「さあ、始まりました。第1回ノーワン甲子園。実況は私、マイク・ゴセイックがお送りいたします。解説はこちらのMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケーク様にお越しいただいています」
「指輪の戦士は応援してないが、面白い試合を見せて貰えることは期待してるよ」
「どうせノーワンチームが勝つだろうけど、せいぜい足掻きなさい」
甲子園の魔物ノーワン率いる野球チームとゴジュウジャー+αの混合チームの野球バトルが行なわれる事になったのは約2時間前に遡る。
「ノーワンのニオイだ」
ホエルがノーワンのニオイを嗅ぎつけてゴジュウジャーの面々は現場へとやってくると、そこにはバットを振り回すコウモリのようなノーワンがいた。
「オレちゃんは甲子園の魔物ナンバーワンノーワン!さぁさぁ!野球しようぜ!」
「なんだか今回もよく分からないヤツね」
「甲子園の魔物?野球ノーワンとかじゃないのかな?」
「野球は1人ではナンバーワンにはなれないスポーツだが、だからと言って甲子園の魔物とは」
「いささか無理があると思うぞ」
ゴジュウジャーの面々は今回のノーワンがナンバーワンを語るのはだいぶ無理があるのではと酷評をしていると、そこにたまたま通りかかった巡が話に入ってきた。
「面白そうやんか。ええで!その勝負、受けたるわ!」
「お、おい先生。いきなり話に入ってきて、勝手に話を進めんなよ」
「そもそも野球勝負をするにしても、僕らは5人しかいないんだよ」
「メンバー不足です」
「足りないメンバーはウチの生徒で補えばええ。そんな事よりお前ら野球の経験は?」
「兄ちゃ、クオンと昔キャッチボールぐらいなら」
「バッティングセンターならたまにいくよ」
「残念ながら経験はありません」
「野球なんて60年以上ぶりかな」
「私に経験があるわけないでしょ」
ゴジュウジャーのメンバーは実質ほぼ経験がないと言ってもいいモノだったので巡は挑戦を受けたことを一瞬後悔しそうになるものの、前言撤回はせずにナンバーワンバトルに挑もうとする。
「勝負は2時間後、あそこに見える球場で勝負だ」
こうして野球バトルをすることとなったゴジュウジャー。巡はこうなったら仕方ないと急いで学園に戻って、参加をしてくれそうな面子に手当たり次第に声をかけ、なんとかメンバーを集めることに成功した。
「てなわけで、スタメンとポジションを発表するで」
1番 ピッチャー ソラ・ハレワタール
2番 ファースト 遠野ホエル
3番 セカンド 百夜陸王
4番 サード 暴神竜義
5番 キャッチャー 虹ヶ丘ましろ
6番 ライト 瀧原禽二郎
7番 センター 一河角乃
8番 ショート 沢田綱吉
9番 レフト 大成タイセイ
「1番速く強く投げれんのは竜義さんやけど、ピッチャーでもキャッチャーでもあの球を掴むのはキツイから、そこにはつけへんかった。んでもって1番コンビプレイが出来るソラとましろにバッテリーを組んでもらうことにしたわ。後はまぁ、だいたい急いで当てはめたわ」
巡は半ば急いでポジションを決めたらしく、ひとまず各々が出来そうな場所に当てはめたようで、自分は何処に付きたいというのが特にないメンバーは意見を言わずにそのポジションに従う。
「野球か。こんな時、山本がいればな・・」
「山本さんというのは元の世界の?」
ソラの問いに綱吉は頷く。
「うん。俺の友達だよ。野球部だったんだ。俺はダメツナって言われるぐらいにはスポーツの才能がないけど、こうなったからには足手まといにならないよう頑張るよ。戦って指輪を取り合うよりは平和的なやり方だしね」
指輪争奪戦よりは平和的な戦いだと考えた綱吉は足手まといにはならないよう頑張ろうとやる気を出していると、ホエルは交代要員のカンナとホシノ、そしてもう1人に視線を向ける。
「カンナとホシノと、もう1人は知らねぇ顔だな」
「俺は棗恭介。元いた世界では野球チームリトルバスターズの一員だった。ついでにユニバース戦士でもある」
恭介は簡単な自己紹介を終えると自身のセンタイリングを見せてくる。
「野球経験者というわけか。確かに即戦力だ」
「恭介はひとまず温存や。ほら、始まるで。整列や」
一同は整列をすると相手チームのベンチにはクオンが座っていた。
「クオン、なんでお前がこんなところにいる?」
「酷い言いようだね。僕はホエルと野球がしたくてきたんだよ」
【ゴーバスターズ】
【メガレンジャー】
クオンはテガジューンに指輪をセットしてレッドバスターと電磁戦隊メガレンジャーの突撃隊長である赤い戦士、メガレッドを召喚して、ノーワンチームの一員として整列させた。
「そう言っておいて自分は参加しないのかよ」
「今回はあくまで『監督』だからね。選手を呼ぶ以外はしないさ」
「まぁいい。始めようぜ!」
「今回は3回までの短縮ルールで行わせて頂きます。プレイボール!」
主審のアーイーのコールで始まった野球バトル。先行はノーワンチームから始まった。
『1番、ファースト。メガレッド』
「投げます!」
ソラが大きく振りかぶって投げるとメガレッドは1球目は空振りとなる。続く2球目と3球目も空振って、三振のワンアウトとなった。
『2番、ショート。レッドバスター』
「頑張れソラ!この調子でそいつも・・・」
続くレッドバスターも三振させようと投げたソラだったのだが、1球目から打たれてしまい、レッドバスターは高速の走りで一気に二塁まで駆け抜けてしまった。
「速くて力強い球だけど、ストレートばかりで見切りやすいね」
クオンの言う通りソラはここまでの4球はど真ん中のストレートのみで勝負していた。速さにさえ対応できさえすれば簡単に打ててしまいのも仕方ない。
「ソラ!ストレート以外は投げれるのか?」
「いえ。練習不足ですみません」
恭介の問いにソラはストレート以外は投げられないことを告げる。
「マズイな。速さだけの球だと対処出来る相手には攻略されてしまう」
「スマン恭介。これは思ってたよか、お前を温存できへんかもしれん」
次の一般アーイーは三振で終わらせて2アウトとなったが次に打席に立ったのはノーワンだった。
「かますぜ!」
「ッ!」
ソラの全力全開の速球。1球目は見逃しでストライクとなる。
「全力全開ッ」
「見切った!」
全力全開の2球目だったがその豪速球は完全に見切られてしまい、なんとホームランとなってしまい、ノーワンチームは早くも2点を先制してしまう。
「まだまだ!」
5番となる一般アーイーは空振り三振に終わらせて、2点で凌ぎ切ると今度はゴジュウジャーチームの攻めとなる。ピッチャーはノーワンで最初の1番バッターのソラは2ストライクとなってしまったが3球目でなんとかヒットとなり一塁まで駆け抜けてセーフとなった。
『2番 ファースト、遠野』
「野球は初めてだが、決めてやるぜ。ホームランナンバーワン」
「ストライク!バッターアウト!」
強気にいったホエルだったが、野球経験の無さが災いしてアッサリと三振してしまった。
「残念だったねホエル君」
次に打席に立った陸王はタイミングを合わせるのは得意なようでノーワンの投げた球を3球目でヒットさせたまではよかったのだが、ショートにキャッチされてしまい陸王は一塁に間に合わずアウトになってしまう。
「2アウトの状況で私の番か」
ソラは無事二塁まで駆け抜けたが既に2アウト。竜義自身も経験がないというのに4番バッターを任せられるのは荷が重いと思っていた。
「3アウト!チェンジ!」
案の定三振してしまい得点を得れないまま再びノーワンチームの攻撃となった。この回はアーイーだけだったので打たれても対処できたので、点を取られず守りきれた。
「ごめんなさい」
ましろは三振してベンチに戻ってくると、禽二郎か打席に立つ。
「打席に立つなんて何十年ぶりだろうか!よし来い!」
数十年ぶりの打席だったはずの禽二郎だったが、体は感覚を覚えていたようでヒットからの二塁までたどり着く事ができた。
「いやいや、無理無理」
無理といった通り、角乃は打てたはいいがピッチャー返しでキャッチされて1アウトとなる。
「山本、俺に力を貸してくれ」
綱吉は友に祈りながらバットを振りかぶるとホームランとまではいかなかったが、外野まで飛ばすほどのヒットを果たし、禽二郎はホームベースまで戻り1点を手に入れる。さらには綱吉も二塁まで走りきった。
「カッコよく決められたらいいけど、まずは得点を優先しよう」
タイセイは送りバントをして自身はアウトになったが綱吉は無事三塁に足を進める事ができた。2アウト三塁で再びソラが打席に立つと、ソラはホームランを叩き出して2点を得た。
「俺もホームランを打ってやる!」
意気込むホエルだったがピッチャーゴロであっさりとアウトとなりこの回は終了する。そして再びゴジュウジャーチームの守備となるのだが、ここからソラから選手交代をして恭介がピッチャー、キャッチャーがホシノとなった。メガレッドとレッドバスターを無事アウトにしてノーワンが打席に立つと2人は気合いを入れるため銀のテガソードを手にする。
「「エンゲージ」」
【センタイリング!】
【ジュウオウジャー!】
【ブンブンジャー!】
ホシノが全力で行くためにジュウオウイーグルへと変身すると、恭介も赤いタイヤ人間、爆上ブンブンジャーの赤い戦士であるブンレッドへと変身した。
「レッツゴー!ナンバーワン!」
「魔物と呼ばれるほでにまで、打って守っての二刀流。甲子園の魔物ノーワン!オレちゃんの中の魔物がゾワゾワしてるぜ」
「さぁ青春を始めよう。気分上がるぜ、ブンレッド!目指すぜあの日の向こうまで」
「ナンバーワンバトル!Ready?Go!」
ブンレッドが振りかぶって投げる。1球目のストレートはまず見切るため見逃した。続く2球目はフォークで球の軌道を変えたが、ノーワンはバットに当ててファウルボールとしてストライクのカウントが進む。
「あと1球。この1球がおそらく勝負だ」
誰もがこの1球に注目する中、運命の1球が投げられる。その1球はきっと変化球で来る。そう考えていたノーワンに反し、ブンレッドは見事なストレートを投げてきて、対応に遅れたノーワンは空振りをしてしまい、ノーワンチーム最後の攻撃が終わった。
「ゲームセット!勝者!ゴジュウジャーチーム!」
「もう!何やってるのよ!甲子園の魔物ノーワン!」
「やはり短縮ルールが運命を分けたか」
ノーワンチームが負けた事を悔しがるMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークだったのだが、野球の勝敗は特に気にしてないクオンは拍手をしていた。
「おめでとうホエル。久しぶりの野球は楽しかったかい?フフ、こんな茶番でもいい時間稼ぎにはなったよ」
「あん?時間稼ぎだと?」
「もうすぐ夕方。甲子園の魔物ノーワンの封印が弱まる頃合いだ」
「ッ!ホエル、お前のアニキを止めるんや!」
嫌な予感を感じ取った巡はホエルにクオンを止めるよう叫ぶも、クオンはテガジューンの銃撃をノーワンに浴びせて、クオン自らノーワンを撃破した。
「甲子園の魔物ナンバーワンなんて妙にシチュエーションを限定したノーワンなんて本当にいるわけないだろ。コイツはただのガワだよ」
ノーワンが爆発した場所から出てきたのはこれまでのノーワンのように動物的特徴を一切持たない顔が十字になっている黒い怪人だった。
「こいつは僕が拾った厄災の欠片と人間に取り込ませる事で作り上げた実験生物、魔物だよ」
「厄災の欠片・・・ッ」
ユニバース大戦の事を知っている巡たちは厄災の脅威を嫌と言うほど知っている。だからこそ黒十字の魔物の危険性を即座に理解したため、すぐには動けなかった。
「何を考えているガリュード!それはまだ封印しておくと我々は意見したはず!」
「こんな感じに女王はともかく他の連中は厄災の欠片にビビって利用しようともしない。だからくだらないナンバーワンのガワから封印を解いたのさ」
「なんだか知らねぇが欠片程度なら簡単に倒せるだろ」
【クラップ!ユア!ハンズ!】
【ゴジュウウルフ!】
【ゴジュウレオン!】
【ゴジュウティラノ!】
【ゴジュウイーグル!】
【ゴジュウユニコーン!】
対象的にゴジュウジャーは欠片程度なら倒せると考えて挑みかかろうとすると、彼らを追い越して誰よりも早く挑む戦士がいた。
「ようやく見つけたぞ!黒十字の魔物!!」
何処からともなく現れて黒十字の魔物に挑むのはユニバース戦士ゴーカイレッド。南雲ハジメだった。
「俺の大事なお宝を、ユエを返しやがれ!」
次回「デカい宝と小さい夢」