№1ユニバース 世界と指輪と願い事   作:エルモライト

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大好きだった推し

「陸王様がゴジュウレオン。ゴジュウレオンはゴジュウジャーの1人で、ゴジュウジャーは私たちブライダンの敵。つまり陸王様は私の敵。そんな・・・そんなの信じたくありません。きっと何かの間違いです」

 

 ノーワンワールドに戻ったブーケは激しく動揺していて、ファイヤキャンドルやMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークらは気まずくてどうブーケに声をかければよいのかと悩んでいた。するとそんなブーケにクオンが近づいてくる。

「残念ながら間違いじゃないんだ。百夜陸王はゴジュウレオン。それは紛うことなき事実さ。君はブライダン慈愛のブーケ。君のやるべきことはなんだい?」

 

「私のやるべきことは・・・女王様の願いを叶えることです」

 

「ならそのためには何をしないといけないのかな?」

 

「指輪の戦士から、指輪を回収しなければなりません」

 

 クオンに誘導されるように指輪の戦士たちからセンタイリングを回収するという結論をつけたブーケ。そこにクオンはもう一押しをする。

「それに考えてみなよ。百夜陸王は願いがあって指輪を集めているかもしれないけどさ、指輪の戦士という呪縛から解放したら百夜陸王は君だけのアイドルになってくれるんじゃないかな」

 

「陸王様が私だけのアイドルに」

 

 その誘惑に慈愛のブーケの目が濁る。

「それは、大変魅力的ですね」

 

「な、なぁ。あれ、大丈夫なのか?」

 

「分からないわよ。ダ、ダーリン。止めた方がいいんじゃないかしら?」

 

「よ、よし。ブーケ嬢、あのだな」

 

 Mr.シャイニングナイフは何やら怪しいブーケに一声かけようとしたが、その判断は既に遅かった。

「決めました。私は陸王様から指輪を回収して、陸王様をテガソードの、指輪の呪縛から解放します」

 

「うん。それがいいと思うよ」

 

 クオンに唆されたブーケは目のハイライトを失い、陸王をテガソードから解放すると宣言する。ファイヤキャンドルたちは「これはいいのか?」と訝しんでいるとテガジューンがその顔を見せる。

『皆集まっているな』

 

「どうしたんだ女王?」

 

『アヤツがものづくりノーワンがあちらの世界に赴いた。アヤツは始まりのノーワンとして貴重な存在。皆でものづくりノーワンを護衛せよ』

 

 

 

 テガソードの里。陸王がブーケにゴジュウレオンが自分だと知られてしまった翌日。陸王は露骨に落ち込んでいた。

「あの娘、ブーケって呼ばれてたね。ブーケちゃんはここ最近のライブに毎回来てくれるファンだったけど、まさかブライダンだったなんてね」

 

 陸王はまるで自虐をするようにブーケがブライダンだったことを知らなかったことを残念そうに告げる。すると竜義は陸王の座るテーブルにカフェラテを置いた。

「すまない。ブーケがブライダンだとは知っていたが、まさか彼女がお前のファンだった事までは把握してなかったのだ」

 

「いや、謝らなくていいよ。僕も気が付かなかったんだし」

 

「おい、お前ら。ノーワンのニオイだ!」

 

 ホエルがノーワンのニオイを感じ取り、ゴジュウジャーの面々はその場所へと急ぐと8つの手が印象的なノーワンが体育座りをしていた。

「なんだこのノーワンは?」

 

「そのお方に触れるな!」

 

 まるで敵意を感じ取れないノーワンに禽二郎はゆっくりと近づこうとすると、それを金アーイーが妨害した。

「私はデン・ジー。ものづくりノーワン様に仕える執事でございます」

 

「まぁいい。とっととぶっ倒して終わらせる」

 

「「「「「「エンゲージ!」」」」」」

【ゴジュウウルフ!】

【ゴジュウレオン!】

【ゴジュウティラノ!】

【ゴジュウイーグル!】

【ゴジュウユニコーン!】

【ゴジュウポーラー!】

 

 変身したゴジュウジャーはノーワンを倒そうと駆け出そうとすると、彼らの行く手を阻むように銃撃が飛んできた。

「させないぞゴジュウジャー。ものづくりノーワンは特別な存在。倒させる訳にはいかん」

 

 ブライダンの面々が総出でやってきてノーワンを護りにきた事に少し驚きを見せたゴジュウジャーだが、すぐに切り替える。

「へぇ、コイツは特別なのか。ならなおさら倒さないとな」

【フィニッシュナックル!!】

 

 ゴジュウポーラーは先制攻撃と言わんばかりに初手から必殺の拳を振るうと、ノーワンは『壁』を作ってゴジュウポーラーの必殺技をガードした。

「ゴジュウウルフゥ!!俺とやり合おうぜ!」

 

 ファイヤキャンドルは団結戦士烈怒へと姿を変えると槍の切っ先をゴジュウウルフに突きつけてくる。

「ファイヤキャンドルか?何だその姿は?」

 

「俺なりのパワーアップってところだ。お前も全力を出しな!」

 

「いいぜ。やってやるよ!」

【ワイルドパワーアップ!】

 

 ゴジュウウルフはワイルドゴジュウウルフへと強化変身するとオルカブースターを手に水弾で烈怒に攻撃を仕掛ける。しかし烈怒はその水弾を吹き上げた熱気で蒸発させ、逆に炎弾を飛ばしてきた。

「オラァ!」

 

「危ねえな。随分な火力じゃんか」

 

「驚くのはまだ早いぜ。見た目は変わったが元はソウルメタルの鎧だ。それに俺にはコイツもいる。いくぜザルバ!」

 

『おうさ。ブチかませ相棒!』

 

 ザルバにマスクマンのセンタイリングを咥えさせた烈怒はその力を解き放つ。

「ゴッドハンド!!」

 

「くっ!ならこっちも!」

【フィニッシュフィンガー!!】

 

 光戦隊マスクマンの必殺技、ゴッドハンドを振るった烈怒にワイルドゴジュウウルフはフィニッシュフィンガーをぶつけて対抗する。そのぶつかり合いは互角で互いに後退する結果となった。

「互角か。やるじゃねぇかファイヤキャンドル!」

 

「テメェもな。ゴジュウウルフ」

 

 ワイルドゴジュウウルフと烈怒はお互いに戦いを楽しんでいるかのような反応をしていると、ワイルドゴジュウウルフの近くに数に押され気味のゴジュウイーグルが下がってきた。

「すまんなホエルっち。如何せんいつもより今回は数が多くてな」

 

「なら禽二郎!使え!」

 

「サンキュー、ホエルっち!」

 

 ワイルドゴジュウウルフから投げ渡されたリョウテガソードをキャッチしたゴジュウイーグルは早速その力を発動する。

「ゆくぞ!」

【最強!頂点!ユニバース!】

【テガソード!ナンバーワン!】

 

 テガソードの鎧を纏いテガソードゴジュウイーグルとなったゴジュウイーグルは迫りくるアーイーたちを斬り伏せていく。

「おお!これはいいな!」

 

 テガソードの両手を広げてアーイーたちの数を減らしたテガソードゴジュウイーグルはドンブラザーズのセンタイリングをリョウテガソードにセットする。

【センタイリング!】

【桃代無敵!アバター乱舞!】

 

「ものづくりノーワン様ァァァっ!?」

 

 虹色に輝く刀身で連撃を浴びせたテガソードゴジュウイーグル。その剣技を受けたデン・ジーが爆発すると爆炎を抜けてきたブーケの銃撃がゴジュウレオンを襲った。

「陸王様!貴方の指輪、いただきます!」

 

 先日のような動揺はなく純粋にゴジュウレオンの指輪を狙いにきているブーケの気迫にゴジュウレオンは気圧されながらも対処をしようと動く。

「エンゲージ!」

【ゴーグルファイブ!】

 

 ゴーグルレッドに変身したゴジュウレオンはゴーグルロープを暴れるブーケに巻き付けて動きを封じる。すると二丁の銃からナイフに手持ちを変えたブーケにゴーグルロープが切られてしまい、そのまま接近されたブーケの攻撃を受けたゴーグルレッドはゴジュウレオンに戻ってしまい、ゴーグルファイブのセンタイリングがブーケの手に渡った。

「まずは1つ。他の指輪もいただきますわ」

 

「今日は随分と本気みたいだね。1つ質問していいかな?僕のファンを辞められてアンチになられる覚悟をしていたのに、今の君からは怒りを感じないのは何故かな?」

 

「それは私の愛故です。私は決めました。陸王様をテガソードの呪縛から、ゴジュウジャーから解放し、私だけのアイドルになってもらうと。陸王様、今は傷をつけてしまいますがお許し下さい。介護も責任を以て行いますので」

 

「なるほど。そっち方向に行っちゃったか。この世界ではそういったのをヤンデレって言うんだよ」

 

 ブーケがヤンデレ方面に舵を取ってしまった事を理解したゴジュウレオンはそれを何とかするためにも彼女を止めようと動く。

「確かにヤンデレも愛の形の1つだね。だけど誰かを傷つける愛に君は納得できるのかな?」

 

「たとえ愛する人を傷つける事になったとしても、最後に愛する人からの愛を得られるのなら!」

 

「・・・そうか。なら僕もアイドルとして精一杯の愛で応えるよ!」

 

 ゴジュウレオンもブーケの愛に応えるべく全力で戦うことを決めた頃、ゴジュウポーラーとゴジュウティラノ、ゴジュウユニコーンはノーワンとMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークに善戦していた。

「不気味な奴だ。まるで生気を感じない」

 

 ゴジュウティラノはまるで反撃してくる素振りを見せないノーワンに不気味さを感じていると、シャイニングナイフはその理由を明かしてくる。

「当然と言えば当然だ。ものづくりノーワンの素体となった人間は既にその命が尽きているのだからな」

 

「え!中の人はもう亡くなっているの!?」

 

「かの人間はテガソードをモデルに女王様を創り上げた存在。いわば我々の原点と呼べる相手なのだ」

 

「先の戦いで愛する我が子を失ったお母さんが、世界を作り変えるために女王様を創り上げたのよ。だけど女王様が誕生してすぐに力尽きて、女王様はそんな彼女を最初のノーワンの素体としたの」

 

 最初のノーワンの誕生経緯を説明してくれたMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークは、その話が終わったタイミングでゴジュウポーラーに氷漬けにされた。

「説明ありがとよ。決めろお坊ちゃん!嬢ちゃん!」

 

「ティィラァ!!」

【ティラノ!ハンマークラッシュ!!】

 

「たぁっ!」

【ユニコーン!ドリルアタック!!】

 

 ゴジュウティラノとゴジュウユニコーンの必殺技が炸裂して爆発したノーワン。するとノーワンは爆炎の中から立ち上がると、巨大化してしまった。

「なるほど確かにこれは特別なノーワンだ。来い!グーデバーン!」

【アウェイキング!】

 

「人神一体!」

【グーデバーン!】

 

 グーデバーンと人神一体した真白は巨大化したノーワンと戦い出す。ノーワンは周辺のビルをトゲに作り変えてグーデバーンを攻撃してくるので、グーデバーンもそれらを殴り壊す。

『キリがない。どうしますか熊手さん』

 

「なら空から攻めるか。ベアックマ!」

 

『はいクマ〜!』

 

 巨大化したベアックマにグーデバーンが乗ると、真白は2つのセンタイリングを取り出す。

「大盤振る舞いといくか」

【ルパンレンジャー!】

【パトレンジャー!】

 

 ルパンレンジャーのセンタイリングの力でベアックマが飛翔すると、パトレンジャーのセンタイリングの力で防御力を高めて地上へと急降下する。弾丸のように突撃していく。その体当たりが直撃したノーワンは爆発し、今度こそノーワンを倒したものだとゴジュウジャーの全員が思っていたのだが・・・。

「なん、だと?」

 

 爆炎の中から等身大に戻ったノーワンが街中を不規則に『ものづくり』してしまい、街中が阿鼻叫喚の大惨事と化してしまう。

「あいつは不死身か?」

 

『やはり私の目に狂いはなかった』

 

 ゴジュウティラノが倒せないノーワンに驚いていると、ノーワンワールドからテガジューンがやってきた。

『運命の乗り手はお前に決まりだ。ものづくりノーワン』

 

 取り込むようにノーワンを自身と一体化させたテガジューン。するとテガジューンはグーデバーンの方に振り向く。

『さぁ、共にノーワンワールドに帰るぞ。テガナグール』

 

『嫌だ!僕は熊手さんと一緒にいる!』

 

『ワガママもそこまでだ』

 

 エネルギーで構成された鎖でグーデバーンは縛られてしまうと、強制的に真白との人神一体が解除され、真白は外に弾き出される。するとグーデバーンはテガジューンに掴まれる形でノーワンワールドへと連れて行かれてしまった。

「グーデバーン!!」

 

 真白の叫びも虚しくノーワンワールドに連れていかれるグーデバーン。一方でゴジュウレオンと戦っていたブーケも1度手を止めた。

「申し訳ありません陸王様。本日はここまでの様です。とはいえ次にあった時こそ指輪をすべて回収して、テガソードの呪縛から必ずや解放してさしあげます」

 

 今回の目的であったノーワンの護衛は達成されたブライダンはノーワンワールドに帰還し始め、ブーケも去り際にそう言い残してからノーワンワールドに帰っていく。

「ブーケちゃん。君は・・・君の愛は本当にそんな形で満たされるの?」

 

「・・・」

 

 背後から聞こえてきたゴジュウレオンの言葉は確かにブーケに聞こえていたが、ブーケは何も答えなかった。

 




次回「電撃突入ノーワンワールド」
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