№1ユニバース 世界と指輪と願い事   作:エルモライト

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今週は休みな予定でしたが大投票で筆が乗ったため、少し頑張って今日も投稿することにしました。

以前も活動報告でお知らせしていた通りシャーレの先生は実質的に要素を混ぜた結果オリキャラと化してます。


思い出ズキズキ

「いきなり現れた。あなたはなんなの!」

 

「貴様は、伝説の守護獣。大獣神!バカな。ユニバース大戦にて長き眠りについたはずだ」

 

 大獣神の登場に動揺するMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケーク。そんな夫婦など気にもせず、大獣神はマントを脱ぎ捨てて、手に持っている剣『恐竜剣ゴッドホーン』の刀身を輝かせる。

「超伝説!雷光斬り!」

 

 雷光が発生しているゴッドホーンを高く掲げ、それを勢いよく振り下ろす。その刃はMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークをいとも簡単に両断したのだった。

「くぅ・・!これが伝説の守護獣の力か」

 

「覚えてらっしゃい!」

 

 飛び散ったクリームから等身大サイズで復活したMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークはノーワンワールドへと撤退していくと、大獣神から外に出たユニバース戦士は校門前に集まっているゴジュウジャーの面々を見下ろす。

「あの人らが本郷さんが言っていたゴジュウジャー」

 

 雷鳴とともに大獣神がその姿をくらませると、熱き友情の赤き戦士、絆装戦隊キズナファイブのキズナレッドはゴジュウジャーの面々の前に着地して変身を解除する。

「初めまして。ゴジュウジャーの皆さん。自分は坂田巡。キヴォトスって場所で先生をしていたんやけど、今はここで先生をさせてもらっとる。んでもって指輪の戦士。キズナレッドもしてるもんや」

 

自身をキズナレッドの坂田巡と名乗ったその男に対してゴジュウジャーの面々はどういった反応をするべきかと微妙な反応をしていた。すると合流してきた鳴介が彼に話しかける。

「坂田先生。お疲れ様でした。今のところテガソードを操縦できるゴジュウジャーを除けば、ロボに乗れるのは坂田先生ぐらいなので、お任せしちゃって」

 

「気にしないでええって。今のところ自分の復元能力であるリゲインでしか大獣神も含めた巨大戦力、ユニバースロボは呼べへんしな」

 

 どうやら先ほどの大獣神は巡の能力『復元』によるものだったようだ。

「さて、そんじゃ話を戻すでゴジュウジャー。お前さんらはスーパー戦隊としてなっとらん。せやから自分がお前さんらに教え込んだるわ。スーパー戦隊とは何たるかってのをな」

 

 

 

 

 翌日。ゴジュウジャーに戦隊とは何たるかを教え込むためにテガソードの里に巡がやってきたのだが、そこに陸王と角乃の姿はなかった。

「おい、2人足りねぇぞ。あいつ等どこ行った?」

 

「すみぽよは仕事だそうだ」

 

「百夜も用事があると言ってたな」

 

「揃ってないようやけどまぁええわ。3人にはこれからスーパー戦隊が何たるかを教えたる」

 

「まずそもそもスーパー戦隊というのは何なのですか?」

 

「そこからかい。って言いたいけど、この世界の人らにユニバース大戦の記憶はないんやったな。ええで。教えたる」

 

 竜義もスーパー戦隊のことは指輪の戦士たちぐらいの知識しかないようなので巡に尋ねると、巡はその説明から始める。

「スーパー戦隊。それは色とりどりな色彩の姿に変身して同じ志を持つ者らが集まったチームのことや。キヴォトスが・・・自分の世界もあの日厄災に襲われたところをスーパー戦隊が世界が駆けつけてくれた。絆装戦隊キズナファイブの熱い戦隊魂は絶対に忘れへん。自分のところに来てくれたのがキズナファイブの力だった時、ビビッときたわ。んでもってお前さんらゴジュウジャーをこの目で見た時、自分のやるべきことが分かった気がした。自分の願いを叶えるためにも、自分はお前さんらを本物のスーパー戦隊にしたるってな!」

 

「よく分からねぇところは分からねぇままだが、お前の願いを叶えるために俺らがそのスーパー戦隊ってのになったとして、俺らに何のメリットがあるんだ?」

 

「まぁ、最初はそう言われると思ってたわ。自分の授業を受けて最後の課題のテストを合格できた時には・・・このジュウレンジャーとニンニンジャーのセンタイリング。お前らに譲ったる」

 

 テストを合格したら彼の所持してるセンタイリングを貰える。それを聞かされたホエルたちはその授業を受けることを承諾したのだった。

「最初の課題はせやなぁ~」

 

 最初の課題はどうしようかと考え出した巡は辺りを見渡すとテガソードの里のメニュー表が視界に入った。

「せや。オムライスや。お前らのオムライスで自分を唸らせてみせや」

 

 

 

 

 ホエルたちが課題としてオムライスを作るように告げられた頃、角乃は探偵としての仕事でとある男性を尾行していた。

「今のところ怪しげな様子はないみたいね」

 

「やぁ!角乃ちゃん!奇遇だね!」

 

 そんな尾行の真っ最中に彼女は陸王に話しかけられてしまい、露骨に嫌そうな顔をしたのだった。

「うっわぁ・・」

 

「流石の僕もそこまで露骨に嫌がられると傷ついちゃうよ・・」

 

「邪魔しないで。これでも仕事中なの」

 

「へぇ。どんなお仕事をしてるのかな?」

 

「数日前から婚約者の様子がおかしいって依頼。もっとときめきをってうわごとのように繰り返してる。調べたらその依頼人と同じような事案がいくつも起きているの。さぁ、仕事の内容は教えてあげたんだからどっかに行って」

 

「僕も手伝うよ。同じゴジュウジャーの仲間なんだからね」

 

「怪しすぎ」

 

「ならそうだね。角乃ちゃんは指輪の能力で相手の心が読めるんだよね。なら!」

 

「触らないと分からないし、指輪持ちには効かないの。そんなわけでこれ以上邪魔はしないで」

 

 陸王を払いのけた角乃は尾行の続きに戻ろうとすると1つの声が彼女に囁いてくる。

「お困りのようだね。お嬢さん」

 

 声に即座に振り向く角乃の目先には桃色のトキを模したノーワンが立っていた。

「なんて美しい。君がいるだけで世界はVIPルームとなったようだ」

 

「なにこれ?胸が締め付けられるカンジ・・」

 

「しっかりして!」

 

 陸王は投げキッスを飛ばしてノーワンの甘い空間を打ち消すと角乃はかろうじて正気を取り戻す。

「ほぅ。ミーのときめきを相殺できるとは。君も中々のときめきをお持ちのようだ」

 

「当然さ。僕はアイドルナンバーワンになる男だからね」

 

「さっきの感覚。一連の犯人はアナタのようね」

 

「ミーはノーワンワールド、ときめきナンバーワンノーワン。そこの人間。どちらが真のときめきナンバーワンか勝負をつけようじゃないか」

 

「望むところさ」

 

 ノーワンとときめきナンバーワンバトルをすることとなった陸王。するとノーワンは投げキッスからの両手でハートを作って世界とは隔絶された空間『ときめき空間』を作り出す。

「あらあら」

 

「ここはいったい?」

 

 その空間にはMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークに加えて・・・。

「突然呼び立てて何のつもりですか?ハッ!?陸王様!?」

 

 今や立派なリクオニストとなったブーケがいた。

「対決の審査員をぜひお願いしたいのです」

 

「仕方ないわねぇ!」

 

「た、ただの一般人ですがお手伝いさせていただきます」

 

 Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークに加えて自分を一般人と偽ったブーケも審査員となってときめきナンバーワンを賭けたバトルが、今、始まる。

 

 

 

 

 ときめきナンバーワンの座をかけた陸王とノーワンの戦いが始まろうとしていた頃、テガソードの里にはさらに3人の少女たちがやってきていた。

「せっかくやから審査員に自分の生徒を呼ばせてもらったで」

 

「尾刃カンナです。ユニバース戦士のデカレッドだったんですが、少し前にゴーカイレッドに力及ばず負けてしまいました」

 

「鷲見セリナです。ユニバース戦士ゴーレッドだったのですが、救護を優先したため、指輪はましろさんに譲りました」

 

「愛清フウカです。普段は学園の寮でみんなの料理を作ってます。今日は作る側ではなく作ってもらう側なので、ちょっとドキドキしてます。あっ、私はユニバース戦士じゃないですよ」

 

「そんじゃ俺が新鮮な具材をいただくぜ」

 

「くっ、早いもの勝ちか」

 

「なら僕はこの卵だ!」

 

 審査員の生徒たちが名乗るのを終えると3人は具材を取り合いだして、巡はため息をつく。

「先生。これでは・・・」

 

「分かっとる。やめややめ。今のお前らじゃ自分らを唸らせるもんは作れへんわ」

 

  チームワークというものがまるでなっていなくオムライスを作るという課題が行き詰った時、小休憩となりテガソードの里を出たホエルと巡は横並びで歩く。

「お前さん。仲間を作ることを、いやもっと言えば誰かと絆を結ぶことをビビっとるんやないか?」

 

「そう見えるか?」

 

「一匹オオカミを気取っとるように見えて、その実何かを求めてる。だけどそれに手が届きそうなのに、掴もうとしない。まぁ、そう見えてもおかしかないわな。他の連中が気づいとるか知らんけど、キヴォトスで生徒たちとたくさんの縁を気づいた自分には分かるで」

 

 自分の心意を見透かされたホエルはため息をつくと、それを認める。

「そうかもな。俺は確かに誰かと絆を結ぶのが怖い。もっと言えばそれを失うのが怖いんだ」

 

「・・・話、聞いたるから話してみ」

 

「なんでお前に話さなきゃならないんだよ」

 

「自分は『先生』やで。生徒の悩みは真正面から受け止めて、それをどうにかするのがスジってもんや!」

 

「別にお前の生徒じゃ・・・」

 

「お前らに戦隊が何たるかを教えとるんやから、今はお前らは自分の生徒や」

 

 理屈というか屁理屈にも聞こえるが、ツッコミを入れるのは野暮と判断したホエルは頭をかくと語り出す。彼が過去に何があったのかを。

「俺が10歳ぐらいの時、兄ちゃんと外で遊んでいたらいつの間にか知らない何処かにいたんだ。そこには俺たちだけじゃなく他の連中が何人かいて・・・そこには怪物たちが、ノーワン共がいた。そこはこの世界じゃない。ノーワンワールドだったんだ。ノーワン共ははぐれものの俺たちに襲い掛かってきて、俺らは必死に逃げた。そこで仲間になった連中は1人、また1人とノーワンにやられちまって、そこで親代わりになってくれた人や、兄ちゃんもその魔の手にかかっちまった」

 

 昔の出来事を思い出しているホエルは巡から顔を背けると目元を拭う動作をする。それをあえて見なかった巡は話の続きを聞く。

「逃げて。逃げて、逃げ続けて・・・。10年ぐらい経ったある日。今から半年ぐらい前か。俺は突然この世界に戻ってこれたんだ」

 

「半年前ねぇ・・」

 

 半年前。それはユニバース大戦が起こったはずの頃だ。それと何か繋がりがあると考えた巡だが、今はまだ確証がなかったため話題に出すのはやめた。

「俺は父ちゃんと母ちゃんがいるだろうと家に帰った。そこにまだ父ちゃんと母ちゃんがまだいたんだけど・・・2人とも新しい家族を作って前に進んでいたんだ。俺の帰る場所はもうない」

 

 もし今の両親に会えば、今の2人の子たちとの縁はどうなる?家族の絆を壊してしまうのではないか?そう思ったホエルは会うのをやめて1人を選んだ。これから1人で歩んでいくことを選んだのだ。

「なぁ先生。俺の選択は間違いだったか?」

 

「今の家族の絆を壊したくないから、自分は身を引く。確かに10年も経ってたら世間一般的には死んだと思われても仕方ない。けれど、再開できたらそれを喜んだ両親は今の子らをないがしろにするかもしれへんと考えたんやな。まぁ難しい問題やな。自分はお前の選択を間違いだったとは言わへん。だけどそれはお前が家族の縁を絶ったからとは言わへん。むしろ家族の縁を何より大切にしたから。家族を守りたかったからやと思うわ」

 

「俺と家族の縁は切れてないって言いたいのか?」

 

「せや。お前の選択が満点とは言わんが、0点なんかじゃ絶対あらへん。お前は守りたい者のために戦える。前に進むことができる。自分はそう思うで」

 

 ホエルの肩にポンと手を当てた巡は確信していた。ホエルはいずれ本物のスーパー戦隊になれると。

「あんがとな先生。いつまでもウジウジと止まったままじゃいられないよな。俺、進んでみるよ」

 

「おう。気張りや」

 

 2人がテガソードの里の中へと戻ると課題が再開される。すると心境の変化があった様子のホエルは食材を選び直すと2人の前に置く。

「おい竜義。俺たちに指示を出せ。協力して作るぞ」

 

「・・・いいだろう。遠野は野菜を切れ。禽二郎さんはお米をお願いします」

 

「ほいきた」

 

 3人は役割分担をしてオムライスを作り始めると、フウカと顔を見合わせた巡は「これでいい」と言いたげに笑いあう。

「どんなに強くとも、どんなに器用でも1人でできることに限度はある。だから人は助け合うんや。お互いがお互いをカバーしあうことでできることは広がっていく。それがチームワークってもんや。今のお前らは戦隊としての一歩を進み出した。小さな出来事でもこれは大きな一歩やで」

 




次回「チームワーク解放!いざゴジュウジャー!」
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