と、その前に、わたしはまずアマレから預かった品の数々を調べた。
この城館はもともとビルジュ級
その中には、思考結晶や機械類などを製造、修理できる場所も存在している。
幸運なことに私はそれらの取り扱いに多少の覚えがあった。資格はないが、母親に叩き込まれた知識がある。
しかし結果的に言えば、
なぜならば、すでに放射線の嵐によってかなり複雑に分子配列が焼かれてしまっていたからだ。
だが、これは
「……というわけで、アマレ。
「……あお、入ってふるふぁえにノックとかひてくえふぁへんか?」
口の中に食べ物を一杯に詰めたアマレがもごもごと言った。
「食事中にすまない。とりあえず、これを」
「あお、ひょっほふぁっへふえぁへんか」
「……何言ってるかわからない」
「……」
恨みがましい目で、アマレは口の中に入ったものを咀嚼し、飲み込んだ。
「あの、ノックぐらいしてください。女の子ですよ、私」
「すまない、うっかりしていた。だが、とりあえずこれを受け取ってほしい」
「なんですかこれ」
怪しむような目で、アマレは私が差し出したものを受け取った。
「ブレスレット?」
「簡易型だが、
多分に装飾的な衣裳を凝らした、細い
「くりゅーの……あ、センレーニュさんもはめてるアレですか」
「そうだ。初期設定は自分でしてほしい。一応、君に伝わる言語に設定をしてある。それで、端末腕環(クリューノがあれば、自分の部屋に鍵をかけられる」
これをさっき、
見た目も一応こだわっておいた。私がはめているものよりかは少女にふさわしいだろう。
「あ、そうなんですか」
「次からはそれを使うといい。魔改造左腕よりも便利だろうし」
「……あの、魔改造左腕って呼び方なんとかなりませんか?」
じとりとした目でアマレが見てくる。
「じゃあ何と呼べばいい? アーヴの世界でそんなものは見たことがない」
「MMPHです。マルチパーパス・マイオエレクトリック・プロスティセス・ハンドの略です」
「……? 古英語にはなじみがないんだが……」
「じゃあ、複合機能筋電義手です。これなら分かりますか
「ああ、なるほど。
「なんで漢字で言うとすぐにわかるのに、色々とカタカナだけ伝わらないんですか……?」
「それは融通のきかない
いまでも私は
「まあ、とりあえず、まず
彼女を訪ねたのはそっちが本題だ。
「帝都……」
どうやら少し不安そうだった。
「なんか、怖いこととかありませんか?」
「怖いこと? 都会が怖かったりするのか?」
「いえ、別に……」
アマレはためらいがちに目を泳がせた。
「あの……指導者の悪口を言ったら、無礼罪で処刑されるとか……ないですか?」
「……? 不敬罪ということか?」
「はい」
「あるわけないだ……いや、法自体はあるが……」
帝国にまつわる不敬罪は有名な話だ……。
「あるんですか」
すこしアマレが懐疑的な目になる。
「いや、もし適応されれば
「え……?」
「安心していい。それに、
「そうなんですか……? 人種隔離政策とか、強制招集とか、ないですか……?」
「何を考えてるんだ……?」
「独裁国家に対する個人的なイメージです」
「君の世界にはいったい何があったんだ? それに
この
「それに、
まあ、一つだけ例外があるが。
アーヴ以外で
つまり、生まれながらにアーヴでないのに、アーヴと同じものを持っている人間。
たとえば、アーヴでもない人間が遺伝子改造でそれを得てしまえば、
なぜならば、空間を担う種族はアーヴを置いてほかにいない、というのが
アーヴ以外で空間を知る
だがそう言う者に対しても迫害などすることは断じてないし、いち
その中でも色々と複雑な事情があるが、今は関係ないことだ。
「どうする、来るか?」
「……うーん……」
「さっき説明したとおりだが、行けば君の故郷のことを知ることができるかもしれないんだ」
「やっぱり、ちょっと不安……」
「……もしかすると、君の
「えっ」
まあ、これはあまり言いたくなかった。なぜならば、確定事項ではないからだ。
「決まったことではないのだが……。
「私の星系を……」
「どうするかは君次第だ。私一人で行ってもいいのだが、あいにく君の
われながら、かもしれないかもしれないとしか言っていないのが愚かしいのだが。
「……わかりました」
意を決したように、アマレは言う。
「い、行きます」
「そうか、それはよかった」
「いつ、出発ですか」
「明日の十五時に出発だ。それまでに、荷物を整えておいてくれ」
「はい……わかり、ました」
まだ不安が残る様子だったが、強い意志は垣間見える。
「じゃあ、また」
「はい、ありがとうござい、ました」
それを背に、私はアマレの部屋から退出した。
これで、アマレのことが何かわかるかもしれない。
そう思うと心が少し楽になる。
それにしても、もう
前回はほとんど
……それに、前回はいろいろと災難があった。
もしあの時のダーショ氏のアイツに出会ったら、一発殴らせてもらおう。
あとがき
ダーショ氏のアイツとは、このシリーズの初期に出てきたセンレーニュから金を騙し取って一泊したアイツのことです。
それとアマレにしゃべらせるときはカタカナ気にしなくてもいいので楽で楽しいです。センレーニュにしゃべらせるときは、日常の中でのカタカナを頑張って漢字にしなきゃいけないので頭を使います。それとルビ作業が地獄です。
みんな、何が気になる? 今後の展開を考えるのでよければ教えて
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アーヴの世界のこと
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アマレのこと
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男爵のこと
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センレーニュのこと
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んなことよりこのまま続き気になる
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パンケーキ食べたい