「ジ・マジカ」
炎を飛ばしてレッドバスターを攻撃したマジレッド。その攻撃を双眼鏡を変形させた剣であるソウガンブレードで切り払ったレッドバスターだったが、そこには既にホエルたちの姿がなくなっていた。
「まさかキッチンフィールドを脱出されたというのか」
「僕が簡単に入ってこれるような空間だからね。その気になれば空間に穴を開けて出ていくくらいできるだろうさ」
簡単に入ることもできれば、簡単に出る事もできてしまうことを告げたガリュードは自身の入ってきた場所から帰っていこうとすると、マジレッドが開けた様子の空間の穴に気づいた。
「追え」
レッドバスターにホエルたちの追跡を命令したガリュードは自身もその穴を通って外の世界へと戻っていくのだった。
「助かりました。ありがとうございます」
助けられたフウカはマジレッドへとお礼を告げると、マジレッドは振り返りつつ変身を解除する。
「君はあの仮面をつけてた人を助けるために料理対決をしてたんだよね?」
「はい。私たちの大事な先生ですから」
「大事な人・・・か」
何か思うところがあった様子の女性はマジレンジャーのセンタイリングを外すとそれを一度強く握りしめる。
「ごめんね。でも、たぶんこうするべきだと思うから」
誰かに、いや、元居た世界の人たちへと向けた言葉だと思われることを呟いた女性は指輪をフウカに握らせた。
「え?これはどういう・・」
「君にあげるよ。たぶん君が持っていたほうがその真価を発揮できるだろうからね。大事な人。取り戻せるといいね」
女性はマジレンジャーのセンタイリングをフウカへと託す。当然大切なはずの指輪を契約すらしてないフウカが託されたことに、周囲も、当然フウカ自身も驚いた反応をするも、女性はボソリとつぶやく。
「ヒンメルならそうしたと思うから」
そう言い残した白髪の女性はその場に背を向けて去っていこうとする。
「あの!あなたの名前は!」
「フリーレン。・・・それじゃ」
フリーレンと名乗ったその人物はそのまま何処かへと去っていってしまった。
「何はともあれ、次の料理バトルでは確実にノーワンに勝利しなければ・・・」
「大丈夫です。次は勝てます」
「勝算はあるのか?」
勝てる見込みがあるのか竜義が尋ねると、フウカは頷く。
「あのノーワンの言っていた通りです。私は大勢の人に食べてもらう料理ということを考えていて審査員に・・・先生に食べてもらう料理ということが疎かだったんだと思います。だからこそ、勝てる可能性があるということです」
「なるほど。そういうことか」
「どういうことだ?」
ホエル以外が言葉の意味を理解した様子だったが、唯一意味を理解していないホエルは首をかしげる。
「大事なのは誰に食べてもらうのか。そういうことさ」
「そんなの食べてもらいたいヤツにじゃないのか?」
「なんだ。ホエルっちも分かってるじゃないか」
陸王と禽二郎はホエルも理解しているのだと感心していたが、肝心のホエルは何を当たり前のことをと言った感じで言葉の意味までは理解していなかった。
「勝つための心持ちは整ったようなので、あとは次の戦いに備えるだけですね」
「次があると思っているのかい?」
声の方向に振り返ると、そこには彼らを追いかけてきたクオンとレッドバスターがいた。
「敗北者には死を。リベンジはさせないよ」
「いいや、させてもらうぜ」
「「「「「エンゲージ!」」」」」
【ゴジュウウルフ!】
【ゴジュウレオン!】
【ゴジュウティラノ!】
【ゴジュウイーグル!】
【ゴジュウユニコーン!】
ゴジュウジャーの5人が変身すると、フウカとクオンの間に割って入るように立つ。
「ここは俺らに任せて、お前はリベンジに戻れ」
「ありがとうございます!」
「行かせると思うかい?」
【ガリュード】
「いいや。いかせてもらうぜ」
ガリュードへと変身したクオンはフウカにテガジューンの銃口を向けようとするも、ゴジュウウルフはその銃口を刃で弾いて逸らす。
【ウルフデカリバー50】
「ウルフデカリバー!」
さらにウルフデカリバー50を手にしたゴジュウウルフは追撃の刃を振るうも、ガリュードはその攻撃をあしらいつつも、指輪をテガジューンにセットする。
【ジャッカー】
召喚されたのはスペードの赤い戦士。ジャッカー電撃隊のスペードエースだ。
「こいつらは僕らが!」
ゴジュウレオンとゴジュウイーグルはレッドバスターと、ゴジュウティラノとゴジュウユニコーンはスペードエースとの戦闘となると、その隙にとフウカたちが走り出す。すると彼女達はすぐにノーワンと再会することができた。
「お料理ノーワン!あなたに再戦を申し込みます!」
「さっきもさっきのタイミングですぐ再戦を申し込むか。いいだろう!」
「ラウンド2!Ready?Go!」
かくして始まったフウカとノーワンのお料理バトルラウンド2。今回の料理のテーマはオムライス。互いに食材選びを終えたフウカとノーワンはキッチンに立ってそれぞれ調理を開始する。
「大事なのは・・・誰に食べてもらうか。私は・・私の料理は・・」
自分の料理を食べてもらいたい人のために作るフウカと、審査員に評価してもらうために作るノーワン。そして互いにオムライスの調理を終えて実食パートへと突入する。
「今回の審査員は坂田巡さん1人となっていますが、果たして彼はどちらに票を入れるのか!いざ運命の、審査タイムです」
マイク・ゴセイックの実況を終えるとともに巡はそれぞれのオムライスを食べ終える。すると女王テガジューン以外の声が届かないようになっているはずの巡は涙を流していた。
「これや。この味や」
声が届かない。意思も封じられているはずの巡は自分の意思で喋り出す。
「聞こえへんけど。この味は間違いなくフウカの味や」
「愛清フウカ!WIN!」
フウカに票を入れた巡。その瞬間キッチンフィールドから元の世界へと戻り、第2ラウンドはフウカの勝利となった途端、フリーレンから受け取ったマジレンジャーのセンタイリングが輝き出した。フリーレンが契約によって得ていた能力の『解呪』がここで発動したのだ。
「っ・・!」
「先生!」
解呪で洗脳をしていた仮面が外れた巡。フウカが真っ先に巡に抱き着くと、他の3人も巡に抱き着くように飛び込んだ。
「ありがとう。みんなのおかげで戻れたで」
「こうなる可能性は考えていましたが・・・まさかこのような方法で解放するとは」
ブーケは元に戻される可能性は考えていたが、料理で元に戻されるとは思っていなかったようで驚かされていると、仮面はひとりでに宙へと浮かび上がると禍々しいオーラを纏うキズナファイブのセンタイリングからそのオーラを吸い上げた。するとそのオーラは巨大な塊となり、塊は強制的に巡の復元能力を発動させて、町には無人のマキシマム・バンデッド・カイザーが出現した。そのバンデッド・カイザーはまるで暴走しているかのように周囲を見境なく破壊し始める。
「まさかあの黒いマキシマム・キズナ・カイザー。暴走しとるんか」
巡は他のユニバースロボを復元してバンデッド・カイザーへと挑もうとするものの、今は他の指輪がなかったためユニバースロボを復元することが出来なかった。
「なんとかクオンを巻いてきたぜ。アイツなら俺に任せろ」
【テガソード!レッド!】
テガソード・レッドと人神一体してバンデッド・カイザーと対峙するホエル。巡はバンデッド・カイザーの相手をひとまずホエルに任せて、目の前のノーワンへと振り向く。
「かくなる上は、お前たちを調理してやる」
「させへんで!エンゲージ!」
【センタイリング!】
【キズナファイブ!】
キズナレッドへと変身した巡はノーワンとのファイナルラウンドへと挑む。
「おいしさ満点!栄養満点!料理は味とインパクト!お料理ノーワン!レッツクッキング!」
「美味しい料理で目が覚めた。想いのこもったあったかご飯で、心も絆もほっかほか!キズナレッド!強火で一気に焼き上げたるで」
「ファイナルラウンド!Ready?Go!」
包丁とフライパンを武器にキズナレッドへと向かって行くノーワンだが、キズナレッドはフライパンによる打撃は避けることもせずあえて受ける。
「はぁぁぁぁっ!」
【キズナファイブ!フィニッシュ!!】
「なっ、なんという火力ッ」
「言ったやろ?強火で一気に焼いたるって」
燃える炎の斬撃を銀のテガソードの刃から至近距離で放ったキズナレッド。その一撃で大ダメージを受けたノーワンから料理人らしき男性を引っ張り出したキズナレッドはアッパーで上空にノーワンを打ち上げる。
「愛清フウカ!最後に言っておく!オイラはお前の料理の味には負けてない!料理にこもった相手への想いに負けたんだ!」
「そうですね。料理の味では悔しいですが勝てませんでした」
料理の味においては負けを認めたフウカ。その言葉を聞いたノーワンは自分は料理の味においては負けてないことに喜びながら爆発したのだった。
「あの味を超えるためにもこれからも精進しなければ」
「その意気やでフウカ」
「うわぁぁぁっ!?」
フウカに激励を送っていたキズナレッドの前にバンデッド・カイザーに押し負けたホエルが転がってくる。すると同じくガリュードの呼び出した戦士たちを振り切ってきた陸王たちがやってくる。
「やっぱりあのロボ、かなり強いね」
「ホエルさん。よろしかったらこれを使ってください」
「ありがてぇが、これでどうにかなる相手でもねぇぞ」
フウカはマジレンジャーのセンタイリングをホエルへと託すも、これだけでどうにかなるものかと考える。
『いや、それを使うのだ。遠野ホエル』
「うおっ!?」
【センタイリング!】
【マジレンジャー!】
ほぼ強制的にマジレッドへと変身させられたホエル。すると巨神テガソードが一同に語り掛けてくる。
『魔法、それは聖なるの力。魔法、それは未知への冒険。魔法、それは勇気の力。愛清フウカの溢れる勇気が指輪と共鳴することで魔法の力が極限まで高まっている』
テガソードがマジレンジャーのセンタイリングの力が極限にまで高まっていることの説明をすると、マジレッドは右手のテガソードを掲げて魔法を唱えた。
「マージ・ジルマ・マジ・テガ・ジンガ・ジン!」
【マージ・ジルマ・マジ・テガ・ジンガ・ジン】
空に浮かび上がった5色5属性の魔法陣。その魔法陣が出現すると同時にゴジュウジャーの5人は指輪に乗って空へと飛んでいくと、魔法陣からは5体の巨神テガソードが出現した。
「「「「「人神一体!!」」」」」
「テガソード!テガクロウ!」
「テガソード!ブルー!」
「テガソード!イエロー!」
「テガソード!グリーン!」
「テガソード!ブラック!」
それぞれのテガソードと人神一体した5人はテガソードが5体もいる状況に驚きつつも、自分たちがやらなくてはいけないことは理解する。
「いくぜお前ら!」
5体のテガソードを維持できる時間はそれほど長くない。それを直感的に理解した5人は一斉に仕掛ける。
「キラリ☆ライオン流星群!」
【レオン!ガトリングバースト!】
「キューピットアロー!」
【イーグル!アローシュート!】
左右から挟むように銃撃と矢の弾幕を浴びせたテガソード・ブルーとテガソード・グリーン。それにより身動きが封じられているバンデッド・カイザーにテガソード・イエローとテガソード・ブラックが追撃を仕掛ける。
「礼賛竜撃!」
【ティラノ!ハンマークラッシュ!】
「ファビュラスドリル!」
【ユニコーン!ドリルアタック!】
「ホエル!決めなさい!」
「任せな!紅狼パニッシャー!」
【ウルフ!デカリバーフィニッシュ!】
最後にテガソード・デカクロウの巨大な爪がバンデッド・カイザーを貫くと、その一撃でバンデッド・カイザーは爆発して無事今回の一件はカタがついたのだった。
「遅れたけど約束のブツや」
巡はキズナファイブのセンタイリングを外すとそれをホエルへと託す。
「いいのか?」
「自分の役目はひと段落して、みたいもんも見れた。こっからはゴジュウジャー。お前らに任せるわ」
役目をひと段落させてゴジュウジャーに後を託した巡は生徒たちとともに学園へと帰りながら、ふと思い出したかのようにフウカに尋ねようとする。
「なぁフウカ。あのオムライスには・・・いや、聞くのは野暮ってもんか」
「・・?」
「フウカもやけど、みんなもありがとな」
巡がキズナファイブの指輪をホエルに託して学園へと帰還した頃、ハジメは指輪契約の能力『錬成』である物を作り上げていた。
「材料集めに時間がかかっちまったが、ようやく完成にこぎつけたな」
ハジメが見上げたのは1体のユニバースロボを再現した存在。それは海賊戦隊ゴーカイジャーの巨大戦力。ゴーカイオーを再現したロボそのものだった。
「完全再現とまではいかないが、大方再現できたはず。これさえあればあの『魔物』もきっと倒せる」
次回「実況!爆アゲ甲子園!」