ゴーカイレッド襲撃の後、瀧原禽次を連れてテガソードの里へと戻ってきたホエルたち。調理場へと向かった竜義は10分ほどでテガソードの里名物である『テガソード様オムライス』を持ってきた。
「おお!卵、卵じゃ!」
年甲斐もなく勢いよくオムライスを食べる禽次。すると食べ終えた時には老人だったはずの肉体が10代半ばか後半ほどまでに若返っていた。
「「えぇ~!?」」
ソラとましろは大声を上げて驚き、ホエルたちも信じられないものを見るような目で禽次の姿を見る。
「テガソードの力で卵でしか得られない栄養で若返るようになったのだ。こうなったのは数日前のこと」
禽次は数日前に起こった出来事のことを語り出す。
「まずは改めて自己紹介をしよう。儂は瀧原禽次。87歳。座右の銘は質実剛健でチャラ着いたことが嫌いなため、息子や孫からは頑固じじいと呼ばれておる。数日前、儂は日課の盆栽いじりをしようとすると、盆栽にこの指輪が引っかかっておったのだ。儂はその指輪を取ってみたところ・・・」
『願いを言え』
禽次の前にテガソードが現れて願いを問いかけてきた。少し考え込んだ禽次は自分の人生を振り返り、自分の人生を謳歌していない。自由に楽しんでいるものが羨ましいと考えに至った。
「儂は!青春をやり直したい!パーリーピーポーになる!」
『契約成立だ』
こうして禽次はテガソードと契約を果たしたのだ。
「なるほど。青春をやり直したいからお爺ちゃんは若がったんだね」
陸王は青春のやり直しを願ったから若返ったのだと考えたが、竜義は「違う」と首を横に振る。
「それは願いだ。指輪を集めてないのに願いを叶えるようなこと。テガソード様はしない」
「そう。これはテガソードの配慮だ。年老いた儂が戦士として戦うことは困難。この若さを永遠にしたいのなら指輪をすべて集めろとのことだ」
「にしても若返るなんて・・・君のお父さん、お医者さんだったよね?一回連れて行ってみるべきじゃない?」
陸王は竜義に禽次の若返りのことを医者に診てもらうよう相談するも、竜義は暗い表情となる。
「あの男は俺の話など聞かんだろうな」
「医者か。生憎それどころではない。明日は新たなる門出。転校初日だからな」
「ブーケ嬢!キングキャンドルの新造はまだなのか!」
ファイヤキャンドルは破れた陸王のチェキを悲しそうに眺めるブーケに問いかけるも、彼女は答えない。
「おい!聞いてるのか!」
「邪魔しないで!」
しつこく聞いてくる彼に対してブーケはとうとう怒りの表情を向けた。
「す、すみません」
「あの青テガソード。絶ユル」
怒りながらも涙を流すブーケに引き気味になるファイヤキャンドルは隣に立つMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークに尋ねる。
「どうしたのあれ?」
「案ずることはない。あれも愛のカタチの1つだ」
「ブーケちゃん。かわいい」
「このシャイニングナイフと」
「スイートケークは」
「「既に次の策のため用意をしてる」」
Mr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークがそう告げると2人の隊長格アーイーがその場にやってくる。
「氷の長男。スターファイブ!」
「炎の次男。ミツタファイブ!」
「今回は彼らに行ってもらうわ。よろしくね!」
こうして今回は氷と炎の兄弟に作戦が任されたのだった。
翌日。南波第4高等学校にて有言実行と言わんばかりに若返った姿の禽次は転校生として2年生の教室に入っていた。
「名前は瀧原禽・・」
名前を名乗ろうとした時、禽次の目に1人の青年の姿が入った。それは彼の孫である瀧原太司だったのだ。このまま本名を名乗るのはマズい。そう考えた禽次は咄嗟に・・。
「瀧原禽二郎と申します」
瀧原禽二郎と名乗ったのだった。時間が少し経過して休み時間となると、1人の男子生徒が禽次改め。禽二郎に声をかけてきた。
「よう禽ちゃん!オレ、影山!この後屋上に行って歓迎パーティーやっちゃう?まぁ、立ち入り禁止だけど鍵はここにあるからさ」
「立ち入り禁止?」
禽二郎は影山と名乗ったその男子生徒に立ち入り禁止エリアに誘われたことに怒りを覚える。
「影山君。歓迎パーティーの誘いは嬉しいが、若人の身を危険にさらしたくないという先生方の思し召しを無碍にするわけにはいかんだろう」
「はぁ~。ないわ~」
あきれ顔で去っていく影山を見て即座に禽二郎は後悔する。今、彼の話に乗っていればパーリーピーポーに近づく、パーリーチャンスだったのでは?そんな考えがよぎったのだ。
「どうしたの?変な顔して?」
「ふ、太司」
「もう名前を憶えてくれてるんだ。俺たち、同じ苗字だからそりゃすぐ覚えてくれるか。もしかしてあった事がない疎遠の親戚だったりするのかな?」
「か、かもしれないね」
親戚どころか祖父と孫だとは言えない禽二郎は苦笑いをすると、太司の方から身の上を話してくる。
「親戚かもしれないならさ、うちの爺ちゃんのこと知らないかな?瀧原禽次って言うんだけどさ。1週間ぐらい前になるかな。爺ちゃんが何処かに行っちゃったんだ。家族のみんな大騒ぎしてるよ」
「だよなぁ」
禽二郎は自分が家族に何も言わずに失踪したことに負い目を感じる。
「俺としてはせいせいしたけどね。爺ちゃん凄い頑固者でさ、俺の話を否定してばかりできっと人生楽しんだことなんてなかったんだよ」
「・・・寂しくはないのか?」
「全然。俺、爺ちゃんみたく人生を楽しめない人間にはなりたくないんだ。だから今を楽しんでやるさ」
「甘ったれるな!」
自身の孫が甘えた考えをしていたことに怒りを覚えた禽二郎は声を荒げる。
「親に心配をかけて恥ずかしくないのか!」
「急になんだよ?お前に何が分かるんだよ」
「分かる。お前はそんな奴じゃない。学生とは将来の夢へと努力する者たちだ。お前の夢は何かないのか?」
「・・・夢なんかねぇよ。お前、引くわ」
そう言い残して太司はその場を去っていってしまい、その日2人は会話することはなかった。そして放課後となり帰り際に禽二郎はテガソードの里へと足を運び、今回の事をホエルに話したのだった。
「やはり儂は自分勝手で甘えた人間を許せない。根っからの頑固じじい。・・・儂の願い、パーリーピーポーなど叶うはずもない。儂はずっと家族のために働き、家族のため規律正しく生きてきたというのに」
「なるほどな。だがそんなもんはただのエゴだ。そういう生き方をお前が望んだだけの話だろ」
「そうか。・・・そうだな」
「とはいえ家族への想いは本気なんだろ。そのことを伝えれる時に伝えないと後悔することになるぜ」
「若造が知ったような口を。言われずともそうしていたところだ!」
ホエルに確信を突かれた禽二郎は自身のすべきことを定めて、急ぎテガソードの里を出ていったのだった。
「はぁ、つまらないな」
屋上に1人でいた影山は結局歓迎会の主役となるはずだった禽二郎すらこなかったためにガッカリしていると、何処からか声が聞こえてきた。
『ヘイ!もっと遊びたいだろ?』
「あぁ!だな!・・・ってどっから誰が?」
「レッツパーリー!」
【パーリーピーポー】【アゲアゲ】【バイブス】【人間】【ナンバーワン】
パーリーピーポーなノーワンに身体の自由を奪われた影山はそのままノーワンに取り込まれてしまったのだった。そしてその場に現れた蝶のようなノーワン、パーリーピーポーがアゲアゲなテンションでダンスをし出す。
「さぁ、アゲアゲにいっちゃうヨ!」
校舎の空にミラーボールが出現すると、そこから大量のアーイーが出現し、生徒達が何事かと騒ぎ出す。そんな中、禽二郎は校舎へと戻ってきたのだった。
「太司!」
「禽二郎・・」
「言いたい事があって戻ってきた。しかしまずは・・・逃げるぞ!」
偶然にも校舎に戻ってきてすぐに再会することとなった2人だったのだが、既に校舎ではノーワンが騒ぎを起こしていたため、今は太司を逃がすために禽二郎は駆け出したのだった。
鼻歌を歌いながら町を歩く陸王。そんな彼は指輪の契約によって得た能力『超聴覚』で自身を付け回している存在に気づく。
「僕のファンとはいえ、待ち伏せしてサインを求めるのは関心しないな」
「ファンではありません。キラメイジャーの指輪を返してもらいます」
陸王を待ち伏せして指輪を取り戻しにきた少女の名は立花響。彼女は陸王にキラメイジャーの指輪を奪われたのだが、まだ他にも所持しているセンタイリングがあったため指輪争奪戦から脱落せずに再度陸王に挑んできたようだ。
「いいよ。相手をしてあげ・・・危ない!」
【クラップ!ユア!ハンズ!】
【ゴジュウレオン!】
突如として飛んできた銃撃からゴジュウレオンに変身して響を守った陸王。その銃撃の先にはゴーカイレッドが立っていた。
「指輪争奪戦をするんだろ?俺も混ぜてくれよ」
「1対1のデートに入ってくるのは良くないと思うよ」
「釣れないこと言うなよ。俺も・・・指輪が欲しいんだよ!!」
「まったく・・ッ」
【レオンバスター50!】
問答無用と言わんばかりに指輪欲しさにゴジュウレオンに攻撃を仕掛けてくるゴーカイレッド。ゴーカイガンによる容赦ない銃撃に対してゴジュウレオンもレオンバスター50で応戦し、戦いは拮抗する。
「やるな。なら、これはどうだ?」
【センタイリング!】
【フラッシュマン!フィニッシュ!!】
フラッシュマンのセンタイリングで必殺技を発動したゴーカイレッドはエネルギー砲『レッドバル』を手にしてそこから強力な砲撃を放ってくる。
「くっ!」
走って避けたゴジュウレオンだったが、追撃としてさらに砲撃を放ってきて少しずつゴジュウレオンは追い詰められていく。
「・・・・ッ」
「トドメだ」
それをただ見ていた響だったが、とうとう見かねて動き出した。
「エンゲージ!」
【センタイリング!】
【ゲキレンジャー!】
獣の赤いゲキ戦士、獣拳戦隊ゲキレンジャーのゲキレッドに変身した響はゴジュウレオンに迫る砲撃を拳で弾く。
「なんだ。てっきりそいつがやられるまでは動かないもんだと思ってたんだが」
「確かにその人がやられればライバルが減るとは考えた」
「だったら大人しく見てろ。その後で相手をしてやる」
「だとしても!私は見捨てられなかったから体が動いた!だから今は、今だけは!この人と協力してあなたを倒す!」
「嬉しいこと。言ってくれるね」
ゲキレッドと並び立ったゴジュウレオンに対して、ゴーカイレッドはさほど興味がなさそうな反応をする。
「まあ別に1人、2人指輪を奪う相手が増えようが関係ないがな」
「タァッ!」
猪突猛進と言わんばかりに駆け出していくゲキレッドに対して、ゴーカイレッドはゴーカイガンによる銃撃を浴びせようとするも、その銃撃はゴジュウレオンの銃撃に相殺される。
「ゲキワザ!咆咆弾!」
至近距離まで近づいたゲキレッドはゲキタイガーを模した気の一撃をゴーカイレッドに浴びせるも、それをゴーカイサーベルで受け止め、斬り裂く。
「ん?歌?」
そのタイミングでゴジュウレオンはゲキレッドが歌を歌いながら戦っていることに気づいた。
「元居た世界で戦ってた時の感覚でいました。歌は力の源でしたから」
「へぇ。歌は力の源か。・・・いいね!」
なら自分もと言わんばかりにゴジュウレオンも歌いながら戦い始めると、少しずつゴーカイレッドはイライラとしたかのように攻撃が荒くなってくる。
「何戦いの最中に歌ってやがるんだ!」
その歌が重なり合いデュエットになるにつれてゴジュウレオンとゲキレッドの動きがシンクロし出す。それに伴ってゴーカイレッドは少しずつ押され始めた。
「チっ。うるせぇなぁ!!」
【センタイリング!】
【ゴーゴーファイブ!フィニッシュ!!】
ゴーゴーファイブのセンタイリングで必殺技を発動したゴーカイレッドはVモードブレスを装着して強烈な拳の一撃でゲキレッドを殴りつける。その一撃をまともに受けてしまったゲキレッドは変身が解除されてゲキレンジャーのセンタイリングがゴーカイレッドの手に渡ってしまう。
「はぁ・・はぁ・・。流石に疲れたな。今日はここまでにしておいてやるよ。そっちの青い方の指輪もいずれいただくぞ」
そう言い残したゴーカイレッドはこの場を後にすると警戒態勢を解いたゴジュウレオンは変身を解いて、倒れている響に駆け寄る。
「大丈夫かい?」
「えぇ。なんとか」
センタイリングをすべて失い、手元から消えていく銀のテガソードを目にして、響は自分が指輪争奪戦から脱落したことを自覚する。
「あぁ・・。負けちゃったんだ。・・・みんな、ごめん」
「・・・助けてくれてありがとう」
響は自分の世界を、大切な仲間を自分の手で取り戻せるチャンスを失ったことを嘆く。陸王は今の彼女に対してかける言葉はないと察し、ただお礼を言ってその場を後にしたのだった。
次回「新生!超パーリー!」