花の魔術師もどきと英雄王もどき、神ゲーに挑まんとす   作:ロクデナシな文字書き

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 実は息抜きで書いてる作品なのでガバがたくさんあると思います。

 ゆるして。



笑い声ほど人の特徴が出るものはない

 

「ほうほうほうほう」

 

 まっさらな空間に、一人ポツンと立ちながらも、私は感心の声を上げた。目の前のキャラメイク画面を見つめて、思わずニヤける。なるほどなるほど。これは私好みの女の子も作れそう……だけど、絶対いつものマーリン姿じゃないと王様に怒られそうだ。お前がロールプレイしろと言ったのになんでお前はしないんだ! って風に言われるだろうなぁ。

 

「職業、ねぇ……まぁ魔法使いだね。しかし剣術をどうするかだが……」

 

 迷いなくジョブを決めつつ、原作再現の方法に思い悩む。剣術ときたら魔法の正反対のジョブになってしまうからねぇ。まぁ後からどうにでもなるし、今は良いかな!

 

「出身ぅ? 魔導の才一択だね。……へぇ、星見の才か、マイロードに似合いそうだ」

 

 ふむ、いつか彼らも誘ってカルデアみたいなクランを作るのも楽しそうだ。多分マイロードが大変だと思うけど。

 

「名前……はマーリン一択」

 

 さて、そろそろ急がないと王様が本格的に怒り出しそうだ。プロローグも確認済みだし、スキップできると有り難いのだけど。

 

 装備やらステータスやらの最終確認を終えて、決定ボタンを押す。すると、プロローグか何かだろうか、文字が流れ出した。スキップ、スキップさせてくれ。もう知ってるのだよこのあたりは。

 

 そう念じていると、目の前に「スキップしますか?」の表示が現れたので、即刻了承する。

 

 ああ、急がないといけないなぁ、と思っていると、瞼が突然重たくなった。ついに、始まるのか。

 

 

 

 さぁ、シャングリラ・フロンティア。君たちのその、美しい物語をボクにも見せておくれ。

 

 

 

***

 

 紙とインクの、なんともいえない素朴な香りが鼻を通る。はてさて、一体ここは何処なのだろうか。

 

 そっと目を開いて見せれば、視界いっぱいに広がる本、本、本。誰かのページを捲る音と、誰かしらが動いた際の衣服の擦れる音だけが、耳に入る。

 

 これはまた、随分と。

 

 ふぅ、とため息を吐きたい衝動を抑えながらもひとまずステータスを確認する。

 

――――――――――――――――――――

PN:マーリン

Lv:1

JOB:魔法使い

3,000マーニ

HP(体力):15

MP(魔力):35

STM (スタミナ):20

STR(筋力):30

DEX(器用):10

AGI(敏捷):10

TEC(技量):10

VIT(耐久力):5

LUC(幸運):5

スキル

・ファイアボール

加算詠唱(アッド・スペル)

幻術(ファントム・アート)

 

 

装備

右:魔法使いの杖

左:なし

頭:魔法使いのフード

胴:魔法使いのローブ

腰:魔法使いのベルト

足:魔法使いの靴

アクセサリー:なし

 

 

出身:魔導の才

――――――――――――――――――――

 

 おまけに持ち物を確認すれば、「魔法使いの指南書」とかいう訳の分からないものまで入っていた。指南書があってどうする、こういうのは自分で考えることが楽しいだろうに。

 

 というか初期スポーンが図書館だとか、魔導の才の影響だろうか。有り難くはあるが、今の私には不都合だ。ただでさえ初めての街でわからないのに、図書館でスポーンとか下手したら迷子になるぞ。

 

 取り敢えず王様に会いに行かないと不味いので、図書館から急ぎ足で出る。急げ急げ、雷が落ちるぞぅ。

 

 道中NPCに情報を聞き込みながら進んでいくと、何やら聞き覚えのある凄まじい笑い声が森の方向から聞こえてくる。うわぁ、分かりやす。というか笑い声本当に大きいなぁ、やっぱり王様すぎるよ彼。

 

「フハハハハ! 我が面前では、群れようが塵同然よ!! さあ、せいぜい足掻いてみせよ、雑種ども!! フハハハハハ!!」

 

「や、やぁギルガメッシュ。流石だね」

 

「む、マーリンか。ようやく来たな。見よ、この光景を! 雑種どもが皆、(オレ)の威光に打たれ、動くことすら叶わぬ!フン、当然よな!」

 

 そうだね、多分皆君のカリスマとヤバさに当てられてドン引きしつつも怖がってるんじゃないかなぁ、と思いつつも、流石に口に出せば怒られそうなので「そうだねぇ」と相槌を打つ。

 

 周りのプレイヤー達がこのままだと余りにも可愛そうなので、取り敢えず森の奥深くへ移動しようと、ギルガメッシュを誘う。見てよ、彼女。恐怖で足が子鹿のように震えてるじゃないか。

 

「ギルガメッシュ、できれば私、もっと森の奥深くを見てみたいのだけど、駄目かな。きっとそれなりに強いモンスターもいると思うし、私もレベリングをしたくてね。どうだろう」

 

「フッ、構わん。……が、励めよ。(オレ)の時間を奪うのだ。せいぜい足を引っ張らぬようにするのだな」

 

 珍しく上機嫌なギルガメシュに少し驚く。なんだ、このゲームそんなに気に入ったのだろうか。だとしたら今後も連れ回されそうだよねぇ。これは本格的にフェイカできなくなるかもなぁ……とほほ。

 

 ありがとね、と口では答えつつも、内心頭を掻く。2人で森の奥深くへと進みつつ、お互いのステータスやらの話になった。あとそれから、パーティーも組んでおいた。

 

「へぇ、ギルガメッシュは弓使いにしたんだ」

 

「貴様が見せたキャラクターがアーチャーだろう? 完全に再現してやるわ」

 

 いやまぁ、確かにそうは言ったけれど……このシャンフロでは厳しいんじゃないだろうか。

 

「……それ本気かい?」

 

「む、なんだ。(オレ)に出来ぬと申すか、マーリン?」

 

「いや、だってほら。ギルガメッシュって『王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)』っていう宝具、つまり武器をバンバン使い捨てに投げる戦い方なのだけど、ここじゃあ再現が難しくないかな」

 

 あれは、Fateというギルガメッシュが原祖の英雄だからこそ出来たものなんだから、単なる一プレイヤーでしか活躍できないシャンフロじゃあ厳しいと思うんだが。

 

 ううん、と頭を悩ませる私に対して、ギルガメシュは上機嫌に笑い声を上げた。

 

「なんと、正に(オレ)ぴったしではないか! フハハハ!! 構わぬ、とくと見よ! 我がその王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)とやらを為して見せようではないか!!」

 

「なんだろう、君なら本当に出来そうなんだけど」

 

 この人相手に悩むのは良くないなこれ。もう何も考えないでおこう。彼は多分英雄王の生まれ変わりかなんかだ。うん。

 

 ははは、ともはや諦めながら歩みを進めていると、草陰ががさりと動いた。良く見てみれば、それは小さな緑肌のモンスターで、ギギッ、と声を上げている。ふむ、ゴブリンかな?

 

「ふむ……マーリンよ。一度貴様に裁定を下してやろうではないか。それ、そこな雑種を蹴散らしてこい。なるべく貴様らしく、な」

 

「ははは、いきなりだねぇ。分かったよ、マイ・マスター」

 

 あいも変わらず人使いの荒い王様だなぁ。苦笑いをしながらも杖を構える。ステータスでスキルは確認済みだし、こんなにも小さなモンスターならワイバーンですら比べ物にならないね。

 

 うん、シャンフロでの初めての戦闘、ちょっと花のお兄さん張り切っちゃう!

 





ワイバーン
フェイカのクエストでしょっちゅう出てくる敵エネミー。もちろんFGOファンは大喜びで大斉唱。

「「「みんな、話の途中だけどワイバーンだ!」」」
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