魔改造ダガーでC.E世界を駆け抜けたい【完結】   作:萩月輝夜

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アスラン回です(大嘘)さぁ曇るんだアスラン…


正義の名の元に

アスランを乗せたシャトルは”プラント”に到着した。

久しぶりに踏む母国の地面だというのにその気持ちと表情は晴れなかった。

重い足取りでアスランは国防委員会本部へ足を踏み入れるとその異常さに気がつく。

 

ーなんだ…?

 

踏み入れた瞬間に職員は殺気立ち兵士と指揮官は声高に何事かと話し合っている。

人の雑踏を抜けようとロビーを歩くと入ってきた単語にドキリ、とした。

 

「全滅?全滅とはどう言うことか!?そんな馬鹿な話がなかろう!」

 

全滅、その言葉を聞いて心臓がずきん、と痛み辺り見渡したとき急ぎ足で向かってくる若い指揮官を発見しその顔を見てアスランは声を掛ける。

 

「ユウキ隊長!」

 

アカデミー時代に世話になった教官を見つけ声を掛けると声を掛けられたレイ・ユウキは声を掛けられ意外そうな表情を浮かべる。

 

「アスラン・ザラ!どうして此処に?」

 

「いえ…」

 

此処に来た理由を説明する気になれずに不安に突き動かされて咳き込みながら問い掛ける。

 

「それよりこの騒ぎはなんなんです?」

 

「”スピットブレイク”が失敗したらしい…」

 

言いづらそうにアスランの耳元で呟く。その表情は沈鬱なものだ。

 

「えっ…!?ではパナマは…」

 

「それがパナマではなかったんだ…”スピットブレイク”の目標は途中で”JOSH-A”へ変更された。上の方で前々から極秘裏に進められていたらしい…」

 

「アラスカ…ですか!?」

 

アスランは父の意図を理解した。敵を欺くにはまず味方から…という言葉があるが”真のスピットブレイク”を成功させるために知らせるものは最少…それにユウキは含まれていなかったようで当の本人は釈然としていないようだが個人の感情はさておいて、作戦が失敗したことへの沈鬱な感情を現していた。

 

「詳しいことは分からんが…全滅、という噂もある…」

 

「そんな全滅…!?」

 

その言葉を聞いてアスランは此処に来る前に分かれたイザークとクルーゼも”スピットブレイク”に参加している筈だ。つい先日別れた際にイザークに『死ぬなよ』と言われ、クルーゼに励みの言葉を掛けられたばかりだというのに…!?

 

「君にはもう一つ、悪いニュースがある…」

 

それなのにユウキはもう一段階声のトーンを下げてさらに衝撃的な事実を告げた。

 

「極秘開発されていた機体が何者かによって奪取された…それを手引きしたのがラクス・クラインだということで今、国防委員会で大騒ぎなんだ…」

 

「そんな…まさか…!?」

 

手にしていたアタッシュケースを取り落とす。

その後アスランは取り乱していた。あり得ない…歌が好きで誰よりも平和を愛するお嬢様がそんなことに荷担するなどあり得ない…!そんなことを考えながら国防委員長室へ歩みを進める。

その歩みのなかで飛び交う切迫したやり取りに思わず身をすくませたくなった。

 

「何をしている!?ジブラルタルからも応援を出させろ!」

 

「無人偵察機じゃ駄目だ!今欲しいのは詳細な情報なんだよ!」

 

「なに!?そんな話は聞いてないぞ!どこからの情報だそれは!?」

 

オペレーションルームを通りすぎに国防委員長執務室の前で自らの認識番号を告げ足早にドアに近づき突進する。

 

「失礼します!」

 

敬礼し入室すると執務室には補佐官が詰めかけ切迫した緊張のある報告がされていた。

どれも耳を塞ぎたくなるような内容であった。そのなかにはラクスとその父親であるシーゲルが最新鋭機奪取と”スピットブレイク”失敗の手引きをしたのは彼らだということを確信し忌々しく舌打ちして補佐官へ命令する。

 

「司法局を動かせ。カナーバ以下、クラインと親交の深かった議員は全て拘束しろ!」

 

「はっ、しかし…」

 

「奴らが裏切り者なのだ!漏洩した”スピットブレイク”の攻撃目標にスパイを手引きし最新鋭機の奪取!子供でも分かる図式だぞ!?なのにクラインは…カナーバは私を追求しようというのか!?」

 

「は、はっ!」

 

そういって補佐官は執務室を出ていき張り詰めた空気が一瞬だけ緩まるのを感じとり思わずアスランはパトリックへ声を掛ける。

 

「父上…」

 

「なんだ、それは!?」

 

椅子に沈み込み目頭を押さえていた父親への労りから出たとっさの言葉はぴしゃりと打たれた言葉にとっさにすまいを正す。

 

「…失礼しましたザラ議長閣下」

 

「状況は理解したな?」

 

「は…いえ、しかし…!?私には信じられません…ラクスが…スパイの手引きをするなどと…?」

 

「…これを見ろ」

 

そういってパトリックが操作して壁のモニターがせり出すとそこに画素の荒い映像が流れる。

その映像を見てアスランは息を飲む。そこに映し出されたのはモビルスーツの前に二人の人影があり一人はザフトの制服を、そしてもう一人はピンク色の髪をたなびかせるラクスの姿があった。

 

「”フリーダム”奪取はこの直後に行われた。証拠がなければ誰が彼女を国家反逆罪で指名するものか」

 

それを聞いてアスランは自分の手の中にあった大切なものが全てこぼれ落ちていくような感覚を覚えた。

ニコル、ディアッカ、イザーク…そして自分の手で討ったキラ…そしてラクスと。

 

「お前の任務はこの奪取されたX10A”フリーダム”の奪取そして接触されたと思われる施設、人物全ての排除に当たれ…工廠にてX09A”ジャスティス”を受領し準備完了次第任務に付くのだ。…奪還が不可能な場合は”フリーダム”を完全に破壊しろ」

 

「待ってください…!接触した施設人物全てを排除、ですか…!?」

 

「X10A”フリーダム”とX09A”ジャスティス”は”Nジャマーキャンセラー”を搭載している機体なのだ…!」

 

その言葉を聞いてアスランは身を凍らせる感情と激情が沸き上がる。

核によって滅んだ”ユニウスセブン”…一瞬によって数十万の命…その内の一人は最愛の母…そして父の最愛の妻である。

 

それをなぜ!?

 

「”Nジャマーキャンセラー”…!?そんな!なぜそんなものを!?プラントは全ての”核”を放棄すると…!」

 

「勝つために必要になったのだ!あの力が…!」

 

アスランは愕然とした感情で父を見る。覚悟を決めたその表情に気圧されてしまう。

そしていつの間にか呼ばれていたニコルの父親であるユーリ・アマルフィが呼ばれているのに気がつく。入室したのを気付かないほどに父と会話をしていたことに今さらになって気がついたと同時にユーリに会わせる顔がなかった。

 

「この件は速やかに処理されなければならん。お前の任務は重大だぞ…分かるな?心して掛かれ」

 

◆ ◆ ◆

 

アスランはユーリに連れられ無重力地帯にある軍事工廠ブロックにて受領する”ジャスティス”の姿を確認した。

地球軍から奪取したXナンバーから得られたデータをフィードバックし最新技術が盛り込まれた奇しくもその見た目は”イージス”を彷彿とさせるものだった。

マニュアルを手渡され最終調整に至るまでアスランは国家反逆罪に問われた婚約者の邸宅に向かうことにした。

そんなことがある筈がないと…クライン邸を訪れるがその荒れように呆然と立ち尽くすしかなかった。

父に言われたことが事実であると突き付けられるように嘗ての優雅で落ち着いた在り日の事を思い出すとなぜ此処までする必要があるのか?と胸が締め付けられていく。

どうして、こんなにも変わってしまうのか…?アスランは自問自答するが答えは出ずにただ荒らされた庭木を植えられていた庭を見つめてるとハロが飛びだしてきたのを確認し追いかけるとピンク色のハロは突如として向きを変えてアスランに飛び込んできた。そして立ち止まった”白いバラの花壇”を見てラクスと初めてあった時の事を思い出した。

 

ーこの花はわたくしが初めて歌った劇場ですの。

 

ハロを抱えてその場を駆け出すのだった。

 

その場所にラクスが待っていると確信して。

 

◆ ◆ ◆

 

打ち捨てられた劇場に到着したアスランは車から降りて拳銃を取り出す。

 

(俺は…撃つのか?ラクスを…?)

 

父から言い渡された任務を思い出しゾッとして頭を振りかぶる。

”フリーダムに関わったもの全ての抹殺”…それは”フリーダム”奪取の手引きをしたとされるラクスも例外ではない。

だが…そんなこと…アスランは自らの正義と母国への義務の板挟みになっていた。

手にした銃を服の裏側に隠し廃墟と化した劇場を奥へ進むと大ホールがあり気密性の高い防音扉を隙間を開けると中から歌声が漏れ聞こえた。

舞台の上にはスポットライトに照らされた廃墟のセットの場所にステージ衣装を身に纏うラクスが歌声を響かせておりその歌声を聞いたアスランは頭を殴られたように立ち尽くす。

儚く繊細でありながら力強い歌声に圧倒されると当時に自らの胸の内に隠している罪悪感がせりだし吐き気すら覚えていた。そして自らが信じる正義への疑問が溢れ出した。

突如、アスランが手にしていたピンク色のハロが起動し劇場の通路を飛んでセットの上にいるラクスの元へ駆け出す。

 

<ハロ・ハロ・ラクス>

 

「あら、ピンクちゃん…やはり、貴方が連れてきてくれたんですね?アスラン」

 

「ラクス!」

 

「はい?」

 

「どういうことですか、これは!?」

 

「お聞きになったから…此処にいらっしゃったのではないのですか?」

 

「では本当なのですか?!スパイの手引きをしたというのは…」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()…キラにお渡ししただけですわ。新たなる剣を」

 

ラクスは残酷なまでに微笑みながらそう告げた。

 

「今のキラに必要でふさわしいものだと考えたからですわ」

 

「キ……ラ……?何を……言ってるんです…!?キラは…あいつは…!?」

 

「貴方が殺しましたか?」

 

その言葉をアスランの心を差し貫く。そうだ、俺がキラを殺したのだ。

何度も、何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も…!!繰り返した認識がその”真実”がラクスの放たれた一言によって止めを刺された。

しかし、ラクスは微笑んだ。

 

「大丈夫です。キラは生きています」

 

その発せられた言葉にアスランはパニックに陥る。

ーキラが、生きている…!?

 

「う、うそだっ!!」

 

取り乱したアスランは手にしていた拳銃をラクスに突き付ける。

そんな筈がない…!キラは…俺が…殺したのだから…!

 

「い、いったいどういう企みなんです!?ラクス・クライン!」

 

なぜそんな嘘を…!

 

「そんな馬鹿な話を…っ!あいつが、生きている筈がない…!」

 

「マルキオ様がお連れになりました…貴方達が戦った島に伝道所があったのです。キラも仰有ってましたよ。貴方と戦った、と」

 

その言葉にアスランは揺れ動かされる。真実と虚構が織り混ぜられた…しかしその事は本人の口から聞かなければ分からない内容が示されていたことに当事者であるアスランは混乱を強めた。しかしラクスはそんなアスランの表情を見て冷ややかに告げた。

 

「言葉は信じませんか?では、ご自身でご覧になられたものは?戦場で…久しぶりにお戻りになられた”プラント”でご覧になられませんでしたか?」

 

突き付けられた事実にアスランは二の句が告げなくなる。

 

「アスランが信じて戦うものはなんですか?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()勲章ですか?お父様のご命令ですか?」

 

「ラクス…!」

 

「そうであるのならキラは再び貴方の敵になるかも知れません…そしてわたくしも」

 

アスランは唖然として言葉を飲んだ。ラクスは突き付けられた銃をものともせずに立ち上がり近づいた。

その表情は悠然として微笑む自分が見たことの無いラクス…いやこの女性は誰だ?

 

「敵だというのなら…()()()()()()()()()()()()のように殺しますか?ザフトのアスラン・ザラ」

 

そうだ、敵であるのなら。軍人なら命令を遂行し敵を排除しなくてはならない。

だが、今ラクスは”親友”と”ゴーグル付き”と言った…まさか、と嫌な想像が駆け巡る。

 

「親友…ゴーグル付き…ラクス…それは」

 

「ええ。()()()()()()()ですわ。”ゴーグル付き”のパイロット…ナチュラルの女の子ですわ」

 

そうアスランが問い掛けるとラクスは嬉しそうな、悲しげな表情を浮かべていた。

 

ーあいつは…ナチュラルなのに…地球軍の癖にっ!”アークエンジェル”でたった一人のコーディネイターのキラにも優しくて…良い奴だったのに私や…キラの自慢の…()()だったんだぞッッ!!

 

飛行挺での石をくれた少女の泣き顔を思い出す。

その一言に憎しみの全てが込められている。取り返しの付かない事をしてしまったのだと再認識させられる。

 

「俺は…」

 

俺は…ラクスの友人さえも軍の使命…いや憎しみで奪ってしまったのか…?

 

視界が歪む。

 

俺は…俺はなんのために…!

 

そのとき誰かの声が抑えぎみに「ラクス様」と警告が発せられたと同時に銃声が響き渡りラクスは入り口を見据えアスランは咄嗟に前に出る。

そして次々にスーツを来た数名の男たちが拳銃をもってアスラン諸とも取り囲むように近づく。

 

「ご苦労様でしたアスラン・ザラ」

 

「なんだと!?」

 

「流石は婚約者ですな…こちらの手間を省いてくださって助かりましたよ…さ、お退きください。」

 

スーツを着た男の言葉にアスランは理解する。父は自分を着けさせていたのだと。

ラクスを知るものとして息子を利用し彼女の元へ案内させたのだ。

父は自分を信用していなかったのだ、と理解するには十分だった。

 

「国家反逆罪の逃亡犯です。やむを得ない場合は射殺、とそう命令も出ているのですよ?それを庇うおつもりですか?」

 

「そんな…馬鹿な!?」

 

憤るアスランを他所に男たちはラクスを捉えようとジリジリと迫る。

そんな中ホールに二発の銃弾が響くと取り囲んでいた男の一人が倒れ伏す。そのタイミングでアスランはラクスを抱き抱えステージ上の瓦礫に身を隠すとそれを合図に男たちが何者かに銃撃を受け倒れていく。

先程のリーダー格の男が物陰に隠れる二人を銃撃しようとしたが隣から放たれた弾丸を受け崩れ落ちた。

 

「ラクス様…」

 

静かになり隠れていたラクスの護衛が姿を現す。アスランに守られていたラクスは離れ微笑んで礼を告げた。

 

「ありがとうアスラン」

 

「ラクス様、もう宜しいでしょうか?お時間が…」

 

「はい大丈夫です。…アスラン、ピンクちゃんをありがとうございます」

 

アスランは微笑むラクスを見て言葉を発する事が出来なかった。ラクスとその護衛たちが劇場を出ていく。その最中ラクスが振り返った。

 

「キラは地球です。お話しされては如何ですか?”友達”と」

 

アスランは一人劇場に取り残される。ラクスは最後まで自分に何も求めなかった。叱責することも自分の立場を説明することもなく。

彼女が求めたことは”アスランが自分自身で考え、見つけること”だと。

 

アスランは工廠に戻り”ジャスティス”のコックピットに入り込んだ。

その名前は今の自分を見失っている身には過ぎた大層な名前だとそう思える。

PS装甲がONになり機体の色が血の色のように紅く色づく。

自らの正義と、何を信じて何を守らねばならないのか見極めねばならない。と思いながらアスランはフットペダルとスロットルレバーを押し込みスラスターが吹き上がる。

 

「アスラン・ザラ、”ジャスティス”出る!」

 

遥かに輝く星が浮かぶ宇宙は先の見えないアスランの心情を現す。

それを探すために”正義”と言う名の新たな剣を携え飛び立った。

 

◆ ◆ ◆

 

男女が一人の赤子を抱き抱えている。

 

『この子の才能は神様からの贈り物かもしれないわね?』

 

『果ては学者か…大統領かな?』

 

何処かの一般家庭の光景を見ている。年若い男女に抱かれている乳母衣に包まれた可愛らしい赤子がキャッキャと喜びを示している。

 

(これは…なんだろう…?)

 

見たことがない筈の光景なのに知っている。不思議な光景だった。

 

『お前は…いや、なにも言うまい…いや、関係ないな。お前は私の…自慢の…セシリアの…』

 

男の声が聞こえる。母の名前も。長らくその声を聞いていないがそれには聞き覚えがあった。それは…。

 

◆ ◆ ◆

 

意識が覚醒した

 

(知らない天井だ…)

 

光が入り眩しく目蓋を細目ながら視界に入った情報を得ようとすると見知らぬ天井…病院のような内壁が見え思わず某作品の主人公のような言葉を呟き霞みがかった覚醒していない頭のままで周囲の情報を得ようとすると自分の今の状況を知ることになった。

 

(なんだったんださっきの夢は………ジェルベッド…?)

 

水のなかを浮いているような感覚を覚える。

普通のベッドではなく直立したシリンダー型のベッドで最新の医療器具である”メディキュボイド”と呼ばれる再生身体活性機に入れられ治療を受けていた。大事なところは隠れているが全裸でありじわじわと羞恥が込み上げる。身体の全体は緑色のジェルが体を包み込み水の中に入れられてるようでじんわりと暖かいのは薬剤の影響かもしれない。

 

「(…ッ!?う、ぐぅ…ッッッ…!!?)はっ…はっ…!!はぁ~~ッ!!?…ぅう」

 

起き上がろうとした瞬間にズギンッ、と全身を鈍い激痛が走り息が詰まる。

堪らずジェルベッドに全身を沈ませると痛みを和らぐのを感じていた。

 

(私は、あの戦いの最中…”イージス”の攻撃をコックピットでサーベルが到達する前に…意識を失ってどうなったの?)

 

あの意識を失ったときに死んだものかと思っていたが痛覚もあるし記憶もある。

きっと死んでいたとしても天国ではないだろう。ここが”地獄”でないのならば、と言う言葉が付くが。

 

「目が覚めたようですね。”エアリス”」

 

そんなことを思っているとこのベッドの横に一人の男が立ち声を掛けていた。

その前に今の状態を思いだし身を捩って体を隠そうとするがスクリーンが視界を遮ってくれた。

 

『アズ、ラエル理事…?』

 

「ええ、ムルタ・アズラエルですよ。エアリス」

 

そこにはスーツを着用した顔馴染みのアズラエルがいた。

 

「全く…無事に”JOSH-A”に到着してくださいね、と念押しした筈ですが…」

 

呆れたような表情を浮かべるアズラエルだったがその表情には何処かしら安堵の気配を漂わせているのを見て咄嗟に謝罪してしまった。

 

「ごめんなさい…」

 

「貴女が謝る必要はありませんよ…まぁ都合が良かった、と言えばソコまでですが」

 

『…?』

 

覚醒しきっていない頭でアズラエルの言葉を噛み砕くには難しかった。ただそれを受け入れ許されたと判断した。

 

「どれくらい…寝ていたんですか?」

 

「発見から約二週間ほどでしょうかね」

 

その事を聞かされ「…10日ッ!?」と叫びそうになったのは既にアラスカ戦が終わっている事を思い出す。

体を動かそうとしたが未だ傷の完治が終わっておらず痛み顔をしかめる。

 

「落ち着きなさい。未だ安静が必要です…まぁそれはいいでしょう。貴女が救助されたときの状況を教えましょう…それに目覚めるまでに何が起きたのか、ね?」

 

「お願い、します…」

 

アズラエルは説明をしてくれた。

閃光の刻(あの時)】からここに来るまで何が起きたのか、を。

 

◆ ◆ ◆

 

「なんで生きてたんだろうね…私」

 

エアリスは地球連合…旧アメリカ合衆国バージニア州にある”アーリントン地下基地”に運び込まれていた。

秘匿性の高い試験装置が多いこの地下基地は連合内部でも限られた人間にしか教えておらず”メディキュボイド”もここで開発されておりエアリスを治療し隠すにはアズラエル的に格好の場所であった。

 

数日後、”メディキュボイド”からの治療を終え痛みも傷も完治し包帯をほどき下着を身に付け連合の特注制服に袖を通し制帽を斜めに頭の上に乗せる。

 

「身長、伸びたなぁ…」

 

士官室にある姿鏡を見て前髪を指で持ち上げ自分の頭頂から爪先まで確認する。

元より150もない身長だったが”メディキュボイド”と傷の超速再生の為に使用された身体活性剤…”試薬品”を投与され回復能力が通常の数十倍にまで引き上げられ治療には数ヵ月掛かる筈だったがそれを数日で終わらせることが出来たがしかしその代償として細胞寿命が著しく消耗されて”成長”する、と言うものだ。

そのお陰で年齢と見た目相応になり肩までの長さだった亜麻色の髪は腰まで伸び身長は165まで伸びより女性らしい外見になってしまっていた。

自分が自分でないように見えてこれだけ見た目が変わってしまえば知ってる人間は「誰…?」となるだろう。

 

(アメリカンナイズされてしまった…)

 

渡された制服の形は通常…とは言いきれない連合士官の制服だが色が違う。白ではなく好んで使う濃蒼色だ。

だがスカート部分が異様に短く…ふとともが露になってオーバーニーブーツを着用している。

それに短すぎて()()()()()()()()()()()()()()()スパッツは着用しているが。

 

「ルナマリアのスカートかっての…」

 

一体誰の差し金でこんな制服にされたのか分からないが。白衣を着用し足を隠した。

そして最後に机の上においてある黒縁の伊達メガネを掛けると近寄りがたい雰囲気になったのを確認して溜め息を吐いて与えられた自室にてソファーに腰かけていた。

 

「と、言うより…ほんと、良く生きてたな私…」

 

意識を失った後どうなったのか?

 

”イージス”との戦闘後に”ヴァリアブルダガー”に搭載されていた隔壁シャッターを咄嗟に作動させたタイミングでストライカーパックと接続された試作の脱出ポッドも起動して難を逃れたらしい。

しかし、爆発の衝撃と試作品の脱出ポッドの精度もあり内壁と内装が破壊され破片が身体に突き刺さり果てはシャッターの破片部分が太股の動脈と肩、心臓付近へ突き刺さり発見時点で出血死寸前だったらしいのだがパイロットスーツで圧迫されていたこと、そして運良く近くでまさかの装備の試験評価の仕事を請け負っていた叢雲劾の駆る”アストレイ・ブルーフレーム”が救助してくれソコからアズラエルに連絡が付いて極秘裏に地球連合最新鋭の医療機関へ運ばれた…という流れらしい。

 

正に奇跡的に、という言葉で言い表すのが正しいのだろう。

五体満足、傷跡も後遺症もなしというのが驚きだ。

 

ーいやぁ…ほぼ逝き掛けましたね…刻が…見える見える。

 

NTでもないのでそんなものは見えません…とまぁアホな前世の記憶のスラングを思い浮かべ自分が生きていることを自覚する。

 

(キラ君は…無事かな…そして”アークエンジェル”の皆も…)

 

一週間以上が過ぎアズラエルの口から”JOSH-A”崩壊の報せを受け心配でしょうがない。

あの後”ロウ・ギュール”の助けが入りマルキオ導師の働きかけで”プラント”へ移動、ラクスからの治療を受けている筈だがその心配が拭えないが…”アークエンジェル”の行方も心配だ。

 

”サイクロプス”を起動させたのは軍上層部と”ブルーコスモス”の一部過激派が招いたことらしい…そしてその手引きをしたのもウィリアム・サザーランドであるとアズラエルが抱える諜報部が調べ上げたが…物的証拠が無く追求できなかったらしい。

それに私が生きている事が分かると少々面倒なことになる、と言うことで私の存在は隠されているらしい。

一体それは…?

 

「エアリス。少し良いですか?」

 

と、考え事をしていると不意にアーリントン地下基地に設けられた士官室の扉が開くと何時ものスーツ姿のアズラエルが現れる。

 

「理事?ええ…どうぞ」

 

「お邪魔しますヨ」とだけ言って士官室に入るアズラエルは我が物顔で冷蔵庫を開けミネラルウォーターへ口を付けペットボトルを持ったままソファーへ腰掛けた。

 

「なんですか?」

 

「新しい部隊を極秘裏に新設することになりましてね…そのモビルスーツ隊の隊長をやって貰いたいんですよ」

 

「はぁ…」

 

唐突だな、と思った。この時期に立ち上げる部隊と言えばファントムペインか?と思ったが違った。

 

「対()()()()()()()対抗部隊…【B.L.U.E.M(ブルーム)】」

 

「対()()()()()()()部隊…?」

 

その言葉にエアリスは驚愕の表情を浮かべた。

 

「驚きましたか?まぁ無理もないでしょうね。僕がやってる《ブルーコスモス》…元は環境保全団体だった筈が自然の摂理に逆らった”コーディネイター”を滅ぼす過激派集団になってしまいましたからねぇ…嘆かわしいことですが」

 

困ったものです、とアズラエルは話す。

 

「もうあの組織は僕の手を離れて暴走しています…僕の手が及ばないところで、ね?正直軍部に関しては滅ぼす方向で動いているみたいでね…困ってしまいますよ」

 

「…」

 

「此処の基地にいるメンバーと一部宇宙にいる”彼ら”は仲間です。同じ志を共にする、ね?」

 

「理事は…コーディネイターを滅ぼすことに賛同しない、と?」

 

「ええ。彼らは”有用”です。高い金を出して産み出された”人類”をむざむざ殺させるわけ無いでしょ?僕たちナチュラルの方が優れてるんだからさ…君と先生を見てそう確信しましたよ」

 

その言葉を聞いて苦笑する。ナチュラル第一主義なのは変わらないが此処まで彼を変えたのは自分と先生…父親らしい。

 

「…わかりました。お引き受けします。」

 

そういわれてしまえば断れない。見ている方向が一緒ならば…佇まいを整え敬礼し承諾した。

 

「さて、話は後で詰めましょう…付いてきてください。見せたいものがあります。」

 

呼ばれ共に照明に照らされた通路を付いていく後ろから声を掛ける。

 

「何処へ?」

 

「見せたいものがあるのと…紹介したい子達がいましてね?」

 

「?」

 

基地内部の通路を歩き大きな扉の前に立つと警備兵がアズラエルとエアリスの顔を見てセキュリティカードをスリット端末に通すと鋼鉄の扉が開かれ空気が流れ込みその奥の光景が露になる。

 

「これは…」

 

言葉を失うエアリスだったがアズラエルが声を掛け正気に戻す。

 

「貴女専用の機体ですよ?どうやら試作品程度では君の能力に追い付けなかったらしいですからねぇ…」

 

「”ダガー”…!」

 

自慢げにアズラエルから紹介された視線の先にあるのは巨大な人形だった。

自らが愛機とした指揮能力を強化された四本のブレードアンテナにゴーグル型のバイザー…そしてその奥にガンダムタイプを彷彿とさせるツインアイが奥に覗かせている以外は頭部が特徴的な”ダガー”を彷彿とさせる連合系統のモビルスーツである。

 

「GAT-RX08/1A”D(ディスペアー)ダガー”…貴女の為の機体です。まぁ長いので”ダガー”で良いでしょう。戦闘から得たデータを収集、構築して最適化された技術が搭載されていますよ?その性能は前期Xナンバーを大きく超えていますから…貴女以外のパイロットが乗ったら耐えきれないと思います。」

 

(【ディスペアー(絶望)】…ね…とんでもないコードネームを付けてくれたな)

 

物騒なコードネームに苦笑いを浮かべる。

 

機体色はディアクティブモードの鉄灰色であるがPS装甲を展開するとパーソナルカラーである濃蒼色と白のカラーリングが施され各所に設置された新装甲であるTP(トランスフェイズ)装甲は機体脚部にスラスターユニットを追加し、色の異なる胸部・肩部、腿部にスラスターを内蔵した増加装甲が装着されているのは機体がついてこれないことをこれまでの戦闘データを集計して示された結果だった。

各地を転戦し破壊されデータが引き継がれた、とあれば”ダガー・アーキバス”の正当進化であろう。

 

「装備されてる色の違う装甲は開発班の話によれば…たしか”アーマメントシステム”でしたかね?もちろん、”ストライカーシステム”もバッチリです。駆動部分に関してもね?これなら分解することはないでしょう」

 

増加装甲…ある意味で”ロングダガー”が装備していた”フォルテストラ”に近いのかも知れない。

だが見た目は完璧に別物だ。背面のストライカーも既存の似たような装備ではなく…”フリーダム”のウイングスラスターに似たような三対六枚の翼が見える。

 

「まぁ…あれはへリオポリスからずっと使っていましたから…仕方ないですよ。しかし、増加装甲…”デュエル”のあれみたいですね」

 

「ザフトのやっつけ仕事と一緒にしない方がいいですよ?追加装甲に関しては超軽量の新素材が使われているので機動力の確保もバッチリです。テストパイロットが危うく潰れたトマ…いや、なんでもありません。貴女には耐えきれる加速度ですよ」

 

「(潰れたトマトって言おうとしたな…?何てものに乗せるんだあんたは…)なるほど」

 

素体と比べて重量は増加しているが、推進力と防御力は上昇しており、バランスの良い機体と言える。

腰部に伸びるテールスタビライザーを2基装着されておりこのスタビライザーはプロペラントタンクを兼ねており、作戦行動可能時間が延長されているようだ。

これならば、と開発班が太鼓判でエアリスの急成長した才能にも追い付ける、と断言したらしい。

 

「今装備しているのは”ジェットストライカー”と”IWSP”を発展させたものらしいです。宇宙戦闘用のストライカーと専用のアーマメントも開発を手掛けていますが…もう少し時間が掛かります。まぁそれは置いておいて…さ、来てください。」

 

その空間の先にあったものに目を奪われていたがアズラエルが手招きするとそれ以上に紹介された”人物”に驚きを隠しきれない。

 

「さて、貴女には”彼ら”の隊長をやってもらいますよ?レインズブーケ特務”少佐”?」

 

「…は?」

 

「部隊を率いる隊長が中尉では格好が付きません。今までの功績を踏まえて二階級特進デスヨ?」

 

そうしてアズラエルから真新しい【少佐】の階級章を手渡される。

目の前に現れた緑、橙、薄緑のそれぞれの髪色で髪型の退屈そうにしている”少年”達。

その者達の部隊長をやれと?その提案にエアリスは間の抜けた表情を浮かべるしかなかった。

 

◆ ◆ ◆

 

大気圏内で三機のモビルスーツが一機のモビルスーツを取り囲み色鮮やかなビームや実弾が空を彩った。

その内の一機がコックピット内部で悪態を吐く。

 

「くっそ!?なんで回避できるんだよッ!?」

 

背中に二門の砲身を持つ濃緑の機体が接近するモビルスーツへ砲撃を仕掛ける、が容易く回避されてしまう。

 

「下手くそ!当たってないじゃんか!!」

 

回避したモビルスーツの軌道上に黒いデルタ翼を持つモビルスーツがビームを放つ、がこれもまた少女が搭乗しているモビルスーツは人体の負荷など無視して加速する。

 

「貰った…!」

 

しかし、回避した先には甲羅のようなバックパックを背負った機体が黒いデルタ翼のモビルスーツが放ったビームを受けるとねじ曲り接近する”ダガー”のコックピット部分へ直撃するように誘導した。

三人のパイロットは直撃を確信した…が

 

<装備を十分に活用して戦略を組み立てるの上手くなったけど…同じことが通用するのは一般兵士までだよ?>

 

危機的状況であったが涼しい声が聞こえる。

 

「あ?」「は?」「え?」

 

<攻撃は常に一方方向から来るとは限らない!視野を狭めるな!>

 

次の瞬間コックピットへ直撃する筈だったビームはその場で”ダガー”が左手に持つサーベルによって切り落とされ、相殺されて霧散したと同時に腕を振るった反動を利用し反転、凄まじい勢いで突破してきた。

 

「しまっ…!」

 

迎撃する三機だったがそれよりも早くサーベルを正面にいる二門の砲身を持つ機体はエネルギー切れにより反撃できず貫かれ爆発するより先に右手に保持していたライフルが黒いデルタ翼の機体を撃ち抜く。

サーベルで貫いた機体を足場にして加速し甲羅を背負ったモビルスーツへ接近しサーベルを投擲、手にした鎌で弾くがそれに気を取られた。

 

「なっ…!?」

 

次の瞬間残った機体は背面からのサーベルを突き立てられ”撃墜判定”を貰った。

 

「はぁ…はぁ…なんだよ、あれ…ッ!?」

 

「最後のやつはお前はバカスカ撃つからだろ!?」

 

「また…負けた…!」

 

視野がブラックアウトして”シミュレータ”が終了しコックピット型の筐体から汗だくの三人の少年が転がり出てくる

 

ワイワイと言い合う三人の少年達に声が掛けられる。

シミュレータから女性士官…エアリスは汗ひとつ掻くこと無くけろっとしている。

 

「惜しかったけど堕とすには少し捻りが足りなかったね…?」

 

「お前が可笑しすぎるんだよ!なんだよあれ!?大気圏内でバク宙して切りかかるとか!」

 

「隊長にシャニの装備使ってビーム曲げて直撃させようとしたのにさぁ…回避して打ち込むとか…あり得ないでしょ!?」

 

「おねーさんに二十連敗中…無理、死にゲーやってる気分」

 

ブーブーと文句を垂れる少年達に微笑んでフォローする。

 

「まぁ、場数はこっちが踏んでるから。それに隊長が負けちゃいけないでしょ?それにシミュレーション難易度クラスSシリーズほぼクリアしてるから成長してるよ」

 

そう告げると三人は「まぁ…お前が言うなら」と言う表情を浮かべていた。

 

「ま、私に勝たないと話になら無いけど」

 

「余計なことを付け足すな!」

 

「無理でしょ…」

 

「無理…」

 

三者三様の反応を見せエアリスは微笑んだ。

 

「私に負けたから格納庫二十周ね?」

 

悪魔のような宣言に三人の少年達は叫びをあげるのだった。

 

◆ ◆ ◆

 

「生体CPUじゃなくて普通のナチュラルの兵士だったね…」

 

アズラエルから預かった三名…ファンの間では”旧三馬鹿”達は脳にインプラントや強化措置を施された所謂”強化人間”であり作中でキラ達を追い詰めた強敵だ。…だがこちらの世界では真っ当なモビルスーツの操縦にセンスのあるナチュラルの兵士であった。言動と行動は原作通りだけれども。

 

薬漬けにして洗脳教育で改造する、と言う事に行き着かなかったのはエアリスが発端となっていたようで彼女の戦闘技巧を見て「ナチュラルでも訓練次第でコーディネイターを凌駕する」と言うことでオーブに到達するまでの戦闘シチュエーションと現役の兵士でも根をあげる訓練を施されたようだった。

 

『薬漬け?肉体強化?そんなことしませんよ?自然の摂理に反するじゃないですか?僕たちはナチュラルですよ?』

 

最初こそ舐められた態度を取られたが”レクリエーション”を行い徹底的に痛め付けた?せいか動物的な本能が働いたのか従う様を見せてくれたようだった。

と、言っても年齢が近いお陰か仲良くなりオルガとは小説を貸し借りしたりクロトとは対戦ゲームをやったりシャニとは音楽の話をしたりして懐かれた。憎まれ口を叩かれながらだが嫌いではない。

 

目覚めてから二週間程が経過し士官室で彼らの機体特性を生かすためのカリキュラムを作成をして採点していた。

 

「オルガはエネルギーの配分計算…クロトは空間認識…シャニは…冷静さ…皆に言えることだと協調性、かな。うん、最後以外は合格点」

 

実際に彼らのポテンシャルは高い。私が設計したOSを十全に扱うことが出来ている時点で並み、それ以上のコーディネイターの戦闘力を持つ…が如何せん皆我が強いのだ。

今後はチームワークが必須となるためそれを徹底的に教え込むことを優先していた。

教えた甲斐もあってか今は三名でこられると手間取ってしまうのだが。

 

(アズラエル理事もコーディネイターを滅ぼす、何て事を言わないしむしろ共生?するスタンスだし)

 

此方の戦力となっている彼らを使い物にしなくてはならないのと史実とは異なる人物になっている彼らを見ていると生存させなければならない気持ちになっていたし敵になる可能性もあったが…見捨てられるほどエアリスは冷徹になれなかった。それにアズラエルも。

 

「パナマは落とされたか…」

 

…それと既にパナマ攻略戦は既に終わっているようで原作通りの結果に落ち着いたようで多大な犠牲を払ってザフトはマスドライバー基地を潰したお陰で連合は月基地が干上がりそうでありそれを解決するために行われる作戦は想像に固くない。

 

『レインズ少佐、至急作戦司令室へ』

 

「了解」

 

士官室に備え付けられた受話器を取ると司令室の下士官から通信が入り応答し向かう。

司令室へ向かうとこの基地の司令官とアズラエルが話しているのを確認するとこちらの存在に気がつき顔をこちらに向けてきた。

 

「エアリス・レインズブーケ特務少佐、参りました」

 

司令官とアズラエルの前に立ち敬礼すると司令官は頷く。

 

「レインズブーケ少佐、貴官の部隊へ命令を通達する。」

 

それは次なる戦場への招待状であった。

 

「部隊を率いてオーブ連合首長国への連合艦隊進行部隊への監視、及び新型モビルスーツの試験評価を行え」

 

「了解」

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