各サイドから「うわっ来たよ」って言われる第三勢力 作:マコモ兄ちゃん
色んなところを参考にして雑ですが流れるコメント作ったのでお披露目がてら。
なんやかんや来たらなんとかなる感が強い奴 怪人だけ倒しててってくれヒーロー
妖怪祭りばやし
変態
全自動ぶん殴り機
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「うーわ、ワラワラ動画……またアイツの話題で一杯だ。」
ギアを使用する政府公認のギア使い、その本拠地たるビルの休憩室にて、絆創膏やら包帯やらを体に巻き付けた一人の少女、ギア使いコードネーム:スカーレットこと椿シュウが、スマホで大手動画サイトを見ながらつぶやく。
現在彼女が見ているのは、先日彼女が相対したトンボ型の魔獣との戦闘シーンだ。
どこでどう撮られているのかは分からないが、こうして時折ネットに動画が上がることがある。
そこに映るのは、あのトンボに苦戦する自分と、そのトンボを撃破してみせたあの魔人――コードネーム:ヒガンの姿だ。
あのトンボ魔獣は、かなりの強敵だった。スピードとパワーにおいては、スカーレットを完全に上回っていたのだ……そんなトンボを容易く撃破したヒガン。
文面だけ見れば、ヒーローを助けに来たヒーローとして見えるが……現実は違う。
ヒガンはトンボを撃破した途端、お礼を言うために駆け寄ったスカーレットを追いかけ回したのだ。
結果なんとか振り切ることには成功したが、トンボ魔獣との戦いで傷ついた身体にムチを打つこととなり、まぁ一言で言うならば「ふざけんな」と言う感じだ。
「もぉ……なんなのアイツ……」
シュウの口から出るのは、そんな誰もが思っている一言だ……魔人ヒガン。
魔獣やギア使いが戦っている所に現れては、祭りだ祭りだと叫び散らし両者共平等に襲い掛かってくる通り魔。と言うか、別に戦ってなくても湧いてくることがある。
数多くのギア使いが魔獣との戦闘のさなかヒガンに襲われてきた……シュウもその一人だ。
魔獣を撃破した所で天から降り立った魔人ヒガン……彼はあいも変わらず「祭りだ祭りだ」と叫び散らかして襲いかかってきた。
それに対してシュウが迎撃したからか、シュウはヒガンに気に入られたようで、たびたび襲われることになってしまった。迷惑千万この上ないり
「……でも、やっぱ強いな。」
しかし、あーだこーだ言いつつもシュウは、画面に映る魔人の活躍に溜息を漏らす……そう、ヒガンは間違いなく強いのだ。
ただ力や能力に任せた強さではない、プロレスや格ゲーを思わせるその動きには、間違いなく技術の一環があった。
現に、ヒガンはシュウの苦戦したトンボの魔獣を容易く撃破してみせたではないか……
悔しいが、ヒガンの強さが伊達じゃないのはシュウにも分かる……その強さには憧れの念すらも抱いている。だからこそ質が悪いのだが。
シュウが画面の中のヒガンの戦いぶりを食い入るように見ていると、その後ろから静かに迫る影が、シュウへ後ろから声をかけらる。
「シュウ。」
「んっ?……あ、アサギ!」
シュウが振り返り見つけたのは、エメラルドグリーンの髪を持つ少女――シュウと同じギア使い。コードネーム:ターコイズ、
「……こっぴどくやられたみたいだね。」
「まぁ殆ど魔獣にやられた奴だけどね、アサギは?」
「さっき魔獣と交戦してきた所……」
「どうだった?」
「ヒガンに乱入されて一戦交えてきた。」
「……」
さらりと告げるアサギ……シュウは目を細めて唸る。
「楽しかった。」
「聞いてないよ!?」
またさらりと告げるアサギにシュウはツッコミを入れる……アサギは見た目こそクール系な年長者といった雰囲気だが、その実は割と血気盛んで血の気の多い人物だ。
古今東西あらゆるギア使いを探しても、魔獣との戦闘に乱入してきたヒガンと真正面から望んで交戦をして、あまつさえ楽しかったと言える人間なんて、片手の指でも多すぎるほどだ。
「やっぱり、ヒガンとの戦いは血湧き肉が躍る。」
「アサギ……言ってる事あの魔人と変わらないよ?」
「私は間違ったままでいい。」
「何言ってんの君ホントに?」
アサギとは、とどのつまりそう言う人間である。
これで、日本にいるギア使いの中だと最上位に強いのだから……この世界の強者は皆そんな考えを持っているのかと不安になる。シュウは強くなりたいが……ああはなるのはごめんだ。
しかし、まぁ……常に戦いを求めるハングリーさが、アサギやあのヒガンを強くしているのは間違いないだろう。
「……アサギ、怪我が治ったら私とも模擬戦しない?」
「勿論、シュウはこれから実っていくからね……私が育てたい。」
「……なんか言葉選びが気持ちが悪い……」
シュウはアサギのナチュラルな言葉選びの気持ち悪さに軽く引きながらも、また己の強さを高めるべくその拳をぎゅっと握りしめる。
(魔人ヒガン……私は、いつかお前に並ぶほど強くなってみせる。)
―――
「ぶふぇっくしゅ!!!!………誰か俺の噂をしてやがんな。」
とある山奥、小さな荷物を持って歩む一人の青年が、山中に響き渡るような大きなくしゃみを上げる。
燃えるような真っ赤な瞳を持つ灰色の髪を少し伸ばした青年――世間では、魔人ヒガンと呼ばれている男だ。
彼は先ほど、魔獣とギア使いであるターコイズとの
……とは言ったものの、ヒガンの胸は先ほどの祭りでまだ興奮冷めやらぬ状態だった。
「しかし、あの青緑髪の奴との祭りは楽しかったな……そう思わないか?沙羅曼蛇。」
ヒガンが問いかけるようにそうつぶやくと、ヒガンの心臓が呼応するように山吹色に一瞬輝く。ヒガンは愛おしそうに光った痕を撫でる。
そうして少し歩けば、ヒガンはそっと足を止める。
そこにあるのは、石造りの鳥居に、その奥にあるのは既に寂れるどころが崩れかかっている。
御神体も移され完全に人々から忘れ去られた神社だ。
本来であれば立ち寄るのすら憚られるその場所に、ヒガンは何事もないように入る。
それはそうだ。自身の家に入る際に何か思う者が何処にいるものか。
ヒガンは神社の中に入り胡座をかいて、地面に伏せる。そして、また先ほどの祭りに思いにふける……まだまだ興奮は冷めやしない。。
「ふふっ……いや、さっきの祭りは本当に楽しかったな。終わった後の余韻が染みる………だが!その静けさ寂しさも祭りの一興だなァッ!」
ここにもし誰かしらいたならば「何処が静かなんだ」とそう突っ込みされていたのだろう。ワラワラ動画なら赤大文字で画面が埋め尽くされるところだ。
「しかし、俺達の
そう言って人の進歩にしみじみするヒガン……彼が幼い頃には、ギアなんてものはなかった。人の進歩とは素晴らしいものだと実感する。
同時に、自分の役割も終わりに近づいているのだということも……
「……やっぱ、締めの祭りは盛大にやらないとな。」
ヒガン――彼の本当の名は
ずっとずっと昔から、ギアが生まれるはるか前から、魔獣の存在が人々に知れ渡る前から……ずっと魔獣から人々を守るために戦ってきた戦士。その役割を受け継いだ……最後の男である。