№1ユニバース 世界と指輪と願い事   作:エルモライト

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1年と3カ月ほど続いた本作も次回で最終回となります。


破滅のCHANGE ポーラーララバイ

「なんで、なんでお前らが」

 

 自分を庇って陸王と禽二郎までもが消滅した。その事実を受け止めきれないホエルは戦意を失い、膝から崩れ落ちる。

「なんで俺なんかを庇うんだよ。違うだろうが」

 

「ぼさっとしてんな!ヤツに消されてぇのか!」

 

 絶望するホエルをファイヤキャンドルは無理やり立ち上がらせると、レクスは最初の緩い表情の姿に戻る。

「真白くん。これで分かってくれたでしょ?厄災という秩序は誰にも止められない。だから神になってその秩序と共に歩もう!」

 

 再び真白に神になるようにレクスが提案すると、リュウソウレッドがファイヤキャンドルの横を通り過ぎるように駆けていく。

「まだだ。この刃ならお前を斬れるんだろ!」

 

 その際にファイヤキャンドルがら黄金槍を掠め取ったリュウソウレッドはリュウソウケンとの二刀流で斬りかかり、☓字の傷をつけると、黄金槍で斬った箇所のみ再生するのが遅かった。

「やっぱりこれなら」

 

「そうだね。その刃はちょっと痛いよ。だけど結局それは贋作だから本物ほど因果は斬れないみたいだね」

 

 ファイヤキャンドルに合わせて進化したとはいえ元はコピー品の牙狼剣。それでは自分の因果を断つまでは至らないことを告げられたリュウソウレッドまで消されてしまう。

『逃げて熊手さん!こんなヤツ誰も勝てない!』

 

 グーデバーンは逃げるように真白に叫ぶ。さらに響き渡る周囲の、ユニバース中の助けを呼ぶ声に真白は決意する。

「さあ、全ユニバースの人類を苦しみから救おう!」

 

「そうだな」

 

 真白は瓦礫に埋もれていた自分の神コートを引っ張りあげると、それを来てすべてのユニバースに宣言する。

「やっぱり俺様がお前を倒すしかないってことだな!」

 

『熊手!』

 

「ハァ、諦めが悪いなぁ」

 

 諦めないその宣言に喜ぶベアックマに、レクスはできるはずがないのにと溜め息をつく。

『でも、どうやって?』

 

「俺様に、集え!!」

 

 リュウソウジャーとジュウオウジャーのセンタイリングを拾い上げた真白は右手を天に掲げる。すると角乃や竜義たちの所持していたすべてのセンタイリングが真白のもとに集まった。

「ざっと30個のセンタイリングに俺様の神様パワー。それに加えてグーデバーン、お前の破滅の王子の力を合わせれば!」

 

『そうか。グーデバーンの世界を書き換える力なら』

 

『そうか!なら僕と熊手さんで!』

 

 自分と真白が力を合わせればレクスを倒せるかもしれない。そんな期待をしていたグーデバーンだったが、その期待は真白に打ち砕かれた。

「悪いなグーデバーン。奴は俺様1人でやる。お前の力、俺に寄こせ!」

 

『そんな、熊手さん、なんで』

 

 真白はグーデバーンから破滅の王子としての力だけを奪い取ろうとする。破滅の王子としての力が真白に奪われていくグーデバーンは苦しみながら、悲しみながらも自分を連れて行こうとしない真白を見つめる。

「お前を道連れになんてできねぇよ」

 

『熊手真白。私を超える神になる願いはどうした?』

 

「その予定だったんだがな。予定が狂っちまった。この世界は俺様が救って、俺様が作った俺様の世界。あんな奴に壊させはしねぇ!」

 

 グーデバーンから破滅の王子の力を奪いとり終えた真白は白髪になりながらも『神』として覚醒する。

『いかないで熊手さん!あなたがいなかったら僕はどうやって生きればいいか分からない!1度手を取ったんだから最後まで導いてくださいよ!』

 

「何言ってやがるグーデバーン。お前は1人で歩ける。家族だって自分で救っただろ。だから今度はお前が皆を導いていけ」

 

『・・・僕には無理ですよ』

 

「できる!だってお前は俺様の相棒だからな」

 

 グーデバーンに自分の相棒なのだからできると告げた真白はゆっくりとレクスへと進もうとする。

「待てよ。お前までいくなよ。アイツらは消された。1人にはなりたくないんだ。頼む」

 

「2代目」

 

 かつての世界で大切な仲間を失った事がある真白だからこそ今のホエルの気持ちは痛いほど分かっていた。

「ならせめて俺も・・・」

 

 死地に向かう真白に自分も連れていくよう懇願するホエル。その言葉を真白は遮る。

「しっかりしやがれ2代目。願いを見つけるってのはどうした?」

 

「でも、俺の願いは」

 

「1度誓ったなら最後まで諦めるな!!今までもがいて足掻いて道を探し出してきたんだろうが!!!・・・ホエル。俺様が愛したこの世界。後は任せたぜ」

 

「最後の最後に名前で呼びやがって。くそっ」

 

「指輪争奪戦。最後まで戦えなくて悪いな」

 

 ホエルに愛した世界を任せた真白はレクスへと再び歩みを進める。その横にはベアックマも続いていく。

「ベアックマ。最後まで一緒に来てくれるか?」

 

『クマは最後まで熊手と一緒クマ〜!』

 

 真白は武器グーデバーンに指輪をセットしてその拳を地面に叩きつける。

「エンゲージ!!」

【ゴジュウポォォラァァ!!】

 

 一瞬だけ赤黒いゴジュウポーラーとなった真白は氷が砕けるように白い姿となると、先ほどレクスに壊された校舎や建物が元通りになる。それと同時に世界がユニバースの因果が彼によって書き換えられた。

「これは!?何をしてくれた熊手真白!!」

 

「秩序がなんだ。運命がなんだ。そんな勝手なもんに世界が、命が踏みにじられてたまるか!!」

 

 怒りを露わにしたレクスは凶悪な姿に戻るとゴジュウポーラーは連続パンチを叩き込む。その攻撃は確かにレクスにダメージを与えていた。

「我がダメージを受けるだと!?」

 

「世界のコードは俺様が書き換えた!これでお前を倒す事ができる」

 

 怒涛の連続パンチにダメージが蓄積されていくレクス。ここでようやくレクスは自分が敗れ去る可能性を考え出した。

「たとえ我を倒したとしてもありとあらゆるユニバースから死が、飢餓が、戦禍が、病がなくなる訳では無い!」

 

「当然だな。だが人間は厄災と向き合える!生きていけるんだ!!」

 

 人間が厄災に向き合う時間を作れる。その為の礎にならんと言わんばかりに命を燃やすゴジュウポーラーはレクスに反撃の隙を与えない。

「どれだけ辛くても、前に進める力を人間は持っている!」

 

 ベアックマの光線でレクスを氷漬けにしたゴジュウポーラーは武器グーデバーンとベアックマをぶつけ合わせてありったけの力を引き出す。

「俺様はそんなすべての命を、守る!!レクス!お前を倒して!!」

【フィニッシュナックル!!】

 

 巨大な氷の拳を作り上げたゴジュウポーラーはそれを振り降ろしてレクスを地面の底へと、地球の中心まで押し込む。その過程でコートは燃え尽き、ゴジュウポーラーの変身も解けるように解除されていく。

「熊手、真白ォッ!」

 

「眠れ厄災。・・・これが俺様の、世直しだ」

 

 真白がレクスを地球の中心に叩き込むとその穴から膨大なエネルギーが爆発し、ホエルやグーデバーンたちが遠くまで吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

「ここは・・・」

 

 ホエルが意識を取り戻すと、そこにはゴジュウレオンたち4人の変身に用いる指輪が彼を取り囲むように転がっていた。ホエルはそれを大事そうに拾い上げると、その場にゆっくりとファイヤキャンドルがやって来る。

「熊野郎が厄災を道連れに逝ったみたいだな」

 

「あぁ」

 

 ファイヤキャンドルの周囲には真白が最後に集結させた指輪も含めた31のセンタイリングが浮かんでいた。

「だいたいお互い半分づつ。・・・俺の方が少し多いぐらいか。俺がここに来た理由は分かるだろ?」

 

「あぁ。最後の指輪争奪戦。最後のナンバーワンを決めようぜ」

 

 ゴジュウレオンたちの指輪をギュッと握りしめながら立ち上がったホエルは覚悟とともにその願いを決めながらファイヤキャンドルと向かい立つ。

「俺は指輪にノーワンワールドの復活を願う。ゴジュウウルフ。お前の願いはなんだ?」

 

「俺は、俺の願いは『   』」

 

 強い風にホエルの声がかき消され、その願いはファイヤキャンドルしか聞き取れなかった。

「へっ、そうかい。なら始めようぜ。最後の願いを賭けた、最後の指輪争奪戦をよぉ!!」

 

『いざ掴め!ナンバーワン!!』

 

 テガソードが天に人差し指を掲げて高らかに宣言するとホエルが前に出て名乗りを上げる。

「長くなかった俺の願い。ようやく決めた俺の願い。叶えてみせるぜナンバーワン!はぐれ一匹!ゴジュウウルフ!」

 

「俺の炎は消させやしねぇ。大事な仲間、大事な世界をこの俺様が取り戻す!孤高の武人ファイヤキャンドル!」

 

「「願いを叶えるのは、この俺だ!」」

 

『ナンバーワンバトル!Ready?Go!』

 

「エンゲージ!」

【ゴジュウウルフ!】

 

「いくぜザルバ!」

 

『オウ!暴れろ相棒!』

 

 ホエルとファイヤキャンドルは同時に駆け出すと、同時にゴジュウウルフと団結戦士烈怒へと変身して刃を交える。

「ザルバ!」

 

『スパークソードだ!』

 

 バイオマンのセンタイリングの力を解放した烈怒は黄金槍をスパークさせてゴジュウウルフを攻撃すると、スパークによる爆発を抜けてきたゴジュウウルフもセンタイリングを武器テガソードにセットする。

「エンゲージ!」

【チェンジマン!】

 

「ドラゴンアタック!!」

 

 チェンジドラゴンに変身したゴジュウウルフはドラゴンのオーラを纏い、ドラゴンアタックで烈怒に突撃すると烈怒はそれを耐え凌ぐ。

「ギアを上げてくぜ!」

 

『全力全開だ!』

 

 ゼンカイジャーのセンタイリングを解放した烈怒はゼンカイテンランスと黄金槍の長物でチェンジドラゴンを攻める。するとバック転で攻撃を回避しながらゴジュウウルフに戻り、ワイルドゴジュウウルフの指輪をテガソードにセットする。

「だったらこっちもギアを上げるまでだ!」

【ワイルドパワーアップ!】

 

 ワイルドゴジュウウルフとなったゴジュウウルフはオルカブースターとウルフデカリバーを手に取ると、オルカブースターの水弾でゼンカイテンランスを吹き飛ばす。

「滾る。滾るぜ。ゴジュウウルフ!たくさんのものを失って、それを取り戻すための願いを賭けた戦いだってのによぉ、やっぱりお前との戦いは俺の炎を燃え上がらせてくれる!あぁそうだ!俺はお前との戦いは俺の中の心ってのを燃やしてくれるんだ!お前もそうだろ!ゴジュウウルフ!」

 

「あぁ。確かにお前との戦いは熱くなるぜ!」

 

 ウルフデカリバーの刃と黄金槍の刃がぶつかり合い、火花が散り、周囲に余波で爆発が発生する。そこに最後のナンバーワンバトルに気づいた本郷猛や元指輪の戦士たち。テガジューンやグーデバーン。ガリューデカリバーのクオンまでもがそれを見届けるために集まってくる。

「やはり最後の戦いは、彼らの戦いになったか」

 

 遠野ホエルとファイヤキャンドルが最後の戦いとなるであろう事を可能性の範囲で予測していた本郷猛は自身思いを託したワイルドゴジュウウルフの勝利を信じながら拳をギュッと握る。

「大事なのは絆や。絆を信じて立ち向かえ。ホエル」

 

「アイツらとの、絆・・・か」

 

 巡の言葉に耳を傾けていたワイルドゴジュウウルフはオルカブースターに仲間たちゴジュウジャーの指輪をセットして、その銃口を烈怒に向ける。

「フルパワーだ。受けれるか?」

【オルカ!ブーステッドノヴァ!!】

 

「面白れぇ。ならこっちも指輪の力、5つ重ねがけだ」

 

 ザルバにケンセイジャーにヨウカイジャー。セイセイジャーにデバイスV、そしてXクロニクルのセンタイリングを連続で咥えさせて力を重ねがけで解放した烈怒は黄金槍の切っ先から超強力なエネルギー弾を放つ。対するワイルドゴジュウウルフもオルカブースターから強力な一撃を放つと、その2つがぶつかり合い激しい衝撃波が周囲に広がる。

「くっ!?」

 

「オラァ!」

 

 その衝撃波でワイルドゴジュウウルフはゴジュウウルフへと戻ると、仮面が砕けて生身の頭部をむき出しになったファイヤキャンドルは爆煙を抜けて黄金槍を振るってくる。その攻撃をギリギリでテガソードの刃で受け止めたゴジュウウルフは頭突きでファイヤキャンドルを突き飛ばすと、ホエルもファイヤキャンドルも変身が解除された。

「まだだ。まだやれんだろ?ゴジュウウルフゥゥゥ!!」

 

「あったり前だぁぁぁっ!!」

【最強!頂点!ユニバース!】

【テガソード!ナンバーワン!】

 

 ファイヤキャンドルは激しい心の昂りから真紅の炎を更に激しく燃やし、黄金の炎を燃やす烈怒へと変身すると、ホエルもテガソードゴジュウウルフへと変身してリョウテガソードを強く握る。

「燃えろ!!燃え上がれ!!」

 

『烈火大斬刀!スーパーダイナマイト!』

 

 黄金槍を金色に燃える烈火大斬刀に変化させた烈怒はスーパーダイナマイトの爆発エネルギーでさらに強化した炎の斬撃を振るう。

【センタイリング!】

【ゴレンジャーハリケーン!】

 

「ゴレンジャーハリケーン!」

 

 その斬撃に対してテガソードゴジュウウルフもゴレンジャーハリケーンで対抗したが、1人だけのゴレンジャーハリケーンは力及ばず押し負けてしまった。




最終回「信じるものがナンバーワン」
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