№1ユニバース 世界と指輪と願い事   作:エルモライト

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超ギャバンという新たな歴史が始まりましたね。それはそれとしてガッツリとブライダン回です。ゴジュウジャーは登場しません。




勝利の団結!燃えろ烈怒!

「ファイヤキャンドルさん!どうしたんですか!?」

 

 心滅となってしまった牙狼ことファイヤキャンドルは見境無く暴れ出し、ブーケは彼に呼びかけるも暴走は止まらずにその刃が向けられる。

「ブーケ嬢!」

 

 シャイニングナイフはブーケを庇って刃に斬られてしまうと、そのダメージがいつものようにすぐ再生はしなかった。

「元厄災とはいえ厄災は厄災。闇を祓う剣の攻撃をまともに受けてしまえばそうすぐには再生しないか」

 

「貴方はファイヤキャンドルさんに何をなさったんですか?」

 

 睨みながらペスティスに銃を向けたブーケに対し、ペスティスは素直に答えを返す。

「ただの身体が動けなくなる程度の病だ」

 

「は?」

 

「貴様らは魔戒騎士の力を使える時間に制限時間があったことを知らないのか?」

 

 ブーケはそう言われてみればとファイヤキャンドルがいつも99秒の段階で必ず1度は鎧を解除していた事を思い出す。

「あれは制限時間を過ぎた魔戒騎士のなる姿。私はそうなるように促したに過ぎん」

 

「促した。意図的だった事が分かれば十分です!」

 

 まずは暴れる牙狼を正気に戻そうとするブーケだったが突如背後にノーワンワールドへのゲートが開いた。

『ブーケ、シャイニングナイフを連れて1度帰還しろ』

 

「ですが女王様!」

 

『お前1人ではシャイニングナイフを庇いながら戦うことはできん』

 

『おい、女王。なら俺も連れて帰ってくれ』

 

 ブーケの足元には暴走した事で牙狼の指から外れてしまったザルバがあった。

『何か知識があるようだな。ブーケよ』

 

「はい女王様!行きましょうザルバさん!」

 

 ザルバを拾い上げたブーケはシャイニングナイフと共にノーワンワールドへと帰還すると、テガジューンはその力でシャイニングナイフの傷を癒す。

「すまないブーケ嬢。このダメージではすぐファイヤキャンドル君を助けるためには動けん」

 

「いえ、もとはといえば私を庇い負ってしまった傷ですし」

 

『ところでザルバよ。あの暴走した牙狼の事を知っているのだな』

 

『ファイヤキャンドルには一応99秒過ぎたら暴走しちまうっては話していたんだがな。あの姿は心滅獣身。その名の通り心を失い、獣のようになった姿だ。解除方法は簡単だ。腹部の紋章に衝撃を与えて、逆さになった紋章を元通りにすればいい。だが、それは時間との勝負だ。長時間あの姿でいてしまうとやがて心まで闇に呑まれ、暗黒騎士に成れ果ててしまうぞ』

 

「急ぎの勝負というわけですわね。ならば早急に再出撃します!」

 

『しばし待て。ガリュード』

 

「お呼びですか?女王」

 

 奥の反省部屋からやってきたクオンはいつもとは違い、ボロボロな様子だった。

『シャイニングナイフの異変に気づきながらも、それを見逃した貴様の罪。ファイヤキャンドルの救出を以て清算しろ』

 

「・・・承知しました」

 

「ガリュードさん。私は貴方を赦しきれてはいません。ですからこの作戦は貴方の信用を取り戻す戦いでもありますからね」

 

「別に君らの信用なんて要らないけれど、まあ女王の命令だからね」

 

「ブーケ嬢。・・・それとガリュード。ファイヤキャンドル君を任せる」

 

 シャイニングナイフの言葉に頷いたブーケはザルバを握りしめるとクオンと共に再び開いたゲートを潜ろうとすると、そこに金アーイー2体と更には中隊クラスのアーイーたちもやってきた。

「貴方がたはファイヤキャンドルさんの部下の・・・」

 

「ドン・ブラコです」

 

「リュウ・ソーっス」

 

「「俺たちもファイヤキャンドル隊長のために戦わせてください!」」

 

「分かりました。行きましょう。・・・陸王様、私に力を」

 

 ブーケは陸王のブロマイドを握りしめて勇気を振り絞ると再び出撃する。巨神の世界にブーケたちが到着すると牙狼は町を壊すように見境無く暴れていて、その側には零こそいなかったがペスティスの姿はあった。

「あの厄災は僕が相手しておくよ。君らはあそこで暴れてるやんちゃ君を相手してあげな。エンゲージ」

【ガリュード】

 

 ガリュードに変身したクオンはペスティスに向かっていくと、ブーケ率いるファイヤキャンドル救出隊は牙狼に向かっていく。

「さて、厄災とこうして戦うのは初めてだけど。君相手となると手を抜けなさそうだ」

【トッキュウジャー】

 

 トッキュウ1号を召喚したガリュードは即座にそれを撃ち抜くと、トッキュウ1号は専用武器のレールスラッシャーへと変化させられ、ガリュードの手に収まる。

「さぁ厄災。君の終着駅に導いてあげるよ」

 

「愚かな。終着するのは貴様だ」

 

 ガリュードがレールスラッシャーを振るうと、ペスティスは闇の中から剣を取り出してその刃を受け止める。しかしガリュードといえど復活した厄災の1人を単身で相手取るのは難しいと瞬時に察したようで後ろに飛び下がり、距離を取ってから他のセンタイリングも発動する。

【ジャッカー】【バトルフィーバー】

【ライブマン】【ジュウレンジャー】

【カーレンジャー】【メガレンジャー】

【アバレンジャー】【ゴーオンジャー】

【ゴーバスターズ】【キラメイジャー】

 

「いけ」

 

「数で勝負か。無駄な事を」

 

 ガリュードの召喚した戦士たちはものの数分で全員倒されてしまうのだった。そして厄災ペスティスをガリュードが1人で相手にしている頃、牙狼の元へと到着したブーケたちは牙狼を円で取り囲む。

「皆さん!手筈通りにお願いします!」

 

「皆!いくぞぉっ!」

 

 ドン・ブラコの掛け声でアーイーたちは一斉に鎖を投げつけ、牙狼を縛り付ける。しかし暴走している牙狼のパワーにアーイーたちでは押さえ込む事がしきれずに1人また1人と投げ飛ばされてしまう。

「今です!」

 

 ブーケは一瞬のチャンスを見逃さずに紋章に銃撃を浴びせると、心滅獣身の牙狼は通常の牙狼へと戻った後に鎧が解除されてファイヤキャンドルの姿へと戻った。

「ファイヤキャンドルさん!」

 

 その場に倒れ込んだファイヤキャンドルにブーケが駆け寄ると、ブーケの声でファイヤキャンドルの意識が戻る。

「悪いなブーケ嬢。迷惑かけちまった」

 

 立ち上がったファイヤキャンドルはブーケからザルバを受け取ると牙狼剣を握りしめる。しかし先ほどまで暴走していたこともあり、消耗した身体は膝をつきそうになる。

「そんな身体で戦うなんて無茶です!撤退しましょう!」

 

「ブーケ様の言う通りだぜファイヤキャンドル隊長!」

 

「ガリュードが厄災を抑えてる隙に逃げるっス」

 

「確かに撤退が正解だろうな」

 

 厄災を前にして撤退を提案するブーケたちに対して、ファイヤキャンドルは撤退の判断は正しいと同意する。

「だけどよぉ、ここまでいいように厄災に弄ばれちまったんだ。なんにも出来ないまま帰るだなんてブライダン特攻隊長としての名が廃るってもんよ」

 

「今ならまだ逃げれたと言うのに哀れな奴らだ」

 

「グッ・・・」

 

 ペスティスの剣に押し負けて地面を転がってきたガリュード。ファイヤキャンドルはガリュードの前に出て厄災ペスティスと戦う姿勢を見せる。

「俺は戦う事が好きだ、大好きだ。だけどそれと同じぐらいに俺はこいつらを仲間を守りたいんだ。そのためにこの命の灯火を燃やしてぇ。一緒に戦ってくれるか?」

 

『仲間を守りたいが為に。それでこそ黄金騎士!それでこそ守りし者だ。いいぜ相棒。お前の炎!燃やし尽くせ!』

 

 牙狼の鎧を纏い、牙狼剣を突き出すように構えたファイヤキャンドルはペスティスに向けて突撃していく。疲弊しきっているはずの牙狼だが仲間を護りたいという気持ちで身体を動かし、厄災ペスティスに対して喰らいつく。

「おのれ小癪な!」

 

 1度は心滅獣身と化した牙狼だというのに今なお自分に喰らいつく牙狼にペスティスは怒りを見せる。

「私たちもファイヤキャンドルさんの援護を!」

 

「しょうがないね」

 

「ええい鬱陶しい」

 

「脇がアメぇぞ!」

 

 ブーケの指示でアーイーたちとガリュードは援護射撃をしてペスティスの気が逸れたところを牙狼が一太刀を決める。牙狼に斬られたペスティスの脇腹からは光が溢れ、確かに厄災という存在にダメージを与えていた。

「どうだ!」

 

「貴様らの事を少々侮っていたようだ。ここからは一切手を脱がず全力でいこう」

 

「あ?」

 

 牙狼が1度鎧を解除しようとした矢先、ペスティスの一閃が牙狼の視界を横切る。すると次の瞬間には牙狼剣の刃はポッキリと折られてしまっていた。

「なっ!?牙狼剣が!?」

 

「確かに貴様は紛うことなき黄金騎士だろう。だが所詮は牙狼の鎧も剣もテガジューンが作った紛い物。本物の黄金騎士とはいえ紛い物ではその性能に限界がある」

 

 牙狼剣が折られると同時に鎧を解除してしまったファイヤキャンドルは再度鎧を纏おうと折れた牙狼剣で円を描こうとするも、牙狼の鎧は舞い降りない。

「おいザルバ!牙狼の鎧が来ねぇぞ!」

 

『ヤツの言う通り牙狼剣も牙狼の鎧も、ついでに俺様も紛い物だ。だがお前の仲間を想う守りし者としての精神は本物だろう。ならばお前は牙狼に頼らずお前として強くなれ!黄金騎士を越えたその先となれ!』

 

「・・・そうだな。鎧や剣に頼らなくても俺は俺だったぜ。燃え上がれ!俺の炎!」

 

 かつてないほどに燃え上がるファイヤキャンドル。その炎は黄金から更に真紅となるまで燃え上がる。

「ファイヤキャンドルさん!」

 

「ファイヤキャンドル隊長!」

 

 ブライダンの気持ちが1つとなった瞬間、牙狼剣はファイヤキャンドルの棍棒キャンドロッドと1つとなり黄金の槍となる。

「ザルバ。これは?」

 

『牙狼の鎧も剣もそれを構成するソウルメタルはその精神に応じて形状を変える。これはお前とお前の仲間たちの想いを受けて紛い物から新たなる騎士に、否。新たなる戦士の武器へと深火したんだ!』

 

「お前らの想い!確かに受け取った!」

 

 深火した黄金の槍を掲げたファイヤキャンドルは空に円を描き新たなる鎧を身に纏う。その姿は炎の皇帝と呼ぶに相応しい真紅の戦士となっていた。

「これはブライダンの気持ちが団結した事で深火した姿。俺は烈怒!団結戦士・烈怒だ!」

 

 燃える炎を全身で現す戦士の名は団結戦士烈怒。紛い物の牙狼を越えた先に深火した戦士となった烈怒は黄金槍団烈の切っ先をペスティスへと向ける。

「俺の炎が真紅に燃える!仲間の炎が深火を燃やす!俺は烈怒!団結戦士烈怒!」

 

 再度名乗りを上げた烈怒にペスティスも名乗りを上げる。

「我こそ厄災。クラディスの指揮官。病のペスティス」

 

「ナンバーワンバトル!Ready?Go!」

 

 ナンバーワンバトルの宣言がされた瞬間、ペスティスは厄災の兵隊モリスたちを召喚して烈怒へと特攻させる。

「我が兵よ。奴を蹂躙せよ」

 

「そんな奴らじゃ俺たちの炎は消せやしねぇ!」

 

 向かってくるモリスたちを斬り倒す烈怒と並び立つようにブーケとアーイーたちが並ぶ。そして彼らも共にモリスたちと戦い、モリスたちを撃破していく。

「これはもう僕の出番はなさそうだ」

 

 自分の役目は終えたと判断したガリュードは先にノーワンワールドへと帰還するも、それに誰も気づかない程に今のブライダンは団結していた。

「何故だ。先程までとはまるで違う。統率力が上がっているだと」

 

「どうだ!これが俺たちの団結の力だ!」

 

 団結の力を高めたブライダンはモリスたちをすべて撃破すると、その団結力にペスティスは動揺する。そんな動揺するペスティスに烈怒は猛攻を仕掛ける。

「決めてください!ファイヤキャンドルさん!」

 

「大団炎!カイゼルファイヤー!!」

 

「なんと!?厄災である我がこの様な者らに負けるだと!?あり得ん!あり得てなるものか!ぬぁぁぁっ!?」

 

 黄金槍団烈の刃から放たれた炎の斬撃は病の厄災ペスティスのすべてを焼き祓い、ペスティスに勝利を果たす。

「烈怒!WIN!」

 

 何処からか烈怒の勝利コールが響き渡るとファイヤキャンドルは烈怒の変身を解除する。すると戦いに勝利したファイヤキャンドルにブーケたちが駆けよってきた。

「ファイヤキャンドルさん!」

 

「やりましたね!隊長!」

 

「やっぱり隊長はスゴイっスわ」

 

「俺が勝てたのもお前らのおかげだ。ありがとな」

 

 ファイヤキャンドルらは笑い合いながらノーワンワールドへと帰還するとシャイニングナイフが彼らを迎える。すると・・・

「あら、みんなおかえり〜!」

 

 なんと命を落としていたと思われていたスイートケークが声をかけてきたのだ。

「スイートケークさん!?生きてらっしゃったのですか!?」

 

「ダーリンの愛の力よ!」

 

「詳しい理屈はよく分からないが、私の不死性が作用するまで時間がかかっていただけのようだ」

 

「なんだっていいさ!こうして皆無事だったんだしよぉ!」

 

 厄災を相手に皆無事に勝利して帰ってこられた。この事実は嘘偽りないとファイヤキャンドルは仲間たちと勝利の喜びを分かち合うのだった。

 




次回「君と通じる私の願い」
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