花の魔術師もどきと英雄王もどき、神ゲーに挑まんとす 作:ロクデナシな文字書き
ノリと勢いで書いたのでだいぶ乱文ですごめんなさい。あと序盤の怒涛の会話文はただただカオスなことを理解していただければ。
___Fate。それは、ゲームブランドTYPE-MOONによって2004年に発売されたPCゲーム「Fate/stay night」からはじまるシリーズ作品の総称である。
かつては多くの世界を生み出し、多くの人々を魅了してきたそのゲームは___
「マァァァリィィィィンン!!」
「ははは!! すまないね、でもすっごい似合ってるよマイロード!」
「っ! っふふ、マーリンやめて私の腹筋がっ」
「立花は笑うなぁ?! 助けてよっ! あっこら写真撮らないで武蔵ちゃん!」
「大丈夫です、先輩、女装似合ってます、カワイイです!」
「違う、そうじゃないマシューッ!!」
「あの、なんですかこのゲーム。どういう状況ですかあれ」
「新入り?! 希少種だ、囲え囲えー!」
「えっ、ちょ、質問に答」
「うおおお!」
今このフルダイブ型VRで溢れる世界で、とあるVRゲーム内で閉鎖的なコンテンツと化していた。
それも、
***
玄関で突っ立ちながら、呆然とする。
「しかしまた……自腹になるかと思ったけど、まさか彼が用意してくれるとはねぇ」
「ここで大丈夫ですね?」と確認する声が部屋からしたので了承の返事をすれば、私の真横をガタイのいいお兄さんが、大手VR企業のロゴが刻まれた大きな段ボールを複数人で持ち上げて通っていった。
私はただぼんやりと、彼との話を思い出した。
***
何か話をしろだって? ううん、そうだなぁ。私達にまつわる話ならあるけど、どうかな?
ああ、はいはい。話すよ話すよ。それじゃあ___
___ある人々の話をするとしよう。
あるところに、かつて栄えていたとあるゲームシリーズを愛してやまない人々がいた。
だが、そのゲームは今や極めて閉鎖的な旧世代のレトロゲームになってしまった。そのシリーズの新作は次でラスト、しかもそのゲームは余っ程それらを愛している人でないと面白くないときた。
そういうわけで、プレイする人々が減り始める中、そのゲームを愛していた人たちの英才教育を受けて育ってきた若人たち、つまりは第2世代がそのコンテンツに足を踏み入れだした。
そんな彼らの中には、キャラクターと声がそっくりな上に、そのキャラクターを愛している人々がいた。
それで、彼らはゲーム内のキャラクターと成り切る、所謂ロールプレイヤーとなり、その界隈で仲良しこよしで今も暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。___ええ、それだけなのか、
そう言われても、私には今後のことはわからないからねぇ。なんせ今もなお彼らは生きているのだから。というか君が聞いてきたんだろうに。
私もそのキャラクターの一人なのか、って? ああうん、まぁそうだよ。そうだ、今度彼らに会ってみるかい? 君が好きそうな人たちだよ。変な子たちだけどね。
ああそれとも、いっそ君もやってみたらどうだろう。此方側の才能、あると思うんだ。というかもはや本人なんだよね……そうかい、やっぱりだめか。もし出来たら君好みの女の子もいたんだけど。
……え、私と一緒にとあるゲームをやるならいいの?
(ちょっろ)……ううん、なら私からもお願いをしてもいいかい。
出来たら君にも、その君の言うゲームをプレイする時にこのキャラクターになりきってほしいんだ。うん、ぴったりだと思うよ。
……よし、交渉成立だね。それじゃあ、よろしく頼むよ、マスター。
***
ぼんやりと、当時の事を思い出して何とも言えない気持ちになる。
やっぱり彼、リアル王様なんだよなぁ……タダで一番性能の良いチェアー一体型フルダイブシステムを送ってくるとか、本当に彼はどうなっているのだろう。経歴としても大手会社の社長だし、普通に性格も王様だし転生してきてたりしないか。だとしたら私不敬すぎるかな。
「こちらも受け取ってください! じゃあ、失礼します!」
「あ、はい」
王様怖いなぁ、と思考を彼方に飛ばしていると、いつの間にか設置が終わったらしく業者のお兄さんたちが出ていった。渡された小さな段ボールを開けると、そこには例のゲームのパッケージが入っていた。うへぇ、後で買おうと思ってたんだけど、まさかソフトまでくれるとか。
ふぅ、と息をつきながらも段ボールを片手に部屋へと歩き出す。扉を開けて部屋を一瞥すると、デカデカとその存在を主張するVRマシンがいた。雰囲気違いすぎるでしょ、これは。
「ええと、王様に連絡しておこうかな」
取り敢えず届け物が届いた旨をメールで送る。まぁ忙しいらしいし明日までは返事が来ないだろう。先にやるのも怒られるだろうし、アレ、この機器でやってみるかな。
Fateグッズが並べられた棚の中から、私が唯一持っているVRゲームソフトを取り出す。ついでに友人たちにも今からログインするよ、とライ◯を送る。皆に王様ゲットしたって言わなければいけないしね。
「ふぅん……案外大差ないのだねぇ」
新しいVR機器の説明書を念の為読み込んでいると、ポケットに突っ込んでいたスマートフォンからピロン、と軽快な音が鳴った。
既読つけるの早すぎやしないか、と思いつつスマホを手に取ると、ラ◯ンではなくメールによる通知音だったな、とふと思う。さてさて、一体何処のどちら様かな。
件名:とっととやるぞ
差出人:ギルガメッシュ
宛先:マーリン
本文:貴様の言うゲームのキャラクターを確認したぞ。
貴様が「本人」と言いたくなるのも仕方あるまい。あの造形美、威厳、自信。そう言いたくなるのも道理よ。
しかし、たかがゲームのキャラクターになれと。貴様もなかなか大胆なことを言うではないか。フン、まあ
この
貴様がもたついている間に我は既に例のゲームを始めている。くれぐれも遅れてくれるなよ、マーリン?
「お、お、王様だとぅ?!」
思わず声を荒げてしまう。いやいや、待ってくれ。確か王様はFGOの賢王レベルで過労死しそうなくらい忙しい人だぞ?! というか返信早くないか、まだ連絡送ってから十分も経ってないのに。なに、有給でも無理やり取ってきたのか?
慌てて手元のゲーム、Fate/Moon Carnival、通称フェイカを棚へと戻す。一応◯インに急用が入ったので今日はログイン出来ない、もしかしたら暫くできないことを書き込んで皆に送信した。くそぅ、皆に新入り(超大物)を紹介したかったのになぁ。特にマイロード達とかマシュが喜ぶと思う。
例のゲームを手に取り、重要そうな部分だけ説明書を読んでVR機器にセットする。水と栄養の補給を行って、念の為にトイレも済ませる。急げ急げ、王様が待ってるぞ。
最後にもう一度、メールを確認すると王様から来ていた。簡単に言うと「一番最初の森でモンスター狩りながら待ってるから迷子になんなよ」といったもので、どうも無双しているらしい。ゲームでの身体能力も高いのか、やっぱり完璧超人すぎる。さすが王様だぁ。
「さて、じゃあ行くとしようか」
VRチェアーに深く座り込んで目を閉じると、何とも言えない感覚で意識が引っ張られる。よし、シャングリラ・フロンティア、やるぞぅ!
勢いに任せるの楽しい(白目)
時期としてはサンラクとほぼ同時期に始めてます。
Fate/Moon Carnival(通称フェイカ)
fateシリーズ最後の作品。VRゲームに進出し、その最後を迎えた。
プレイヤーがサーヴァント・マスター・一般人・魔術師・カルデアスタッフなどのいずれかのキャラクターを選択し、そのキャラクターとしてロールプレイを行いながら日常を過ごすゲーム。時たまにクエストを行うことも可能(一般人選択者は不可)。しかしながらサーヴァント・マスターに関して、解釈不一致が多数発生、結果としてプレイヤー減り、衰える事態に。最終的に第2世代によって復興されつつあったが、それはそれで変態が多く集いすぎて新規を寄せ付けない閉鎖コンテンツと化した。
ちなみにマーリンもどきの心の声は、一人称は基本私。中の人が私だからね。でもロールプレイに熱中しすぎるとボクになる。