魔改造ダガーでC.E世界を駆け抜けたい【完結】   作:萩月輝夜

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オーブ編突入…!
コメント高評価有り難うございます…!

※6/26一部文章追加しています。


【オーブ】編
平和の国


カガリが無事に救出された。

その事に関してカガリが無事に戻ってきたことに喜んだ。しかし、不時着した”スカイグラスパー”二号機の姿を見たマードックから一時間以上説教されキサカからは無言の叱責を受けたカガリは泣きそうになったが生還を喜んでくれたのはキラとエアリスの二名だけでありカガリからしてみれば二人は既に入れ込むぐらいには親しくなっていた。

 

一方、”アークエンジェル”格納庫。

 

「曹長、整備終わったので電圧系の確認お願いします」

 

「もう直しちまったのか?やっぱりはえーな嬢ちゃん。パイロットやめて整備兵に転向したらいいんじゃねえか?」

 

茶化すようにマードックがエアリスに問いかけると苦笑いを浮かべる。

 

「…弄るのも好きですけど機体を動かしているのが好きなんで今の立場がちょうど良いですよ」

 

「まぁ技術士官としての仕事もあるしなぁ…仕方ねぇよな」

 

「ええ」

 

出撃を許可した、と言う罪悪感?からエアリスは自ら整備を買って出て”スカイグラスパー”を修繕していた。

マードックとの雑談の後エアリスは自らの機体の戦闘ログを精査してOSの向上に務めようとしたその時だった。

 

<総員第一種戦闘配備!総員第一種戦闘配備!各員は持ち場に…>

 

その瞬間に追ってきた”敵”の姿を思い出し苦い顔を浮かべる。

 

「(やっぱり追ってきた…!)曹長!」

 

「おうよ!戦闘準備急げー!」

 

マードックに指示を出すと同時に”ダガー”へ走り出す。

艦内に警報が鳴り響いていた。

 

”アークエンジェル”へ襲撃を仕掛けてきたのエアリスの想像通り”デュエル”、”バスター””ブリッツ””イージス”のXナンバー…ザフトの”ザラ隊”だった。

 

「おいおい…!また装備が変わって…”ゴーグル付き”は空中戦まで出来るのかよ!?」

 

「遠路遙々追ってこなくても良いでしょ!しつこい男は嫌われるよ!?」

 

発艦しジェットストライカーを装備した”ダガー”が空中を自由に舞いながらSFS(サブフライトシステム)”グゥル”に乗りながら飛び回って”アークエンジェル”と”ダガー”達を包囲し攻撃を仕掛ける”バスター”の超高インパルス狙撃ライフルが艦体を掠めビリビリと震える。

周囲の海域は小島が点在し日の光が海面を照り返し青く輝いている和な風景であったが死闘が繰り広げられる。

”Xナンバー”の持つ武装の数々に次第に”アークエンジェル”が追い込まれているのが見て取れた。

既に白亜の艦体からは黒い煙が上がって武装も一部破壊されてしまっており美しい見た目は見る影もない。

発艦しているバーストストライカーを装備した”スカイグラスパー”一号機は”バスター”と相対して牽制しこれ以上被害が出ないように食い止めてくれていた。

 

一方で”アークエンジェル”の甲板では接近する機体を狙い打つ”ストライク”が応戦していた。

 

<こんなところまで追ってくるなんて…!>

 

<今日こそ沈めてやるぞ”ストライク”!”足付き”!>

 

”デュエル”が苛烈に攻め立てる。

甲板にはエールストライカーを装備した”ストライク”と大型シールドを装備し空中から迫り来る”Xナンバー”達を退けていたが向こうの方が戦い慣れしていた。

 

<五番、七番イーゲルシュテルン被弾!>

 

<損害率十五パーセント越えました!>

 

続々と入ってくる被害状況に艦長であるマリューは焦りの表情を浮かべる。

この海域は中立だが味方ではない。補給が出来る状況でもないこの場面は非常に厳しいものだったからだ。

 

「”アークエンジェル”!…くそっ!」

 

<”ゴーグル付き”…!今日こそは!>

 

<お、おいアスラン!>

 

急ぐようにアスランはディアッカの言葉を遮りながら艦艇…ではなくエアリスの”ダガー”へ向かう。

 

<”ゴーグル付き”は俺がやる!おまえ達はモビルスーツと戦闘機を!”バスター”は艦の(スラスター)を狙え!海に落としてしまえばこっちのものだ!>

 

「ッ!?”イージス”?!」

 

エアリスは黒い煙を上げる”アークエンジェル”に意識を向けているとアラートが鳴り響きそちらに意識を向け直すと”イージス”が此方に向かっているのを確認しビームカービンのセレクターを切り替えフルオートで発射する。

 

<うぉおおおおおっ!!>

 

”イージス”の盾がビームを弾き突進を止めることは出来ず接近を許してしまい腕から発生したサーベルがビームカービンの破壊を許してしまった。

 

「ライフルがッ!…近づいてくるのッ?!こんの…ッ!」

 

両断されスパークするビームカービンを手放し素早く腰のサーベルを抜刀し切りかかるとシールドとサーベルがぶつかり合い塗布されたビームアンチコートを焼いていく。

 

「飛べなきゃただの置物でしょうが!」

 

数度のすれ違いの際に”ジェットダガー”が”イーゲルシュテルン”を発砲し”グゥル”のミサイル発射管を狙い撃ち黒煙を上げると推力が低下してくのが端から見ても理解した。

サーベルを振り上げ”イージス”の頭部を切り飛ばそうとしたがアスランは咄嗟に機首を下げ薄皮一枚でサーベルを回避し逆に”ジェットダガー”は機体を揺らされた。

 

しかし、エアリスの中では既に”イージス”の頭部を切り落としていた筈だった。

 

「(なに…っ!?)あぐぅ…ッ!!?ッ!?」

 

”イージス”の蹴りを見舞われてエアリスはコックピットの中で揺らされ歯を食い縛りフットペダルとスロットルレバーを押し込み海中へ叩き込まれることを阻止して飛翔し上を見上げると追撃を仕掛ける”イージス”の姿が頭上にあった。

 

<貰った!>

 

「(くっ…”ダガー”の反応がついてきていない!)さ、せるかぁッ!!」

 

機体の一部がスパークを上げる…がそれを無視して操縦桿を動かすと振り下ろされるサーベルを推力にモノを言わせ空中でバク転し発振器の手元を蹴り上げ手にしているサーベルを叩きつけ逸らした上でお返しと言わんばかりに蹴りを見舞うと”グゥル”から振り落とされた”イージス”は後方へ飛びスラスターを大きく吹かせる。

 

<何ッ!?ぐぅっ…!!>

 

「どうして私ばかりを狙う…?キラ君じゃない?…っ!”アークエンジェル”!」

 

吹き飛ばされた”イージス”は自動飛行している”グゥル”に飛び乗ってその場を離れるのを見てエアリスはアスランの執念に驚いていた。

 

「エアリスさんッ!…く、どうして…!アスランッ…!」

 

”赤”と濃蒼の機体がぶつかり合う光景をコックピットの中で見ていたキラは思わず操縦桿を握る手が強張る。

大切な友人、大切な人が今火花を散らしているのだ。しかし、戦場で他人を気にしている暇はない。

 

一方でエアリスは距離を取った”イージス”の動向を見ながら多数の機体から襲撃を受けている”アークエンジェル”へ飛翔する。

 

「脚を止められたら終わりだ…!させるか!」

 

機関部を狙う”バスター””デュエル”達へ牽制するように腰に懸架していたビームライフルを抜いて”グゥル”へ狙いを定めると放たれたビームが”デュエル”の乗っていた”グゥル”を貫き爆発が起こる…同時に乗り捨てサーベルを抜刀し甲板にいるストライク目掛け躍り出た。

 

「キラ君!」

 

接近する”デュエル”に対応するように通信するとキラは直ぐ様対応して見せた。

 

<はいっ!取り付く気か!?>

 

対するキラもスラスターを吹かしサーベルを抜刀して煌めくビームの二閃が通り抜けると次の瞬間に”デュエル”の保持していたサーベル発振器が根本から切り落とされ消失すると”ストライク”はその勢いのまま脚蹴りにして”デュエル”を蹴り飛ばし着地しようとするがその先には援護しようとしていた”ブリッツ”がいた。

 

「くっ…!不味いッ」

 

「狙い撃たせるか!!」

 

<はっ!?う、うわぁああああっ!?>

 

急接近する”ダガー”に驚きを隠せないようでライフルを連射するが当たらずタックルを喰らいシールドで防ぐもその勢いを殺すことは出来ずに海に投げ出されてしまう。

エアリスは”ブリッツ”の乗っていた”グゥル”を破壊すると再び飛翔し大空へ戻った。

一方で”アークエンジェル”に攻撃を仕掛けていた”バスター”だったが”スカイグラスパー”と”アークエンジェル”の攻撃に手をこまねいていた。

アスランは吹き飛ばされ”グゥル”に着陸した”イージス”を動かし接近する。

 

<イザーク!ニコル!くっ、”ゴーグル付き”ッ!!>

 

”イージス”が変形し”スキュラ”を放つと”アークエンジェル”の”バリアント”とサブスラスターが破壊されると白亜の巨体が大きく揺れた。

 

<バリアント一号機沈黙!サブスラスター大破!このままでは姿勢制御出来ません!>

 

<隔壁閉鎖!少尉、艦の高度を維持して!狙い撃ちされるわ!>

 

サイの報告にマリューの悲鳴にも似た指示が通信機から聞こえてくる。

 

「”アークエンジェル”ッ!いい加減しつこいっ!アスラン……!!」

 

<ゴーグル付きッ!うぉおおおおおおっ!>

 

変形を終えて再び”グゥル”に搭乗する”イージス”はライフルを構え”ジェットダガー”へ発射した。

エアリスはシールドを構えライフルを発射し距離を縮め空いている片手にサーベル発振器を抜刀し振り抜く。

再び海上で”イージス”と”ダガー”が激突した。

 

◆ ◆ ◆

 

オーブ沖海域で行われている戦闘は中継されていた。

そのテレビ中継を見ていた立派な髭を蓄えた壮年の男性はその映像を見ながら低く唸った。

この男の名前はウズミ・ナラ・アスハ…オーブの前代表であった彼だったがとあるスキャンダルにより失脚したものの弟のホムラに表舞台を明け渡したものの実権を握っていた。

 

「いやぁ~随分と派手に戦闘してくれちゃってますねぇ…おっ!流石はエアリス…手際が良いですね。今のを回避してカウンター…なかなかですねぇ…”アークエンジェル”も良くやってます。ハルバートンが無理に計画したプロジェクト…そして携わった人員もなかなかの上澄みのようです」

 

閣僚会議室には濃紺の儀礼服を着用した者以外に白いスーツを着用した人物が立っておりウズミに背を向けてテレビの映像にガッツポーズをしている。

 

()()()()()()()()()()()()()()、とは思いますがな」

 

そう短く小さく呟くと周囲の閣僚は気まずい雰囲気になるが白スーツの男性は振り返る。その表情は関係ないと言わんばかりに楽しそうにスポーツ観戦でもしているかのような表情だった。

 

「タイミングが良くなかったですか…ま、ビジネスは何時もタイミングが重要ですからネ」

 

そういって男性はウズミに近づく。

 

「さて、この()()()()成功するかは貴方の手腕に掛かっていますよ?ウズミ前代表?」

 

「…しかし、あの艦が落ちるようなことがあれば失敗ですがな」

 

「落ちませんよ。あの艦と【彗星の魔女】は、ね?」

 

自信満々にそういって男性は不敵な笑みを浮かべウズミを見る。

唸っているウズミはその笑みは怪しく全てを絡め取ってしまいそうな雰囲気すら感じさせたのだ。

 

◆ ◆ ◆

 

被弾し、揺れる艦内を駆け抜け壁にぶつかりながらも艦橋へ走るカガリをキサカが止めるが振り切ってエレベーターに駆け込むと一緒に乗り込み上昇する。

カガリは壁を激しく拳で打ち付ける

 

「くそっ…オーブはすぐ近くだと言うのに…」

 

エレベーターの扉が開くと艦橋では切羽詰まった声が飛び交っている。

どれこれも余りこの状況では聞きたくない被害状況や被弾状況の報告だ。

その中で一筋の希望のような報告がカガリの耳に入ってきた。

 

「領海線上にオーブ艦隊!」

 

その報告に学生組達は希望を滲ませたがマリューの冷徹な指示が打ち砕いた。

 

「領海に寄りすぎてる!取り舵二十五!」

 

「しかし!」

 

ノイマンが抗議の声を上げるがマリューは毅然とした態度で告げる。

 

「これ以上寄ったら撃たれる!オーブは友軍ではないのよ!平時なら未だしも今のこの状況ではー、」

 

「構うことはない!このまま領海へ突っ込め!」

 

カガリはたまりかねてマリューのいる艦長席へ駆け寄った。

 

「オーブには私が話す!早く!」

 

「あ、貴方が?だけど…」

 

「展開中のオーブ艦隊から入電!」

 

パルが告げると正面のモニターに艦隊司令らしき男性が映り”警告”してきた。

 

<接近中の連合、ザフト両軍に告げる。貴艦らはオーブ連合首長国の領海、領域に接近中である。中立国である我が国は武装した艦船及び航空機、モビルスーツの接近を許していない。直ちに変針されよ!>

 

艦橋にいる学生達は「信じられない…」と言った表情を浮かべるがマリューはその言葉を聞いてキッと口を固く結ぶ。

 

<繰り返す、直ちに変針されたし!この警告が守られない場合、我が国は自衛権を行使し、貴艦らを攻撃する!>

 

「こ、攻撃って俺たちも!?」

 

カズイの声にトール達が愕然とするとCICにいるチャンドラが毒づく。

 

「何が中立だよ…!”アークエンジェル”はオーブ製だろ!?」

 

その言葉にカガリが一瞬肩を震わせたが次の瞬間には通信席へ駆け寄っていた。

 

「構わん!そのまま領海へ向かえ!」

 

カズイのインカムを引ったくりマイクをオンにして怒鳴った。

 

「この状況を見ていて、良くそんなことが言えるな!?」

 

カガリの無作法な返答に画面向こうの将校が目を見開く。

 

「”アークエンジェル”は今から領海に入る!だが攻撃するな!」

 

<なんだ、おまえは!>

 

「お前こそなんだ!?お前では判断出来んのなら行政府へ繋げ…父を…」

 

カガリは躊躇ったが遂に叫んだ。

 

「…ウズミ・ナラ・アスハを呼べ!私は……カガリ・ユラ・アスハだ!」

 

「カガリ…?」

 

「嘘…?」

 

通信を聞いたアスランは困惑しその言葉を艦橋でミリアリアと顔を合わせるサイ。

オーブ国民ならばウズミ・ナラ・アスハの名前を知らぬものはいない。

その人物を”父”というのなら彼女は…?

静まり返った艦橋にキサカだけが「やれやれ」と肩をすくめていたがそれは向こうの艦隊司令も同じことで呆然としていたが暫くして息をのみやっと口を開いた。

 

<な、何をバカなことを…姫様がそのような艦に乗っておられる筈がなかろう!>

 

「なんだとぉ!?」

 

<も、もし仮にその言葉が本当だとしても!なんの確証もなしに!従える言葉ではないわ!>

 

「貴様…っ!」

 

そう画面越しの艦隊司令が告げると通話を一方的に切られてしまいカガリはマイクに向かって喚くが返ってくるのはホワイトノイズだらけであった。

片やクルー達は呆然とカガリを見つめていたがすぐさまそれを現実に意識を戻した。

 

<ご心配なく!領域に入られる前に落とすってねぇ!>

 

”バスター”が超高インパルス狙撃ライフルで”アークエンジェル”の艦橋を狙い撃とうとしたが”スカイグラスパー”が割って入ると邪魔だと言わんばかりに狙撃するとオーブ艦隊直前に着弾し水が蒸発した。

 

<ディアッカよせ!このままではオーブ艦隊に当たる!>

 

「そこだ…ッ!」

 

「なっ…く、くそっ!?」

 

狙いを改めようとした”バスター”は甲板にいる”ストライク”のライフルに狙撃され”グゥル”を失い海中へ頭から墜落する。しかし最後に放った攻撃が”アークエンジェル”のエンジンに直撃した。

その直後船体は大きく揺れカガリが通信席から投げ出されそうになったがキサカが抱き止めると艦橋には絶望的な報告が上がってきていた。

 

「一番二番エンジン被弾!四十八から五十六まで隔壁閉鎖!」

 

「推力落ちます!」

 

「姿勢制御維持できません!」

 

その報告にマリューは唇を噛み締めると不意にキサカが囁いた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「えっ…?」

 

「心配いらん。第二護衛艦群の砲手は優秀だ。巧くやるさ」

 

「分かりました…ノイマン少尉!操縦不能を装ってオーブ領海に着水!ハウ二等兵!パイロット各員にはオーブ艦隊への発砲は禁止とそう伝えて!」

 

「「は、はい!!」」

 

マリューの命令にノイマンとミリアリアが同時に上擦った声で答える。

次の瞬間”アークエンジェル”は黒煙を上げて船体を傾け落下しオーブ領海へ着水した。

 

「突っ込む気か…!?」

 

その様子を”イージス”のコックピットの中で見ていたアスランは驚きの声を上げた。全周波数でオーブ艦隊からの通告が発せられる。

 

<警告に従わない貴艦らに対し、我が国は自衛権を行使するものとする!>

 

その警告後直ぐ様砲撃が始まり”アークエンジェル”の周辺に水柱が立ちその姿を隠してしまう。

”イージス”は領海ギリギリまで接近したが此方に対してもオーブ艦隊の砲撃が飛んできてしまい反撃は出来ずに回避するしかなく”グゥル”を操り手にしたライフルを水しぶきのカーテンで隠れる艦影に狙いを定めるが射線を戦闘ヘリがそれを直前で遮ってしまう。まるで邪魔をするように。

 

「ちっ…!」

 

アスランはやむ無くライフルを降ろし戦闘ヘリからの攻撃を避けながら戦線を離脱する。バッテリーの残量は少なく友軍機は既に母艦に収納され海域を離脱しているしこれ以上はどうしようもない。

彼は突如割って入ってきた攻撃に困惑しながら”アークエンジェル”に視線を向ける。

 

「くっ…”ゴーグル付き”め…更に腕を上げたな…!」

 

大気圏突入以来戦闘を直接繰り広げた訳ではなくそれ以降はデータでしか見ていないが実際に対峙するとその驚異を肌で感じる。

宇宙にいたときは通常装甲の”ダガー”は発進した最にその装甲色が変わった…即ちは自分達の乗るXナンバーと同じPS装甲を搭載していることになる。

一機で自分含めてのXナンバーを殆ど相手取っている。機体の性能は五分…後は搭乗しているパイロットの技量になるだろう。

そして動揺させたのはエアリスだけでなくあの島で出会ったカガリという少女の存在もだ。

 

「まさか、本当にお姫様だったなんてな…」

 

あの島で一晩過ごした少女の声を聞き間違える筈もない。

本当のお姫様だったとは夢にも思わず笑ってしまいそうだった。そんなものからは遠い存在だと思っていたのに…。

感傷的な気分を払い飛ばすために”グゥル”を操り母艦へと帰投した。

 

◆ ◆ ◆

 

「さて、とんだ茶番だが、致し方ありますまい?宜しいですかな?」

 

ウズミが閣僚会議室でライブ中継を見終えテレビの電源を落とし立ち上がると閣僚達は難しい顔をしていた。

今回の件は単純な領海侵犯に留まらない。元国家元首の娘が領海侵犯した艦に乗っていた…それもザフトに追われていたのを”庇う”ような形になってしまった事だ。

白いスーツの男性は満足げに頷くとそれを見て秘書官へ話しかけた。

 

「公式発表の原稿は?」

 

「草案第二まで準備しております…」

 

慣れた様子でその原稿を現首長ではなくウズミに持っていくのを誰も止めないのはそう認めているからだ。

手渡された原稿を確認した。

 

「…良いでしょう。此方はお任せする。”モルゲンレーテ”とあの戦艦の対応は私が」

 

そう告げドアへ向かうと白いスーツの男が着いていく姿を現代表達は見送る。

それを合図に現代表達はこれからの事について相談し始めた。その中で確かに閣僚の一人が小さな声だったが確かに聞こえた。

 

「どうにも厄介な艦だな…あれは」

 

その言葉を聞いたウズミは足を止め後ろを少し振り向いた。

 

「何を今さら…そういっても仕方ありますまい」

 

バッサリと切り捨てると閣僚達は苦い顔を浮かべ俯く。ウズミは険しい顔で議場を出ていった。

 

「身内の暴走ってのは大変ですよねぇ…僕も分かりますよ」

 

「お互いに、苦労しているというわけですな」

 

「ええ。全く」

 

ウズミは男を引き連れ議場を後にするのだった。

 

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