「集まったようだな。それでは始めようか」
陸王は壺。竜義は埋蔵金。和人はアーイーを倒しまくったことによって得た戦利品の剣を、当麻は宝くじと各々が集めたお宝を取り出すも、ホエルだけは何も出さなかった。
「1人は採点するまでもないか」
最初に脱落したのは宝くじ10万円の当麻だった。
「10万ぐらいだとそりゃまぁそうだろうな」
次に脱落したのは埋蔵金の竜義だった。
「まさか剣に負けるとは・・」
そして竜義の次に脱落は豪勢な剣をかき集めてきた和人だった。
「これで勝てるとは思ってなかったが、まずまずの結果か」
「残るは君と僕だね」
残るは陸王とノーワンの一騎打ち。
「勝つのはトレジャーハントナンバーワンの私だ!」
僅差でノーワンのポイントが上回って勝者が決まろうとした次の瞬間。
「このチャンスを待ってたぜ!」
ノーワンの持っていたお宝袋をブン取ったホエルはさらに他の者達が集めたお宝までも袋の吸収で根こそぎ奪い取る。そしてこのハントバトルの勝者が表示された。
【ゴジュウウルフ!WIN!】
「「「「「はぁっ!?」」」」」
「持ってるやつからブン取る!これもトレジャーハントだ!」
「お宝を集めるゲームでプレイヤー一点狙い。そう来たか」
「あの俺の宝くじだけでも返してくれません?」
「さてとハントバトルは俺の勝ちだが、どうする?」
「お前みたいなズルい奴を勝者と認めてたまるか!こうなればこの地球まるごとハントして勝者となってやる!」
怒ったノーワンはホエルを倒そうとすると、金色の鐘が2つついたような巨大ロボットに乗って出撃してきたカシオスが参戦してくる。
「ならばこのカシオス。ノーワンに手を貸そう!」
「いいぜ。相手になってやる!管理人を取り戻して、お前らぶっ倒して、ナンバーワンもかっさらうのは俺だ!エンゲージ!」
【クラップ!ユア!ハンズ!】
【ゴジュウウルフ!】
「ワオォォォォォォン!」
「ファイナルラウンド!Ready?Go!」
「「いでよ!アーイー軍団!」」
ゴジュウウルフに変身したホエルはノーワンとのファイナルラウンドに突入し、戦闘を開始すると、呆然と見ていた4人はノーワンとカシオスが呼び出したアーイー軍団に囲まれる。
「出遅れたみたいだが、どうする?あのままやらせておくか?」
「隙を見て指輪を奪うつもりだったけど・・・あんなお馬鹿さんはあのまま見殺しにするには勿体ない。エンゲージ!」
【クラップ!ユア!ハンズ!】
【ゴジュウレオン!】
ゴジュウレオンに変身した陸王はさらにテガソードを2回クラップして専用銃であるレオンバスター50を手に取って、取り囲んでいるアーイー達を打ち倒す。
「始めるよ。僕のライブ!」
「では私はあちらを。・・・神よ。応えよ!」
『その願い。聞き入れた』
竜義の願いに応えた巨大な右手、テガソードが空から飛んでくる。竜義は自身の右手のテガソードを変形させて、巨大な黄色い指輪に搭乗する。
【アウェイキング!】
「リングイン!」
【叩け!噛みつけ!イエロー!】【叩け!噛みつけ!イエロー!】
「人神一体!」
【テガソード・イエロー!】
「これぞ至福っ!」
巨神テガソードにティラノサウルスを彷彿とさせるハンマーが武装として合体した姿、テガソード・イエローと一体になった竜義はその事に歓喜しつつも目の前のカシオスを相手にしようとする。
「ファイヤキャンドル様、見ていてください。この私の雄姿!」
カシオスはコックピットに貼っているファイヤキャンドルとのチェキに祈りを捧げる。そのチェキには『この絆!フォーエバー!』と書かれていた。
「アイアイザー・クロサンドラ!参る!」
「ハァァッ!ムゥン!」
テガソードの拳を真正面から受け止めたアイアイザーはそれを弾くと手にしているスコップ型の武器でテガソードを突く。しかしそれで怯むテガソードではなく、それを難なく弾いたテガソードは反撃の拳を叩きこんだ
一方でアーイー達を相手に戦っていたゴジュウレオンは建物の中に入って銃撃戦となっていると、数の銃撃から逃れるために物陰に隠れる。
「さてとどう戦おうかな」
1人でこの数を相手にするのは少し難しいと考えていると、リュウソウレッドが横から参戦してきてアーイー達を斬り伏せる。
「手を貸してやるよ。アイドルさん」
「ありがとう」
「ソニック!」
高速の剣技で次々とアーイー達を斬り倒していくリュウソウレッド。それに負けるわけにはいかないとゴジュウレオンは別の指輪を取り出す。
「ここはアイドルらしく・・・キラメこうか」
【センタイリング!】
【キラメイジャー!】
「キラッキランラン!なんてね」
【キラメイチャージ!】
【キラメイジャー!フィニッシュ!!】
【チェックメイジ!】
センタイリングを用いて魔進戦隊キラメイジャーの赤き戦士、キラメイレッドに変身したゴジュウレオンはレオンバスター50とキラメイジャーの共通武器であるキラメイショットから煌びやかにキラメク弾丸を放って残るアーイーを撃ち倒した。
「あんた、もう他のユニバース戦士から指輪を・・」
「昨日のうちにちょっとね。彼女から1個は奪えたけど、あの娘は他にも持ってる口ぶりだったな」
既に昨日のうちにキラメイジャーのセンタイリングをゲットしたゴジュウレオンだったが、そのキラメイジャーのセンタイリングを持っていた相手は他のセンタイリングを持っているような口ぶりだったことを思い出していた。
「どうする?僕にその指輪。渡してくれるかい?」
「俺には譲れない願いがある。はいそうですかと渡せるものじゃない」
戦闘になる雰囲気かと思い、銃口を向けたキラメイレッドだったが、リュウソウレッドは高速移動でこの場を既に離れていた。
「あらら。つれないな。今日はライブ終了かな」
キラメイレッドからゴジュウレオンに戻った陸王が戦闘を終えた頃、巨神テガソードを操縦してアイアイザーと戦う竜義はそろそろ勝負を決めようと考え始めた。
「いやさか。至福の時間こそなれど、これ以上戦いを長引かせるのは些かよろしくない。テガソード様のお力を世に知らしめるためにも、圧倒的な力で敵を打ち倒すことにしよう」
アッパーでアイアイザーを宙に打ち上げたテガソードはそのまま飛び上がるとアイアイザーの両足を掴んで頭から地面に叩きつける。
「がはぁっ!?」
「これぞテガソードライバー!」
「ファイヤキャンドル様のためにも負けるわけには・・・いかないんだ!!」
ファイヤキャンドルのためにも負けるわけにはといかないと力強い信念で再起したカシオスは全力の突きでテガソードに一撃をお見舞いすると、その攻撃に怯まされたテガソードは数歩後ろに下がらされる。
「勝って、生きてファイヤキャンドル様のもとに帰るんだ。私は・・・!諦めん!」
「中々のパワーだが、神の前では等しく無力。神の前にひれ伏せ!!」
テガソードは両腕を前に突き出すとそこにエネルギーを集め、それを解き放つ。
「テガソード様!礼賛竜撃!」
【ティラノハンマー!クラッシュ!】
両腕から放たれたビームに撃ち抜かれたアイアイザーは緊急脱出装置が故障し、脱出もままならないままコックピットのあちこちが火花を上げる。
「すみませんファイヤキャンドル様。私はここまでのようです。ですが・・・この絆は、きっと永遠です。絆フォーエバァァァァッ!!」
アイアイザーの爆発とともにカシオスも爆発に巻き込まれ、巨大戦の勝者はテガソード・イエローこと竜義となる。
「ハァァァっ!」
「これでも喰らえ!」
残る戦いはゴジュウウルフとノーワンの戦いのみとなると、ノーワンは金銀煌めく財宝の輝きで目くらまし攻撃をしてきた。
「これでこちらの動きは分かるまい」
「そいつはどうかな?」
「なんだと!?」
目を封じたつもりのノーワンだったがゴジュウウルフはいともたやすく攻撃してきたことに驚く。
「何故こちらの位置が・・」
「お前、匂うんだよ。お宝のせいで金属の擦れたような匂いがな」
「くっ・・・よもや私自身もお宝の匂いがするということか」
「さぁ、目も戻ったしこっからが本番だぜ」
「まだだ!」
「ワオォォォォォォン!」
ノーワンは炎を放って攻撃してくるとゴジュウウルフは遠吠えのような咆哮でその炎を打ち消す。
【フィニッシュフィンガー!ウルフ!!】
斬撃を連続で飛ばしたゴジュウウルフの攻撃が直撃したノーワンはかなりのダメージを受けながらも倒れようとはしない。
「私を倒しても、ノーワンにはまだ幾千ものナンバーワンがいる。彼らはこれからもお前たちの前に立ち塞がるぞ」
「上等だ。全員返り討ちにして、ナンバーワンを全部搔っ攫ってやる!夢を持てなくなった俺が、夢をもう一度掴むために!」
「遠野さん・・」
「手を貸せテガソード!」
少し離れたところで戦いの様子を見ていた当麻。それに気づいた様子のゴジュウウルフはチラリと一度振り返ったのちに想いを乗せてテガソードの刃をノーワンに突き刺し、中の空間にいたさゆりに手を伸ばす。
「掴め!」
「うぅ・・」
さゆりの手を掴んだゴジュウウルフはノーワンから彼女を引き抜くと格ゲーのような連撃でノーワンを追い詰める。そしてトドメのキックを受けたノーワンは爆発し、ファイナルラウンドの勝者もゴジュウウルフとなった。
「ゴジュウウルフ!WIN!」
「トレジャーハントナンバーワンも俺だ!」
指輪の戦士たちの戦いの一部始終を映像として見ていたノーワン隊長たち。ファイヤキャンドルはカシオスの死を嘆く。
「カシオス。お前みたいな優しい奴がどうして・・。許さねぇ。絶対に許さんぞ!指輪の戦士ども!」
「金色のテガソードを持つ者たち。彼らの指輪からは他とは違う力を感じる。いったい何者なのでしょう?」
ファイヤキャンドルは心腹の友を失ったことを嘆き、ブーケは金色のテガソードを持つゴジュウウルフ達から他のセンタイリングとは異なる力を感じていた。
ノーワンとの戦いの翌日。目を覚まして下のカフェへと降りてきたホエルは内装が昨日とは明らかに変わっていたカフェに驚く。
「何だこれ?」
そこには巨神テガソードをモデルとしてフィギュアや木彫り、シールなどのグッズが店内のあちこちに展示されている。
「おはよう。驚いたかしら?こういうのコンセプトカフェっていうのかしら。実は今日から店長を代わってもらったの」
さゆりが振り向いた先にいたのは『店長就任』とたすき掛けした竜義がオムライスを持っていた姿だった。
「名物はテガソード様オムライスだ」
「近くにいた方が都合がいいからね」
どうやらそのオムライスを注文したのはカウンター席に座っていた陸王のようだ。
「お前らか。こんな奴ら信用できねぇぞ」
「それより、今日が家賃の日だけど用意できた?」
さゆりの言葉で家賃のことを思い出したホエルは慌てた様子で陸王たちに駆け寄る。
「お前ら、あのお宝はどうした?」
「もちろん壺は返したよ。サイン付きでね」
「埋蔵金と宝くじは交番に届けた。むろんノーワンが集めた金銭や剣もだ」
つまりホエルが掻っ攫ったお宝は既にもうないということとなる。
「面接行ってきます!」
カフェ『半世紀』改め『テガソードの里』を後にしたホエル。すると新しいバイト先に決まったコンビニで当麻と遭遇する。
「あ・・」
「おう上条。また同じバイト先か」
「世間って狭いですね。まぁ、ちょうど良かったと考えるべきですかね。渡すものがあったんです。これをどうぞ」
少し気まずそうな当麻に対して、あまり気にしてない素振りのホエル。すると当麻は一呼吸置いてホエルにキュウレンジャーのセンタイリングを渡してきた。
「いいのか?お前には帰りたい場所が、叶えたい願いがあるんだろ」
「俺は自分の帰りたい場所があるからと言って、他の人のそんな願いを否定することはできない。俺は幻想は殺せるけど、夢や理想までは殺せない。だから遠野さんに俺の願いを任せます。あなたならもしかしたら・・・すべてのユニバースを救う救世主になるかもしれませんから」
「俺がか?」
「少なくとも俺は・・・そう信じたいと今は思ってます」
指輪と共に想いを託されたホエル。その光景を店の外から和人が眺めていた。
「上条は遠野さんに願いを任せたか。だけど俺は自分で・・・自分のこの手で願いを叶えるぞ。・・・もしもし、すみません。やっぱり面接を辞退します」
立ち去っていく和人は本来このコンビニのバイトの面接に来たのだが、また3人一緒のバイト先になるのは気まずい気がしたので面接を辞退していたのだった。
次回「全力全開ヒーローの出番」