「お前、なんで葛葉紘汰をやりやがった!」
「神など世界に必要ない」
フランベルジュレッドは神の1人である仮面ライダー鎧武、葛葉紘汰を倒した。紘汰がいた場所にはオレンジの錠前オレンジロックシードと金に鮮やかな装飾がある極ロックシードが転がっていた。
「次は貴様だ」
次なる標的をギンガレッドに変身してるうずめに定めたフランベルジュレッドは魔剣の剣先を向ける。
「待ちな。何でお前はテガソードを、いや、神々を狙っている?」
真白はフランベルジュレッドに何故神々を狙うのかを尋ねると、フランベルジュレッドは剣先を下ろさないまま答える。
「私の世界は厄災ではなく別世界の神の気まぐれによって破壊された。私の世界の神を殺し、世界を壊し、私の大切な人まで奪った。私の世界は神に破壊されたので厄災に破壊された世界を取り戻すという願いでは元には戻らない」
「目的は復讐なようだが、他所の神を無差別に消してかかるのは八つ当たりを通り越してるぞ」
「愚かな行為だとしても、私は神を許せない。故郷を追われ、私を受け入れてくれた第2の故郷まで失った怒りと悲しみ。この絶望は誰にも負けん」
「こいつは何を言っても駄目だな。こうなったら指輪を奪ってでも止めるしかないな」
「勝手に話を進めんな」
ホエルは勝手に話を進める真白に怒りつつも、戦うために並び立つ。
「「「「「「エンゲージ!」」」」」」
【ゴジュウウルフ!】
【ゴジュウレオン!】
【ゴジュウティラノ!
【ゴジュウイーグル!】
【ゴジュウユニコーン!】
【ゴジュウポーラー!】
ゴジュウジャーの面々は変身すると確実にフランベルジュレッドを倒すために戦う構えを取る。
「鎧武・・・」
その後ろでギンガレッドは紘汰の形見とも呼べる2つのロックシードを拾いあげると、フランベルジュレッドはゴジュウジャーの面々よりも先に女神であるうずめ、もといギンガレッドを狙ってきた。
「させるかよ!」
【ウルフデカリバー50】
ウルフデカリバーを手にして空間を切り裂いたゴジュウウルフはギンガレッドの前に移動してフランベルジュレッドの刃を受け止める。
「空間を切り裂く力か。少々厄介だが見たところそこまで脅威的ではないな」
「強がりを言うね。君1人で僕らを相手に出来ると思ってるのかい?」
ゴジュウレオンはフランベルジュレッド1人で自分たちを相手にする気かと挑発じみた言葉を告げると、カランコロンと下駄の音交じりの数人の足音が聞こえた。
「多勢に無勢なようじゃのう姫殿」
「手を貸したほうが良さげなカンジ?」
「問題ない」
黒いマントに身を包んだ彼らはフランベルジュレッドの仲間なようで加勢に入ろうとしてきた。
「そう言わないで。熊手真白、前回のチャンピオンもいるなら皆でやったほうがいい」
「ヴェ゙ハハハ!ありがたく我らの施しを受けるがいい!」
参戦してきた彼らの指にはセンタイリングがあり、彼らもまたユニバース戦士だと理解したゴジュウポーラーは万が一のことを考えた。
「おい2代目、お前はそこの女神を逃がせ」
「命令されんのは気に食わないが、今回は従ってやるよ」
ゴジュウウルフは空間を切り裂くとギンガレッドを連れてその裂け目に飛び込み、戦線を離脱する。
「標的がいなくなったか。なら、ここに用はないな」
再びユニバースゴーカイオーに乗り込んだフランベルジュレッドたちはそのままこの場を去っていく。
「ほぼ神の俺様をほとんど気にも止めないとは、随分とふてぶてしい奴らだ」
ひとまずの脅威が去った事に警戒心を解いた彼らは話をまとめるために学園へと足を向けたのだった。
「始めましてだな。仮面ライダー1号、本郷猛。話には聞いているだろうが俺様が指輪争奪戦前回チャンピオンの熊手真白。今はほぼ神と言って差し支えない存在だ」
「君がこの世界を救った勝利者か。話には聞いている。ところで鎧武の姿が見えないが一緒ではないのか?」
「そうだな。まずはそこから話すか」
ゴジュウジャーは本郷猛に先ほど起こった事をありのまま話した。
「なんと。まさか鎧武が」
「クラリスとかいういけすかねぇヤツとその仲間、アイツらはヤバそうなニオイがプンプンするぜ」
「神に対する敵意と覚悟が相当だったからね」
「テガソード様に憎悪を向けるなど。許されざる行為だ」
「だが家族や世界を神の気まぐれで滅ぼされたとなると、気持ちは分からんでもない」
「私も・・・分かる気がする」
ゴジュウジャーは各々の抱いた考えを口々に告げると、本郷猛は重い腰をあげる。
「神を敵視する者とその仲間たちか。いや、そもそも世界を破壊したという神というのは何者だ?よもやブライダンや厄災以外にも警戒すべき相手が増えるとは」
本郷猛はクラリスたち以上に世界を破壊したという神のことを気にしているようだ。
「それにしてもあの時の1人の声・・・聞き間違いならいいんだけど」
陸王は黒いマントで顔まで隠していた者たちの1人の声に聞き覚えがあった事を気にしていたが、その答えを知るのはもう少し後のこととなる。
少し時間が経過した放課後の学園の正門。生徒たちが寮やら部活に足を運んでいた頃、クラリス率いる黒いマントの者たちがうずめの気配を追って学園までやってきた。
「学校か。神がこのような場所に逃げ込むとは」
クラリスたちが学園の敷地内に入ろうとすると、鳴介に呼び止められた。
「待ってください。許可なく学園に入るのは良くないですよ」
「ならば早急に許可を取れ」
「では目的を教えていただけますか?」
「目的は2つ。ここに逃げた神と指輪だ」
「そのような目的でしたら、通すわけには行きません」
鳴介は彼女たちの道を塞ぐように前に立つと、マントの男が1人1歩前に出る。
「どれ。ここは儂が引き受けるとするかのう」
下駄の音を鳴らしていた1人がマントを脱ぎ捨てると、白髪に黄色と黒のちゃんちゃんこを着た男が指輪を前にかざした。
「円芸陣」
【センタイリング!】
【ヨウカイジャー!】
その男は指輪を銀のテガソードにセットすると、赤い化けギツネ、妖戦隊ヨウカイジャーの赤き戦士のアカギツネに変身した。
「儂は幽霊族の末裔、友にはゲゲ郎と呼ばれておる。そしてこの指輪の力は妖怪の力を扱う戦隊。ヨウカイジャーの化けギツネ、アカギツネじゃ」
そう話したアカギツネは周囲を見渡し見定めると鳴介に標的を決めた。
「お主から霊力を感じるのう。元いた世界では霊能者だったのか」
「はい。教師であり、霊能力者。それが俺、鵺野鳴介です」
【センタイリング!】
【ドンブラザーズ!】
ドンモモタロウに変身した鳴介は銀のテガソードを構えてアカギツネと向かい立つ。そして同時に駆け出した2人は互いの刃をぶつける。
「近くで感じるとお主、霊力だけでなく妖力も感じるのう。妖怪と交わりでもしたのか?」
「元いた世界では雪女の妻がいましたからね」
一度距離を取ったアカギツネは少し考えにふける。
「人と妖怪が愛を育む世界。そのような世界もあったのじゃな。儂の妻が理想としていた世界のようじゃ。それ故に哀しくなる。その世界が復活する可能性をこの手で断つのじゃから」
「俺はかつて神に背いて反魂の術を行使してしまった身。この手で自分の世界を復活させたいとは考えていません。だけどこの力は大切な生徒たちを護るための力です。そう安々と譲ることはできません」
「神に背いたとは尚更惜しい。とはいえ指輪のため、願いを叶えるためにもお主から指輪は頂かねば」
アカギツネは狐火を飛ばして攻撃してきたのでドンモモタロウはそれをザングラソードで払い除ける。
「儂には分かる。お主の強さは大切なものを守りたいという想いの強さ。刃を交えるたびに生徒らを守りたいというのが伝わってくる。じゃが同時にお主の本当に守りたかったものは既にもうないことも、愛と悲しみも伝わった」
【ヨウカイジャー!フィニッシュ!!】
すれ違いざまにアカギツネの必殺の刃を受けたドンモモタロウはザングラソードを杖にするように片膝をつく。
「ま、まだだ。俺はこの世界の生徒を、今度こそ」
「絶望を抱えもせず、ただ隠しているだけのお主では儂には勝てんよ」
トドメの一閃を受けたドンモモタロウはその変身が解除され、鳴介のドンブラザーズの指輪とファイブマンの指輪はアカギツネの手に渡った。
「アカギツネ!WIN!」
負けたことでテガソードの加護を失った鳴介はその力で存在していた左手を失い、倒れ込む。
「無闇やたらに人々に人々に希望を与えるのもまた罪。テガソードもやはり裁かねばならん」
「此度の目的は神を倒して、指輪を奪うこと。それ以外は目的ではないが、相対した指輪の戦士からは指輪を奪え」
クラリスの言葉に頷くアカギツネと他3人の黒いマントの者たちはスピード勝負と言わんばかりに学園長室へと駆けていく。
「ここは通さない!行くぞツナ!」
「はい!」
「「エンゲージ!」」
【センタイリング!】
【ブンブンジャー!】
【マスクマン!】
恭介と綱吉はブンレッドとレッドマスクへと変身すると、更に1人マントを脱ぎ捨てる。
「貴様らを私のモルモットにしてやる!!エンゲージ!!」
【センタイリング!】
【ショクニンジャー!】
その男は職人の手さばきを宿す忍者、聖星戦隊ショクニンジャーの白い戦士、セイセイハクへと変身した。
「私が何者か知らないようだから特別に教えてやる!!私の名は檀黎斗!神の才能を持つ者だァ!!」
檀黎斗と名乗ったセイセイハクはまるでゾンビのようなポーズを取ると、余りにも隙だらけだったため、ブンレッドが銃撃による先制をした。
「ちょ、恭介さん。名乗りの際に攻撃はマナーが悪いですよ!?」
「いきなり学園を襲撃してくるほうがマナーが悪いだろ」
「ご、ご尤も」
ブンレッドのいきなりの攻撃にレッドマスクは引き気味になるものの、セイセイハクは即座に体勢を立て直す。
「ならば次はこちらの番だァ」
攻撃を受けて怯みながらも前へと進んでくるセイセイハクは、攻撃をしてくるかと思えばただタッチしてきただけだった。
「あれ?なんか視界がボヤけるような」
「身体に力が入らない」
「私の指輪の能力は腐食。私に触れられた相手は何かしらのバッドステータスとなるのだァ!!」
セイセイハクによって状態異常にされたブンレッドとレッドマスクはそれでも諦めずに挑もうとするものの、2人は上手く動けずにいると、セイセイハクは意気揚々と2人に近づいてくる。
「さぁモルモット共!まずはその指輪をいただかせて貰おうかァ!」
「くっ、負ける訳には・・」
【ブンブンジャー!フィニッシュ!!】
「俺には取り戻したい世界が、友達がいるんだ!」
【マスクマン!フィニッシュ!!】
「これで貴様らはゲームオーバーだァ」
【ショクニンジャー!フィニッシュ!!】
ブンレッドとレッドマスクは上手く動かない身体を無理矢理動かして必殺技の斬撃を放つものの、その攻撃は精度が下がっていたためかセイセイハクに当たることはなく、逆にセイセイハクの放った斬撃を受けることになってしまった。
「「うわぁぁっ!?」」
「セイセイハク!WIN!」
変身が解除された恭介と綱吉の手から離れた指輪がセイセイハクの手の中に収まる。すると学園長室から出てきた本郷猛がセイセイハクたちの行く手を阻むように立ち塞がる。
「ほう、話には聞いていたがまさか本当に仮面ライダー1号、本郷猛が学園長だとはな」
「アウトサイダーズライダーの仮面ライダーゲンム、檀黎斗か。」
「初代!貴方の指輪もいただかせて貰おう!」
本郷猛は襲ってきたセイセイハクを生身のまま背負い投げで捌くとアカギツネのパンチも受け流して距離を取る。
「流石は栄光の初代仮面ライダー。伊達に50年以上戦闘経験を積んではいないか」
クラリスはフランベルジュレッドに変身しようと指輪に手をかけると本郷猛も銀のテガソードを構える。
「既に女神はこの学園を去って安全な場所に向かった。お前たちの標的はいないが、それでもというのなら相手をするぞ」
「神の気配を感じない。どうやら本当のようだな」
指輪から手を離したクラリスは本郷猛に背を向ける。
「貴様を相手にするにはこちらも無傷では済まなさそうだ。それなりに指輪狩りもしたので、今回はここまでにしよう」
潔く引き下がるクラリスたちを追いかけることをしなかった本郷猛は姿が見えなくなったのを確認すると警戒態勢を解いた。
「それなりの被害はあったがひとまず例の者たちは去った。天王星うずめは君たちに任せたぞ。ゴジュウジャー」
その頃テガソードの里ではうずめがゴジュウジャーと共にいた。
「本郷さんに任せられたのでしばらく彼女をここで預かる事となった」
「よろしくな!ゴジュウジャー!」
少し気負いしたようなところはあれど笑顔を作ったうずめはゴジュウジャーに挨拶をする。その手には鎧武の形見ともいえる極ロックシードが握りしめられていた。
次回「昆虫王者だ虫取りキング」