魔改造ダガーでC.E世界を駆け抜けたい【完結】   作:萩月輝夜

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第八艦隊合流

ラクスをアスランに渡しその後追撃が来るか…と思われたがラクスが足止め?を行いヴェサリウスはその場を立ち去った。

その後イザーク達が艦隊合流前に襲撃を仕掛けてくるのか…?と思われたがアークエンジェルの戦力が増加していた及びヴェサリウスが深傷を負ったために修理、護衛のため離れた宙域で待機した為攻撃はなくそのまま航海を続けることになった。

 

アークエンジェルと先遣隊の艦艇のブリッジでは安堵の息が漏れ出ていた。

それは同様に避難民達もその艦隊の異様に最初はおもちゃのようだ、と思っていたが近づくに連れその威容が明らかになる。

 

目前に広がるのは地球連合第八艦隊、知将と名高いデュエイン・ハルバートン准将率いる宇宙艦隊でありアークエンジェルをその輪の中に納めようと近づいてくる。

 

「艦回頭百八十度、減速、さらに二十パーセント相対速度合わせ」

 

「しっかし、良いんですかね?メネラオスの横っ面になんか着けて…」

 

アークエンジェルの操舵手を務めるノイマンがぼやく。

 

「提督自ら艦を良くご覧になりたいんでしょうけど。後ほど、閣下自ら此方に御出になるということだし。それに閣下こそこの戦艦とG開発計画の一番の推進者でしたからね」

 

マリューは微笑みながらそう言った。本来であれば此方が呼びつけられるのだが当の本人、ハルバートンが此方に乗り込むということは楽しみでうずうずしているに違いないとマリューは吹き出しそうになる自分を堪えていた。

上官であり恩師、父のような存在がはしゃいでいるのが面白かったからである。

だがそれは仕方がないことだと理解していた。ザフトの攻勢によって押されている地球軍が反撃の一手として作り出した最新鋭の期待の戦力だからだ。

 

「後の事はお願いね?」

 

そう言ってマリューはナタルと共にハルバートンを迎えに行くためにランチ発着場へ向かうのだった。

 

◆ ◆ ◆

 

「艦隊と合流したって言うのにどうしてこんなに忙しいんですか?!」

 

“アストレイ”のコックピットから首を出してキラが口を尖らせるとムウが憮然とした態度で返答した。

 

「不安なんだよ!ちゃんと動かせるようにしとかないとな!」

 

整備班と技術班は総動員で先の先遣隊防衛で出撃したアストレイに不具合が見つかり急ピッチで修理しストライク、ダガーの整備を行っていた。その中には無論エアリスもおり、そっちはそっちで装備の確認を行っている。当然そんなことになればストライクのパイロットであるキラがムウのアストレイのOSを確認なり何なりを行わなくてはいけない。艦隊に合流したのならもっとゆっくりすれば良いじゃないか…と思ったキラだったが完全に宛が外れてしまい、幾ら相手がMSを持っていようと数十隻と数百のMAを有する艦隊規模の軍隊を攻撃してこないだろ…と思っていたが、それに返答したマードックが笑って言う。

 

「第八艦隊って言ってもパイロットどもはひよっ子揃いだよ!何かあったときには嬢ちゃんと大尉が出れるようにしなきゃいかんだろ!」

 

確かに、とキラは思った。

ムウやエアリスほどのナチュラルのパイロットがそこらにゴロゴロ転がっているわけがない。そんなのが転がっていたら今ごろザフトは物量的に敗北をしてしまう。

ムウは“ゼロ”でジンやシグー、Xナンバーを押さえたりしていたし初めて乗ったMSもサポートありきといえ普通に動かしていた。此方も一機押さえるので精一杯だと言うのに…とエアリスに視線を向ける。

 

「………電力配分はこれで、アクチュエーターのアセットの変更をお願いします。新装備のデータ取りもありますから迅速に作業お願いします。」

 

テキパキと指示を出す同い年のナチュラルの少女エアリス。彼女も“規格外”と言って差し支えないだろう。

初戦でジンを撃墜、その後も全滅させXナンバーを一機で相手取り身体にあからさまに負荷が掛かるテールブースターを運用後少し調子が悪くなっていただけで日常生活を送れているのは「可怪しい…」と言わざるを得なかった。

そんな規格外の少女を目で追っていると不意にエアリスと視線が合う。

 

「???」

 

「ッッ!!……そ、そう言えばストライクはあのままで良いんですか…?」

 

書類を確認し顔に掛かった髪をかきあげキラを見て不思議そうに首をかしげた後直ぐ様作業へ戻ったエアリスの仕草にドキリとしたキラは下の大人達に気付かれないように作業に戻り気になったことを問いかけるとムウ達は微妙な表情を浮かべる。

 

「分かっちゃいるんだけどさー…なんかこう態々スペック下げて、ってのもなぁ…」

 

「出来ればあのまま誰か使えないか、なんて思っちゃいますわよね?」

 

その声に一同が驚き上を見上げるとそこにはキャットウォークにいるマリューが飛び降りてくる。

 

「艦長…?」

 

「ちょっと話せる…?ってそんなに疑わないで…ってまぁ無理もないと思うけど」

 

「ああ、いえ…」

 

彼らと作業するストライクから少し離れた場所に立っていた。

 

「私自身少し余裕がなくて…こうやってゆっくり話す機会もなかったわね。その…一度ちゃんとお礼が言いたかったのよ」

 

「え?」

 

「貴方には大変な思いをさせてしまったわ…本当に有り難う」

 

そう言って深々と頭を下げるとキラは顔を赤くしてわたわたと慌てるがそれを顔をあげたマリューがにこりと微笑み掛ける。

 

「いや、そんなっ、艦長…」

 

「口には出さないけどみんな貴方には感謝しているのよ?この艦に乗っているクルー…特にエアリス少尉なんかは“命の恩人”だって」

 

「え?」

 

キラはエアリスの名前が出て驚いた。マリューは優しく笑った後に申し訳なさそうな表情を浮かべていた。

 

「へリオポリスを出た後、貴方をストライクに乗せないように真っ先に動いたのは彼女なの。へリオポリス脱出後、彼女は私たちを責めなかった…強い子よ、あの子は。私たちよりずっと…」

 

「そう、だったんですね…エアリスさんがそんなことを…」

 

「ええ。今ならキラ君は友達と一緒に引き返せる。大人達が引き起こしたこんな戦いからは。こんな状況だから地球に降りても大変かも知れないけど…」

 

マリューは片手をキラに差し出す。キラは未だ戸惑いながら差し出された片手を握り返す。

 

「…頑張ってね」

 

握り返されたマリューの手は優しく柔らかかった。それと同時にキラの脳裏にあることが思い浮かんだ。

 

(僕がこの艦を降りたらエアリスさんは大人に紛れて戦い続ける、人を殺して…?それをずっと背負い続けるんだろうか………アスランとも戦って……殺して、殺されて…?)

 

自分がこの艦を降りた後エアリスがアスランを殺して、逆にアスランがエアリスを殺す…不毛な争いに巻き込まれる尊敬している少女と大切な友人が殺し合う、そんな光景が思い浮かびキラは迷ってしまった。

このままオーブに帰って良いのか、と…。

 

◆ ◆ ◆

 

「へリオポリス崩壊の知らせを聞いたときはもう駄目だと思ったぞ!それがまさかここで会えるとは…」

 

ランチ収容場で大声を響かせているのは長身の髭を蓄えた長身の将校…デュエイン・ハルバートンであり彼が姿を現した瞬間クルー総員が出迎え敬礼をする。

 

「有り難うございます。お久しぶりです閣下!」

 

整列しているクルーからマリューが一歩前に出て嬉しそうに敬礼するとハルバートンが敬礼で返す。

一歩遅れてその隊列から数名の士官が前に出てきた。

 

「ナタル・バジルールであります」

 

「第七機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガであります。」

 

「おお、君がいてくれて助かった」

 

「いえ、さして役に立ちませんで」

 

ハルバートンが労うとムウは苦笑して返答する。

 

「装備開発局第七技術班所属、エアリス・A・レインズブーケ特務少尉であります」

 

白衣を脱いで制帽を被ったエアリスがハルバートンに敬礼して見せる。

 

「なんと…!報告には聞いていたがこんな年若い少女がMSを駆ってザフトと…うーむ…ともあれ君の活躍のお陰で最新鋭機と新造艦を守り抜くことが出来た…有り難う!」

 

「(力強いな…!?)いえ、当然の事をしたまでの事です。閣下」

 

ハルバートンが差し出した手をエアリスは握り返す。少し力が強かったのか顔をしかめそうになったがそこはポーカーフェイスでごまかす。その後ハルバートンの注目は後ろにいるキラ達に向けられ協力してくれた学生達とマリューが説明すると優しげな表情で労う。へリオポリスに住んでいたキラ達の家族は無事にオーブに到着している、と説明を受け喜んでいる。

 

「とんでもない状況の中、良く頑張ってくれたな。私からも礼を言う。…後で時間があればゆっくり話をしてみたいものだな…」

 

その優しげな表情と言葉は本心から出ているものでその姿は原作そのままだった。

エアリスはそれを見てこの地球連合の良心を殺させるわけには行かない、と決意した。

キラ達と分かれマリューと共に艦長室へ向かう。これからある意味での取り調べ的なモノが待っているのだろうと続くように後に着いていく。

 

ただ、その際通りかかったキラの表情が晴れていないことに少しだけ気がかりだった。

 

◆ ◆ ◆

 

「“ツィーグラー”、“ガモフ”合流いたしました。」

 

「発見されていないな?」

 

「あの位置ならば問題ないでしょう。艦隊は大分下に降りていますので」

 

ヴェサリウスの正面スクリーンに最大望遠で見える第八艦隊と合流したアークエンジェルが映し出されている。

その光景を見てクルーゼは顎を擦る。

 

「ふむ…このまま月基地へ向かうものかと思ったが地球軍本部へ降ろす算段とはな…」

 

「目標はアラスカ、ですか…」

 

経路を試算して出た答え、それは降下先が地球連合軍本部最高司令部アラスカへ向かうと言うものだ。

そこで残った新造艦とストライク、そしてダガーと呼ばれた機体のデータを運び入れて量産を目指すものだという当然の帰結になるだろう。

 

「…なんとか此方の庭にいる内に沈めたいものだが…どうかな?」

 

不敵な笑みを浮かべるクルーゼに冷静に持つ手札を確認するように答える。

 

「“ツィーグラー”にジンが六機、此方のヴェサリウスはアスランのイージス含めジンが四機の計五機。そして“ガモフ”にはデュエル、バスターにブリッツとジンが三機の計六機…それと」

 

アデスはそこで言葉を区切りクルーゼを見る。

 

「隊長用に送られてきた機体を含め計十八機…出られます」

 

アデスはそこで万全の態勢です、とは言わなかった。ラクスをプラントに送る最中ガモフを使ってアークエンジェルに奇襲を仕掛けようと画策したが相手は戦力が消耗したとはいえ小規模な艦隊を作れるほどの戦力を持ちかつ先のへリオポリス襲撃時に奪ったG兵器をたった一機のMSに扱いが慣れていなかったとは言え手玉に取られてしまった経験がある。それにストライクとデータにない新たな緑色の機体が現れたことでそれは取り止められた。

 

藪をつつけば蛇が出る…状況を見極めなければ此方が食われかねない相手にアデスは今がその機会だと、持ちうる手札では今が最高のタイミングだと考えていた。それはクルーゼも同じことだった。

 

「これだけあれば第八艦隊を落とすのは容易い磐石な布陣だな。(“第八艦隊”を落とすには。だが)」

 

クルーゼは心の中で付け加える。

 

「存分にイザーク達を暴れさせましょう。デュエルは追加装備を持たせましたからね。隊長の機体も急ピッチで調整中です。“彗星の魔女”ここで決着を着けましょう」

 

アデスはさんざん煮え湯を飲まされてきた相手を落とせる、と息巻いて目が鋭くなる。その反応を見てクルーゼは当然だな…と思っていた。彼はコーディネイターであることに誇りを持ちクルーゼ隊の艦長を任せられている男だ。当然だろう。

 

クルーゼは送られてきた“増援”の機体を調整するために格納庫へ向かう。

彼の目標は今“彗星の魔女”を落とすために全力を尽くすことだった。エアリスからムウと同じ()()()()()()()()を感じ取ったために…。

 

◆ ◆ ◆

 

「オーブのへリオポリスは復旧まで数年…一機のGと試験評価の機体、そして新造艦を守りきるには些か被害が大きかったのではないか?」

 

艦長室にてハルバートンの隣には副官であるホフマン大佐が嫌みったらしくマリュー達を見てそう告げる。

反論のしようもない言葉にマリュー達は佇まいを正して言葉を聞いているとハルバートンがフォローの言葉を掛けた。

 

「だが、彼女達がストライクとダガー、そしてアークエンジェルを守りきったことは何れ地球軍の利となる。些細な問題だ」

 

「アラスカはそうは思っていないようですが?」

 

「地上にいる連中が宇宙での戦いの何が分かる!要らぬものに資金を使い余計な軍閥戦争をして現場で散っている兵士の事など考えていない土竜どもにはな!」

 

(ハルバートン提督めっちゃアラスカの連中嫌ってるじゃん…大変だな)

 

ハルバートンとホフマンがバチバチに言い争っているその光景にエアリスは「大変だなー」と他人事のように見ているがマリューは気が気ではない。

 

「ラミアス大尉とハベンナー少佐は私の意思を理解してくれたのだ!問題にせねばならぬことはなにもない!」

 

ハベンナー少佐、というのはエアリスの直属の上司でありへリオポリスの騒動で死亡してしまったXナンバーが装備するビーム兵器全般の小型携帯技術を開発した人物でありそれの補助をしていたのがエアリス…ということらしい。

ハルバートンは「惜しい人物を亡くしてしまった…」と呟く。

 

ハルバートンがここに来るまでの行動を容認すると告げたことでラミアス達は報われたことだろう。

実際にエアリスもそう言って貰ったことで心情的にスッとしている。が、次の言葉に少しだけムッとした。

 

「…左様ですか。ですと次にコーディネイターのこの少年は…不問ですかな?」

 

ホフマンが含みを持たせた言葉で言う。それに対してマリューが決然とした態度で報告する。

 

「キラ・ヤマト君は友人達を守りたい、ただその想いだけでストライクに乗ってくれたのです。無論我々も無力ではありませんでしたが彼に救われる場面も多々ありました。…ですが成り行きとは言え同胞であるコーディネイターと戦う、ということは非常に苦しんでいました…誠実で優しい子です。信頼で報いるべきだと小官は思います。」

 

「しかし、そのまま解放するわけには…」

 

ホフマンが反論する、と流れ通りナタルが「キラを解放せずに戦わせる」と被せて言った。彼女の言い分も分からなくない「キラはストライクの事を知りすぎている」というのは事実ではあるがそれをハルバートンが一蹴する。もし仮にキラがザフトに情報をリークしたとしても既に似たような情報はGを奪われている以上知れている。それは口実にすぎないと分かっていた。ナタルが動揺し「しかし」と言葉を紡ぐ。

 

「彼の力は貴重です!出来れば我が軍の力とするべきです!」

 

「ラミアス大尉の話だと彼にその気はないようだが?」

 

「彼の両親はナチュラルです。へリオポリス脱出後地球にいると言うことで彼の両親を“保護”することが出来れば…」

 

「ふざけるなッッ!!」

 

それ以上の言葉をナタルが紡ぐ前にその言葉にエアリスの何かが切れて遮る。

ハルバートンがデスクを叩く前に艦長室にエアリスの怒声が響き渡った事にマリューもムウも感情が薄く普段怒った彼女を見たことがないが今の彼女は大の大人が見ても恐怖を感じるものであった。

ホフマンは少し及び腰になりハルバートンも目を丸くしてる。

その怒気をぶつけられたナタルは自分よりも年下の少女に竦み上がった。

 

「キラ君の両親を人質に?…ずいぶんと巫山戯たことを言うんですねバジルール少尉。」

 

「わ、私は…」

 

エアリスの碧眼がナタルを射貫きながら淡々と冷静に問い詰める。

 

「じゃあ例題です。今協力してくれている学生達がキラ君と同じようにMSが扱える超優秀な“ナチュラル”として同じことを言えますか?『君たちの両親を人質にとった。返してほしかったら敵を殺せ』って言えますか?コーディネイターだから、って理由でキラ君にはそう言えてナチュラルの彼らには同じことが言えない、なんて言いませんよね?バジルール少尉?」

 

「………」

 

黙ってしまったナタルを見てハッとしたマリューがエアリスを諌める。

 

「…レインズブーケ少尉!バジルール少尉!閣下の前です。下がりなさい」

 

「し、失礼しましたッ!」

 

少しだけ不機嫌な顔でナタルを見つめるエアリス。

 

「(ナタルさん本当にそういうことを言う…まぁ“軍人”としてならそれが正しいんだろうけど…まぁ良いか)…失礼しました。不快な場面をお見せして申し訳ございません。准将、大佐」

 

謝罪し同じく下がる。

それを見たハルバートンは呆気に取られていたが少し口角をあげていたのを見逃さなかった。

一瞬の間が空いたときにエアリスはふと思い出す。

 

(そう言えばアストレイの処遇ってどうなるんだろう…オーブに返却するのかな…うーん折角調整してムウさんが運用してるし返すの勿体ないんだよね…)

 

その事に関してはマリュー達が資料に纏めていて報告が上がっている筈だ。実際にハルバートンの前の机にクリップ留めされた書類が目の前にある。

 

「僭越ですが閣下。我々技術班から報告が上がっていると思いますが“アストレイ”と呼ばれる機体に関してなのですが…」

 

「うぅむ…それに関してだが大西洋連邦上層部から通達があった。あれは此方で使用しても構わない、とのことだ」

 

「はい…?」

 

此方でアストレイを使用しても構わない?一応あれは此方の技術を盗用している物的証拠なのだが逆に“此方に使わせる”とはどう言うことなのか?とその事にマリューとエアリスは頭に疑問符を付けたが合点がいく“理由”があった。

 

「オーブのサハク家と大西洋連邦上層部が“話し合い”をして向こうの言い分ではへリオポリスでの戦闘が発生し人が住めずに物理的損壊が出たその此方からの“補填”という名目だ。」

 

即ち向こうは“島がドンパチ賑やかにしやがって…人住めなくなったから賠償しろや?あ、アストレイ使ってデータ頂戴?そしたらちょっとで勘弁してやるわ”ということだろう。引き換え、取引なのだろう。

向こうもMSの重要性を理解した上で開発したのだから…が、OSが無くて動かせない。只の的…案山子ですな状態になっている訳だ。

 

「そのアストレイで戦闘データを取って送れとのことだ。まぁ上も只では転ばないようで盗用を見逃す代わりに大西洋連邦上層部的は条件としてモルゲンレーテの幾つかの技術とアストレイの戦闘データを貰う…と言うことだがPS装甲未搭載でミラージュコロイドのような特殊機能もない。性能はストライクに劣る我が軍のデットコピー…然したる問題でもあるまい。機体は後程返却する手筈になっている。」

全ては出来レース、と言うわけだ。サハクは想像していたよりも狡猾のようだ、とエアリスは思った。

 

(そう言うけどアストレイの性能…って言ってもあれはパイロットがおかしな連中ばかりで後半完全にスーパーロボットみたいになるけど…まぁ大丈夫か、な?)

 

少し不安になるが今は無視することにした。関わることもないだろうし。と

データを流出しないようにしなければ、と決意しているとハルバートンは立ち上がった。

 

「まぁ、過去の事は良い…問題はその後なのだ」

 

トーンが落ち厳粛な声色に変わったのを感じ取ったマリューが伺うように見るとその口から告げられた言葉はエアリスが想像した、道筋に通った言葉であった。

 

「“アークエンジェル”は人員配置変更後このままアラスカに降りて貰う。」

 

◆ ◆ ◆

 

一方その頃コーネリアス級から搬入された物資をチェックリストと共に確認していると現物を確認しマードックはすっとんきょうな声を上げた。

その声になんだなんだと整備をしていた兵士達が群がってくる。

 

「こいつぁ…!」

 

チェックリストの中には当然ながら戦闘で使用する”兵器”もあるわけであり現物を確認して目を丸くする。

搬入されてきた其はMA…いや“戦闘機”とストライクやダガーが装備する【ストライカー】が運び込まれる。

 

「スカイグラスパー二機と、試製空力制御ストライカーともう一つ…って二つは大気圏内用の機体と装備じゃねぇかよ!」

 

辿り着いた安息の地から大天使は未だその翼は休まることを知らず大きく羽ばたく。

戦場は宇宙から“地上”へ………移り変わろうとしていた。

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