№1ユニバース 世界と指輪と願い事   作:エルモライト

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お気づきだと思いますが黒十字の魔物の魔物のモデルはゴーカイゴセイに出た黒十字です。


デカい宝と小さい夢

「ユエを返しやがれ!」

 

 単身で黒十字の魔物に突撃していくゴーカイレッド。すると黒十字の魔物は黒い波動を周囲に放ってこの場にいる全員をまとめて攻撃してきた。

「危ねえッ!」

 

 ゴジュウジャーの面々は変身していない巡たちを庇うように防御の体制を取る。

「おっと、危ない」

 

 クオンは近くにいたメガレッドを盾にして防御をすると、クオン以外の全員はその衝撃で倒れこむ。そのダメージでレッドバスターとメガレッドは消滅する。

「ちょっとあの人、仲間を盾にしたわよ!」

 

「ああいうタイプは家ではDVをしてるだろうね」

 

 Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークすらクオンの仲間を盾にする行動に引いていたが、そんなことはお構い無しにクオンはホエルの方に視線を向けた。

「敵味方お構い無しというよりは、敵味方も分からないって感じかな。僕は安全な場所から観戦することにするよ」

 

「あっ、ちょっと待って〜!」 

 

「皆、撤退だ」

 

 クオンとMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークはアーイーと共にノーワンワールドへと撤退すると、この場に残るノーワン戦力は黒十字の魔物のみとなる。

「くっ、まだだ・・」

 

 1番黒十字の魔物の近くで攻撃を受けて、1番ダメージが大きいであろうゴーカイレッドだがそれでも立ち上がり挑もうとする。

【ゴーカイジャー!フィニッシュ!!】

 

 銀のテガソードに力を込めて必殺の一撃を放ったゴーカイレッドだったが、その一撃は黒十字の魔物が闇から作り出した十字の剣に止められてしまう。

「フンッ」

 

 振り下ろされた剣に斬られたゴーカイレッドは倒れ、変身が解除される。

「トドメだ」

 

 黒十字の魔物はハジメにトドメを刺そうとすると、直前で剣を握る手を止めた。

「・・・ハジメ、逃げて」

 

「ユエ?ユエなのか?」

 

 ハジメは黒十字の魔物の中にユエの意識がある事を理解して、その手を伸ばそうとするも、黒十字の魔物はユエの意識を奥に閉じ込めてハジメの手を踏みつける。

「みてらんねぇな」

【ウルフデカリバーGO!】

 

 ウルフデカリバーを手にゴジュウウルフは黒十字の魔物へと切り込むも、黒十字は短距離ワープでその刃を回避した。

「ユエ・・」

 

「おい、しっかりしろ」

 

 気を失ったハジメに加えて、この場には変身できない者が数人いる。彼らを守りながら戦うのは難しいと判断したブンレッドは綱吉の背中に手を当てる。

「ツナ、俺の能力でお前の能力を強化する。お前の能力で奴を無力化するんだ」

 

「俺の能力でですか?能力を強化したとしても、そんなに長くは・・・。いや、逃げる時間ぐらいは稼がないと。エンゲージ!」

【マスクマン!】

 

「ブースト!」

 

「ハァァッ!」

 

 レッドマスクに変身した綱吉はブンレッドの能力である『強化』で能力がブーストされ、能力が強化された状態で黒十字の魔物の懐に飛び込む。そして両手に炎のように迸るオーラを黒十字の魔物に浴びせると石となって固まった。

「俺の能力『石化』で動きを止めました。とはいえ恭介さんの能力で強化された石化でも半日も持たないと思います」

 

「石になったまま倒すのは、ユエという人が危険かと」

 

「そうやな。怪我人もおるし、一度戻るで」

 

 カンナの意見に頷いた巡。そして怪我人であるハジメも気にしてひとまずはこの場を離れる事にしたのだった。

 

 

 

 

「ここは?」

 

「先生、南雲ハジメさんの意識が戻りました」

 

 学園の保健室でセリナの手当てを受けて意識を取り戻したハジメは上半身を起こす。

「俺は、そうだ!ユエは!黒十字はどうなった!?」

 

「落ち着け南雲。あの黒十字の魔物は一時的にやが封印しとる。まぁその封印も持ってあと2時間程度や」

 

「・・・手当てをしてくれた事は感謝する。だが俺はユエを、俺の大事な宝を取り戻しに行かせてもらう」

 

 ハジメはベッドから立ち上がり保健室を後にしようとするものの、ゴジュウジャーの面々がその行く手の前に立つ。

「行くなら止めねぇが、事情ぐらいは聞かせてもらうぜ」

 

 ハジメは手当ての礼にならと自身の事情を語りだす。

「・・・半年前、ユニバース大戦で俺とユエも住んでいた世界と仲間たちを失った。それでも俺とユエはこの世界で生きて行こうとしていた時、俺はそれを拾っちまったんだ」

 

「クオンの言ってた厄災の欠片ってやつか」

 

「最初は珍しい鉱石か何かかと思った。だがそれはユエを取り込むと目の前からユエの姿が消えていて、ユエのいた場所には黒十字の魔物がいたってわけだ」

 

 ハジメはユエに欠片を見せなければと後悔している様子で、だからこそ自分の手でユエを助けなければと考えているようだ。

「話を聞く限り、南雲が最初にそれを拾ったのだろう。しかし何故南雲ではなくユエという人物が依り代とされたのだ?」

 

「欠片は普通の人間には反応しないのかもしれない。ユエは人間じゃなく所謂、吸血鬼なんだ」

 

「吸血鬼ッ、実在するのか!?」

 

 禽二郎は吸血鬼が実在することに激しく驚く反応をするも、他の者たちは驚きこそしているも、リアクションは薄かった。

「む?ホエルっちたちはあまり驚かないな」

 

「驚いてるには驚いてるが・・」

 

「テガソードなんて神もいるし、今更かなって」

 

「世界が異なればそのような存在もいるだろう」

 

「この間エルフっぽい耳の長い子を見たし」

 

 今更吸血鬼と言われてもと言った反応のホエルたち。ハジメは話が早くて助かると続きを語る。

「後の経緯は予想できると思うが、指輪の契約をして俺はゴーカイレッドになってユエを助けるために指輪集めに必死になってた。そして今回、黒十字の魔物を見つけて、ユエを助けるチャンスが巡ってきたってわけだ」

 

「君の事情は分かったよ。だけどユエって子を助ける勝算はあるのかい?」

 

「ノーワンはこのテガソードで中の人間を引っこ抜けるんだろ?だったらアイツからもできるだろ」

 

「確かにノーワンならそれで何とかなるが、あの魔物は同じように上手くいくかは分からないぞ」

 

「ホエル、何か知っているの?」

 

 ホエルは長い間ノーワンワールドで逃げるように暮らしていた。その事はこの場では明かさなかったが、彼が知っているノーワンの事は語りだす。

「ノーワンってのは普段は不完全な奴らなんだが、同じ考えを持っている人間を取り込んで実体化するんだ。だが今回の魔物ってのはノーワンじゃねぇ。同じやり方で無理だった場合も考えていた方がいいぞ」

 

「確かに。あれから感じる気配はノーワンのそれではなかったな」

 

「アレから感じたのはユニバース大戦で感じたもんやった。アレは欠片とはいえマジの厄災や。1人で戦おうだなんて無謀やで」

 

 止める気のないゴジュウジャーに対して、巡は1人では無理だと止めようとするも、ハジメはその手を払う。

「無茶でも無謀でも、俺にとっては1番大事な宝なんだ。俺はただユエと一緒に生きられればそれでいいんだ」

 

「・・・宝で夢か。良いんじゃねぇか。掴み取りにいけよ」

 

「あぁ、そうさせてもらう」

 

「俺たちも行くか」

 

 ハジメはもうすぐ石化が解けるであろう黒十字の魔物へと足を急がせると、ゴジュウジャーもそれを追うように黒十字の魔物のところに向かっていく。

「負けんなや。ゴジュウジャー」

 

 巡は彼らの勝利を信じて見送るしか出来なかった。

 

 

 

 ゴジュウジャーとハジメが黒十字の魔物を石化した球場へと戻ってくると、その封印が今まさに解かれようとしていた。

「フンッ」

 

 石化の封印から解放されるのと同時に周囲に強い衝撃波を放った黒十字の魔物。しかしホエルたちはそれに負けじとテガソードに指輪をセットする。

「「「「「「エンゲージ!」」」」」」

【クラップ!ユア!ハンズ!】

【ゴジュウウルフ!】

【ゴジュウレオン!】

【ゴジュウティラノ!】

【ゴジュウイーグル!】

【ゴジュウユニコーン!】

 

「エンゲージ」

【センタイリング!】

【ゴーカイジャー!】

 

 ゴジュウジャーとハジメは変身して黒十字の魔物に向かっていこうとした瞬間、黒十字の魔物は闇のエネルギーから3体の怪人とかなりの数の黒タイツに黒い覆面をした戦闘員を出現させた。

「かかれ」

 

 黒い覆面の戦闘員、ショッカー戦闘員が真っ先にゴジュウジャーへと駆けてきたので、彼らは迎え撃とうと身構える。するとゴジュウジャーよりも先にショッカー戦闘員を迎え撃った者たちがいた。

「トォウ!ゴジュウジャー、奴らは我々に任せろ!」

 

 アカレンジャーにドンモモタロウ、ゼンカイザーにゴセイレッド。レッドマスクにブンレッド、ジュウオウイーグルといった学園で見知った者たちが厄災の欠片を相手に手を貸すためにやってきたのだ。

「何人増えようと同じ。厄災の前では滅びるのみ」

 

「この世界は我々が守り抜く!」

 

 アカレンジャーたちはショッカー戦闘員たちと戦闘となると、ゴジュウジャーは3体の怪人と向かい立つ。

「さしずめ厄災の欠片の欠片ってところかな。君たちの相手は僕たちだ」

 

「かつてテガソード様が終止符を討った厄災。テガソード様に代わり、天罰を下す」

 

 ゴジュウレオンとゴジュウティラノはイカの悪魔のような怪人、イカデビルと戦う構えを取る。

「ならこいつは僕とすみぽよが!」

 

「いいわ。相手をしてあげようじゃない」

 

 ゴジュウイーグルとゴジュウユニコーンはヒルとカメレオンが合わさったような怪人、ヒルカメレオンと対峙する。

「お前は俺の獲物だ!」

 

 ゴジュウウルフは両手が刃になっているジャガーのような怪人、ハサミジャガーに対してウルフデカリバーの刃を向けた。

「黒十字の魔物、ユエを返してもらうぞ」

 

「我が依り代をそう安々と手放すと思うか?」

 

「いや、返してもらうぜ。力ずくでもな」

 

 ゴーカイレッドはゴーカイサーベルを手に黒十字の魔物に切り込むも、その刃は十字の剣に止められてしまう。

【デカレンジャー!】

 

「Dマグナム!」

 

 受け止められているゴーカイサーベルを手放し、Dマグナムによる銃撃で黒十字の魔物を後方に飛ばし、倒しはできないもののダメージは与えた手応えはあった。しかし黒十字の魔物は何事もなかったかのように再び前に出てくる。

「チッ、ノーダメかよ」

 

 これは一対一では厳しいと感じたゴーカイレッドは周囲を確認するように見渡す。

「まさか再びショッカーと戦うことになるとは」

 

 アカレンジャーはかつて戦っていた戦闘員たちを相手に思うところはあれど戦う手を止めない。

「この敵たち、学園長の世界の敵だったんですね!」

 

 ドンモモタロウも次々と戦闘員を斬り倒している。

「天装!」

 

【デンジマン!】

「デンジパンチ!」

 

 ゴセイレッドが竜巻で飛ばした戦闘員をゼンカイザーが連続パンチで撃破する連携プレイ。

「「「ハァァ!」」」

 

 レッドマスクとブンレッド、ジュウオウイーグルの事実上即席トリオもそれぞれある程度連携して戦闘員の数を確実に減らしている。とはいえ戦闘員の数が数でそう早くは片が付かないだろう。

「僕のダンスステップについて来られるかな?」

 

 ゴジュウレオンはイカデビルの振るう触手を華麗に回避しつつ、触手をレオンバスターの銃撃で撃ち落とす。

「いやさか。天罰」

 

 ティラノハンマーを振るい、触手を粉砕するゴジュウティラノ。次第に振るえる触手がなくなってきたイカデビルは最後の手段と言わんばかりに特攻を仕掛けてくる。

【レオン!ガトリングバースト!!】

【ティラノ!ハンマークラッシュ!!】

 

 2人同時に放った必殺技はイカデビルに命中するとその体は闇のエネルギーとなって四散した。そしてゴジュウイーグルとゴジュウユニコーンは透明になれるヒルカメレオンに苦戦を強いられているかと思えば、そうではなかった。

「透明になっても、御生憎様。僕の目には見えてる」

 

 契約による能力で視力が強化されているゴジュウイーグルは透明になっているヒルカメレオンの居場所を特定してイーグルシューターで射抜く。

「ナイス!禽爺!」

 

 射抜かれて足を止めたヒルカメレオンは透明化を解除されるとゴジュウユニコーンはユニコーンドリルで突撃する。

【イーグル!アローシュート!!】

【ユニコーン!ドリルアタック!!】

 

 射抜かれ貫かれたヒルカメレオンめ闇のエネルギーとなって四散すると、黒十字の魔物によって作られた怪人はハサミジャガーのみとなる。

「ウルフデカリバー!」

 

 高速で走りあい、高速で刃をぶつけ合うゴジュウウルフとハサミジャガー。速さ勝負はハサミジャガーが上回り、ゴジュウウルフの背後を取ったハサミジャガーはその背に刃を振り下ろそうとすると、ゴジュウウルフはウルフデカリバーの斬撃で空間を切り裂き、そこに飛び込む事でハサミジャガーの攻撃を回避する。そしてハサミジャガーの背後を逆に取ったゴジュウウルフはその刃を振るう。

【ウルフ!デカリバーフィニッシュ!!】

 

 その刃に斬られたハサミジャガーが闇のエネルギーとなって四散するとゴジュウジャーはゴーカイレッドに加勢しようと駆け寄るのだった。




次回「愛、故に、豪快に」
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