魔改造ダガーでC.E世界を駆け抜けたい【完結】   作:萩月輝夜

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投稿しようと思ったら評価とコメントが来てた…嬉しい……!
この作品では主人公はガンダムに乗りません(鋼の意思)。
今回妄想ストライカーが登場します。




影の名を持つ装備

一時的な戦闘が終了し私たちは集めた物資をアークエンジェルにひたすらに積みまくっていた。

モビルスーツデッキでは生き残った原作キャラ達が再会を喜んでいた。

 

「ラミアス大尉ご無事で!」

 

私はラミアス大尉をダガーの手に乗せてゆっくりと降ろす。

土壇場でアークエンジェルを指揮して見せたナタルさんが端からみても安堵している様が見えた。

 

「バジルール少尉!無事だったのね!」

 

「ええ。…ですが艦長達はブリッジに…生き残ったのは我々だけです。」

 

「そう…でも貴女達が無事でなによりよ。それにアークエンジェルも…良くやってくれたわ。」

 

「ハッ…しかしストライクは…分かりますがあの機体は?」

 

コロニー内部で戦艦を出現させた事に言いたいこともあるのだろうがここはマリューさんがグッと飲み込んで再会を喜んでいた。

一応私も生存していることを示すためとこの機体について説明するためにコックピットからラダーを降ろしてデッキに降りた。

 

「少尉!君も無事だったのだな!」

 

「はい、無事でしたバジルール少尉。どうやら悪運が強かったようです…この機体も見つけちゃいました。」

 

機体の説明をしていると遅れてやってきたストライクがハッチを開くとそのパイロットが少年であることに周囲がざわついた。

 

「おいおい何だってんだ?お嬢ちゃんと言い…ストライクのパイロットと言い…子供じゃねーか」

 

マードックさんが困った、と言う風に頭をカシガシ掻きながらそう言った。確かにMSのパイロットが子供と言うのはそう思いたくもなるだろう…まぁガンダムって作品は子供が主人公だからね。

…かく言う私も飛び級して大学卒業してる十五歳らしい、決してコーディネイターではないぞ。(迫真)

 

「大尉これは…」

 

視線はキラに注がれる。余計な注目が集まっていることに私は焦りを覚えつつどう上手くこの状況を纏められるか考えているともう一人重要な人物が此方の輪の中に入ってきた。

 

「へーコイツ…悪いんだけどここの責任者いるかな?」

 

そう言って声を掛けたのは紫色のパイロットスーツを着用した長身の男性がいた。その顔と声には見覚えと聞き覚えが知識としてあった。

 

「地球連合軍第七機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉だ。よろしく」

 

「地球連合軍第五特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です」

 

「同じく、ナタル・バジルール少尉であります」

 

尉官同士の挨拶をみているとムウさんがこっちをみていた…って私も尉官だったの忘れてたので改めて敬礼して名乗った。

 

「地球連合装備開発局第七技術班所属、エアリス・A(アハト)・レインズブーケ特務少尉であります」

 

この場に集った最上位達が名乗りを終えるとムウさんが切り出した。

 

「乗艦許可を貰いたいんだが…俺が乗ってきた船、ザフトに落とされちまってさ…この艦の責任者は?」

 

ナタルさんが答えた。

 

「艦長及び主だった士官は皆戦死されました…よってその任はラミアス大尉にあると思われます」

 

「そうか…俺は例のXナンバーのパイロットのひよっこ達を護衛するためにここに来たんだがそいつらもか…?」

 

「ええ。指揮所ブースにて艦長に挨拶をされておりましたので襲撃に巻き込まれ…戦死したものと」

 

「何てこった………ふぅ、とりあえず生き残った奴でここを切り抜けないとな。ラミアス大尉、悪いが艦長を頼まれてくれないか?」

 

「えっ、私が、ですか…?」

 

ムウさんからマリューさんへのある意味での無茶振りに困惑していた。

そりゃそうだ。

 

「先任大尉は俺だろうがこの艦のことは分からんからな」

 

無責任…とも思える発言だけどこの状況じゃマリューさんを艦長に据えるしかないからね…

そうやっと会話を繰り広げマリューさんは口を開いた。

 

「…分かりました、フラガ大尉の着艦を許可します。私はこれよりアークエンジェル艦長の任に就きます。バジルール少尉は副艦長をお願い。」

 

「ハッ!」

 

「そしてエアリス少尉。貴女はアークエンジェルの技術班班長として技術長及び【ダガー】のパイロットとして任命します。」

 

「了解であります」

 

一通りの配備が完了しムウさん指差し口を開いた。

 

「で……あれは?」

 

指差した場所にはストライクとキラ君の姿が。キラ君を守るようにトール君達が取り囲む。ムウさんは驚いていたようだったが…ってあ、あの場面か!

マリューさんが事の経緯を説明した後何でもないような口調であの言葉(キラ君のトラウマ台詞)を言ってしまった。

 

「君、コーディネイターだろ?」

 

途端に空気が張詰めるように緊張する。保安部隊は腰の拳銃に手を掛けるものがいた。

キラ君は苦々しく頷いた。

 

「…はい」

 

その瞬間にキラ君に対して拳銃を突きつける大人達、私をそれを見て

ああ、やっぱりこの世界はC.Eなんだなぁ…と感心すると同時に呆れも出てきてしまった。

民間人であるがそれが“コーディネイターであればその悪意を向ける”と言うことに。

この身体の持ち主が正義感の溢れた少女だったのか分からなかったが私は軍人の輪から移動し立ち塞がるようにキラ君達とムウさん達の間に割って入る。

 

「…少尉?」

 

マリューさんが驚いた表情を浮かべていたがどうでも良いだろう。

 

「銃を降ろしてください。」

 

「エアリスさん…?」

 

困惑する声を無視して私は告げた。

 

「ここにコーディネイターの少年がいても可笑しくはない筈です。ここは“中立国のコロニー”ですから。それに守るべき市民に銃を向ける、というのは如何なものかと思います。」

 

「………」

 

そう私が告げると銃を構えていた保安部隊が動揺しているのが目に見える。自分の方が階級が上なのは助かった。

それにここにいる士官はザフトを憎みはすれど“コーディネイター!”といった感情は持っていない筈…。

マリューさんに視線を向けると此方の意図を読んでくれたのか指示を出す。

 

「銃を降ろしなさい。コーディネイターの少年とは言え一般市民です。それに彼らは最後のGを守ってくれた少年達です。」

 

そう指示され銃を降ろす。フォローする形ではないがムウさんのコメントにも補足をいれた。

 

「フラガ大尉も後の不和になることを危惧してここでハッキリさせたかったのですね?」

 

「え?ああ…そうだな………突然変なことを言って悪かったな坊主。ここでハッキリさせておいた方が良いと思ったんだ。こんなこと言うべきじゃないとは思うが一人の男として伝えさせて欲しい。君のお陰で死なずにすんだ人間がいるってことを。だから言わせてくれ。ありがとう。」

 

「え、いやそんな…」

 

そう言って頭を下げるムウさんを見て驚く軍人もいたようだがキラ君達の仲間達はムウさんに対する考え方を改めてくれたようだ。

 

◆ ◆ ◆

 

アークエンジェルのブリッジでは最上位の士官による話し合いが行われていた。

 

「…コロニー内の避難は殆ど完了したけど…先の警報でレベル9に上がってしまったそうよ」

 

「シェルターは完全にロックされちまった、って訳か…でどうするんだあのガキ共達はよ」

 

「え?」

 

マリューさんが間の抜けた声を出す。一応貴女、艦長ですよね?一応助け船を出す。

 

「この艦に乗せて共に脱出するしか方法はないのでは?ここに残るより安全かと思われますが。」

 

「ここから脱出する、ってなれば外で待ち受けているザフトの部隊に捕捉されちまったら戦闘に入るぞ?」

 

「崩壊が始まっているコロニーにいたら巻き込まれます。包囲される前に突破するのが妥当かと。それに戦力は問題ないと思われます。ここには【エンデュミオンの鷹】もいらっしゃいますし最新鋭の艦艇にモビルスーツは二機、ここでザフトに奪われる方が問題かと」

 

皮肉たっぷりにそう告げるとムウさんは苦笑いを浮かべていた。

 

「…ところで嬢ちゃんはあのモビルスーツを動かせるのか?」

 

完全に親戚の娘、みたいな感じに見られて少尉、ではなく嬢ちゃん呼びなのは少しむず痒いが嫌いではない。

 

「はい。必要最低限の動作だけですが…一応これでも装備開発局のテストパイロットですからね」

 

「成る程な…若い子に簡単にクルーゼを退けられるなら俺、すこし自信なくしそうだぜ…」

 

おどけたように見せるムウさんに少しだけ場の雰囲気が明るくなったがマリューさんが真面目な表情を見せた。

いやいや、こっちは神様特典使って戦ってるだけ…とも言いづらい。元々のこの子の能力があるからかもだが。

それはさておいておこう。

 

「だけど…貴女が書き換えたOSを確認させて貰ったけど並みのナチュラルでは扱えないわ。神経系に負荷を掛ける、どちらかと言えばその…」

 

「コーディネイターのようなOSと?まぁそれを参考にして作ってますから殆ど私専用になってますけど…」

 

「君本当はコーディネイターじゃない?」

 

デリカシー無いんか貴方…その言葉に女性陣達はムウさんを軽蔑するような表情を浮かべていた。可哀想すぎないムウさん…まぁそれに同意するようにマリューさんやナタルさんが私をみていた。いやいや…

 

「…人より少しだけ頭が良くて小生意気な娘ってだけです。それに何故か私神経系が強いのかコーディのOS使っても大丈夫みたいなんですよね…だから連合の技術開発局にスカウトされた、って訳です」

 

正真正銘私は純正のナチュラルだ。何故か神経系がめちゃくちゃ強いのでコーディネイターが作成したOSを似せて作ったモノを使っても健康面的に問題ない…らしい。実際に今どこも悪くないからね。

 

「ところであの坊主達にも脱出に付き合って貰うのか?ここを出るってことは戦闘に巻き込まれる…向こうはMSを投入してくるし…こっちの頼みは嬢ちゃんのダガーとストライクだけだ。」

 

「…あのコーディネイターの少年の力も必要になると思いますが」

 

「あの坊主の了承を貰ってるのか?ましてや他国の民間人、戦闘強要された、となれば国際問題だ。」

 

ムウさんがそう告げるとナタルさんはぐうの音も出なかったらしく黙ってしまう。

 

「…今度はフラガ大尉が乗られれば」

 

「おいおい無茶言うなよ。あんなもんが俺に扱えるわけないだろ?坊主が書き換えたOS見てないのか?あんなのが普通の人間に扱えるかよ?」

 

「私が普通の人間でない、と…酷いですね大尉」

 

「あ、いや…そう言う訳じゃないんだが…っておい!」

 

私が茶々をいれると反応してくれるムウさんを見て士官達が笑みを浮かべる。

 

「だから、と言って元に戻させたとしてもただの棺桶になりますからね…仕方ありません。ラミアス艦長私が二機運用いたします。フラガ大尉は機種転換も終わっていませんからMSでの戦闘は現実的ではないと思います」

 

「大丈夫なの?」

 

「ええ。それに軍の機密を民間人の少年に扱わせる、と言うのは余り好ましくないでしょう。それに私が使用してるOSを調整すれば大尉でも扱えるようになる筈です。時間は少し掛かりますが調整すれば何れは…それに元よりOSの開発が遅れているのは我々技術班のせいです。」

 

「嬢ちゃんは坊主と同じ年なのに確りしてるなぁ…」

 

ムウさんの一言にこの場にいた私以外の大人の士官達は頷いていた。

そして私は有ることを伝え忘れていたので思わず声に出す。

 

「あ。」

 

「どうしたの少尉?」

 

「ラミアス大尉にお伝えするのを忘れていました。先程【ダガー】を入手した場所の事です。」

 

ダガーを入手したことですっかり忘れていたがあの場には“お宝”が残されていたことを。

 

「確か地下の軍事ブロックだったわね…それがどうしたの?」

 

「我が軍で開発していない未確認のモビルスーツが三機、トレーラーに乗せられていました」

 

「なんですって?!」

 

「それは本当か少尉?」

 

マリューさんは驚きナタルさんは疑うような眼差しを向けているがここで嘘を吐いたところでしょうがない、と説明する。

 

「そんな嘘を吐いても得なんか有りませんよ…少なくとも見た目がGAT-Xシリーズではなかったのでもしかするとオーブが此方の技術を流用、もとい盗用して作成した機体かもしれません。あくまで“予測”という言葉が付きますが」

 

「なんだと!?」

 

流用、という言葉にナタルさんがえらく反応していた。まぁ秩序を重んじる初期はそうなるよね?

モルゲンレーテが盗用して作った…というのは非常に良くないがまぁ、似たようなものだろう。

 

「どんな見た目だったんだ?ジンみたいな感じ?」

 

ムウさんが気になったのか問いかけてくる。私は首を横に振って否定した。

 

「いえ、ジンのような武骨な感じでもストライクのような見た目、いや頭はストライクのような見た目で………そうですね、一部装甲が撤廃されてフレームが出ている軽装甲の機体でした。恐らくですけどPS装甲は搭載されてないと思います。」

 

「そうか…嬢ちゃんの言うことが確かなら…機体が使えるならこっちの生き残る確率が高くなるな。」

 

外伝作品の連中には申し訳ないがこっちも生き残るのに必死なのでムウさんがMSに乗ってくれれば非常に楽になる。そのため私は提案した。

 

「このどさくさで何処かの連中が機体を奪いに来るかもしれません。なので今のうちに回収班を編成して機体をアークエンジェルに積み込みたいのですが」

 

「敵が未だ動いていない今、資材を積み込めるだけ積み込んでいます。時間も許す限りなら回収班を編成して向かうべきだと、小官も思います。艦長決断を。」

 

私の意見にナタルさんが同調してくれたのでそれをマリューさんに提案すると「少し考えさせて」といわれ数分後…顔をあげたマリューさんから指示を受けるのだった。

 

◆ ◆ ◆

 

「良くこの状況で寝れるよね…」

 

「仕方ないわよ。本当に大変だったんだから。」

 

キラがコーディネイターとして判明した後、一悶着有ったがアークエンジェルの空き部屋に案内され一室にて待機させられたサイ達は戦闘や諸々の疲れで寝てしまったキラの寝顔を見ていた。

 

「精神的に疲れてたんだろ」

 

「大変だった、ね…ま、確かにそうなんだろうけどさ…」

 

「何が言いたいんだカズイ」

 

キラを本心から心配しているミリアリアとは違い何か含みがあるように感じたサイはそう感じていた。

 

「別に。ただキラにはあんなことも“大変だった”って片付いちゃうんだって思ってさ…キラがあのMSでなんのダメージを受けずにザフトのMS圧倒したって…普通あり得ないだろ?」

 

「それは…」

 

カズイはサイからの非難の視線を浴びながら思ったことを目を背けながら本心を口走ってしまう。

 

「さっき軍の人の話を聞いちゃったんだけどさ…キラが乗ってたMS、あれのOS未完成で歩くのもキツかったらしいのに戦闘中に書き換えちゃったんだってさ……キラがコーディネイターだってのは知ってたけど戦闘中にOSの書き換えなんて離れ業ナチュラルじゃ絶対に無理だよ。コーディネイターってのはそれを“大変だった”の一言で済ませちゃうぐらいで出来ちゃうんだぜ?」

 

カレッジでもキラは目立たないが成績が優秀であり気にしないようにしていたがナチュラルとコーディネイター…カズイは心に有る妬みを、劣等感を感じられずにはいられなかった。親友ではあるがそれはそれだ。

 

「ザフトってのはそう言う連中の集まりなんだ…そんなのと戦って勝てるのかよ、地球軍は…」

 

カズイの呟きがサイ達の耳に深く入ろうとしたそのときだった。

 

「地球軍も無能ではないですよ。それこそ今その対抗手段を構築しているんだから」

 

「ッ…貴女はあの時の…」

 

「あ、キラを庇ってくれた女の子?」

 

サイ達が振り返ると地球連合の士官制服を着用し白衣を羽織っている少女、エアリスが入り口から顔を出していた。

 

「えーと…もしかして今の話、聞いてました…?」

 

トールが問いかけるとカズイは顔を青くしていた。自分の発言が不味いと思っている。

当然だろう「連合が勝てるわけがない」と連合士官の前で言ってしまったのだから叱責の声が来るのでは…とカズイ含めた学生組は身構えた、が。

 

「大丈夫だよ。聞こえてなかったから、ということにしておくから。……でもまぁ私より上の階級の人や男の人に聞かれたら大変だから口に出さないでください」

 

「は、はい…」

 

カズイはエアリスに窘められ素直に頷いた。

 

「で、キラ君の様子はどうですか?」

 

どうやらキラの様子を見に来たらしく寝顔を覗き込んでいるエアリス。

魘されている様子も見られず普通に寝息を立てているようで安心した。

 

「うん、大丈夫みたいで安心した。えーと…」

 

「あ、ミリアリア。ミリアリア・ハウよ…その…キラを庇ってくれて…連合の兵士の人のなかにもそう言う人がいるんだな、って少し感心しちゃった。ありがとうねエアリスちゃん」

 

うーんどうやら年下ように思われているらしい。まぁ童顔だからな。

 

「コーディネイターを庇うことが…ですか?まぁ私たちはザフトと戦ってるけどコーディネイターを憎し、ではありません。“ザフト”と戦っていますから………と、そうだ貴方達に伝えておかないといけないことがあります。」

 

「…なんでしょうか?」

 

エアリスはコロニーの警戒レベルが上がってシェルターに避難できなくなりこのアークエンジェルで脱出することになったということを伝えると学生組は苦い顔をしていた。

そして最後にエアリスは今は寝ているキラに伝えて貰うようにミリアリアに伝言を頼んだ。

 

「キラ君が起きたときにミリアリアさんが伝えて貰えますか?」

 

「う、うん。あ、ミリィで良いよ?エアリスちゃん」

 

「キラ君に…私がMSに乗って戦っているときに間違っても手伝おう、だなんて思わないでください。君は民間人だから、って守るべき対象だからそう…」

 

エアリスが続きの言葉を伝えようとした次の瞬間、艦内に警報音が鳴り響く。警報音の合間に生き残ったアークエンジェルのクルーが世話しなく動き焦ったような声が響き渡った。

 

「ああもう…!」

 

『ラミアス大尉、至急ブリッジへ!』

 

ラミアスを呼び出す声が艦内に響くと今度はフラガの声がスピーカから響く。

 

『嬢ちゃん!MSが来る!モビルスーツデッキで準備してくれ!』

 

壁に備え付けられた通信機を手早く取ったエアリスはブリッジにいるフラガと会話をし始める。

 

「了解しました。フラガ大尉のメビウスは?」

 

『ダメだ未だ出られん!俺はCICに入るから迎撃を!』

 

と、なれば一人での戦闘ということか。

 

「…了解しました。艦長には可能な限り戦艦主砲使わないように、実体弾での迎撃をお願いするように伝えてください」

 

『分かった!!』

 

「気を付けてねエアリスちゃん…」

 

「大丈夫です。皆さんは部屋にいて座っていてください。揺れますから」

 

通信を終了し丁寧に通信機を戻しエアリスは不安がっている学生達を見渡してミリアリアに送り出され頷いて踵と白衣を翻返してモビルスーツデッキへ走り出した。

 

◆ ◆ ◆

 

少し時間は遡る。

 

マリューさんから回収班編成を許可され【ダガー】が鎮座していた地下ブロックへトレーラーを引き連れると案の定、というか予想通りだったが“三機のアストレイ”はもぬけの殻状態になっていた。

MSが寝かせられていたトレーラーがあるだけで他には何もない状態だったので同行していた兵士達からの視線が痛かった。

 

(案の定ジャンク屋と傭兵…そしてエセ貴族に持ってかれたか…壊すか一緒に持ってくれば良かったけど…仕方ない、かな?)

 

「少尉!此方に来てください!」

 

状況の説明をマリューさんへ一報いれようと思った矢先に回収班の一人が奥で何かを見つけたらしい。

呼ばれ【ダガー】を歩かせる。

 

「…これはMSのパーツ?」

 

奥にMSの組立施設が存在しそこにはちょうど予備パーツ含めたMS一機分の部品が保管されていたのだった。

そして組立に必要な機材もここには存在していたのはありがたい。

 

「此方の部品を回収してアークエンジェルで組み立てます。急ぎ回収をお願いします。B班は機材の積み込みも」

 

これで何もありませんでした、と報告しなくて済んだのは有り難かった。

しかし、グレー色の機体なんてあっただろうか?

 

◆ ◆ ◆

 

時間は巻き戻る。

 

ああもう!伝えたいことがあったのに!と内心で悪態を吐きながら私はMSデッキまで走り抜け飛び乗るようにリフトに到着、昇降のボタンを押すとコックピットまで導かれた。下では整備兵が忙しなく動いているのが視界に入る。

 

頭をぶつけないように屈んで座席に背中を預けた待機中だったダガーの電源を入れた。

 

「…キラ君を巻き込まないようにするにはこうするしかないよね。」

 

原作主人公がこれからひどい目に遭うのは目に見えていた。

ストライクに乗ったばかりに、と劇場版まで続くそれを今なら未だその戒めに囚われることもないだろう。

転生者だがここに来た今、彼を戒めから逃がすために生まれたのかもしれない。茨の道だが一度死んだ身だ。人のために動くのも悪くないだろう。とそんなことを思いつつ私は通信をマードックさんへ繋ぐ。

 

「マードックさん!運んできた物資にストライカーがあった筈です。出せますか?」

 

このダガーは背中にコネクターが付いてるのでストライカーパックが装備できる。

そしてこの機体は試験運用していたためか機体各所にハードポイントが付いていた。うーんやっぱり良いよね。改造のしようがあるなぁ…と思っていると。

 

『済まん!今他の奴は調整中で出せない!嬢ちゃんが持ってきた機体の組立もあるからな!許してくれ!だから今はこいつしか使えないぞ!』

 

えぇ…?どうやら調整中でソードは使えないらしい。だとすると素のままで行くしかない、かと思っていると送られてきたデータを確認し思わず目を疑った。見たことのないものだったからだ。

 

「なんだこれ…いや、今の状況なら理にかなっている…か?」

 

独り言を呟くとマードックさんが痺れを切らしたようで急かしてくる。

が、今の状況ならこのストライカーを使う他手はないだろう。

 

『?嬢ちゃん何か言ったか?急げよ?奴さんは近くだそうだからな!』

 

っと…敵はすぐ来てるんだ迷っている暇はない、ランチャーを使ってシャフトや内壁を壊すのは以ての外だ。

だとするならこの装備しかない。その事を伝えると機材が動き出す。

 

『四番コンテナ開けー!装備は“シャドウストライカー”だ!』

 

マードックさんが指示を出し次々と装備が接続されていく。背中にはスラスターとブースター兼任のダガーの全登頂の半分ほどの大きさ、二対の小さい対艦刀を装備したサブスラスタープラットフォームと両肩と左腕には淡い黒色の装甲が取り付けられていく。そのシルエットはストライクノワールが装備する【ノワールストライカー】に似ていた。

 

ストライクに乗るべきなのだろうが悪いが私は量産機が好きなのでね…最悪ムウさんに乗って貰え。

赤い人も言っていたが「当たらなければどうということはない」だ。

 

次の瞬間にコロニーの外壁が爆破され衝撃が伝わる。

そこからは“六機”のD装備ジンとイージスの姿が…って待て数多くない?

が、しかし一先ずやることは既に決まっているのだから。

 

「艦長!」

 

『ええ。少尉お願い!』

 

機体をカタパルトへ乗せる。ハッチが解放され発進シーケンスが進み『LAUNCH』が点灯した。

私は自らを鼓舞するためにお馴染みの言葉を吐いた。

 

「エアリス・レインズブーケ、“シャドウダガー”、行きますッ!!」

 

次の瞬間リニアカタパルトがスライドし私の乗るダガーから充電ケーブルが勢い良く切り離され戦場へ送り出す。

私はフットペダルを押して飛翔すると同時にブレードスラスターを吹かし目標へ向かったのだった。

 




コメントは頑張って返したいと思いますのでモチベが上がりますのでよろしくお願いします。

作者のガンダム知識はニワカなので間違っていたらスミマセン…
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