【ウルフデカリバー50】
「ウルフデカリバー50!いくぜ!」
戦う目的を定めたことで新たなる武器。ウルフデカリバー50を手にしたゴジュウウルフ。それを構えたゴジュウルフはその刃を大振りに振るうとその斬撃は空間をも切り裂いた。
「タァッ!ハァっ!」
ティラノレンジャー、レッドファルコン。そしてトッキュウ1号を相手に突撃していくゴジュウウルフ。ウルフデカリバー50の斬撃は空間を切り裂き、その切り口が開くとブラックホールのような空間となる。
「まずはお前らからだ!」
【ウルフ!デカリバーフィニッシュ!!】
そのブラックホールのような空間に飛び込んだゴジュウウルフは空間と空間を移動してティラノレンジャーたちを斬りつけて撃破する。
「兄ちゃん。いや、クオン。もう容赦しねぇからな」
「兄に刃向かうとは。罰が必要なようだね」
「いくぜ!」
同時に駆け出したゴジュウウルフとガリュード。ゴジュウウルフは横をわざと通り過ぎると、背後から逆手に持ち直したウルフデカリバー50で斬りかかる。
「無駄だ。お前が僕に勝てた事があったか?」
ゴジュウルフの野性的な動きをほとんど見切っているガリュードは刃を受け止めつつ、そのままゴジュウルフを地面に張り倒す。
「この負け犬が」
「負け犬上等!はぁっ!」
自身を押し倒しているガリュードを蹴り飛ばしたゴジュウウルフは後ろに跳び下がりつつ、銃撃を斬り落として構え直す。
「何度負けたとしても、テッペンを目指せる!」
空間を切り裂き穴を作り出したゴジュウウルフ。その穴はゆっくりと距離を狭めてくると、ゴジュウウルフは穴へとガリュードを蹴り込む。
「ぬぅ!?」
穴と穴。空間と空間を何度も移動させられつつも、その穴の幅が狭まる。
「俺は負け犬ナンバーワン!何度でも挑み続けてやるよ!!」
【ウルフ!デカリバーフィニッシュ!!】
ほぼゼロ距離となったガリュードに強烈な剣戟を浴びせたゴジュウルフ。その一撃を受けたガリュードはニンニンジャーのセンタイリングを手放してしまい、その指輪がゴジュウルフの手に収まる。
「やるじゃないかホエル」
その強烈な一撃を与えたにも関わらず変身が解除されないどころか、まだまだ余裕がありそうな様子のガリュードは今回はここまでにしておくと言わんばかりに撤退していくと、勝利したゴジュウウルフに4人が近づこうとしたのだが・・・。そのタイミングで町の方から爆発音が鳴り響いた。
「ガリュード。お前とゴジュウウルフがどういう関係なのか、俺には関係ない。俺の炎には、あいつが必要なんだ!」
キングキャンデラーに搭乗したファイヤキャンドルだ。ゴジュウルフとガリュード。ホエルとクオンの関係性を聞かされている様子のファイヤキャンドルだったが、そんなものを気にしてはいられないと判断したファイヤキャンドルは自分の心の炎のためにゴジュウルフと戦うことを望みとしていた。
「来やがれ!テガソード!」
【アウェイキング!】
変形した巨神テガソードのもとに巨大なウルフデカリバー50が飛んでくる。ウルフデカリバー50の狼を模した装飾部分が外れると、刃がそのまま左腕となってテガソードへと合体し、狼の装飾部分はかぶりものとネックレスを模した装飾のように合体する。
「人神一体!」
新たなるテガソードの姿。その名はテガソード・デカクロウ。刃をそのまま左腕にしたかのような巨大な爪を持つテガソードに滾るものを感じ取ったファイヤキャンドルは歓喜のあまりコックピットで立ち上がる。
「お前・・っ!」
「ワオォォォン!ファイヤキャンドル!俺はもう逃げねぇ!」
刃を引きずるようにキングキャンデラーに迫ったテガソード。振り上げられたその爪を剣で受け止めたキングキャンデラーはゼロ距離で火球を飛ばすも、テガソードは横に回転しながらそれを回避した。
「いいぜいいぜ。それでこそ俺の宿敵だ!!」
「ハァっ!」
突き付けた拳。突き刺された爪の刃に装甲が傷つけられたキングキャンデラー。だがそれを気にするようなファイヤキャンドルではない。
「いってぇな!!」
即座に反撃に転じたキングキャンデラーは剣をテガソードに振り下ろすと、テガソードはそれを左腕で受け止めた。
「「うおりゃぁ!!」」
同時に互いに蹴りを入れたテガソードとキングキャンデラー。互いに怯み、火花が散るものの、そこで折れる魂は2人とも持ち合わせていない。
「ダァっ!」
剣を力づくでへし折る勢いでキングキャンデラーに一撃を入れたテガソードは、そのままキングキャンデラーを押し倒して、地面を引きずってビルの壁にキングキャンデラーを叩きつけた。
「くぅ。効いたぜぇ。これがお前の炎か!」
「もう止まらねぇ。燃え尽きねぇ!燃え続けてやる!見やがれ!これが俺の全身全霊!」
ネックレスのような装飾を飛ばしたテガソード。それは鎖としてキングキャンデラーの身動きを封じた。
「な、なんだこれ?外れねぇし動けねぇ・・ッ」
「決めるぜ!テガソード!紅狼パニッシャー!!」
【ウルフ!デカリバーフィニッシュ!!】」
テガソードは左腕から繰り出す渾身の一撃をキングキャンデラーへと振るうと、その一撃が貫通して風穴が空いたキングキャンデラーは全身から火花を散らす。
「お前の魂。確かに感じたぜ」
ホエルという人間の魂を確かに感じ取ったファイヤキャンドルはキングキャンデラー
から脱出するかたちでノーワンワールドへと帰還すると、キングキャンデラーは爆発四散する。
「遠野咆!WIN!」
応援団の声がホエルの勝利を称えるとホエルは再び遠吠えを上げて、その勝利を喜んでいた。
「フフフ。ふふっふふっ」
ノーワンワールド。クオンは自室で上着を脱いだ後に肌着も脱いで上半身を露わにすると、自身の背中の×字の傷跡を鏡で見る。
「ホエルぅ。この戦いから逃げられると思うなよぉ。僕がお前を壊すゥ!だからお前は俺を壊すんだァ!!」
背中の傷跡に『痛み』を感じながらも後にくるであろう壊し壊される兄弟関係を望んでいたクオンは未来に興奮を抑えられずにいたのだった。
「さてとホエル君。話っていうのはなんだい?」
戦いを終えてテガソードの里へと帰ってきたホエルたち。陸王は帰り際に話があると伝えていたホエルに詰め寄る。
「その、なんだ。悪かったな。色々と・・」
「意外と素直だな!」
「もう黙っていなくなったりしないでよ」
「借りは返す主義だからな。返すまではここにいる」
「寝首をかかれても恨みっこナシね!」
「とりあえずそうだな。これまでのツケでも払ってもらおうか」
金銭。借金という繋がりをアピールしたのだからと言わんばかりにまずはツケを払ってもらおうとする竜義。しかし今のホエルにそれを返せるだけのお金はない、
「手持ちがねぇ」
「・・・こんなことならあの兄に借金を請求すればよかったかもな」
半分本気。半分冗談で借金の返済額を請求すればよかったと残念がった竜義に頷く3人。だがそれでもホエルが戻ってきたことに確かに心から笑っていたことに、当の本人たちは気づいていなかったのだった。
再びノーワンワールド。女王テガジューンの前にはブーケともう1人、仮面をつけた男がいた。
「お呼びでしょうか女王テガジューン様」
「慈愛のブーケよ。そこの戦士、坂田巡を使いって指輪の戦士たちから指輪を回収せよ」
「お言葉ですが女王様。この者、坂田巡も指輪の戦士の1人。信用するに値しません」
ブーケは指輪の戦士たちと敵対関係にある故にユニバース戦士キズナレッドであった坂田巡は信用ならないことを告げた。
「そちの言い分も分かる。だが安心してよい。その者が付けている仮面には我の力が込められていて、妾の声しか届かぬ」
「っ!お言葉ですが女王様、それは如何なものかと」
ブーケはいくら敵対している相手とはいえ、洗脳のような行為を容認できないと意義を申し立てたものの、意義など認めないと言った様子のテガジューンは周囲に強い衝撃波を放つ。
「我に逆らうつもりか?」
「い、いえ・・・」
テガジューンの怒りに恐れをなしたブーケ。するとその場にクオンがやってくる。
「大獣神にライオンハオー。ユニバースロボを呼び出す復元という能力は希少価値がある。使い捨てるには勿体ない」
「慈愛のブーケ。お前の愛は我に向けるべきもの。その者を使って示してみせよ」
「・・・仰せのままに」
「とはいえ指輪がないと結局はただの人間だ。この指輪がないとね」
クオンは巡に指輪を返却すると、巡の手には再び銀のテガソードが出現する。しかしキズナファイブの指輪からは禍々しい波動があふれ出ていた。
「女王テガジューンの力と指輪の力が合わさって、力があふれ出ているな。興味深い反応だ。せっかくだし変身してみなよ。坂田巡」
「エンゲージ」
【センタイリング!】
【キズナファイブ!】
返却された指輪で巡が変身したキズナレッドだったが、その様子は何処かおかしかった。
「黒い絆創膏っ!?」
【べっDOWN!!】
いきなり黒い絆創膏がキズナレッドの全身に張り付いたかと思えば、赤き友情の戦士であったキズナレッドの姿は黒いものへと変わっていた。
「焼き尽くす。深き執着の戦士。キズナブラック・・」
洗脳されてもなお絆を否定しない戦士はより深い執着を抱いた戦士、キズナブラックへとその姿を変えたのだった。
「キズナブラックか。どんな執着した絆を見せてくれるのか楽しみにしているよ」
キズナブラックに興味を抱いたクオンは彼とゴジュウジャー、指輪の戦士たちとどのような戦いを見せてくれるのか楽しみそうに笑っていたのだった。
「先生・・」
ところ変わって巨神の世界。学園の寮にて自分達の先生が攫われてしまったことを気にしていたホシノたちは今もなお暗い表情をしていた。
「何とかして先生を助けに行きたいけど・・」
「戦う力があればいいのだが・・・我々は『キヴォトス』という世界とその歴史を失ったせいで神秘や多くの力を失って、この世界の人と大差ない身体となってしまっている」
キヴォトス人は常人以上の頑丈さを持ち、銃弾程度なら大した怪我にもならないほどの肉体だったのだが、今は見た目通りの少女。他の人間と大差ない身体となっていたため、巡を助けに行くことが難しくなってしまっていた。
「小鳥遊ホシノさんは今現在私たちの中では唯一の指輪持ちですが・・・そもそもガリュードのいるであろう世界。ノーワンワールドに私たちが向かう術がないというのも難点ですね」
普通の人間はノーワンワールドに向かうことはできない。その点も彼女たちが悩まされている部分であった。
「先生が攫われた理由は間違いなく指輪契約により得た能力『復元』だろう」
「どのようにされているかは分かりませんが・・・間違いなく先生の能力を敵が利用してくるのは確かですね」
「だけど逆にいえば、利用されているにしても、間違いなく先生はこの世界に戻ってくるはずだね」
どのようなかたちであれ『先生は戻ってくる』という希望は捨てずにいたホシノたち。そんな中、ホシノはお腹の音を鳴らしてしまう。
「はは、ちょっとお腹が減ってきたね~」
「もう夕食の時間を過ぎてますしね」
「私、準備してきますね」
フウカは食堂へと小走りで向かうと、全生徒のぶんのために作ったシチューを盛り付けて部屋へと運んでくる。
「それじゃ、少し遅いですけど」
「「「「いただきます」」」」
4人は少し遅めの夕食を食べ始める。
「今日のシチューも美味しいです。流石フウカさん」
「ありがとうございます。このシチューの味付け。先生も好きだと言ってくれたんですよね・・」
少し寂しそうに笑いながらそう言ったフウカ。3人は少し気まずそうにしながらも食事を終えた直後だった。
「っ!!」
何か大きな衝撃が響いたかと思えば町の方から爆発音が鳴り響く。彼女たちは何事かと寮の外へと出て町のほうを見てみると・・・。そこには1体の機械仕掛けの巨人が・・・ユニバースロボがいた。
「あれは・・・マキシマム・キズナ・カイザー?」
「色も目つきも違います」
「あれはいったい?」
爆炎の中心にいたのはキズナファイブの戦士たちの巨大戦力。ユニバースロボであるマキシマム・キズナ・カイザーだったのだがその姿は色あざやかなものではなく、黒いものだった。
その名はマキシマム・バンデッド・カイザー。バッドエンドを迎えた歴史のキズナレッドが絆喪合体させた今は亡き絆に誓い、誰がために未来を救うためのマキシマム・キズナ・カイザーだ。
次回「バスターズキッチン」