魔改造ダガーでC.E世界を駆け抜けたい【完結】   作:萩月輝夜

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立ちはだかるもの

「センサーに感!距離五〇〇オレンジ十四マーク二三三アルファ、大型の熱量、接近しつつあり!戦艦クラスと思われます!」

 

オペレーターの声が艦橋に響きクルー達の間に緊張が走った。

 

「対艦、対モビルスーツ戦闘用意!」

 

艦長席に座る若い女性がすかさず、矢継ぎ早に指示を飛ばした。

 

「面舵一0、艦首下げピッチ角十五!”イーゲルシュテルン”起動!”バリアント”照準、敵戦艦!ミサイル発射管一番から四番”コリントス”装填!”バリアント”てぇーっ!」

 

女性艦長の指示に従いCICが懸命に各砲座をコントロールしようとするがもたついている。その間にもモニターに表示される艦を中心として敵戦艦が放ったミサイル群の光点が吸い込まれていく。

その接近するミサイルの光点を止めることは出来ずに吸い込まれミサイルは着弾し艦は撃沈した。

シミュレーション終了を告げる文字がモニターに表示された。

 

地球連合軍強襲特装艦アークエンジェル級二番艦”ドミニオン”。

一番艦である”アークエンジェル”のデータを元に地球連合が建造した二番艦である。

 

「何をやっているか貴様らッ!」

 

座席から立ち上がり副長とCICに座るクルーに怒声を浴びせたのは艦長として着任したナタルであった。

 

「対応が遅すぎる!此では初陣で沈められるぞ!何を学んできた?」

 

怒鳴り付けられたクルー達は萎縮していたがその反応すら疎ましいと思ってしまい睨み付ける。

今思えばここにいる()()()は学生だったのにも関わらず十全に役目を全うしていたことが懐かしく思えるのとここにいる()()()()()()クルー達の練度は雲泥の差があった。

彼らはよくやっていた…というより彼らが異常だったのかもしれないな…と思いながらナタルは一先ず、満足に仕事も

出来ないクルー達に侮蔑の視線を向ける。そのオブザーバー席にいるアズラエルは「ダメですねぇ…」と呆れたように呟く。

 

同時刻、別場所にて。

 

「敵機確認、各員は戦術リストD12に従い行動せよ。…攻撃開始!」

 

女性指揮官が状況を確認し静かな声で指揮する。レーダーに表示されるのはザフト敵部隊でその総数は”十二”。

此方の総数は数”四”。全員が”01ダガー”でありパイロット達は搭乗し戦闘を開始した。

しかし、前面に展開した”シグー”と”ジン”と”Xナンバー”の攻撃によって”01ダガー”達は擂り潰されていく光景に女性指揮官はため息を吐いた。

そして先に一般タイプの”01ダガー”が全て撃墜され残った同じ性能の指揮官機に割り振った一機も敵機からの集中砲かを受け宇宙の藻屑と化しシミュレーション終了を告げる文字が記された。

 

(…あの時フレイのお父さんを救助したときと同じぐらいの難易度で僚機最初からアリにしたんだけど…無理だったか)

 

その心の声をキラが聞いたら「いや、貴方だけですよ…しかもPS装甲無しの状態で突っ込みましたよね?」とツッコミの声が聞こえてきそうだが…割愛。

 

筐体から息も絶え絶えで汗を滲ませながら転がり出てくる兵士達を冷たい視線で見下ろした。

 

「論外です。この程度の練度で戦場に出たらいい的です。敵のスコア稼ぎのね」

 

そしてシチュエーションの結果を見てエアリスでありその言葉は刺々しい失望に染まっていた。

 

「この程度の実力じゃ”ドミニオン”の直援を任せられません。今すぐ荷物を纏めて下船しなさい」

 

容赦の無い一言にモビルスーツ隊に編入された新任の士官は上官となるエアリスに萎縮すると同時に恨み節の如く睨み付けた。

士官学校を首席で卒業し新型モビルスーツである”01ダガー”を受領してビクトリアで初陣を挙げた後生き残り最新鋭戦艦である”ドミニオン”に着任する際にビクトリア基地指令であるサザーランドより「新造戦艦”ドミニオン”を奪い反乱を画策している部隊がいるため潜入し調査して欲しい」と内偵の密命を受けることになり上官が末端である自分を信頼してくれていると同時に軍内部の不穏分子を摘発するためという大義名分に燃えていたのだが実際には戦闘部隊の長である女性に叩き折られ心を折られそうになっているという情けないにも程がある状態になっていた。

 

「し、しかしこのシミュレーションは異常です!このような戦場が…」

 

ある筈がない、と反論する前に潰された。

 

「有りましたよ?実際に。要人をのせた味方戦艦護衛がね。…”あり得ない”と幾ら喚こうが戦場ではいかなる状態を想定しなくてはならない…教本に書いていませんでしたか?」

 

「ッ…」

 

兵士は偉そうに…見ているだけではどうとでも、と思ったが。

 

「まぁ…みているだけで偉そうに…と思われても癪なので実際にやってみますが…」

 

思っていたことを言われ言葉に詰まり押し黙る。

そういって筐体に入り同じ難易度設定で開始する。機体はPS装甲の無い先行試作のストライクダガーを選び先んじてシミュレーターをやっていた兵士達は自分達の上官となる兵士の動きを見て愕然とした。

これが人間の出来る動きなのか…?と。

同じナチュラルでありながらその動きは”人外”と評価せざるを得なかった。

 

「さて、私の実力も把握してくれたと思いますが…今のように私たちが預けられている兵器は三次元戦闘が可能なものです。従来の”メビウス”のように旋回、上昇、下降といった平面的な動きでは無い、まずそれすら理解できずに戦場で止まることは”死”を意味する…分からない訳ではないでしょう?」

 

実際に動きが単調でナチュラル用のOSに頼りきりではザフトのモビルスーツ…あの時速度を優先し数を用意して圧倒する連合軍の戦いかたが出来ない状態では一点集中で突破するしかなかったのだが。

そうエアリスが問い掛けると同じくシミュレーションに参加していた士官は悔しそうにうつむく。

 

「…実際にあれらの敵機が徒党を組んで襲撃を仕掛けるシチュエーションは有りました。それを実際に再現しているだけにすぎない。それが出撃した際に”出来ません”では話になら無い。自分は兎も角として僚機を護ること、命を護ることが優先される。それすら理解できないのなら居住区で縮こまっていなさい。」

 

「ッ!?わ、我々は司令部より通達を受けこの戦艦のーー!」

 

「直援を任せられない、と言っているのです。それともはっきり言いましょうか?」

 

メガネ越しの碧眼が若い士官の瞳を射貫く。その表情に息を呑んでいた。

 

「”足手まとい”だ、とね?」

 

「…ッ、了解、しました…ッ」

 

彼らの階級は目の前にいる女性が遥かに高い。少佐クラスでありながら大佐レベルの権限を与えられているという。

それに実際にモビルスーツの操縦技術は自分達とは別次元に感じられるほどに高い。

士官達は諭されるように命じられると悔しさを滲ませ苛立ちを隠しながらシミュレーションルームを出ていく。

その直後に通信が入り、それを確認したエアリスはエレベーターへ乗り、暫くして扉が開き通路を進み艦長室へ到着する。

 

「遅かったな”中尉”」

 

「申し訳ありません。遅れました”中尉”」

 

一番最後に到着したのか既に艦長室にはオルガ、クロト、シャニとナタル、アズラエル、そしてハルバートンが集っていた。

ここに集うのはこちら側【B.L.U.E.M】のメンバーである。

 

「少佐だ。”中尉”」

 

「特務少佐です”中尉”」

 

憎まれ口を叩き合い互いにフッと微笑んだ。

 

最初こそ中尉…いや少佐に戸惑われたがハルバートン提督とアズラエルの言葉を聞いてこちら側に着いてくれた。”アラスカ”での一件もあり地球連合上層部のやり方に疑問が湧いたようだ。

 

二人で”ドミニオン”の艦橋にいるときに私はナタルさんへ問い掛けた。これから私たちが起こす、いや阻止することを説明すると驚いた表情を浮かべていた。

 

『無理もないですね…やはり裏切れませんか?その自分が纏う軍服の意味を』

 

問い掛けるとナタルさんは迷いながら頷きこう告げた。

 

『私たち軍人は…市民を守ることの筈だ…それがナチュラルでもコーディネイターであっても、だ…私が信じるものは変わらない…』

 

『その垣根が無くなってしまえば命令に従って戦う我々は只の殺戮者です』

 

『その理念を守ろうとするのなら…私は喜んで戦おう…中尉』

 

ナタルさんも随分も丸くなったと思う。握手して有る意味で”共犯者”となった。

 

◆ ◆ ◆

 

「さて…どうでしたか。補充要員は」

 

「ダメですね。あれじゃ落とされて終わりです。そもそも私についてこれるのはあの三人だけですし」

 

そう言って近くでハルバートン提督の近くだというのに寛ぎきっている三馬鹿を見てヒヤヒヤするが当の紳士は穏やか…というか孫を見るような暖かい目で見ていた。

 

「ですねぇ…君考案のトレーニングメニューをやり遂げられたのはあの三人だけですからね。」

 

1日に二十七時間という矛盾のトレーニング…ではなく人体がぶっ壊れなければ限界はないんですよ?と言う超精神論と肉体を限界まで酷使する訓練を死に物狂いで行ったオルガ達は「もう二度とやりたくねぇ…」と死んだ顔で言う程のレベルであることをアズラエルは知っていた。

 

「一体どんな訓練をした…いや、想像するだけでも恐ろしいな…」

 

「そこいらの軍曹よりも鬼軍曹ですからねぇ…エアリスは」

 

「なんだと思っているんですか私を…」

 

「コーディネイターを歯牙にも掛けないほどに超優秀なナチュラル…いや、スーパーナチュラルですが?」

 

手放しで誉められてバツが悪いエアリスは頬を掻いて頬を染めるのをみているハルバートンは微笑ましく見ていた。同時に艦長室にてナタルは司令部より手渡された作戦指示書を確認し顔をしかめた。

 

「しかし…”アークエンジェル”の追撃、ですか…」

 

ナタルの表情は固いのは当然だ。

嘗て自らが副艦長として搭乗していた艦艇が脱走艦として討て、と言うのは彼女は軍人であっても飲み込むことは出来なかったようだ。

 

「仕方あるまい。オーブ攻略戦時に離脱した”アークエンジェル”が目撃されたのだ。連合上層部も目の上のたんこぶなのだろう。サザーランドの動きも怪しい…悩ましいことだ」

 

ハルバートンはやれやれ…と言った感じに呆れていた。

 

「それにしても無事に”ドミニオン”を受領できたのは良かったですが…」

 

艦長室の座席に腰かけるアズラエルがネクタイを緩めながら手にしている書類に目を通す。

 

「やはり…というかサザーランド大佐配下が多い…こちらの監視が目的ですか」

 

アズラエルは呆れた、と言わんばかりに書類をパシリと宙に浮かし投げ飛ばした書類を受け止め目を通す。

 

「…それにしても兵士もクルーの練度も低い…撃沈させたいんですかね?まぁブリッジ要員も第八艦隊所属の新兵ですが…一部、って感じですね」

 

といってナタルに視線を向けると苦い顔を浮かべる。

 

「”アークエンジェル”のクルーが優秀すぎたんだ。今思えばなんであんなに運用できてたんだろうか…?」

 

それは、と確かに思う。まさかとは思うがカレッジの教授が仕込んでいたんじゃなかろうな…?

 

「それを使い物にするのも艦長の役目でしょう?」

 

「…」

 

痛いところを突く、と表情で物語っていた。一先ずこちらは内通者を炙り出す必要がある。

 

「こっちにサザーランドが手下を送り込んでいるってことは近い内に仕掛けてくるでしょうね…」

 

近い内にこちらを消すためにサザーランドは此方を消しにかかるだろうが、宇宙は既にこちらの庭と言うことを思い知らせてやろう⋯と悪い顔をしている。

 

「そう言えばアズラエル。先ほど此方が派遣した部隊が”シーゲル・クライン”を保護した、と連絡を受けた。今彼は”モントゴメリ”に身を寄せている」

 

「ほう、上手く行ったようですね」

 

それを聞いて私は驚いた。

 

「シーゲル・クラインをですか…!?」

 

その名前にナタルも驚いた。プラント前最高評議会議長である彼はパトリックと袂を分かち銃殺される運命であったのに…?なんの因果か彼は死亡すること無く生存している。

 

「言ったでしょう。”プラント”側にも交渉に着いて貰う人物が必要だと。彼は地球にNジャマーを打ち込んだのを決定した人物ですが…こう言ってはなんですが和平を見せるのには()()()()()()()()()。」

 

悪い顔をするアズラエルを見て私は苦笑いを浮かべた。

 

確かに彼がしでかしたことは許される事ではない。そのせいで地球上で数十億人のコーディネイターとナチュラルが死亡したが”プラント”側の市民からしてみたら彼は同胞のために動きその後自らの過ちに気がついて必死に過激派を押さえようとした”穏健派”筆頭でありナチュラルとの協調路線を採る彼は適任と言えるだろう。

 

(しかし…”オーブ”に”プラント”…連合か。その立ち会いの際に誰が立つんだろう…アズラエル?閣下?)

 

その平和を願う三名の傑物達に混じるこちら側の人物が誰なのか…二人を想像したが違う気がする。

そんなことを思っているとアズラエルがナタルと閣下を見る。

 

「では艦長。そろそろ向かいましょう。”アークエンジェル”…彼らが僕たちの戦力に相応しいかどうか…見極めさせていただく宜しいですね?ハルバートン准将…いや”少将”?」

 

「無論だ。心配無用だと思うがね?」

 

閣下の襟元には真新しい少将の階級章が光る。推進したXナンバーの功績をアズラエルが働きかけた結果だ。

 

「…了解しました。本艦はこれより”アークエンジェル”追撃のためL4宙域へ向け発進します」

 

「……」

 

閣下は下船し”メネラオス”へ移動する。

ナタルとアズラエル理事は艦橋へ向かい私はパイロット控え室へ向かう。

これから向かう”コロニー・メンデル”…一体何が待っているのか私には嫌な胸騒ぎを覚えていた。

”ドミニオン”は此から”アークエンジェル”追撃に向け星の大海を航行する。

 

◆ ◆ ◆

 

”ドミニオン”がプトレマイオス基地を出港してから数時間後。

 

<大気圏を離脱。これより本艦は作戦宙域へ向かう。総員第二戦闘配備のまま待機せよ…>

 

”マスドライバー”ハピルスによって打ち上げられた連合戦艦が煌めきを映す宇宙を航行する。

しかしその艦艇のデザインは従来のアガネムノン級やドレイク級ではなく地球光を受けその艦体を衛星の影から出現させた。

極秘裏に建造されたその戦艦は外装を濃蒼に差し色の灰色に染め上げられ見た目は”アークエンジェル”に近しいが細部のブリッジのセンサー類とモビルスーツのレイアウト変更、ミサイル発射管の位置、艦艇底部のフラップウイングの形状は異なるがおおよそは”アークエンジェル”と”ドミニオン”に類似していた。奇しくもそのカラーリングは連合のエースパイロットのパーソナルカラーと同じものだった。

 

地球連合軍強襲特装艦アークエンジェル級三番艦”セラフィム”

 

本来の歴史に存在しない艦艇は()()()()()A()()()()()()()()()の存在が大きく関わっている。

姉妹艦と同じくストライカーシステムが搭載されており格納庫にはパイロット達の機体が格納されている。

艦内放送が響きパイロット達は既にパイロットスーツに着替え控え室で其々がくつろいでいた。

 

ネクロシス…連合軍の戦意向上を目的に結成されパイロットは全員女性のみで結成されておりまたの名を”聖女部隊”とも揶揄される。

 

ウィリアム・サザーランドと”ブルーコスモス”の一員であるジブリールが主導となって地球連合軍のタカ派が組織した部隊であり配置されているパイロットは全てエースパイロットで構成されている。

全員が強化措置を施された強化人間であり”ブーステッドマン”より安定性を求めた”エクステンデット”の雛形で投薬による身体維持は必要ない安定しているタイプだ。

 

「ねぇジャンヌ?カタリナ達が此からいくところ何処なの?なの?」

 

”セラフィム”のモビルスーツ戦闘部隊の一人であるカタリナと自らを呼ぶ水色の姫カットの色の白い幼い少女が無邪気に問い掛ける。

 

「そうね。強いのがいっぱいいる楽しいところよ。ねぇバルバラ?」

 

濃い緑色のロングヘアーのスレンダーな美女があやすように語り掛ける。”ネクロシス”のナンバーツーの女性パイロットだ。

 

「まぁな?しっかしまぁ…宇宙ね…本腰いれて宇宙の化け物どもを潰しにかかってるのかね?サザーランドのおっさんも。なぁ隊長?」

 

その会話を聞いてバルバラと呼ばれた燃える炎のような緋色のウルフカットでパイロットスーツの上半身をはだけさせ褐色の肌に豊満なバストをタンクトップに納める豪快な少女だ。体の至るところに傷が刻まれている。隊長と呼ばれた少女は控え室の壁に背をもたれながら腕を組んでいた。

 

「仕方があるまい。奴らが我々の敵になると言うのなら滅ぼすしかない。そう思っているからこそあの男は私たちを動かしたのだろう」

 

少なくともここにいるメンバーは”ブルーコスモス”の崇高な思想とやらに準じているわけではない。

其々に戦う理由がある。

 

命が散る瞬間を感じたい、戦場で見る爆発が見たい、モビルスーツをバラバラにして遊びたい…そして()()()()()()()()()()()()…だ。

彼女らは生まれたときから”壊れている”。他人からは理解されることはない…そういうことだ。

 

「少なくとも此方が従順にしていれば向こうも煩くは言わん。こちらも都合が良い…任務をやり遂げる、それだけだ」

 

そう”エアリス”が告げると全員が笑みを浮かべた。軍人としてのプライドなど無い。

意地汚く生きる…目的を達成するための手段が此方が手っ取り早かった、と言うだけだ。

エアリスは控え室から見える宇宙の景色を見ながら拳を握りしめた。

 

◆ ◆ ◆

 

「こいつは確か開戦前にバイオハザードを起こして閉鎖したコロニーだろ?」

 

バルトフェルドが”アークエンジェル”内部の通路を進みながらムウに問い掛けた。

 

「ああ。”メンデル”の事故は俺も記憶に有る。結構な騒ぎだった。でもそのお陰で一番損傷は少ないし陣取るにはちょうどいいんじゃない?」

 

数年前にコロニーに未知の病原体が確認され住民に感染する、という事件が起こり住民達は別のコロニーに移され内部をX線で徹底的に除染した、という経緯があったが”メンデル”が取り扱っていた研究内容が”遺伝子”ということもあり”ブルーコスモス”の標的にされたから…と真相は闇の中なのだが。

しかし、無人となったコロニーは両軍からの攻撃を受けずに無傷であった。

男達が会話をしながらエレベーターへ乗り到着すると艦橋に面々が揃った。

 

「やはり…警戒するとしたら月、でしょうか?」

 

ラクスが艦橋に揃った面々を見回しながら話を始めた。

 

「現在、奪還したビクトリアから続々と複数の月面基地へ部隊が送られていると聞きます」

 

その話にマリューは眉をひそめる。

 

「”プラント”を総攻撃しようとしているのかしら?」

 

「もともとそれがやりたくていっぱいな奴が多いからな…あのお嬢ちゃんを除いてな」

 

そうバルトフェルドが言うとここにいる全員の脳裏に無表情な少女の顔がちらついた。ここにナチュラルとコーディネイター…集うのも彼女が有る意味で繋げてくれたのもあった。

しんみりする空気を変えるため揶揄するように”ブルーコスモス”のお題目を口にする。

 

「『青き清浄なる世界の為に』?」

 

「よせよ」

 

「僕が言ってる訳じゃないよ」

 

ムウに窘められバルトフェルドは肩をすくめる。ムウは溜め息を吐いた。

 

「ま、事実だがな」

 

”ブルーコスモス”の盟主…といってもオーブで初めてあったあの男性がそんなものに傾倒する人間だと思えない。

であれば手助けをしてくれる筈がない…となれば今連合軍の上層部がその思想に染まっているのだろうとムウも嘗て連合にいた身としてはやりきれない。そんなナチュラルをのさばらせた自分達の罪でもあるだろう。

…こんなときにエアリスが生きているのならどれだけ心強いか、そんなことを思ってしまった。

 

「なんでコーディネイターを討つことが『青き清浄なる世界』の為になるんだか。そんな訳の分からん理由で”プラント”を攻撃されちゃ此方としては堪らんよ」

 

ムウは途中でカガリが抜け出していることに気がついた。バルトフェルドの言葉に怒ったか?と思ったが揃っているメンバーにアスランがいないことに気がつきなるほど、となって黙って見送った。

 

「しかし、”プラント”も既にナチュラルは邪魔物だ、といって排除しようとする動きがある。トップは当然防戦し反撃に出る」

 

バルトフェルドは憂鬱そうな表情でこう言った。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()ってな…」

 

その言葉に全員が押し黙った。

 

「こんな時代がいつまで続くのかしらね…」

 

マリューは温もりを求めるようにムウの腕にすがる。

 

「ああ。ひどい時代だぜ…」

 

ファーストコーディネイタージョージ・グレンの登場により人類は新たな道を指し示した。

より良き未来へ、希望への一歩を踏み出した筈なのに…。

今は互いが互いを害し合い滅びの道を歩もうとしているのだ。

 

「ですが…」

 

少女の声が彼らの暗い思いを断ち切る。

 

「そうしてしまうのも、それを止めるのもわたくしたち、人なのです。いつの時代も…」

 

ラクスは顔をあげここに集った面々の顔を見る。

 

「わたくしたちと同じ思いの人々もいるのです…創りたいと思いますわ。そうでない時代を…」

 

ラクスがキラを見つめキラが見つめ返すと頷いた。

 

「うん」

 

◆ ◆ ◆

 

「こんなところにいたのかよ」

 

”アークエンジェル”の展望デッキにて一人佇んでいたアスランは唐突に声を掛けられ驚いた。声を掛けてきたのはカガリだった。

 

「あ…」

 

彼女は遠慮の欠片もなく近づき突然怒りだした。

 

「お前、頭ハツカネズミになってないか!?」

 

「え…?」

 

「一人でぐるぐる考えてたっておんなじ、ってことさ!だからみんなで話すんだろ?そう言うときはちゃんと来いよ!私たちはもう仲間なんだから!!」

 

「すまない…」

 

父と再会し自分の思いを伝えたが、父の暴走する感情を止めることは出来なかった。その事で到着点の無い思考をぐるぐる…まるで滑車を走り回るハツカネズミのようにぐるぐるしていたことになぞらえられてアスランは顔が赤くなった。

 

「痛むか?」

 

カガリは固定されてる腕を見て呟く。

 

「いや…」

 

否定しようとしたアスランだったがカガリから怪我をした部分に触れた。

 

「痛いよな…お父さんに撃たれたんじゃ…」

 

アスランの脳裏に血走った眼を此方に向け銃口を突きつけられた姿を。

 

「俺は…父を…止められなかった…何も出来なかった、何も…分かっていなかったんだ…」

 

「そんな悲しいこと言うなよ。親子、って言っても自分じゃないんだ…分かる筈無いだろ?…分かった気になっている方が可笑しい!」

 

「カガリ…」

 

「お父さんの事…諦めるのは早いさ!まだ此から…ちゃんと、話が出来るかも…知れないじゃないか…!」

 

そう言われてアスランは気がつく。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

それと比べれば父親は生きており話して分かり合えなかった、というだけで視界を絶望に覆われ慰めてくれている彼女の気持ちを配慮していなかった。

 

「だからっ、こんなところで、うじうじしてないでっ…」

 

何て彼女は器が大きく優しいのであろうか?アスランは思わずカガリを自由に動かせる手で抱き寄せた。

 

「えっ…?」

 

出し抜けに抱き寄せられ戸惑うカガリは面食らってしまうがアスランは静かに呟いた。

 

「ごめん…」

 

「ごめん、ってお前…ええっ?」

 

「いや、だからごめん…」

 

アスランは力強くカガリを抱き締める。カガリはなすがままにされていたが拒むようなことはしなかった。

彼女の優しさを…自らの不幸にかまけずに周りの気遣いを見落としたりしない。

また、守りたいものが増えた、とアスランは抱き締める温もりを感じてそう思った。

 

◆ ◆ ◆

 

「これは…」

 

「この機体…」

 

”コロニー・メンデル”の宇宙港にて集った三隻の戦艦。それは小さな希望の炎を灯す対岸から船出した同志たちは和気藹々とした和やかな雰囲気の中相談をしたり乗艦移譲をしたりと準備を整えていた。”エターナル”に関しては最終調整前ということで調整に余念がない。”クサナギ”には”M1アストレイ”と”M2アストレイ”があり”エターナル”に関しては”フリーダム”と”ジャスティス”が搭載され”アークエンジェル”に”ストライク””バスター”ブリッツ”そして…。

 

「これを俺にですか?」

 

「ええ。二人には申し訳無かったのだけれど回収補修のついでに此方で改修させて貰ったわ。貴方になら使いこなせそうと思ったのよ」

 

エリカが訪れ声を掛けたときにキラとアスランは”アークエンジェル”の格納庫には一機のモビルスーツ…いやモビルアーマーがキャリアーに納められており機体色は灰色と橙の装甲で纏められている。頭部は見覚えのあるツインアイに特徴的なアンテナを持つのをトールが見上げる。宇宙に上がり”スカイグラスパー”が使用できない為に用意された機体であった。それを見て二人は驚いた。

 

「X-303”イージス”…いやMYF-X01”イージス・カットラス”ね。戦闘で大破した”イージス”のパーツとM2アストレイのパーツをミキシングして再生した機体よ…まぁほぼM2アストレイと言った方が良いかしらね」

 

ソロモン諸島での戦闘で大破した”イージス”の残った頭部から回収したデータを元にエリカ達は次世代の主力モビルスーツを開発するためのテスト機体としてイージスの可変機構とパーツ流用による資金計算を行うために製作された機体であり面影は”イージス”ではなく後の時代に現れる”試作ムラサメ”の原型…どちらかと言えばこの時代には無い機体の見た目をして変形も簡易的なものになっている。機首を試作ビームライフルを使い手足を折りたたみ流線型のフォルムだ。

 

「この機体は宇宙専用の機体ね。安心してちょうだい。貴方の近接戦闘スタイルも生かせるわ」

 

「俺がこれに乗るのはなんというか…」

 

少し複雑なトールの表情を見るキラと申し訳なさそうな表情を浮かべるアスラン。

戦闘機で近接格闘を行うという前代未聞のスタイルを採る彼はアラスカ、オーブと”シャドウストライカー”を活用し数多のモビルスーツを屠ってきた。

 

”イージス・カットラス()”もその名に恥じない装備を搭載している。

”イージス”は頭部と手足以外を残して爆発してしまったため胴体はM2アストレイのものを流用し手足はイージスを使いサーベルを四刀流に可能。”シャドウストライカー”を固定装備として設けられブレードスラスターとして主翼として機能して接近時にすれ違いざまに切り裂く事が出来る。接近戦闘を好むトール向きだった。

 

「俺に…使いこなせるかな?」

 

不安そうにトールはキラを見るが優しく微笑んだ。

 

「トールになら出来るよ」

 

「…分かった」

 

戦力が少ない以上選り好みは出来ないがアスラン…特にキラは思うところがあったのだが彼女は生きている…そう信じているからだ。

こうして預けられた”イージス・カットラス”を含め”アークエンジェル”は本来想定された機体を運用することになった。

 

◆ ◆ ◆

 

同じ灯を掲げ同志に出会うことが出来て浮き足立つのを感じ取ったマリューは気を引き締めようとする。

これからどうするのか決まったわけではなく、どうすれば解決できるのかも分からず、意味なく浮かれる場合ではないと…そして内心の戒めが的中する。

 

「接近する大型の熱源を関知!」

 

当直のサイがセンサーに映るものにハッと息を飲んだ。

マリューは振り返りみるみる顔色が変わっていくサイの表情が強張る。

 

「戦艦クラスと思われます…!」

 

同時に”ドミニオン”でも同様の報告を受けた。

 

「前方構造物に大型の熱量有り!戦艦クラス三!内一隻は”アークエンジェル”です!」

 

レーダー観測員がそう報告するとナタルは口を引き締めアズラエルは浮き浮きと声を弾ませた。

 

「ん、どうやら我々の方が早かったようですね。これはラッキーだ」

 

艦橋に上がる前にアズラエルが独自のルートで入手した”アークエンジェル”の居場所に最初こそは眉唾であったがここにいるということが事実であることに少し驚くとアズラエルは「言ったでしょう?」という風に見てくるので少し苛ついた。

 

「…ザフトの情報は正しかった、と言うことですね」

 

「そう言うこと。さ、ちゃっちゃと始めちゃいましょう。では、艦長。手筈通りに彼らにも出撃準備を」

 

「了解」

 

そう言われナタルは帽子を被り直し正面を見て艦内放送を行う。

 

「現時点を持って艦橋を封鎖!立ち入りを禁ずる!当艦はこれより戦闘を開始する。総員第一種戦闘配備!」

 

キビキビと指示をだしナタルにしごかれたクルー達はよどみなく武装を立ち上げていく。

 

「”イーゲルシュテルン””バリアント”起動!ミサイル発射管全門”スレッジハマー”装填!”ローエングリン”照準…」

 

様々な思いを込めてナタルは告げた。

 

「目標…”アークエンジェル”…!」

 

◆ ◆ ◆

 

「距離七○○!オレンジ十一、マーク二三アルファ!ライブラリ照合…!」

 

トノムラが報告する。その声色は当惑するものだった。

 

「有りません!」

 

報告を受けマリューはCIC席を見やる。接近する艦艇は新型ということだ。ザフトか地球軍、はたまた民間船か分からないということだ。

 

「総員第一種戦闘配備!」

 

船外作業から戻ったムウはトンボ返りでロッカールームに悪態を吐きながら戻りディアッカとニコルも食堂から放送を聞いて駆け出す。

パイロット達は機体へ搭乗し通りすぎてくれることを願ったーーー。

 

次の瞬間、誰かが祈ったが虚しく届かず港の外壁が激しく揺れる。湾口ブロックの装甲が赤く輝くのはエネルギー砲の攻撃を受けたからだ。

民間船ではなく。敵からの明確な攻撃だった。

揺れる艦内でマリューは声を上げる。

 

「”アークエンジェル”発進!港の外に出る!」

 

<ラミアス艦長!>

 

モニターにキサカの顔が映る。

 

「”クサナギ”は!」

 

<出られる!大丈夫だ!>

 

バルトフェルドが通信に割って入る。

 

<”エターナル”は最終調整が完了してない>

 

「分かりました。港の方で待機を。敵が”ザフト”か”連合”か、どちらかであれば狙いが分かります」

 

<分かった!すまん>

 

”エターナル”は出られなくとも”クサナギ”と”アークエンジェル”そして腕よりのパイロット達がいる。

これに敵う一部隊だけの戦艦はいないだろう、とそのときは思っていた。

 

「”イーゲルシュテルン””バリアント”起動!ミサイル発射管全門”コリントス”装填!デブリに気を付けて!特にコロニー用のポリマーストリングは危険よ!」

 

「分かってます!」

 

港を出たタイミングで通信が入る。声はクリアーだった。

 

<此方は地球連合軍宇宙艦”ドミニオン”。”アークエンジェル”聞こえるか?>

 

マリュー達はその声に聞き覚えがあった。驚き視線を交わす。

 

<本艦は脱走艦である貴艦に対し無条件の降伏を要求する!>

 

「ナタル…」

 

「バジルール中尉…!」

 

<この命令に従わない場合は貴艦を撃沈する!>

 

重苦しい沈黙が艦橋を支配する。通信指揮官席に座るミリアリアが声を上げた。

 

「艦長!敵艦の光学映像出ます!」

 

モニターに最大望遠された敵艦艇の姿が露になり一同が息を呑んだ。

 

「”アークエンジェル”…!?」

 

「同型艦か…!?」

 

そこに映るのは色こそ違えど寸分違わない自らの乗船している”アークエンジェル”と同じであった。

 

通信が入りモニターが映る。そこには嘗ての副長であるナタル・バジルールが映った。その姿にマリューは口を引き結んだ。

 

<お久しぶりです。ラミアス艦長>

 

「ええ。ナタル…」

 

<このような形で再会することになるとは…残念です>

 

「そうね…」

 

分かれる際に「戦場ではない何処かで」と言葉を交わした筈なのに…運命とは皮肉であった。

 

<アラスカでの一件やパナマでの行動は自分も聞いております。その件に関しては私も…()()()()()()()()()()と考えるその思考を続ければ地球に…プラントにも…両方の陣営に未来はないと思います>

 

「ナタル…?」

 

その言葉を聞いてナタルの隣に座る人物が笑うのを必死に堪えているのが聞こえた。

クルー達も苦笑いを浮かべていた。一方で艦内待機を命じられていたブルーコスモス派の兵士が暴れだしたが保安要員によって取り押さえられる。

”ドミニオン”を受領しナタルを味方に引き込み”アークエンジェル”と合流できた時点で彼の図面は完成しつつあったのだ。

 

「ナタル…我々はアラスカの一件…地球軍、いやこの戦争に疑念があるの。…よって復隊、降伏はありません!」

 

マリューのその言葉を聞いてやはり、とハルバートンの弟子であると確信し此方に引き込む価値があるのをテストする意味があると。

 

<いやいや…流石は”アークエンジェル”の艦長サンだ。やはり君たちに投資して正解でしたねぇ…?>

 

モニターはアズラエルに切り替わりマリューを見る。映った男性を見てマリューは驚いた。

 

「アズラエル理事…!?」

 

<言って分かれば戦争なんて起こりはしません。だからこそ確かめなくてはなりません。世界の大きなうねりに立ち向かうバカな君たち…それを値するに相応しいか見極めなくては、ね?>

 

アズラエルは幼少の頃からコーディネイターに対してコンプレックスを抱き産んでくれた母親にその事を告げ打たれたことがあり拗らせた。()()()()()()()()()()()()()()()()と…。

しかし、それを覆させたのは同じナチュラルであるレインズブーケの一家だ。先生とその娘…エアリスを目の当たりにしコーディネイターなんてなんて事の無い()()()()()()()()()なのだ、とある種の静観を出来るようになった。寧ろ自然のまま産まれた自分達の方が優れている、と。

 

だからこそ、自分達が生きるこの世界を守らなければ…と自らのコンプレックスを乗り越えこの行き着いてしまう戦争の果てを止めなくてはならないと動いたのだ。

 

<この戦争には様々な思惑が蠢いています。それを突破できる力が君たちにあるのか…確かめさせていただく。僕の()()()()が最強だと言うことをネ…?>

 

「「「「!?」」」」

 

「エアリス…!?」

 

アズラエルの放ったその言葉に全員が彼女に親しい人物達は驚愕する。

 

ーエアリスが生きている…!?

 

驚愕を他所にアズラエルは笑みを浮かべ指示を下した。

 

<”カラミティ””レイダー””フォビトゥン””ディスペアー”…発進。さぁ見せて貰いましょう。君たちの覚悟ってやつを…!>

 

◆ ◆ ◆

 

特注のパイロットスーツに身を包み”ディスペアー”のコックピットに潜り込み機体の火を入れる。

 

<どうすんだ?>

 

「全力で!あとコックピットは避けて!」

 

オルガの問いかけにエアリスが指示を飛ばす。そう簡単に”アークエンジェル”の面々がやられるとは思えないが万が一もあり得る。

 

<戦艦も?>

 

シャニも確認する。頷くと了解したのか短く「ん」と答えた。

 

「勿論!狙うなら武装を!」

 

<へッ!了解!オーブでの雪辱晴らさせて貰おうか!>

 

「APU分離を確認、X-130"カラミティ"発進よろし!続けてX-370”レイダー”発進どうぞ!」

 

<第二カタパルトエンゲージ。X-252”フォビトゥン”発進どうぞ!>

 

オペレーターから発進許可が降りオルガ達は勇ましく叫んだ

 

「おっしゃ!ブルーム1オルガ・サブナック”カラミティ”行くぜおらぁーッ!!」

 

「ブルーム2クロト・ブエル”レイダー”出ますよ!」

 

「ブルーム3シャニ・アンドラス”フォビトゥン”出るよ」

 

<APU起動。アーマメントシステム”TypeⅡ”を選択。ストライカーは”バーストストライカー”を選択…>

 

”ディスペアー”がマントのような増加装甲を装着する。

そして背中にはバーストストライカーを改良した砲狙撃戦仕様のストライカーパック。

高火力のビーム兵器を使用するために大容量のバッテリーパックと背面に備えられたジョイントには改良されたビームランチャー”アーキバスMk-Ⅱ”と500ミリレールバズーカ”ゲイボルグMk-Ⅱ”が装備されている。

そして専用のアンチビームスナイパーライフル”イチイバル”を主兵装とする。

 

<RX-08 ”ディスペアー”発進よろし!>

 

コックピットから宇宙に浮かぶ”アークエンジェル”を見つめる。

 

「…ブルームリーダー、エアリス・レインズブーケ。”ダガー”行きますッ!」

 

”ドミニオン”から出撃した四つの禍ツ星が希望に輝く大天使達へ襲いかかった。

 

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