ちんちくりんだけど。
箒chang は暴走するけど人情に分厚いんだ(*・ω・)
第一話 セカンド幼馴染み 襲来
翌週の月曜日、セシリアと一緒に教室に入ると一夏の席の周りで転校生の話題で盛り上がっていた。
「そういえば二組に中国の代表候補生が入るとか聞いたな~」
「あら。わたくしの存在を危ぶんでの転入かしら♪でも入学して睡蓮さんのおかげで更に強さの増したわたくしの敵ではなくてよ?」
左腕を俺に絡めたまま、右手を腰に当ててどや顔のセシリア。
しかしま~相手も見ないうちからそういうことを言っちゃうのもな~。
「なんですの、睡蓮さん、その顔は?わたくしを疑いますの?」
「ふん、セシリアお前が偉い顔してられるのも今のうちかもしれないなぁ?あぁどちらにしろ入試も次席だったか。」
セシリアとの付き合い方が分かってきたのか煽りながら登場してくる箒chang
箒たんinnしたお。
「ぐぬぬ。クラス代表は譲ってしまいましたが、その中国の代表候補生とやらに負けるつもりなどさらさらありませんわ!」
「見てもないんだからわかんないんだよな~」
「転入ってハードル高いらしいけど、どんなやつなんだろうな一体。」
貪欲に新たなる女を求めている一夏。
そこに痺れる憧れるぅ!
「む・・・・・・気になるのか?」
「ん?ああ少しは」
箒changがご機嫌斜めになりました。
まぁ教室内で木刀とか振り回し始めないだけだいぶましではある。
「ほう一夏・・・・・・他のクラスの転校生を毒牙にかけようとはずいぶんと余裕そうだな・・・・・・来月にはクラス対抗戦があるというのに」
どことなく黒いブリュンヒルデっぽい口調とゴゴゴゴゴゴゴと鬼のようなオーラを漂わせる箒chang。これがなければ爆乳和風少女なのにね。
でも実のところ鬼女です!
「ほ・・・・・・箒さん?お、怒ってらっしゃいます?」
「ふんっ!セシリアにも赤子のように手を捻られた今のお前に、余所見をしている暇があるのかと言いたいだけだっ!
このままクラス対抗戦でも醜態を晒すようなら恥ずかしくて到底幼馴染だなどと名乗りたくなくなってしまうな!」
ずばばっと言葉の刀で切り裂くのが見える。
ず~ん。
寝ているかのように突っ伏して机にのの字を書き始める一夏。
「そうだよ!織斑くん!優勝賞品は学食デザート半年フリーパスなんだから!そんな落ち込んで頑張ってもらわないと!」
「男を見せて織斑くん!」
甘いものにつられて盛り上がるクラスメイト達。
お金ないんだろうか。
食べたくなったらセシリアに頼めばいいんじゃないかな?
「残念だけど、優勝するのは2組だから。」
教室のドアに腕を組んでカッコよくもたれているのは茶髪で勝気ツインテールの小柄な少女。
噂の転校生だった。たしかワンサマーの幼馴染二号らしい。愛人?ワンサマーもなんだかんだで隅に置けない男である。
「鈴・・・・・・?お前、鈴か?」
顔を上げた一夏が驚愕とともに反応。
「そうよ。中国代表候補生、鳳鈴音見参ってわけ。今日はほんの宣戦布告に来たの。」
にぃ~っとに唇の端を吊り上げる。
黄色いリボンでくくられた二本の髪の房が軽く左右に揺れている。
背も胸もちんちくりんだけど格好いい。
「何格好つけてるんだ?すげえ似合わないぞ。」
しかしワンサマーにはお気に召さなかったようだ。
「んなっ!?な、なんてこと言うのよ、あんたは!?このカッコかわいい美少女鈴ちゃんに向かって~!」
「おい」
「なによ!?違うって言いたいわけ!?」
びよ~ん。
突然横合いから手が延ばされてほっぺたが引き延ばされる。
おさわりまん、犯人はセシリアです。
「ちょっと~?睡蓮さん~?何を熱心に眺めてるんですの~?・・・・・・しかも代表候補生を。ギルティですわ・・・・・・」
「ん~ぴょんぴょん勝気ツインテール?」
「あら、こんな子供みたいな髪型がよろしいんですの?・・・・・・わかりませんわね・・・・・・まぁそれなら試してみてもよろしくてよ?
わたくしモデルですし、どんなスタイルだってものにして見せますわ?」
「?」
「ちょっと・・・・・・睡蓮さん?ぼけ~っとしないで下さいます?」
その刹那重たい衝撃音が響く。タイムアップだった。
「もうSHRの時間だ。教室に戻れ。」
「ち、千冬さん・・・・・・」
「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ」
猫が借りてきた猫みたいになった。
「す、すみません・・・・・・」
「また後で来るからね!逃げないでよ!一夏!」
そんな捨てセリフと共にちんちくりんな転校生は去っていった。
ということでご飯時の何時ものメンバーが一人加わって5人になりました。
翌朝朝食を食べに食堂に行くと一夏がほっぺたに紅葉をこしらえていた。
暫く無言でセシリアにもらった紅茶を飲んでいると、二人分の朝食のトレイを持ってきたセシリアがやってくる。
「あら一夏さん。また女の娘を怒らせましたの?きっと今度は鈴音さんですわね?相変わらずお猿さんみたいな学習度ですこと♪」
「怒らせたというかあいつがいきなりキレ出したんだけど、しかもそのまま走って出てっちゃうし。箒も不機嫌になるし」
「あれは一夏が完全に悪い。」
「ばかだな~。」
「いや、睡蓮だけには言われたくないんだけど。」
「なんですと~」
セシリアが食事の合間ににこにこと微笑んでいる。
「まぁレディの扱いについてはお二方とも同レベルですわね♪」
「な、なんだって~!?」
「もちろん平等にレベルがとても低くてお話にならないということですわ♪お猿さんの頬に付いているその紅葉マークがその証拠ですの♪」
「なんで詳しい話も聞かずに皆俺が悪いと決めつけるんだ・・・・・・」
食事中だというのにどよどよと沈み始める一夏。
「鳳がいい目を見るというのも癪ではあるが、一夏はもっとよく反省したほうがいいぞ。」
箒changにトドメを刺されてえぐえぐと泣きまねをし始める一夏。
放課後、間がよいのか悪いのかクラス代表トーナメントの初戦が鈴ちゃんなうだということで一夏の為に対策会議が開かれることになった。
まぁ4組までしかないのでどちらにしろ2試合しか無いんですけど。
う~ん睡蓮さんはとてもやさしいですね。ワンサマーさんは感謝したほうがいいですね。
一夏がじと~っとした目で見てくるけど、セシリアと違ってそんな事しても全然全くかわいくないですぞ。
そんなことを思っていたら頭をはたかれた。なんでさいたい。
「いや思ってるだけじゃなくて声にも出てるから。」
「ということはわたくしはかわいいということですわねっ!?」
突然両手で頬を抑えて、るんるん気分になるセシリア。
トレードカラーの蒼いヘッドドレスとリボンに抑えられた金絹糸の長髪がふわふわと揺れて、そこはかとなく甘い香りが漂ってくる。
「なんだって~」
「もうちょっと静かにしような。」
「ひぃん。え~っとなんだっけ~鈴ちゃん対策なうだっけ~」
また微妙な顔になる一夏。
時間も無限にあるわけじゃないんだし真面目にやれ!っと箒changにも怒られたので閑話休題。
「大清帝国代表候補生、鳳 鈴音専用機、甲龍。かっちょいい名前ですね~
得意レンジは近距離から中距離まで、第三世代兵装は肩部のアンロックユニットを用いて周囲の空気を圧縮し、砲弾として打ち出すという感じの龍砲らし~。
砲身砲弾共に一切見えず、射角の制限もない。火力を下げてマシンガンのように連射することもできると。まあまあ致せり尽くせりの武器みたいだね~」
「うげ、何だそりゃ、だいぶ反則級の武器じゃねぇか。」
たまげる一夏。
「そのうえ燃費もかなり良いそうなので~持久戦もばっちりです~。ま~火力はセシリアのスターライトMKⅢのほうがあるだろうけども。」
「そして近接兵装は分離合体できる青龍偃月刀だってさ~」
「・・・・・・しかしこっちだけ相手の情報知るってのも何かな~鈴はそういうのあんまり気にしないだろうけど。」
情報を聞いて微妙な顔をする一夏。
「あら、わたくしも以前申し上げたかもしれませんが、代表候補生の専用機となればある程度の情報は公開されてしまうものですわ。だから一夏さんも気になさることはなくてよ?
もちろん水面下で様々なテクニックやリサーチ合戦は行われているんですけれども。」
「彼を知り己を知れば、百戦して危うからずとも言うけど実際に己を知ることは彼を知ることより遥かに難しいことだともいえるし、
一夏もせめて彼を知る努力はしたほうがいいと思うけどね~」
「鈴は昔っから大体何をやっても器用にこなすイメージがあるけど接近戦も普通に強いんだろうな・・・・・・
とはいえ白式に近接武器しかない以上何としてもここは取らないと始まらないわけだけど。となると、その龍砲とかいう第三世代兵装をどうやって攻略するかって話になるか。」
「そうだね~」
「只でさえ銃の対処にまだ慣れていない一夏さんに前兆の掴みづらい、さらには射角がほぼ無制限の兵器の対策をしろというのもなかなか荷が重そうですわね。」
「透明の銃と弾かぁ・・・・・・想像すれば想像するほどえげつなそうだな・・・・・・もし睡蓮が闘うとしたらどうするかとかあるのか?」
「何もないね~。というか空間を予知できるようになれば見える見えないなんて言うのは些細な話でしかないっていうか~」
「・・・・・・何だそりゃ」
「つまりは見えないものを見て聞こえないものを聞けるようになること、一番簡単で一番根本的な龍砲対策はだろうね~」
「なんかすごい危ない人みたいだなそれ。」
「武の奥義だが、一夏にはまだまだ到底たどり着けない境地だろう。私の父さんでその境地が見えるようになってきたというレベルだと聞いた。」
「それはま~謙遜かもね~わかんないけど~」
突っ込んでくる一夏。しかし箒changのいう通り武の奥義である。
「というわけで~まず一夏君は五感を鍛えたほうがよろしいかと思われます~。つきましては箒changの協力の元IS乗ってるとき以外24時間目隠しして過ごしたら~?」
「「な!?」」
お~ワンサマーと箒changがハモった。流石は幼馴染。
「まずは視覚を封殺することで自分がどれだけ今まで視覚に頼っていたか思い知るといいのだ~。まぁ第六感に目覚めるまでにはまだまだ遠いだろうし、一朝一夕にはいかないだろうけど。」
IS実技の授業中に今日の割り当ての一人だった黒髪おかっぱ頭の快活かつ真面目そうな女子に質問を受ける。
「睡蓮君は戦ってる最中怖いとか思ったりすることって無いの?」
「え~怖い~?無いな~。だってこれまで無数に繰り返してきた、
呼吸するのと同じくらいに当たり前の日常だしな~?」
「え~なにそれ~?・・・・・・そっか~」
「ま~睡蓮さんはそのために連綿と受け継がれてきた流れの1つの最新機種。
一欠片のMASTERPIECEですから~えっへん」
「ま~でも、もし戦うことを怖いと思うならその感覚は別に失くさなきゃいけないようなものではないんじゃないかな~?」
「戦場ではそういう感覚を失くしたやつから死んでいくって言うし~?
俺もま~そういう感じのところは結構見たことあるよ~?」
「最近放課後よくセシリアさんをボコボコにしてるのを見るけどもしかして凄いスパルタ~?」
「お前達がセシリア位強いなら~?そうなるかも~?」
「ま~セシリアが今後何に成るにしてももっともっと強くならなきゃいけない立場だろうからね~。
ま~本人ももちろんやる気だし~?」