「ソラちゃんが1対1で相手をするって言ってるし、私はあっちを手伝おうかな」
格闘家として1対1で戦うというゼンカイザーの邪魔をしてはいけないと考えたゴセイレッドは少し悩んでから既に人手が足りているようにも見えるゴジュウウルフたちの手伝いに回ろうとすると、1体の白いロボットが転送されてくる。
「格闘技ノーワンさん。お手伝い致しますわ」
「本来手伝いなどいらないが、この真剣勝負の邪魔を入れないよう頼もうか」
「参りますわ」
ブーケが操縦するカレンデウスがゴジュウウルフたちを攻撃してくると、ゴジュウレオンはテガソードを展開する。
「今日は僕がステージに上がろうかな」
【アウェイキング!】
変身が解除されてテガソードに乗るための正装となった陸王は巨大な青い指輪の中に入って、巨大なテガソードへと飛んでいく。
「リングイン!」
【放て!吠えろ!ブルー!】【放て!吠えろ!ブルー!】
「人神一体!」
【テガソード!ブルー!】
変形するテガソードに巨大なレオンバスター50が合体して、右腕がガトリングになっている青い巨神、テガソードブルーとなった。
「君とのダンスは僕がお相手するよ」
「今回は青いテガソードですか。・・・お相手致します!」
ブーケの操縦するカレンデウスのコックピットには大量の陸王グッズが飾られていたのだが、目の前のテガソードを操縦するのが陸王だとは気づかないまま、ブーケはカレンデウスで戦闘を開始する。
「ハァっ!」
右腕のレオンバスター砲から銃撃による攻撃をするテガソード。対するカレンデウスも二丁拳銃による銃撃で互いに機体を狙い合う銃撃戦となる。
「弾幕はこちらの方が多いのに・・・お相手の方が的確な銃撃。これは難しい勝負になりそうだ」
ガトリングによる攻撃で弾幕戦を仕掛ける陸王ことテガソードブルーに対して、ブーケの駆るカレンデウスは二丁拳銃ながらも的確な精密射撃で確実にテガソードを狙ってくる。互いに一歩も譲らない銃撃戦。その時、偶然が陸王を味方した。
「きゃぁっ!?」
2体の戦闘によって倒壊寸前だったビルがカレンデウスへと倒れ込み、カレンデウスの動きが止まったのだ。
「今だ!」
そのチャンスを見逃さなかった陸王はレオンバスター砲の弾幕を浴びせるとカレンデウスはあちこちが火花を散らす。するとコックピットに飾られていた様々な陸王グッズがボロボロになってチェキも破けてしまったのだ。
「あぁ・・・アァァァァァ!?」
推しのグッズが見るも無残なものとなってしまい声にならない悲鳴を上げるブーケ。するとブーケは慈愛は何処にいったのか鋭い目つきでテガソードを睨みつける。
「フルボッコ決定!」
二丁拳銃を投げ捨てて鎌型のダガーを手に取ったカレンデウスは唐突にテガソードの弾幕も何のそので接近戦を仕掛けてきた。
「なっ、何だ?戦法が変わった!?」
いきなり戦法が変わったカレンデウスに驚きを隠せない陸王。右腕が巨大なガトリングとなっているため素早い動きに対応しきれないテガソードは少しずつ押され始めた。
「一撃一撃に強い怒りを感じる。いったい相手に何があったんだ?」
「よくも、よくも陸王様のグッズを!」
ブーケの陸王グッズを駄目にしたことに対して怒りを向けられる陸王。これ以上接近戦を続けるのは不利だと判断した陸王はテガソードを飛び上がらせる。
「テガソード!キラリ☆ライオン流星群!」
【レオンガトリングバースト!】
「青い指輪の戦士、絶対に許しません」
空中から流れ星のような一斉射撃でカレンデウスを撃ち抜くテガソード。機体のあちこちが火花を散らして敗北を悟ったブーケは怒りをまだ内に秘めながらも脱出システムで機体から離脱し、その後カレンデウスは爆散した。
「お前らまとめて、俺の獲物だ!」
【フィニッシュフィンガー!ウルフ!】
「天罰!」
【フィニッシュフィンガー!ティラノ!】
ゴジュウウルフとゴジュウティラノが必殺の斬撃でアーイー達を蹴散らすと金の隊長格アーイーが1体残っていた。
「くっ、皆やられてしまったか。だがまだだ!せめてあの弱そうな雰囲気のやつだけでも!」
隊長格アーイーはあまり強そうな雰囲気を出していないゴセイレッドを狙って攻撃してくる。
「天装!」
【ガチャ!】
【エクスプローション・スカイックパワー】
竜巻を発生させて攻撃を防いだゴセイレッドはそのまま相手の懐に飛び込んで、竜巻の勢いも乗せたキックを叩きこむ。
「ぐっ、ならばこれを、こうしてこうだ!」
唐突にその場で持っていた銃を改造した隊長格アーイーは、魔改造されてもはや銃というよりガトリングガンとなったそれから連続で小型ミサイルのようなものを放ってきた。
「え?えぇ~!?」
魔改造のせいでもはや別物の攻撃となったそれに驚きを隠せないゴセイレッドだったが、後ろに跳び下がって最初のミサイルを回避しつつも別のセンタイリングを取り出した。
「エンゲージ!」
【センタイリング!】
【フラッシュマン!フィニッシュ!!】
「えいっ!」
超新星フラッシュマンのセンタイリングを使用したゴセイレッドは額からの光線『プリズムビーム』を放ち、小型ミサイルを全弾撃ち落とした。
「へぇ、お前とソラでもう何個か指輪を持ってるのか」
「残念なことに指輪と契約した人の中には悪い願いを持って契約していた人もいたり、そもそも戦いたくないのに契約しちゃった人もいるので・・・そういう人から回収したものもあるんです」
既に2人でセンタイリングを複数所持しているゴセイレッドとゼンカイザー。その戦力差から1人ではこの状況を打開できないと隊長格アーイーは判断した。
「くっ、この戦力差ではもう・・」
撤退を決めた隊長格アーイーは逃げようとし、ゴセイレッドは撤退を許そうとするものの、ゴジュウウルフは逃す気はなかったようだ。
「逃げられると思うなよ。せっかくだ。こいつを試してやる」
【センタイリング!】
【キュウレンジャー!】
シシレッドに変身したゴジュウウルフはキューザウェポンの大剣、キューソードを手にして隊長格アーイーに斬りかかる。
「えっ、相手はもう逃げようとしてるんですよ」
「逃げようとしてるからってなんだ。先に襲ってるのはこいつ等だぞ」
【キュウレンジャー!フィニッシュ!!】
逃げようとしてる獲物こそ狩るべきだと言っているようなシシレッドにビクリと恐れを感じたゴセイレッド。シシレッドはそのまま赤い斬撃で隊長格アーイーを撃破すると、ゴセイレッドは何とも言えない気持ちになっていた。
「遠野さんの言い分も分かりますけど・・・やっぱり私は逃げ去る敵にトドメを刺すのはあまりいい気はしません。敵だって頭では私も分かってるのに・・・」
「別にそう思うお前が悪いわけでもねぇよ。1人1人考え方も違えば、願うことも違うだろ。お前はそうでも、俺はこうする。それだけのことだ」
ゴセイレッドの考え方を否定しなかったシシレッドはゴジュウウルフの姿に戻ると残る戦いであるゼンカイザーとノーワンの戦いに視線を向ける。
「タァッ!」
鋭く素早いゼンカイザーの拳。それを連続で放たれたノーワンだが、その攻撃を受けてなお、ノーワンは一歩も引かない。
「中々の拳だが、俺の方が強い!」
攻撃が効いていないわけではないが、ヤワな鍛え方はしていないと攻撃を耐えきっている様子のノーワンは反撃の拳を振るってくる。
「っ・・!!」
それを紙一重で回避したゼンカイザーだが、その拳圧で背後の瓦礫が粉々に砕け散ってしまう。
「なんて破壊力・・」
「驚いたか!これが我が最強拳法!すべてを粉砕する剛牛拳だ!」
拳圧だけでも容易く瓦礫が粉々になってしまう拳に『受け止める』という選択肢がかき消され、回避に専念させられてしまうゼンカイザー。技の速さならばゼンカイザーのスカイランド神拳の方が上だが、威力だけなら圧倒的に剛牛拳の方が勝っていたため一撃でもまともに受けてしまうと一巻の終わりとなってしまう。
「フフッ、どうやら回避するだけで精一杯のようだな。スカイランド神拳とやらはその程度か」
「なんのこれしき!」
回避し続けることでノーワンの拳を見切れるようになってきたゼンカイザーは銀のテガソードにセンタイリングをセットする。
【センタイリング!】
【デンジマン!】
「デンジパンチ!」
電撃を纏わせた拳でノーワンの拳の甲を殴りつけ、弾いたゼンカイザー。それに少し驚きつつもさらに連続で剛牛拳を振るってくるノーワンだったが、既に見切られている剛牛拳はゼンカイザーにすべて叩き弾かれてしまう。
「ぐっ、まさか我が剛牛拳を見切ったというのか」
見切り、叩き弾かれているだけではない。デンジパンチという電撃を纏った拳ということもあり、電撃によるダメージがノーワンに蓄積させていた。そのせいで動きが鈍りつつあったノーワンはゼンカイザーの次の一撃を避けられなかった。
「ハァっ!」
生身で大岩をも叩き割る素早く重たいスカイランド神拳の一撃を受けたノーワンは大ダメージを受けて片膝をつく。するとゴジュウウルフがある事を伝えるために戦いの最中のゼンカイザーに一声かけた。
「おいソラ。1つだけ教えておいてやるよ。ノーワンは人間を取り込んでるから、テガソードをブッ刺してそこから中の奴を引っ張り出してやれ」
「なるほど。教えてくださりありがとうございます!ハァっ!」
銀のテガソードを突き刺したゼンカイザーはその刃を広げて中に囚われていた人を引きずり出した。
「おのれ。まだだ。剛牛拳の奥義で・・・」
「打たせません!」
【ゼンカイジャー!フィニッシュ!!】
ノーワンの必殺拳を打たれるよりもはやく必殺技を発動するゼンカイザーは空へと跳び上がると、右足にエネルギーを集めて必殺キックを叩きこんだ。その一撃でノーワンが爆発すると、ゼンカイザーは人差し指を天に掲げる。
「剛牛拳!敗れたり!」
「ゼンカイザー!WIN!」
「勝ちましたよ。ましろさん!」
格闘技ノーワンに勝利したゼンカイザーは変身を解除していたましろに駆け寄ろうとしたその瞬間だった。
「お前らのお宝。いただくぜ」
何処からか銃撃とともに斬撃が飛んできたのだ。
「「っ!」」
「きゃぁっ!?」
ゴジュウウルフとゼンカイザーは咄嗟に反応して飛んできた攻撃からましろを守るものの、爆風によってましろの持っていた2つのリングが地面に転がってしまう。
「フラッシュマンにゴーゴーファイブか。イイのを持ってるじゃないか。だが他にもあるだろ。出してもらうぞ」
攻撃の方向に一同は視線を向けると、そこには海賊の赤い戦士。海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイレッドが2つの指輪を拾い上げていた。
「指輪の戦士が5人。いい狩り場だな」
ゴーカイレッドはゴジュウウルフたちを狩りの獲物としか見ていないかのような言動をすると、ゼンカイザーはましろを守るように前に立ちながらも問いかける。
「あなたも元居た世界に帰れなくなった人ですか?」
「そうだが。それがどうした?」
「ならすべての世界を元通りにしたいという願いにあなたも・・・」
「くだらねぇな。俺は俺のお宝を取り戻せたらそれでいい。他の世界なんて知るかよ」
「・・・残念です」
自分のためにしか指輪の力を振るおうとしないゴーカイレッドに心の底から残念な気持ちになったゼンカイザー。しかし戦わなくてはいけない相手だと判断して拳を強く握った瞬間、空からゼンカイザーとゴーカイレッドの間に緑の矢が飛んできた。
「新手?いや、こいつ等の援軍か?・・・流石に6人一度には面倒だな」
空を飛んでいる緑色の戦士を見たゴーカイレッドは6人を相手にするのは面倒だと判断して歩き去っていく。その歩きには追いかけられても倒せるから問題ないというかのような余裕があり、誰も追いかけようとはしなかった。
「・・・・・」
「あの、助けて下さりありがとうございます!」
翼を畳んで着地した緑の戦士、ゴジュウイーグルに対してゼンカイザーはお礼を言おうと駆け寄っていく。するよゴジュウイーグルは変身を解除して、そこに立っていたのは・・・
「儂は瀧原禽次。以後、よろしく頼む」
80歳は過ぎているだろう高齢の男性だった。
「「えぇ!?」」
「おやおや。これは」
「じじいかよ」
高齢者が指輪の契約者、ゴジュウイーグルだったことに驚きを隠せない一同のところに戻ってきた陸王も合流してくると、禽次は苦しそうな表情をして倒れそうになる。
「おい!」
「大丈夫ですか!?」
変身を解除したホエルとソラは倒れそうになる禽次を支えると彼の腹部から空腹を鳴らす音が響いた。
「腹が・・・腹が減った。た、卵を・・・」
次回「劇的変化で夢見るじじい」