを開始。

「お待たせしました新生ブルーティアーズです~ぱちぱちぱちぱち~」

「6基から3基に減らして大型化しました~これによりスターライトMK3の火力の7割弱の火力をゲットしました~新生ビットブルーティアーズMK2です~。」

「弾幕の量は減りますが威力は大幅に増しますわね。」

「ついでに言えば操作する基数が半分になったので操縦者の負担も軽減されます~さらにはAI制御も可能~また3基を同時に利用した防衛用ビームバリアの機能もついて防御力もアップ!」

「あまり回避と狙撃、そして遠隔ビット弾幕というブルーティアーズの戦い方で必要になるとは思えませんが……まぁ何かの機会には使うかもしれませんわね」

「…………しかしミサイルビットが無くなってさらにレーザー系に特化してしまいましたわね…………」

「そんなこともあろうかと、こちらソードビットとなっておりまして、こちらを利用して敵を切り刻むことも可能です。まぁそれのための訓練は必要だろうけど……ね」

「さらには新たな近接戦闘装備としてロングソード、ムーンスライサー(仮)を追加しました~」

 

「…………聞けば聞くほどわずか一日で完成したものとは思えませんわね。どんなトリックを使いましたの?」

「まぁだいたい既存の武器の流用だからね~なんで安全性の面も問題なっしんぐ」

「…………殿方に二言はございませんわよね?」

「武装面はないね~安心して使ってくだち。」

「……武装面では?」

 

「後は防御力の割にスピードがそんなになのも気になったので大型スラスター二基と中型スラスター4基による加速と最高速重視の仕様とします。」

「運動性は中型スラスターを個別制御することで補ってください~」

「……かなりの高等技術を随分簡単に言ってくれますわね……」

「加速最高速共に増すのは近づかれても、もう一度引き離せるという面で悪くないですわね。」

「近接武器も揃ったから新生ブルーティアーズは技量次第で遠中近すべての距離に対応できるであるよ」

「おまけとしてハイパーセンサーの精度詳細度を大幅にアップ射撃精度向上にお役立てください。」

「それが本当ならば一番うれしい変更点かもしれませんわ?」

「そのかわり~脳にかかる情報量の負担が増大しますので~使いこなしの難易度は増加します~下手すると廃人か死です~」

 

「…………あら、このセシリア・オルコットをあまり見くびらないで下さいまし?」

「そういうと思って~。」

 

「改修の許可が国から降りたことにも驚きましたが、この新生ブルーティアーズを使いこなせれば、国家代表でさえも夢ではないと感じますわ?」

「まぁ即日緊急改修ではあるけど遠中近隙はなくなったし、これを乗りこなせるなら兎さん製の第四世代機相手でも十二分に戦えるとは思うよ~」

 

セシリアの淹れた紅茶を二人で飲みながらブルーティアーズの改修を眺めていると水色頭の女生徒と一人の着ぐるみがとことこと歩いてやってきた。

 

「れんれんとせっし~だ~こんなところで何やってるの~?」

 

着ぐるみ制服のマスコットみたいな少女が話しかけてくる。

 

「せっし~の機体の改造だよ~?ところでどなた~?」

「なるほど~私は布仏本音だよ~同じクラスだよ~」

「ちょっとせっし~とは何ですのわたくしにはセシリア・オルコットというちゃんとした名前があるのですからしっかりと呼んでくださいまし?」

「あ~メイドさん~?簪の~?」

「そうだよ~私の萌えポイントのひとつだよ~」

 

横から伸びてきた手にぐい、引っ張られて隣に座っているセシリアの方向に顔を向けられる。そしてそのまま両手で引っ張られる頬。

 

「や~め~ろ~よ~」

「わたくしの話を聞かない方にはこうですわ。ふふっ♪」

「のびちゃう~だ~ろ~」

「それにしても本当に手触りが良いですわね。もちもちしていて」

「名前呼び捨てされるほど親しくなったつもりはない」

 

冷たい目の簪。だから根暗って言われるんじゃないだろうか。

く~るびゅ~てぃ~?

「くらすめいと~なんだし~い~じゃん~ね~」

「そう。私と貴方は只のクラスメイト、名前を呼び捨てされる筋合いは……それにしても二人は本当に仲が良いんだね恋人みたいに手と腕を絡めて歩いてるとか聞くし」

「あら、只のルームメイトですわ♪簪さんもさわってみます?睡蓮さんのほっぺた。現状に不満があるのなら踏み出して見るのも一手ですわよ?」

「……そんなに柔らかいの?……じゃぁ少しだけ……」

「きょか~とれよ~うわ~ん~」

「それはおたがいさま、じゃぁ……失礼、します?」

 

セシリアが片手を放し解放された片頬を簪の指がふにふにと摘まみあげる。

柳生睡蓮 15歳。 人権 なし。

 

 

 

 

「折角だから俺VSセシリアと簪の1対2でもやる?二~人とも機体慣らしたいでしょ?」

「セシリアさんも……私も……腐っても代表候補だよ?」

「簪さん、この方戦いだけはと~っても強いんですわわたくしお恥ずかしながら昨日はぼこぼこにされてしまいましたの」

「新陰流……柳生……だから?……二人が良いならわたしも構わない」

「クラスメイト同士お近づきも兼ねてよろしくお願いいたしますわね?」

「こちらこそ……よろしくお願いいたします……」

 

「簪さん、貴女がよろしければ軽くだけでもお互いのブリーフィングをいたしませんか?」

「構わない」

「わたくしの機体は改修前のデータはある程度ご存知で?」

「世間に公開されてる範囲なら……」

「では話が早いですわね、改修によってビットの機数が3基に減少した代わりに火力が増したそうですわ、簪さんの機体はどのようなものですの?」

「48連装のミサイルが意志を持ったかのように追尾するのが主な特徴の中近距離戦機体……オルコットさんは遠距離を中心に援護してもらえれば……」

「セシリアでよろしいですわ」

「このセシリア・オルコットが援護するのですから豪華客船で寛ぐ気持ちでいていただいて構いませんわ♪」

「……といいたいところですが、睡蓮さんはちょっと規格外が過ぎる気がするのですわ……レディにも容赦というものがまるでございませんの……本当に酷い殿方ですわ~」

 

わざとらしくこちらを見ながらおよよと泣き崩れるセシリア。

 

「しつれいな~てかげんはしてるぞ~」

 

ぷちん。プライドの高いセシリアの血管がキレる音がする。

 

「援軍もおりますし機体も強化されましたし、今日のわたくしを昨日のわたくしと一緒にされるとやけどしてしまうかもしれませんわよ?ふふふ♪」

 

口元に手を当てて上品にキレるセシリア。

やる気は十分のようだ。

 

「やるからにはやる。いつかお姉ちゃんを倒すためにも」

 

こちらは静かに燃える簪。あちあち。お~お~やったれ~あんなお姉ちゃん吠え面かかしてやれ~

 

「じゃぁまぁアリーナの使用時間とかもあるしそろそろやりますか~」

 

ふわふわと浮かび上がってアリーナの中央上空で向かい合う。

 

 

 

 

ん~ブルーティアーズと打鉄弐式相手の1対2か~相手の弾幕過多でめんどくさいな~。

ぶっちゃけ少々の被弾覚悟で短期決戦しちゃうのが一番楽なんだけども。実戦ならともかくそれだとあんまり訓練にならないしな~。

回避主体のスタイルで行くなら山嵐1編成48発、もっと言えば近接信管12発をどうやってお料理するかってことになりますかね。

流石に爆発物の破片全部至近距離で回避するのはめんどくさすぎるしな~。

 

数が減って火力と精度の増したブルーティアーズMK2のオールレンジアタック、そして偏差射撃を狙ってくる弐式の荷電粒子砲とトドメとばかりに狙い撃ってくるスターライトMK3の火線をゆらゆら避けながらそんなことを考えていた。

これだって弾速と精度がまちまちで回避は結構なの難易度だといえるだろう。さすがは代表候補生タッグということである。

 

アサルトライフルのビーム連射モードで弾をばら蒔き、妨害を主体としながら二人のシールドエネルギーを少しずつ減らしていく。

ふはは~殆ど動いてないから必然的に射撃の精度は高いぜ~

威力はそんなでもないぜ~。

戦場は地獄だぜ~。

 

これに下手したら鬼追尾のミサイル48×3が加わるのか~。それはもうちょっとした悪夢といえるかもしれない。

この二人の相手する人は涙目である。考えてみれば私です。

プログラム組んだのも私です。飼い犬に手を噛まれるのも私です。ステイ。ハウス。いい子だからな。

 

開くウエポンベイ。

産み出されるミサイルの海。その数なんと48発。

うひょ~。

堪らずスラスターに点火。相手の神経を逆撫でするちょい避けは流石にやってられないぜ。

ぶっちゃけ機体背面から撃つ同時制御128発の拡散ホーミングビーム使えば流石にちょちょいのちょいだけどももうちょっと秘密にしといた方が面白いかな~って。

 

後は機動戦でむしろ二人に擦り付けてやるか。ふはは。君たちも飼い犬に手を噛まれるといい。決まれば効果的だけど決めるのは容易じゃないなぁ。

 

4基の中型スラスターと16基の小型スラスターを吹かしてくるくるぶっ飛びながら近接信管付のを狙って連射ビームをばらまく。

いくら山嵐が追尾回避能力godだからって攻撃を回避すればその分密度は減るわけであって。

 

こちらに迫ってくるミサイルを近接信管の奴に近づかないように気を付けながら速度のテンポを変えて簪changに突進してみます。

お出迎えはセシリアのフルバースト射撃と荷電粒子砲の5連撃、ちんたらしてるとミサイルに当たっちゃ~う。

 

「ところがどっこい」

 

抜刀して近接戦に持ち込もうとしてみるが、そこは相手もさるものリーチの長い薙刀でそつなく対応される。流石はあんな性格でも名家の大和撫子なのねん。ちょんと一合だけ切り結んだ辺りでミサイルを擦り付けるように動いてみる。が、だめ。

 

高速離脱し、ビームライフルに持ち変えて再び射撃しようとしたところであ、閃きました。柳生睡蓮さん閃きました。発射したビームビュンビュン曲げるフレキシブルとかいう大道芸があるそうですのでやってみましょう。

 

「Woryyyyyy」

 

ビームアサルトライフル連射連射連射~

 

「回避は凄いけど……馬鹿の一つ覚え……」

 

「まっが~れ」

 

射出されたビームとついでにセシリアの射出したビームに意志を干渉し制御する。貴方は私であり、私は貴方である。一は全であり全は一である。大いなる意志の前では凡てに大差は無い。

やっぱ嘘俺は特別。俺様の意志の許にひれ伏せ。ふはは。

を、曲がった。ビットと同じく意志の通りに曲がる。

こんなの基本的に大道芸にしかならないだろうけど面白いは面白い。

 

「な、これはまさか!?偏光射撃-フレキシブル-だと仰いますの!?しかもわたくしの放った物まで!」

 

滅茶苦茶驚いてるセシリアを尻目に避けられてもギュインギュイン気持ち悪く曲がるビームが次々と山嵐を撃ち落としていく。特に近接信管12発を念入りに。

爆発物。だめ。絶対。

特に近づくだけであうとなとげとげはーと。

かつてのNPTOと大連合が戦った大戦の時にも米国陣営の使うVT信管ってやつには日本も英国も相当苦汁を舐めさせられたみたいだしなぁ。

くじゅ~

 

「よっしゃ~山嵐撃破~ミサイルごときが二度と人間樣舐めるんじゃねぇぞ~おら~」

 

「……きゃぁっ!」

 

ついでにビームアサルトライフルを収束モードで発射くいっと曲げてセシリアを銃撃、しながら簪changに急速ばばっと接近。

 

「……!……させない……」

 

リーチの長い薙刀に持ち変えた簪changが守護って来るが。

 

リーチの差で向こうの方が先手になる。

簪changが選んだのは範囲の広い袈裟懸けと横凪ぎの中間の様な凪ぎ払い。

微かな体裁きで避け……たところで目敏いセシリアのビットの射撃が飛んでくるのをかいくぐりながら間合いに入り込んで袈裟懸ける。

 

墜落判定のブザーが鳴り響き簪changは舌打ちしながら地上へ戻っていく。聞きました?奥様?今あの娘舌打ちしましたよ?

根暗キャラじゃなかったのかおっかない。

 

「いっちょあがり~」

 

「くっ、簪さんの仇はこのわたくしが討ってみせますわ!」

 

新装機体になったセシリアは独りでやる気まんまんだが。

 

「ところがどっこい」

「くっ、きゃぁぁっ!」

 

びゅんっびゅんっと二連瞬時加速で距離を詰めた俺にセシリアは近接戦への対応しきれずまともに喰らってゲームエンド。

 

「おしまい~」

 

 

 

 

「サヴィルロウのテーラーにデータを送るため採寸をいたしますわ」とのことで夕食時の貴重な自由時間を削って採寸に当てられる。拒否権は残念ながらありませんでした。

 

パンツ一丁つったってる俺の周りをメジャーを持ってあちこち測って回るセシリア。いやん。

 

「細いと思ってましたけど、腰周りほっそいですわね、こんなの乙女に喧嘩を売ってますわよ?わたくしより少し細い位じゃないですの」

「それはつまりセシリアも世間に喧嘩売ってるってこと~?」

「お黙りなさい、わたくしは乙女で努力し、ついでにモデルもやっているのだから構わないんですわよ。ふふっ♪」

 

出た。セシリアの必殺ふふっ♪

 

「おうぼうだ~」

「あら、貴族とはすべからく少なからず横暴なものですわ

?特に貴方のような聞き分けの無い殿方には。おほほ♪」

 

おほほも出ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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