№1ユニバース 世界と指輪と願い事   作:エルモライト

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今回はある意味ドンモモ以上のサプライズがあるかも


クラスのドン!オニ退治先生!

「また邪魔が入ったか」

 

 倒すべき相手の数が増えたと判断したゴーカイレッドはすぐさま撤退していくと、ドンモモタロウは背後に立っているゴセイレッドに振り返る。

「ましろ、大丈夫か?」

 

「ありがとうございます。鵺野先生。おかげで助かりました」

 

「私からもお礼を言わせてください。ましろさんを助けて下さりありがとうございます!」

 

 変身を解除したましろはドンモモタロウにお礼を告げると、続けてソラもお礼を告げる。するとドンモモタロウも変身を解除して2人に頭を上げるように言ってきた。

「頭を上げてくれ2人とも。俺は先生として生徒を守るため当然のことをしただけだ」

 

「先生?お前何者だ?」

 

 変身を解いたホエルたちはドンモモタロウだった眉毛の長い男に視線を向ける。すると彼はホエルたちへと振り返って自己紹介をしてきた。

「俺は鵺野鳴介。今はましろたち世界の迷い子となった子供たちの先生をしています。以前は地獄先生なんて呼ばれもしてましたが、今はユニバース戦士のドンモモタロウです」

 

 

 

 鳴介に案内される形でホエルたちはある程度の敷地がある小中高一体となった学園へと足を運ぶ。

「この学校はユニバース大戦で帰る場所を失った子供たちのためについ先日設立されたばかりの学校なんだ。来週から開校予定で俺は小学生の担当になるから、ましろの担任ではなくなるが・・・それでも俺が先生であることには変わらない。これからも頼ってくれ」

 

「鵺野先生。ありがとうございます」

 

「ソラはここの寮には住んでいたようだが、学校の手続きはしていないんだな。もし君が望むなら君の手続きをお願いしておくがどうする?もちろん強制はしない。帰る場所を失い、心に傷を負った子供たちは大勢いる。そんな子供たちに強要するのは心の傷を深める可能性があるからな」

 

「またましろさんと学校に通っていいんですか?」

 

「もちろん!」

 

「なら、ぜひお願いします」

 

 ソラも学校に通うこととなると、話を聞いていた竜義が問う。

「鵺野先生。そろそろ我々をここに招いた理由を教えていただきたい」

 

「そうですね。まず第一に、俺が先ほどの戦いの現場にいたのは偶然ではありません。貴方たち『ゴジュウジャー』を連れてきてほしいと『学園長』にお願いされたからです」

 

「ゴジュウジャー?」

 

「ゴジュウジャーの事は後々説明させていただきます。・・・学園長、お連れしました」

 

「入ってくれ」

 

 鳴介が学園長室の扉を開いて入室すると、その正面には60代後半か70前半に見える男性が座っていた。

「待っていたよゴジュウジャー。俺の名は本郷猛。以前は『仮面ライダー』として戦っていたのだが、ユニバース大戦でその力を失い、今は盟友である秘密戦隊ゴレンジャー、アカレンジャーの力を預かっている者だ」

 

「仮面ライダー?また知らない単語が出てきたな」

 

「仮面ライダーっていうのも気になるけど、まずは僕たちをここに呼んだ理由とかユニバース大戦のことを教えてもらえますか?」

 

 本郷猛は陸王の言葉に頷くと、立ち上がって窓の外、グラウンドで遊んでいる生徒たちをみる。

「半年前のある日。今もなお謎が多い『厄災』が突如として様々な世界を襲った。その勢力は凄まじく数多くの世界が歴史と力を失った。最後までスーパー戦隊は厄災の脅威に立ち向かい、最後の戦いの舞台となったのがこのユニバース。巨神テガソードの世界だ。テガソードは厄災を打ち破ったのは良いのだが、世界を失ってもなお生き残った者たちはこの世界に流れ着いた。それが我々というわけだ」

 

「つまりお前らも・・・いわば世界のはぐれものってわけか」

 

「コラ!他にも言い方があるだろう!」

 

 禽二郎に言い方を気を付けるよう注意されたホエルだが、本郷猛は気にしなくてもいいと話を続ける。

「我々ユニバース戦士の力は世界とともに歴史を失ったスーパー戦隊たちが残した力の結晶ともいうべきものなのだが・・・私の知る限りでは君たち『ゴジュウジャー』と呼ばれる戦隊はいなかった。故に君たちが何者かを見定めるため、この場に君たちを呼ばせてもらったわけだ」

 

「それで、実際に私たちを見た感想としてはどうなの?」

 

「まだ君たちは本当の意味で『スーパー戦隊』ではない。という印象といったところか」

 

「そりゃそうだ。まだ出会ったばかりの奴もいるしな」

 

 角乃をチラリと見たホエルは自分たちがまだ戦隊ではないことを肯定する。

「私の知りえるかぎりでは現存する戦隊は君たちゴジュウジャーだけだ。君たちには期待してる。そのことを伝えたかった」

 

 ホエルたちに戦隊としての活躍を期待していることを告げた本郷猛。ホエルたちは期待をされても何をどうすればいいんだと言った表情で学園長室を後にする。

「先ほどからこの学園に通う予定の生徒たちをチラホラと見かけるが、生徒すべてが指輪持ちというわけではないのか」

 

 竜義の言葉に鳴介は頷く。

「はい。ソラも含めるとこの学園に通う予定の人数は301人。その中でもテガソードと契約してセンタイリングを得たのは1クラスに1人いるかいないかといった割合です。とはいえ学園に籍を置く教師は俺も含めて10人ほどいますが、そのうちの5人が指輪持ちですよ」

 

「やっぱりお前も・・・願いは自分たちの世界を取り戻すことなのか?」

 

 ホエルの質問に対して鳴介は敬語を使わずに答える。

「生徒や他の教師たちはそう願っているだろうが・・・俺は違う。俺は霊能力者で人を蘇らせようとしてしまったことがあった。当然それは世の理を捻じ曲げる行為。神に背くようなことをしてしまったことがあったんだ。命あるものはいつか必ず終わりが訪れる。輪廻の輪を外れるわけにはいかないんだ。それがたとえ世界規模で発生した厄災で大切な家族や生徒たちを失ったとしても・・。だから俺はせめて今、この世界の生徒たちだけは守りたいと願った」

 

「あんた・・厄災で家族を・・」

 

「あぁ。妻と息子を失った。生徒も友も同僚も・・・。俺の世界で生き残ったのは俺だけかもしれない。俺の願いは生徒を守る力、もう縁を失わないための強ささ」

 

「その、なんだ。聞きにくいことを聞いて悪かったな」

 

「別にいいが、生徒たちにはこの事はあまり話さないでくれると助かる。せっかくの生徒に嫌われたくはないからな」

 

 生徒に嫌われないように今の話を秘密にしてほしいと頼んでくる鳴介。そんな彼の左手には黒い手袋がつけられていた。

「なんであんた、片手だけ手袋をしてるんだ?」

 

「あぁ。この世界の神ともいえるテガソードに戦いで不利にならないように手は治してもらったんだが・・・俺は左手を失ってたんだ。これはそんな手を隠してた名残りだな」

 

「お前はまた・・」

 

 禽二郎に小突かれたホエルは再び謝るも、鳴介は気にしてないと反応する。

「別に気にしないでくれ。この手は俺がまだ新任の時に失ったもので、かわりのものがあった期間もそれなりに長いんだ。ん?あれは・・・」

 

 鳴介は子供たちが敷地の外へと抜け出していく姿を見かけた。

「う~ん。どうしたものか」

 

「別にいいんじゃないか。子供は風の子元気の子というし、外で遊ぶのはいいことだ」

 

「今はそういうわけにもいかない時代なのよ禽爺。勝手に他人の敷地内に入るのはいけないことだし。もし怪我でもしたら監督不行き届き扱いもされたりするの」

 

「難しい時代になったものだな」

 

「すみません。あの子たちは俺のクラスになる予定の子達なんで、ちょっと見てきますね」

 

 角乃に今の時代の子供の外遊びを説明された禽二郎は難しい時代だと落胆すると、鳴介は子供たちの元へと向かって行った。

「さてと、学園長から話も聞き終わったし・・・僕らも解散しようか」

 

「そうね」

 

 陸王はこの場での解散を提案して、角乃もそれに賛成して各々それぞれ散開しようとすると、ホエルはある匂いを感じ取る。

「ノーワンの匂いだ」

 

 

 

 

 ホエルがノーワンの匂いを感じ取る少し前。ノーワンワールドでは陸王グッズを神棚に並べるブーケとそれを面白そうに眺めているMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークの姿があった。

「ブーケ嬢!俺のキングキャンドルはどうなったんだ?」

 

「あぁ。あれですか。あれに関しては以前よりもアップデートを考えているのでもう少し時間がかかりそうですね」

 

「アップデート。パワーアップしてくれるってことか!いいじゃないか!」

 

「そんなことよりどうですか!この陸王様の神棚は!もう最高でしょ!きゃ~!」

 

 キングキャンドルの改良版を催促しようとしたファイヤキャンドルだったが、ブーケはそっちのけで陸王グッズの神棚を自慢してくる。

「お、おう」

 

「愛ねぇ~」

 

 引き気味になるファイヤキャンドルにその愛を評価するMrs.スイートケーク。するとMr.シャイニングナイフはファイヤキャンドルの肩をポンと叩いて、自身の策のことを話す。

「案ずるな。現在、指輪の戦士が最も多くいると分かっている場所に優秀な部下を出撃させることにした。入ってこい」

 

「フィー・バージャ。いつでも行けます!」

 

「カイ・ゾックだ!ヨホーイ!」

 

「よし。先に向かってくれ」

 

 2人の隊長格アーイー。彼らは自身のロボに乗って、巨神の世界に出撃していくのだった。

「先にってことは・・・もしかして・・」

 

「あぁ。今回は私たちMr.シャイニングナイフと」

 

「Mrs.スイートケークも」

 

「「現地に赴く」」

 

 隊長格アーイーに加えてMr.シャイニングナイフ&Mrs.スイートケークも出撃すると、ファイヤキャンドルは面白そうな顔をする。

「面白いことになりそうじゃんか。おい、デンジス!いるか?」

 

「あいよファイヤキャンドル隊長。このデンジス・パークを呼んだか?」

 

 ファイヤキャンドルはさらに1人隊長格アーイーを呼ぶとその肩を掴む。

「向こうの世界が面白そうなことになりそうだから、俺たちもひと暴れしに行くぞ」

 

「いいぜ隊長。その話、乗ったぜ」

 

 ノリノリで承諾したデンジスとともにファイヤキャンドルも巨神の世界へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

「あんまり敷地の外に出た事ないけれど、こんなところに祠があったんだ」

 

 学園の敷地の外を探索していた子供たちは薄暗い林の中で古びた祠を発見していた。

「こんな場所に祠があるなんてな~」

 

 1人の少年は興味本位で祠に触れてみると、その祠は古びていたのか簡単に壊れてしまったのだった。

「おい!なに壊してんだよ!」

 

「いっけないんだ~」

 

「いやだって、こんな簡単に壊れると思わなくて・・」

 

 容易く壊れてしまうとは考えてなかった少年は祠の中に祀られていたある物に気づく。それは昔の手鏡のようなものが祀られていた。

「何だこれ?鏡?」

 

 錆びついていてもはや人を写すことはなさそうな手鏡。それを手にしようとした瞬間、少年たちに何処からともなく声が聞こえてきた。

「こんなところで、これを手にしようとするとは勇気があるなお前たち」

 

「え?お前らなんか言った?」

 

「いや・・。どっから聞こえたんだ?」

 

「どうやら肝を試すのが好きと見た。よし、お前に決めた」

【肝試し】【勇気】【お化け】【人間】【ナンバーワン】

 

「うわぁぁ!?助け・・・」

 

 祠を壊してしまった少年は声の主に取り込まれてしまい、狐のようなノーワンとなってしまった。

「俺は肝試しナンバーワンノーワン。お前たちの肝も試してやろう」

 

「お、お化けだ。逃げろぉぉぉ~!」

 

 ノーワンをお化けだと思った子供たちはその場から逃げて学園に戻ろうとするも、ノーワンはゆったりと透明になって子供たちの目の前に先回りするように出現した。

「ひぃぃぃいっ!?」

 

「そんなに怯えるなよ。そんなに怯えたら・・・」

 

 ガクブルとノーワンに怯え切った子供の1人は体から白い何かが抜け出て、気を失ってしまう。

「ほら。座ってない肝がぬけちゃったじゃないか」

 

 ノーワンは残る2人の少年少女に迫ろうとしたところに・・・。

「俺の生徒に何をしている!!」

 

 鳴介がやってきた。

「ぬ~べ~!」

 

「ぬ~べ~先生!」

 

「ここでも俺のあだ名は・・・いったい誰が広めたんだ?まあいい。これはいったいどういう状況だ?」

 

 ぬ~べ~というあだ名が広まりつつある明介だったが、今はその事を気にしないことにしてまずは状況を確認する。

「そこにあった祠を壊しちゃったらヒロシがあのお化けに取り込まれちゃって・・・」

 

「ヒロシが・・・か。お前たちはあとでお説教だな」

 

 ヒロシという生徒の名前にピクリと反応した鳴介だったが、生徒たちはあとでお説教をすることにしつつ、今は目の前の相手に集中する。

「妖怪。・・・ではないな。霊力を感じない。お前がノーワンというやつか」

 

「如何にも。俺は人を驚かすことにおいてはノーワンワールドナンバーワンの肝試しノーワンだ」

 

 妖怪の類ではないことを確認した鳴介は本人の説明でノーワンだということを理解すると右手につけているセンタイリングを外して、銀のテガソードを右手に握る。

「宇宙天地與我力量降伏群魔迎来曙光!我が指輪に宿る戦隊の力よ!今こそその力を示せ!エンゲージ!」

【センタイリング!】

【ドンブラザーズ!】

 

「レッツゴー!ナンバーワンバトル!」

 

 応援団の登場とともにノーワンとドンモモタロウへと変身した鳴介が名乗りを上げる。

「うらめしや~。この世の理を外れても、人を驚かすこの愉悦!肝試しノーワン!人を呪わばなんとやら!」

 

「生徒を守るためならば、バリバリ最強ナンバーワン!ドンモモタロウ!俺の生徒に手を出すな!」

 

「ナンバーワンバトル!Ready?Go!」

 

 かくしてドンモモタロウこと鵺野鳴介とノーワンとのナンバーワンバトルが開幕したのだった。

 




次回「この地の生徒を守るため」
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