「なんのつもりだ。桐ケ谷!!」
「テガソードに聞いてないのか?指輪をすべて集めた者の願いを叶えると!つまり指輪を持つ相手はライバル同士なんだ!」
リュウソウケンも手にして二刀流となったリュウソウレッドは仮面の中で鋭い視線をゴジュウウルフに向ける。
「俺にはもう帰りたい世界が!もう1度会いたい大切な人がいる!その願いのために俺は契約をした!なのに、あなたは!!」
「何を言ってるかさっぱりわからん!帰りたい場所があるなら素直に帰れ!!」
「それができないから願うんだ!ソニック!」
指輪の契約を果たしたことで得た能力の高速化(ソニック)を発動したリュウソウレッドは高速の剣技でゴジュウウルフを何度も斬りつける。そのダメージで片膝をついたゴジュウウルフに最後の一撃を決めようとしたリュウソウレッドだったが・・・。
「ブレイク」
いつの間にかシシレッドに変身をしていた当麻が能力の幻想破壊(ブレイク)を発動して能力を打ち消したことで高速化が解かれたリュウソウレッドはその剣を振るうのを止めた。
「桐ケ谷。帰りたいって気持ちは分かるし、俺たちはライバル同士ってのも分かる。だが、何も知らない人に怒るのは違うだろ」
「・・・2人共。次に会った時は・・・指輪は頂く」
そう言い残したリュウソウレッドはその場を去っていくと、ゴジュウウルフとシシレッドは変身を解除する。
「また借りができちまったな。上条」
「どういうわけかこの世界に住む人々にその記憶はありませんが・・・俺は半年前のユニバース大戦で元居た場所、帰るべき世界を失いました。世界がなくなったことで元々持っていた力も失って・・・帰るべき手段を求めて俺はテガソードと契約をしたんです。桐ケ谷も同じだと思います。帰るべき世界のため、大切な人と会いたいがために戦っている。俺も失ったものを取り戻すために指輪を集める。だから・・・今度会った時は戦うべきライバル同士。借りを返したいっていうなら・・・本気の想いを持って戦ってください」
当麻はホエルにそう言葉を残して去っていく。
「本気の想いか」
自分は本気の想いがあるのか。それを自問自答しながらホエルは家路を辿るのだった。
「ブーケ嬢!キングキャンドルの修理の進捗状況はどうだ?」
「完全大破で修理は不可能。新造している最中です」
ノーワンワールド。ファイヤキャンドルは自身の愛機であるキングキャンドルの修復状況をブーケに尋ねるも、完膚なきまでに破壊されたために新造するしかないことを告げられた。
「遠野ホエル。あの憎たらしい顔を殴らないと、腹の虫がおさまらねぇ!」
「ご安心ください。その屈辱、このカシオス・ベアーが晴らして見せます!」
そこに現れたのは隊長格アーイーのカシオス・ベアー。彼はファイヤキャンドルに代わってホエルに復讐を果たすと宣言してきた。
「カシオス!お前なら任せられるぜ!」
ファイヤキャンドルもカシオスを信頼しているようで腕組みをしあう。その様子を眺めているノーワン幹部がもう1人。否、もう2人いた。
「カシオス。とっておきのノーワンも出撃したようだね。Mrs.スイートケーク」
「そのようね。Mr.シャイニングナイフ。私たちブライダンの先兵は皆ヘボなところはあれど、何かしらのナンバーワン。あのノーワンもナンバーワン」
Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケーク。ブライダン参謀隊長なのだが愛し合うおしどり夫婦が互いを愛するがゆえに1つになった存在だ。
「あのノーワンがその力を示し、女王に選ばれることができるか」
「ここで見届けてあげましょうか」
巨神の世界にブライダンが侵攻してきてから2日後。カフェの2階の一室を間借りして生活をしているホエルは下のカフェで次のバイト先は何処にしようかと書類に目を通していた。
「遠野く~ん。バイト先が潰れちゃったのは残念だったわねぇ。だけどそれとこれとは話が別よ。明日には家賃を払ってもらうからね!」
「・・・うっす。バイト、探してきます」
カフェのオーナー兼家主である飯島さゆりに明日までに家賃を支払うことを要求されたホエルはその圧に負けて日雇いのバイトを探しに外へと出かける。
「さてと、私も買い物をしてくるからお留守番よろしくね。葵」
「うん!いってらっしゃい!」
1人息子の葵に留守を任せたさゆりは買い物のために出かけると、さゆりは曲がり角を曲がったところで何者かの声が聞こえたので足を止める。
「宝が欲しいか?」
「欲しい!」
その謎の問いに素直に答えてしまったさゆりは異空間に引きずり込まれると、バイトの当てがなかったためカフェに戻ってきたホエルがその場に出くわす。
「た、助けて・・ッ」
「管理人!」
さゆりが伸ばした手を掴もうとしたホエルだったが、その手をつかみ取ることはできずにさゆりの体はノーワンに乗っ取られてしまう。
【トレジャー】【一攫千金】【お宝】【人間】【ナンバーワン】
ノーワンの持つ複数のキーワードと一致した人間を取り込むことでノーワンが現界する。
「我こそはノーワンワールド、トレジャーハントナンバーワン!この力を示し、女王様の寵愛というお宝は頂こう!」
翼を広げて街中へと飛んで行ったノーワンを追いかけるホエル。追いついたそこには建物を破壊して宝石を頂いていた姿があった。
「これは良い宝石だ。トレジャーハント、成功!」
「てめぇ。ふざけたことしてねぇで管理人を返せ!」
「待たれよ」
ホエルは取り込んださゆりを返すように要求したが、そこに指輪をつけた2人の男たちが現れる。
「今日のライブの会場はここかな?」
「なんだお前ら?」
「「エンゲージ!」」
【クラップ!ユア!ハンズ!】
謎の2人はそれぞれ金のテガソードに指輪をセットして変身プロセスのクラップを行うと1人は青いライオンのような戦士に、もう1人は黄色い恐竜のような戦士へと変身を遂げた。
【ゴジュウレオン!】
【ゴジュウティラノ!】
「なるほど。お前らも指輪持ちってわけか」
「いでよ!アーイー達!」
ノーワンがアーイー軍団を呼び出すとゴジュウレオンとゴジュウティラノの2人は戦闘を開始する。
「テガソード様に代わって、天罰を下してやる」
「レッツ、ダンシング!」
アーイーを投げ飛ばしたゴジュウティラノは地面に掌底を打ち込み大地を揺らすと斬撃を放って数体のアーイーをまとめて蹴散らす。
【フィニッシュフィンガー!ティラノ!!】
「いやさか」
「さて、それで君は何者なのかな?」
テガソードの刃を背後からノーワンに突き付けたゴジュウレオン。するとノーワンはその問いに答えだす。
「我らはノーワン。各々が掲げるナンバーワンこそ我らの矜持。しかしながら人間というのは悪戯に力で物事を解決しようとする無粋な生物と見える。故に改めて言おう!」
刃を払ったノーワンは再度名乗り出す。
「我こそはトレジャーハントナンバーワン!我を倒したいならば、トレジャーハント対決で下してみよ!」
「そのゲーム、俺たちも混ぜてもらおうか」
【リュウソウジャー!フィニッシュ!!】
「え?俺も?」
【キュウレンジャー!フィニッシュ!!】
騒ぎに駆けつけてアーイーを倒していたリュウソウレッドとシシレッドも参戦し、5人でのトレジャーハントバトルが行われることとなる。
「ルールは簡単、より多くのトレジャーをハントしたものの勝利だ」
「その間、街の破壊を慎め」
「フン、ハンデとしてはいいだろう」
破壊活動をしないことをハンデとして認めたノーワンは早速トレジャーハントに向かって行く。
「そんで、お前らはどうなんだ?やるってんなら相手になるぜ」
ホエルはゴジュウレオンとゴジュウティラノの方を振り向くと、2人は今はやりあう気はないと変身を解除する。
「そう焦らないで。力を持った者として指輪のバトルの前に世界を守らないと。僕ら2人は協力関係、もちろん君も力を貸してくれるよね?」
「てめぇらの事情なんか知るか。俺は俺のやり方をする!
「そうか。では名乗りだけはさせてもらおうか。暴神竜義。テガソード様に仕えし者だ」
ゴジュウティラノに変身していた男は暴神竜義と名乗った。
「じゃあ次は僕の番だね。言わずと知れたスーパーアイドル、白夜陸王さ」
「・・・遠野ホエルだ」
「桐ケ谷和人」
「上条当麻だ」
各々が名乗りを終えると、この場で解散して各々はお宝をハントするために行動を始める。
「お宝か。ゲームの定番としてはエネミーモンスターを倒してアイテムがドロップするものなんだけどな。生憎ここはリアル。そんなこと・・・いや、あのノーワンってのを倒したら案外何かドロップしたりしてな」
和人はノーワンやアーイーを倒せば何かドロップアイテムを得られないかとノーワン探索を始めた。すると幸先良く豪華な装飾の剣や、如何にもレア武器ですと主張している獲物を持ったアーイー達と遭遇した。
「ナイスエンカウント」
【センタイリング!】
【リュウソウジャー!】
「な、なんだ貴様は?ぎゃぁぁぁっ!?」
一方その頃当麻は・・。
「はぁ、不幸だ。この間、本気で戦えっては言ったけど、こんなお宝争奪戦みたいなので決着を付ける感じになるなんて。いや、まぁ、知り合い同士で喧嘩にならないのはいいけどさ、俺の不幸体質を考えるにこういうのは苦手分野なんだよな」
当麻はトレジャーハントを苦手分野と愚痴りながら歩いていると偶然にもカシオスが率いるアーイー軍団と遭遇した。
「あっ・・」
「あっ・・えと。とりあえず倒すか」
【センタイリング!】
【キュウレンジャー!】
「くっ、皆!ここは引くぞ!」
カシオスの配下を数体倒したところで、カシオスは部下のアーイーに撤退命令を下すとその中で1枚の紙が舞い落ちる。
「ん?なんだこれ?」
変身を解除した当麻はその紙を拾い上げると、それは宝くじの紙だった。
「どうせ当たんないんだろうな~。いや、でもワンチャン」
当麻は僅かな機体をしつつもその宝くじの結果を確認してみると、なんと10万円が当たっていた。
「よっしゃ!ラッキー!不幸な俺でも当たるんだ!」
こうしてまずは当麻がトレジャーハント対決は当麻が一歩リードしたのだった。その頃ホエルはというと・・・。
「宝探しか。上手くいけばバイトなんかよりよっぽど稼げるぜ」
巨神テガソード・レッドを操縦して地面を掘り、埋蔵金を探さんとしていた。
「ん?来たか」
硬いものに触れた感触をしたホエルはテガソードの動きを止めて確認をしようとすると、テガソードの刃の先には竜義がいた。彼は指輪の契約による能力の超怪力を用いて、巨神テガソードの刃を生身で受け止めていたのだ。
「貴様!この世の神たるテガソード様をあろうことかショベル代わりに使うとは、なんたる不敬!」
刃を払った竜義は周囲の大岩をテガソードへと投げつける。
「お前が一番不敬だろ!」
崇拝するテガソードに岩を投げつける竜義にそう言い残したホエルはその場を後にすると、竜義は一呼吸を置く。
「テガソード様を目覚めさせたのがあんな不埒者とは。嘆かわしい。おや・・」
ホエルに嘆く竜義は大岩を寄せた場所に偶然にも埋蔵金を発掘し、瞬く間に暫定ハントナンバーワンとなった。
「さてと、僕はどうしようかな」
自分は如何にしてお宝を得ようか考えていた陸王はランチを取っていると近くの金庫店から悲鳴が聞こえた。
「どうしたのかな?」
「か、怪物が金を・・・」
陸王は金庫店をのぞき込むと、そこには強盗をして金を得ていたノーワンの姿hがあった。
「ちょっと、何してんの。街は壊さないって約束したでしょ?」
「約束通り街は壊してないぞ!ハッハッハッ!」
「でも強盗はするのか・・」
街は壊さないが強盗はするノーワン。それに呆れつつも陸王は勝つための手段を考えた結果。
「まさか陸王さまが我が家に来るなんて」
「それで、お願いとは?」
自身のファンが住まう屋敷へとやってきた。
「はい。実は僕の母が病で倒れてしまい、治療にすぐにでもまとまったお金が必要になってしまったんです」
「なんだって。それは大変だ!でしたら我が家に伝わるのちらの壺を治療費にお当てください」
「ありがとうございます。必ずお返しいたしますので」
誓約書に自身の名前を記入した陸王は壺を預かったことによって、いっきに上位に上り詰めていた。
「はぁ、どうすっかな」
巨神テガソードで埋蔵金を発掘しようとするのを止めたホエルは他に何か手段はないかと考えながらも一度カフェに戻ろうとしていると、その道中で葵を視界に捉えた。
「葵か。ん?」
「おい、その手に大事そうに持ってるの。こっちに寄こせよ」
「や、やだ。渡すもんか」
目の前の高校生ほどの青年にカツアゲをされていると理解したホエルはその間に割って入る。
「おいお前、何やってんだ?」
「こいつがお宝を持ってるって話を聞いてね。強い奴が弱い奴からお宝をブン取るってのを教えてやってたんだよ」
「なるほどな。じゃあ俺がお前からそれをブン取っても文句はないよな?」
「っ!」
ホエルの圧に怯えた青年はその場から逃げていくと葵はお礼を告げてくる。
「ありがとうホエル」
「いや。それよりそのお宝ってのは何なんだ?」
「これ。お母さんが作ってくれるお宝おにぎり。僕の好きなのがいっぱい入ってるんだ。はい」
小学生が食べるにしては大きいおにぎりを半分に割った葵はウインナーや卵焼きなどがこれでもかと詰められたおにぎりの半分をホエルに渡してくる。
「いいのか?」
「うん!」
「ありがとよ」
「ねぇ、ホエルには宝物にしてるのってあるの?」
「なくしちまったな。随分と前に・・。お前は宝物、なくすなよ」
「ホエル、お母さんがまだ帰ってこないんだけど知らない?」
「すぐ帰ってくる。家で待ってろ。フッ、あるじゃんか。とっておきの方法がよ」
このトレジャーハントバトルに勝利する方法を思いついたホエルはその場を後にすると、既に他の4人とノーワンが集まっていた。
次回「キラメクお宝の在処」