「手は貸してやるが、タダ働きはしないぜ」
「だったらこれをやるよ」
ゴジュウウルフたちゴジュウジャーにゴーカイレッドはこれまで集めた5つの指輪を投げ渡す。
「ユエを救えた後のこと。世界を取り戻すってのは他の連中に任せる」
「そうかよ。行くぜお前ら」
「「「「「エンゲージ!」」」」」
【ハリケンジャー!】
ゴジュウウルフは風が哭き、空が怒る空忍。忍風戦隊ハリケンジャーの赤い戦士、ハリケンレッドとなる。
【ゲキレンジャー!】
ゴジュウレオンは獣拳戦隊ゲキレンジャーの赤い戦士、ゲキレッドとなる。
【フラッシュマン!】
ゴジュウティラノは超新星フラッシュマンの赤い戦士、レッドフラッシュとなる。
【ゴーゴーファイブ!】
ゴジュウイーグルは救急戦隊ゴーゴーファイブの赤い戦士、ゴーレッドとなる。
【デカレンジャー!】
ゴジュウユニコーンは特捜戦隊デカレンジャーの赤い戦士、デカレッドとなる。
「合わせろお前ら。超忍法、影の舞」
突如襖が閉められたかと思えば、ハリケンレッドが携帯忍刀ハヤテ丸で黒十字の魔物に奇襲の斬撃を仕掛ける。
「ゲキワザ!波波斬!」
「プリズム聖剣。ファイヤーサンダー!」
ゲキレッドはゲキセイバーから波のパワーを込めた横一閃を振るい、レッドフラッシュはプリズム聖剣に炎と雷を纏わせた刃を振るう。
「ブイランサー!ブイスラッシュ!」
「赤座剣法、雷鳴剣!」
ゴーレッドはブイランサーでVの字斬りを仕掛け、デカレッドは本来基本装備ではないディーソードベガで雷鳴の如き勢いの剣戟を振るった。
「むぅ・・」
ゴジュウジャー怒涛のご連撃に怯んだ黒十字の魔物はその力が弱まったようで魔物としての姿から金髪の少女ユエへと変わった。
「ユエ!」
「来ちゃダメ!」
ゴーカイレッドは姿が戻ったユエへと駆け寄ろうとしたものの、ユエはそれを声を荒げて止めた。
「まだ『これ』が私の中にいる。またハジメを傷つけちゃう。それにまたすぐ魔物に体を乗っ取られる。そうなる前に、私を殺して」
「そんなこと出来るわけないだろ」
「吸血鬼としての不死性なら私たちの世界がなくなった時に・・」
「不死じゃなくなったお前は殺したら死ぬんだぞ!俺がお前を殺せるわけないだろ!」
ユエは再び黒十字の魔物に体を乗っ取られる前に自分を殺してほしいと懇願してくるも、ゴーカイレッドは大切な人の命を奪えないとそれを拒む。するとユエの体は黒いエネルギーに包まれ、少しずつ体が黒十字の魔物になり始めてしまう。
「ユエ!?」
「・・・名乗れよハジメ」
「遠野の言う通りだ。ここは己を示す時だ」
「君の想い。彼女に伝えなよ」
「ここで気持ちを伝えなければ、絶対に後悔するぞ」
「大切なことはキチンと伝えなきゃ」
元の姿に戻ったゴジュウジャーはゴーカイレッドの背中を押すと、その意を汲み取ったゴーカイレッドはほとんど黒十字の魔物の姿になったユエと名乗りを上げる。
「「滅び終わった2人の世界。それでも互いを想う故」」
「愛を埋めよう。黒十字」
「愛を掴もう。ゴーカイレッド」
黒十字の魔物とゴーカイレッドは互いに手を伸ばす。
「ハジメ、貴方は生きて」
「ユエ、一緒に生きよう」
そして互いを想いあい、黒十字の魔物の中のユエはハジメに生きてほしいと告げ、ゴーカイレッドに変身しているハジメはユエと共に生きたい事を告げる。しかしユエの意識は再び黒十字の魔物に呑まれてしまう。
「まだ依り代の意識があるか。だが我の力は高まりつつある」
唐突に巨大化した黒十字の魔物。だがこうなる事を想定していたゴーカイレッドは秘密兵器を呼び出した。
「来やがれ!ゴーカイオー!」
ゴーカイレッドが呼び出したのは契約の能力『錬成』で再現したユニバースロボ、ゴーカイオーだ。それに搭乗したゴーカイレッドは黒十字の魔物に向かい立つ。
「来やがれテガソード!」
ホエルもテガソードデカクロウと人神一体してゴーカイオーと並び立つと、先にテガソードとゴーカイオーが仕掛けた。
「ゴーカイ!スターバースト!」
「テガソード!紅狼パニッシャー!」
初手から同時に必殺技を放つテガソードとゴーカイオーだったが、2体の同時必殺技を受けても黒十字の魔物は怯みこそしたものの大したダメージは受けていなかった。いや、ダメージは確かにあったのだが瞬時に再生していたのだ。
「コイツ、不死身かよ!」
「再生が早すぎる」
あまりにも再生が早すぎてほとんど無傷にも思えたことで一度距離を取ろうとしたが、黒十字の魔物は闇の波動を周囲に放って攻撃してきたので、テガソードは下で戦う他の者たちを庇い、かなりのダメージを受けてウルフデカリバーの合体が解除された。
「力の大半を使い果たした神と戦隊の残りカスのようなものの力程度、今の我には遠く及ばん。貴様らが勝つなど幾つもの奇跡が重ならねばありえん」
「クソ、まだだ」
絶対にユエを助けるのだと再び攻撃を仕掛けたゴーカイオーだったが、黒十字の魔物はさらにゴーカイオーの5倍はあるであろう四足歩行の怪物に変化して、ゴーカイオーを蹴り飛ばした。
「がはっ!?」
大ダメージを受けて左腕が動かなくなるゴーカイオー。ハジメも変身が解けて絶体絶命となるものの、この状況下でもホエルとハジメは諦めようとはしなかった。
「立てハジメ!目の前にお前のお宝があるんだろ!その手で掴み取るまで諦めんな!」
「言われなくてもそのつもりだ」
「何故これ程までの力の差を見せられても諦めない?」
黒十字の魔物はホエルとハジメが諦めない事に理解が出来ずにいると、その2人に応えるかのように4つの光がゴジュウレオンたちのもとに飛んできた。
「この光はいったい?」
『あの2人の諦めぬ意志、眠りについていた我々にも確かに届いた。我々も共に戦おう。叫ぶのだゴジュウジャー。我らと共に戦うための心を!』
頷くゴジュウレオンたちは神と一体となる言葉を叫ぶ。
「「「「人神一体!」」」」
「ガオゴッド!」
陸王が一体となった光は百獣戦隊の精霊、パワーアニマルたちの神。荒神ガオゴッドとして顕現する。
「獣帝大獣神」
竜義が一体となった光は恐竜戦隊の守護獣、大獣神とドラゴンシーザーが一つに戻った巨大神の獣帝大獣神として顕現した。
「スーパー無敵将軍!」
禽二郎が一体となった光は忍者戦隊の巨大神将、隠大将軍がツバサマルと合体した砲撃形態のスーパー無敵将軍として顕現した。
「レジェンドキングオージャー!」
角乃が一体となった光は王様戦隊の機械仕掛けの神、キングオージャーの真なる姿とされていたレジェンドキングオージャーとして顕現した。
『戦隊世界の神々。再び力を貸してくれるのか』
『テガソードよ。共に世界を厄災の魔の手から守るぞ!』
テガソードもガオゴッドたちが力を貸してくれる事に驚いた反応をするとガオゴッドたちは頷き、力を貸すと告げてくる。すると四神たちはテガソードとゴーカイオーを挟むように並び立つ。
「ハジメ、お前らの願いはお前が切り拓け!」
ホエルがそう告げるとハジメの前に光り輝く鍵が出現する。ハジメは鍵がこの状況を打破するものだと直感で理解した。
「これがゴジュウジャーの大いなる力、道を切り拓く力か!」
ゴジュウジャーの大いなる力が宿る鍵を掴み取ったハジメはそれを正面にかざすとゴーカイオーの胸部が展開し、そこからはウルフデカリバーが出てきた。そのウルフデカリバーを左腕として合体させたゴーカイオーにハジメは名を付ける。
「さしずめゴジュウゴーカイオーってところだな」
「さぁ、派手に行くぜ!」
テガソードと共に4体のユニバースロボが同時に仕掛ける。
「テガソード!合斗狼ストーム!」
【ウルフ!ソードフィニッシュ!!】
テガソードが回転し、竜巻のような斬撃を飛ばすと他の神々も続く。
「天誅!パワーアロー!」
「エンパイアアタック!」
ガオゴッドは矢による一撃を放つと、獣帝大獣神はZ字の光球を放つ。
「無敵キャノン!」
「カブトキャノン!」
スーパー無敵将軍は無敵キャノンの一斉射撃を放ち、レジェンドキングオージャーもカブトキャノンから強力な砲撃を放った。それらの攻撃を受けて怯んだ黒十字の魔物に対してゴジュウゴーカイオーは左腕の刃にエネルギーを集める。
「ゴーカイ!クロス狼怒!」
その刃から放たれた斬撃は空間を切り裂き、黒十字の魔物の中に繋がる。
「いけ!ハジメ!」
「あぁ!」
ハジメはゴジュウゴーカイオーから飛び出て黒十字の魔物の中に突入すると、そこには夜空に星々が輝くような空間が広がり、ハジメの想い人であるユエがポツンと立っていた。
「ユエ、迎えに・・・いや、お前の手を掴みにきた。一緒に生きよう」
「私、もう吸血鬼じゃないよ。一緒にどれだけ生きれるか分からないよ?」
「俺はお前を吸血鬼だから好きになったんじゃないのは知ってるだろ?それに人間いつ死ぬか分からないもんだ。だから死ぬまで一緒に生きようユエ」
「うん。一緒に!」
ハジメとユエが光に包まれると神々の力で黒十字の魔物の中からゴジュウゴーカイオーのコックピットに戻ってきた。
「おのれ神々ども、よくも我が依り代を!」
依り代となっていたユエを失ってもなお動きを止めない黒十字の魔物に再びテガソードたちは攻撃を仕掛けるものの、効いてこそいるが決定打にはなっていなかった。
「我々の力をゴジュウジャーに届けるぞ!」
「それなら私の指輪の能力で!」
ショッカー戦闘員を倒し終えたアカレンジャーたちは一箇所に集まるとゼンカイザーが指輪の能力を発動する。
「スカイ!」
ゼンカイザーの指輪の能力『青空(スカイ)』で青空の輝きが一転に集まると光球が生成された。
「まるで大空の炎みたいだ」
レッドマスクは自身の世界の自分の持っていた力に似たものを感じているとその光球にアカレンジャーは自身の力を注ぎ込む。
「皆の力を一つに集めるのだ!ユニバースシンドロームだ!」
「「「「「「ユニバースシンドローム!」」」」」」
「よし!受け取れゴジュウジャー!」
ユニバース戦士たちの力が込められた光球は数メートルサイズとなるとテガソードがそれを掴み上げた。
「スゲェパワーを感じる。これなら!」
テガソードが光球を投げるとそれをレジェンドキングオージャーはカブトキャノンの砲身で打つ。
「禽爺!」
「竜りゃ!」
レジェンドキングオージャーからのパスを受けたスーパー無敵将軍はヘディングでそれを獣帝大獣神に繋ぐ。
「いやさか。百夜!」
獣帝大獣神はアッパーでそれを空に打ち上げるとジャンプしてそれを掴み取ったガオゴッドはそれを突き出す。
「さぁ決めるんだホエル君」
「テガソードハリケーン!カシオペア!」
テガソードが蹴り飛ばしたボールはカシオペアのような輝きを放ちながら黒十字の魔物に命中すると、そのエネルギーに耐えられなかった黒十字の魔物は体を維持出来なくなり、崩壊するように爆発した。
「我らは、厄災は、すべての世界を必ずや終わらせる!」
「厄災も、不条理も、いつか、いずれ乗り越えてやるよ!」
黒十字の魔物の最後の台詞に対して、必ず乗り越える事を宣言したホエル。こうして今回の厄災の欠片との戦いは決着がついたのだった。
『戦隊世界の神々よ。協力に感謝する』
ガオゴッドらは再び光となり眠りにつくと彼らに対してテガソードは感謝の言葉を告げたのだった。
「ましろさん。お願いします」
「はい、セリナさん。キュア!」
数日後、ましろの指輪契約の能力『浄化(キュア)』によって完全に厄災の闇が祓われたユエは無事に保健室の住人を卒業し、ハジメとともに学園を後にしようとしてた。
「行くんかハジメ。お前もまだ学生やろ?ここに居てもええんやで?」
「指輪を奪った奴らもいて気まずいんだよ」
「本官の指輪を奪ったのはあくまで指輪争奪戦だからだと納得してる。気にしなくていい」
「それに俺は、いや、俺たちは2人でこの世界を見てみたくなった」
ハジメはユエと共にこの世界を旅するつもりらしく、巡たちはこれ以上2人を止めようとはしなかった。
「ホエル」
ゴーカイジャーのセンタイリングを外したハジメはそれをホエルに投げ渡すと、それをキャッチしたホエルはハジメのほうに視線を向ける。
「世界を救うなんてのは俺には向かないからな。お前らゴジュウジャーに世界を救うのは任せた」
「私たちを助けてくれてありがとう」
軽く手を振りながら背を向けたハジメはユエと共に歩みを進める。その表情には先日までの生きる事を諦めていたかのような絶望したものはなかった。
次回「フィーバーブライダル」