魔改造ダガーでC.E世界を駆け抜けたい【完結】   作:萩月輝夜

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この前後編はエアリスが殆ど活躍しない…!

それではどうぞ!


泡沫の夢

「ほら」

 

カガリはザフト兵士から差し出された固形食料とカップをまじまじと見て受け取ろうとしないのを見て足元に置いた。

 

「……」

 

「自分のパックが流されたんだろ?食わないと持たないぞ」

 

少年は踵を返し自分の分のカップに口付けて一息吐いた後に洞窟の外を見る。

 

「電波の状況が酷い。今夜はここで一晩過ごすことになるな」

 

乾いている落木を拾い集め焚き火を行い岩場へ腰かける。

差し出された食料もカガリが身をくるんでいる毛布も今目の前に居るザフトの兵士である少年に提供されたものでありずぶ濡れになったカガリの衣服は簡易的なハンガーに吊るされ乾かされている。

 

「…電波の状況が悪いのはお前らのせいじゃないか」

 

カガリは口を尖らせて指摘した。

一応捕虜の筈なのだが手足も縛られずに何かと此方の世話を焼いてくる兵士の厚意に素直に受け入れることが出来ずに敵意を隠すこと無く向けていた。

 

「…先に攻撃を仕掛けてきたのは地球軍だ」

 

呟くように彼が発した一言は正論でありカガリは押し黙ってしまう。

そもそもカガリが地球軍の肩を持つ必要は全く無いのだがエアリス達と行動を共にしていたせいか視点が地球軍の方によってしまっていたことに気付かされ少し座りが悪い。

 

「食わないのか?ザフトのものでも食料は食料だ。なに、毒なんて入っていない」

 

「…あっ」

 

ぐぅ~、と音が洞窟内に響く。睨み付けていた視線は「敵の施しなど受けるか!」と反逆の意思を秘めていたのだが間の抜けた音が少年に聞こえてしまった、いや聞こえて欲しくなかったがそうは行かなかった。

 

「ぷっ、ふふふっ」

 

カガリは顔を真っ赤にして口元を急いでカップと携帯食料で隠すと少年は此方を見て小さく笑みを浮かべているのが腹立たしいが彼の言うことも一理あったし「腹が減っては戦は出来ぬ」という言葉もあるのでバリバリとパックを破り食料に口をつける。

ふと顔を上げると黒髪の少年は洞窟の外の星空を見上げていた。

その画角にはコーディネイターの整った少し幼さも残る端正な顔立ちと膝をついて灰鉄色になっているモビルスーツがソコにおり不思議とその画面に目を奪われていると焚き火が小さくなっていたのか少年が小さな枝を放り投げるとパチリ、と火が爆ぜる。

 

「わ、私を縛っておかなくて良いのかよ」

 

「え?」

 

少年は驚くような声を上げるとカガリはその顔を睨み付ける。

 

「隙を見て銃を奪えば形勢は逆転するぞ。そうなったらお前…バカみたいだからなっ」

 

自分の言葉に堪えられなくなったようで吹き出してしまう。

 

「な、何で笑うんだよっ」

 

「いや、懲りないやつだなってさ」

 

と少年は笑っていたが不意にカガリから視線をそらし思わず冷たささえ感じさせる声色で呟く。

 

「…そんなことになった俺は君を殺すしかなくなる。止めてくれ」

 

カガリはハッとして黙り込む。少年は言葉を続けた。

 

「だからよせよ。そんなことは…ここでも”ヘリオポリス”でも折角拾った助かった命だろ?」

 

「ふんっ、ザフトの兵士に心配されるとは思わなかったよっ」

 

「…俺たちだって”ヘリオポリス”があんなことになるとは思っていなかったんだ。”モルゲンレーテ”が開発したとされるモビルスーツを奪えればそれで…」

 

「何を今さら!どう言おうがコロニーを攻撃して数年は人が住めなくなる環境を作ったのはお前達ザフトだろう!?」

 

「中立と言っておきながら連合と手を組んであんなモノを”ヘリオポリス”で造っていたのは事実だ」

 

そう言われてカガリはグッと押し黙ってしまった。

 

「俺たちは”プラント”を守るために戦っているんだ。あんなモノを見逃すわけには行かない」

 

「そ、それだって地球も同じだ!私たちだってお前達が地球を攻めてくるから地球をめちゃくちゃにして大勢死んだんだぞ…!」

 

カガリは必死に反論したのはここで彼の言葉を認めてしまえば砂漠で散っていった戦友達に申し訳が立たなくなってしまうと感じ取った…しかし彼が発した言葉はカガリの言葉を遮るには十分すぎた

 

「…俺の母は”ユニウスセブン”に居た…」

 

”ユニウスセブン”その名前はカガリも知っている。この戦乱の泥沼を作り出した起点であり悲劇の地…”血のバレンタイン”…

 

「ただの農業プラントだった…!なんの罪もない人たちが一瞬で死んだんだぞ…子供まで…それで黙っていられるか!?」

 

「私の友達だって…!」

 

痛みに満ちた少年の悲痛な叫びにカガリは反論しようとしたがエアリスの言葉を思い出し詰まってしまう。

 

『人類は“争い”をしないという選択肢を取れずに。血反吐を吐き続けるマラソンを繰り返す…』

 

『それなら…両方とも滅んだ方がいいかもしれません』

 

「いや、ごめん…」

 

憎んでは憎まれ武器を手に取る。

今の状況はナチュラルのカガリとコーディネイターの少年…ここで言い争いの果てに”死”が待っているのを。

憎しみの連鎖を”誰か”が食い止めなければならない。

 

「いや…もう、止めよう。こんなところで言い争っていたとしても何の問題も解決しない」

 

カガリは自分で言い出そうとしたが少年から先に告げられてしまい少し悔しい思いをして毛布を纏い抱き締めたまま洞窟の入り口に立ち”イージス”を見上げる。

このモビルスーツが生み出された経緯に深く関わっている。

だからこそこれらのモビルスーツが作られた経緯を知れば知るほどどの陣営が悪いなどと言えないし知り合ったエアリスの言葉がカガリの良心を苛んでいく。

どちらかが善でどちらかが悪である、そう断言できずそれがカガリの真っ直ぐな性格にして見れば居心地が悪いのだ。

今目の前にいる少年も故郷や家族、知り合いを守るためにその手に銃を取り自分達の自由を侵害しようとする敵と戦っているのだ。自分とそう年の変わらない年代がだ。

お前が悪い、あんたが悪い、と断じることが出来れば何れ程に楽であろう、とそう言って目を逸らしたくなるくらいには潔すぎる性格だが国家の重要なポジションにいる親を持つ彼女はそれを許されない。

 

洞窟の入り口から溜め息を吐いて戻ろうとするとザフトの若い兵士は壁にもたれ掛かり目を閉じようとしていたその光景に思わず焦った声を出した。

 

「お、おいっ!寝ちゃう気かよ?!」

 

兵士は目を開けてカガリを見る。

 

「え、あ、あぁ…まさか寝ちゃいないさ…ただ、降下して直ぐ、移動で…」

 

しかしその言葉尻はだんだんと小さくなっていき少年は頭をカクリ、と落としその口元からは寝息が漏れ出していた。

 

「おいぃ!」

 

敵を前にして眠りこけてしまった少年の無防備な横顔を見て思わず叫んでしまうが本格的に寝てしまったらしく反応がないのを見るとカガリは溜め息を吐いた。

 

「敵を前にして寝るなよ…」

 

お前など脅威ではない、と言われているようで少しムカついたカガリだったがあどけない年齢相当の寝顔に視線を留めていたが不意に腰のホルスターへ視線が誘導されていた。

自分が見ていたものに気がついてハッと目を逸らした。

 

「へんなやつ…」

 

焚き火の向こう側に座るために移動し腰を降ろす。

目の前には寝息を立てて壁へもたれ掛かる少年を見てそんな感想を漏らしたのは出会ったときはナイフを振りかざし機械みたいな奴だな、と思っていたのに縛りもせずに放っておくのは侮られているからか?いや、信頼されている…と考えたところでカガリは怖くなって頭を振ってその考えを放り出した。

 

「……」

 

視界には嫌でも”イージス”の姿が入ってくる。

平和に暮らしていた”ヘリオポリス”の住人達は突如として宇宙空間を救命艇に揺られながら破壊され行く”居場所”を見送らねばならなくなり砂漠では友達が人間が虫を潰すようにモビルスーツが人間を踏み潰す…宙を舞う足が逆方向に曲がっている少年の身体…失うにはあまりにも若すぎる命を目の当たりにした。

 

”敵”だ。今目の前にいるザフトのパイロットスーツを着用した少年はそんな状況を作り出した陣営の兵士なのだ…と割りきれればそこまでだったのだがカガリの意思が少しだけ変わろうとしていた。

 

「…風邪引くぞ」

 

カガリは立ち上がり毛布を脱いで寝ている兵士に掛けようとして接近するが気がついていない。

よほど疲れているのだろうがあくまで敵である自分を放っておくのはどうなのだ?と苦笑しつつしゃがみ毛布を掛けようとしたそのときだ。

 

「…ッ」

 

視界に再び腰の銃が入ったホルスターが入る。

そーっとそのホルスターへ手を伸ばそうとするカガリの脳内でリフレインしたのは彼の言葉、「…そんなことになったら俺は君を殺すしかなくなる」と。

 

目を覚ませ…覚ましてくれ…

 

カガリはそんなことを考えながら少年がこのタイミングで目を開いてくれることを祈った。

そうすれば作り笑いで誤魔化すことが出来る。お互いに敵味方の境界が曖昧な不思議と居心地が良い時間に戻れる…と思ったそのときだった。

焚き火の薪がパチリ、と音を立てて爆ぜたのだ。

カガリはびくり、と身をすくませその瞬間にパチリと少年が目を開く

 

「ッ!?」

 

カガリはホルスターから銃を奪い取り手にしていた毛布を放り投げ被らせる。

 

「お前ッ!?」

 

兵士は声を荒げさせ持っていたナイフを取りだし構える。

 

「ご、ごめんッお前を撃つ気はないっ…でもっ!」

 

カガリは震える手で銃を握りしめながら泣き出しそうな顔で喚いた。

 

「あれはまた地球を攻撃するんだろ!?」

 

カガリの言葉を聞き少年の顔に少し動揺が見える。彼自身もカガリとの出会いに親しみすら感じていたからだ。

 

「あのモビルスーツを作ったわた、…オーブが悪いのは分かっている!でもあのモビルスーツは地球の沢山の人達を殺すんだろっ!?」

 

カガリには今この機体をどうにかしなくては…!ということで頭が一杯だった。

 

「…そのモビルスーツの兄弟機だってザフトの兵士を沢山殺している。連合の機体だって同じだ」

 

「…ッ!」

 

事実を突きつけられカガリは動揺してしまう。兵士は知ってか知らずか先ほどの動揺は消え去り少しして静かな声で呟いた。

 

「…だがその機体の引き金を引いているのは俺だ」

 

淡々と続ける。

 

「俺はザフトのパイロットだ。機体を害されるわけには行かない。…それでもやるというのなら…俺はお前を殺す」

 

先程の穏やかな空気はなくなり肌がひりつく程の殺気を放つザフトの兵士はナイフを此方に向け害そうとする此方を殺そうとしている。

その殺気がカガリが握る拳銃に冷たい汗を滑らせる。

殺す…そんなつもりで彼女は銃を奪ったわけではなく破壊を生み出すモビルスーツを破壊する手段を得ようとしただけだったのに…!

 

彼女は幼かった。それをすればどのような結果を生み出すのか想像できなかった”子供”なのだ。

例え銃を上手く奪えたとしてもモビルスーツのパイロットである彼が戦いを止めるわけがない。別の機体に乗り換えて連合の兵士を、自分達を害する敵と戦うだけなのだ。

本当に戦いを止めさせるには本当の意味で”息の根を止めるしかない”…これが”敵”と言う立場なのだ。

 

『やはり、どちらかが滅びなくてはならないのかねぇ…?』

 

敵の言葉を思い起こされる。

 

殺さなくてはならない。自分の意思を通すためには他人の自由を害さなくてはならないのだと事実が突きつけられカガリは吐きそうになる…銃を握る手に力が込められたが次の瞬間には銃を力一杯投げ捨てていた。

 

「くっそぉぉッ!!」

 

その行動に兵士は目を見開いて飛びかかってくる。

銃が地面へ落下すると同時に押し倒され洞窟内に凄まじい反響が鳴り響き一拍おいてカガリは状況を悟った。

投げ捨てた銃が暴発したのだと。

 

「馬鹿野郎ッ!オープンボルトの銃を投げ捨てる奴があるかッ!!」

 

「ご、ごめん…」

 

「全く…どういう奴なんだよお前は…」

 

「いや、だからその…あっ」

 

カガリがモゾモゾと口のなかで呟くと視界には覆い被さっているザフト兵士のパイロットスーツが裂けてそこから血が滲み出していることに気がついたのだ。

 

「それッ…今ので…!」

 

「ああ、大した怪我じゃない」

 

「手当てしなくちゃッ」

 

「気にしなくて良い」

 

「わ、私がやるッ」

 

投げ捨てた銃が暴発し跳弾した弾がかすったのだろう…怪我をさせてしまった負い目を感じてカガリは手当てをしようとしていた兵士からメディカルキットを奪い取る。

 

「自分でやる」

 

「やるってばッ!」

 

「いいから…」

 

「いいからやらせろよぉ!!」

 

ふんだくったメディカルキットを抱き締め涙の溜まった目で少年を睨み付ける

 

「このまんまじゃお前に借りを作らせっぱなしになるだろッ!少しは返させろ!」

 

自分で傷つけておいて治療させろ…そして逆ギレしていることに自分でも混乱して泣いている自分が情けなくなっているがそんなことを指摘してくれる人はおらずカガリは少年を睨み付ける。

その行動に少年は苦笑してカガリを見た後に顔を赤くして視線を逸らす。

 

「…その前に服、着てくれないか?」

 

「…え?」

 

そう言われカガリは今自分がアンダー姿でいることを指摘されたことで気がついてキットを抱き締めたまま顔を真っ赤にして座り込んだ。

 

「あ、あぅ…み、みるなぁ!!」

 

「だ、だから見ていない…」

 

少年はそっぽを向いたまま上ずった声で指摘する。

 

「多分だがもう服、乾いていると思うぞ」

 

そう指差すと焚き火を前に干されたカガリの服は既に乾いていた。

慌てて服を着用していく姿を見て少年は苦笑した。おかしな奴だと思い同時にカガリも少年を見ておかしな奴、だと思った。

殺すと言った相手を庇って怪我をして治療するといったときに女の子の下着姿ぐらいでオロオロしている。

両者の認識は「おかしい奴」であった。

 

「…ん」

 

治療を終えて二人は微睡みの中に居たが規則正しくなり続ける鳥の声…ではなく電子音であることに気がつきハッと目を覚ました少年は洞窟から飛び出して”イージス”のコックピットに潜り込む。

先程の電子音は通信機が呼び立てる音だった。無線機のスイッチを入れる。

 

<…ラン、アス、ラ…聞こえ…応答…>

 

「ニコルか!?」

 

<アスラン!良かった今電波を拾ってー>

 

「どうしたんだー?」

 

少女の声にアスランはコックピットの外へ目を向けると寝ぼけ眼のカガリが洞窟から出てきて問いかけてきている

 

「無線が回復した!」

 

アスランが叫び返すとすぐさま別のアラートがなっていることに気がつく。

沖に投下したブイが海中から接近するナニかを捉えラダーを伝いカガリの元へ降りる。

 

「此方は救援が来る。他にも海からナニか来る。お前の機体がある方向からだ」

 

「えっ…?」

 

カガリは不安そうに肩透かしに背後を見た。

 

「俺は”イージス(こいつ)”を隠さなくちゃならない…こんなところで戦闘になりたくないからな」

 

「ん…私も機体のところに戻るよ。どっか隠れて様子を見る」

 

”イージス”を見上げて二人の視線が交わる。両者の表情にはぎこちない笑みが浮かんでおりお互いの立場を思い出していた。

 

「それじゃ…」

 

「おまえ!地球軍じゃないんだな!?」

 

「ちーがーう!」

 

少年の問いかけにカガリは声を張って応じる。

子供っぽい返事に少年は笑い掛け不意に幼馴染みの姿が現れ表情が凍りそうになったがカガリが声を上げる。

 

「カガリだ!おまえは!?」

 

驚いて顔を上げると少女はさっきの場所に未だ立っており少年を見ていた。

カガリ、それがこの島で一日とは言え一緒に過ごしたと言うのに名乗り合うことすらしなかった。

少女はまるで物語に出てくるお姫様のようだな、と思った。

魔法が解け互いに元いる陣営に戻っていくのだ…が、今目の前にいる少女はお姫様なんて似合わないがさつで乱暴で…それでいて他人を気にかける優しい女の子だ。

少年は名残惜しくなってカガリに自分の名前を覚えていて欲しくて告げるのだ。

 

「アスラン!」

 

彼が答えるとカガリは頷いて反対方向へ歩いていく。

アスランはその後ろ姿を暫し見送る。まるで昨日のことがぼやけて甘い切ない印象で現実味が無かったのに彼女の名前を聞いて現実なのだと彼女の名前を聞いて覚えて良かったなとアスランは思った。

 

「カガリ、か…」

 

アスランは昨日の出来事を忘れぬように彼女の名前を心に刻んでおこう、そう思いもう一度呟いたのだった。

 

◆ ◆ ◆

 

一方。

早朝、”アークエンジェル”から発艦した”スカイグラスパー”と”ダガー”。

 

<救難信号?エアリス、見つけたぞ!そこからかなり近い!>

 

「了解!向かいます」

 

ムウからの通信を受け取ったエアリスは通信を返しカガリが乗っていた”スカイグラスパー”から発せられる救難信号を確認し小島へ向かう。

 

「あっ!あの機体…エアリスだな!おーい!!」

 

”ソリッドダガー”が海水を掻き分け海中から顔を出すと砂浜には座礁した”スカイグラスパー”と無事なカガリの姿がモニターに映り安堵の息を漏らす。

 

(あの表情なら無事にアスランとであったみたいだね…良かった。)

 

”ソリッドダガー”のモニターに映るのは”イージス”の機体反応もあったので確信していた。

笑みを浮かべるカガリの姿に安堵すると同時に呆れの感情も出てしまうが無事なことに自分で仕掛けた”出会い”であったとしても張詰めていた緊張の糸が緩んだ気がしたと同時にこれから起こることを想像してその緩んだ表情の口元をキツく結んだ。

 

(こっちがインド洋を横断する際に既にアスラン達の部隊が追ってきている…この無人島のイベントで向こうもカガリが”アークエンジェル”の関係者じゃないかってね…)

 

遅かれ早かれアスランは”アークエンジェル”に追撃するために予測航路に見当を付けてくる。

たまたまカガリの件が起点となっているのかも知れないが。

 

(それにオーブに寄らないとバルトフェルドさんとカガリ達を降ろさないと…最悪、”お父様”のお力を借りるしかないかな…)

 

エアリスは父の事を思い出し少しげんなりする。

家族仲が悪いわけではなく…向こうが興味がない、と言った方が良いのかもしれない。

それでも不自由無く生活させてくれたのは感謝しているがこの身体の持ち主は両親のことが苦手だった。

 

そんなことを考え溜め息を吐いているとモニター越しに駆け寄ってくるカガリの無邪気な笑みを見てなんとも言えない表情になり固かった感情を解されていくのを感じ取った。

 

(カガリ、いろんな人に怒られるんだろうなぁ…)

 

カガリの此れからの苦難を想像しやはり苦笑いを浮かべるしかなかった。

しかしそんなことすら感じさせない彼女の清々しい笑みは地平線を昇ろうとする太陽のようにきらやかで気持ちの良いものだった。

 

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